水星の魔女と地球の悪魔   作:yomiyomi

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第5話「地球寮~その3~」

 

 

 

翌朝__

 

アムロ「...じゃあサポートは頼む。ティル」

 

ティル「.........うん」

 

ニカ「アムロくん!準備できた?」

アムロ「ああ」

 

チュチュ「...チッ。あーしはぜってー謝らねえかんな...」

 

チュチュがアムロをギロリと睨む

ニカ「こら、チュチュ...謝るって約束したでしょ?」

 

アムロ「少しは冷静になれたか?チュチュ」

チュチュ「るっせーッ!お前がスペーシアンの肩なんて持つからだろーが!」

 

ニカ「チュチュ!」

アムロ「僕は誰の敵になったつもりもない。アーシアンにもスペーシアンにも、人間の善し悪しはあるだろ...」

 

チュチュ「っ....!お前はッ!スペーシアン共から差別されて....なんとも思わねぇのか?腹が立たねぇのかよ...!?」 

 

アムロ「腹は...そりゃ立つさ。だからって全てを一緒くたに評価してしまうのは、チュチュが嫌ってるスペーシアンのやり方と一緒じゃないのか?」

 

チュチュはアムロの襟首を掴む

 

チュチュ「.....うるせぇんだよテメェ...!」

チュチュ「あーしらがどんな思いして、この学園にいるか、分って言ってんのかよ!あぁ?」

 

ニカ「ダメ!チュチュ...!」

ヌーノ「だからまた無理だって言ったのに....」

 

アムロに突っかかるチュチュを二人がかりで止めに入る

 

チュチュ「テメェ一発ぶん殴って.....!」

アムロ「ぐっ....」

 

ミオリネ「.....ちょっと、私の婚約者イジメないでもらえる?」

 

そこに現れたのはミオリネとスレッタ。

スレッタ「あっ....!」

 

チュチュ「あぁ?......テメェ、お姫様に助けてもらうなら、うちらの寮に来てんじゃねえぞクソスペーシアン...!」

スレッタ「ひぃっ...!」

 

ミオリネ「....地球寮の子?」

 

チュチュ「あぁ?文句あっかよ」

 

ミオリネ「とりあえず、そいつ離しなさいよ」

アムロ「ミオリネ...」

 

チュチュ「.....チッ」

チュチュはアムロを離す

 

ミオリネ「あなたねぇ...スペーシアンってだけでクソ呼ばわりするの?」

 

ミオリネはフンと鼻を鳴らす

 

ミオリネ「そんなんじゃ、あなたも所詮アーシアンを差別する連中となにも.....「それ以上はいい、ミオリネ」

 

アムロはミオリネの言葉を遮る

 

アムロ「俺が彼女の癪に障る言い方をした...チュチュは悪くない」

 

チュチュ「.......フン」

 

ミオリネ「....はぁ、あんたって本当甘いわ」

 

教官『これから再試験を始める。生徒はデミトレーナーに搭乗して指定の場所に集合』

 

______________________

 

グラウンド

 

 

アムロ「.....よし、頼むぞティル」

 

モニターからティルの様子を確認しすると、ティルは親指を立てて応えてくれる。

 

スレッタ『アムロさん、アムロさん...!』

 

アムロ「ん、通信...スレッタか?」

 

スレッタ『はい!』

アムロ「そろそろ試験だぞ。なにしてる」

 

スレッタ『あの...スポッターの件、ミオリネさんに頼んでくれてありがとうございます』

 

アムロ「ああ...ミオリネのサポートは万全か?」

スレッタ『はい!ミオリネさん、凄く頭が良くって...!』

 

教官『おい、私語は慎め。これより再試験を開始する』

 

教官『L P 041 スレッタ・マーキュリー....スタート』

 

ブザーの音が鳴る

 

スレッタ『はい!』

 

もともと操縦センスが高いスレッタは、難なく地雷原を渡っていく。

 

 

女子生徒「....フフフ」

女子生徒「あの水星女が驚く顔が目に浮かぶわ.....」

 

 

ミオリネ「土壌状況を計算する....あった」

 

ミオリネ『前方右に5度、30メートル先に地雷らしき反応』

 

スレッタ「はい!」

 

ミオリネ「よし.....次、前方10度、18メートル先に反応....右へ」

 

スレッタ『...はい!』

ミオリネ「そのまま真っ直ぐ。あと、地形の変化に注意して!」

 

スレッタ『はい!』

 

そのまま、順調に突破して行くスレッタ....しかし

 

 

スレッタ「.....あ、あれ?」

 

モニターが急に真っ暗になり、スレッタはデミトレーナーの足を止めてしまう

 

ミオリネ『ちょっと、なんで止まるのよ!』

 

スレッタ「それが....メインサイトが真っ暗になっちゃいまして.....」

 

ミオリネ『....真っ暗?』

 

アムロ「....なんで止まってるんだ、スレッタ?」

 

 

女子生徒「「アハハハっ!」」

 

そんなスレッタの様子をみて嘲笑う二人の女子生徒の姿を、チュチュのモニターが捉える

 

チュチュ「あいつら....!」

 

 

ミオリネ『教官、機体トラブルです。試験の中断を願います』

 

教官「駄目だ。事前点検も課題の一つだ」

 

教官に試験中断を要求するが、当然のごとく却下されてしまう。

 

ミオリネ「チッ.....スレッタ。計器の数値で方角を把握して!」

 

スレッタ「え...?」

ミオリネ『換装エリアまでは私が指示する!』

 

スレッタ「は、はい!」

 

ミオリネ『移動方向、左20メートル先に地雷!右よ、右に進んで!』

 

スレッタ「は、はい...右ですね」

 

だが、そこでブザーが、再び鳴る

 

教官「時間切れだ。」

 

スレッタ「え......」

教官『スレッタ・マーキュリー、不合格』

 

スレッタ「あ...ああ...」

 

ミオリネ『リトライお願いします!』

スレッタ「ミオリネ...さん?」

 

ミオリネ『追試はリトライできるのよ。諦めるな!』

 

スレッタ「あっ...はい!」

 

 

アムロ「.....なあ、そこにいるだろヌーノ」

 

アムロからヌーノ宛に通信が入る

 

ヌーノ『なんだアムロ?』 

 

アムロ「スレッタはどうしたんだ?さっきまで順調だったろうに....」

 

ヌーノ『遅効性塗料だよ。....たぶん嫌がらせだな』

 

アムロ「塗料...?それを塗られると、どうなる?」

ヌーノ『メインサイトが真っ黒になって、なにも見えなくなっちまう』

 

アムロ「そんな...落とせないのか?」

 

ヌーノ『あの塗料は簡単には落とせねえよ...水かけたくらいじゃな』

 

アムロ「しかしそれじゃあ...」

 

ヌーノ『今日の追試は...厳しいだろうな』

ミオリネ『うるさい!マイナスなこと言わないでよね!』

 

 

開始のブザーが鳴る

 

ミオリネ『いい?さっきと地雷の位置違うよ。右にルート取って!』

 

スレッタ「はい...!」

 

ミオリネ『機体は自立姿勢制御システムがバランスを取ってくれる、必要以上に不安にならないで』

スレッタ「はい!」

 

 

ニカ『ねえ...なんとか助けてやれない?』

ヌーノ「無理だよ....あれは簡単には落ちないって」

 

ミオリネ「ダメ!行き過ぎ....」

 

爆発音が響く

 

 

教官「スレッタ・マーキュリー、不合格」

 

女子生徒「いえ〜い!」

そんな光景を見て、ハイタッチで喜ぶ女子生徒達

 

アムロ「....あの娘たちは、さっきもドッグにいた....」

 

その喜びようを見て、アムロは確信する

アムロ「......あいつらか」

 

スレッタ『....リトライお願いします!』

 

_______________________________________

_________________________

_____________

______

__

 

 

スレッタ『....くっ』

 

ミオリネ「よし!そのまま真っ直ぐ走って!」

 

ミオリネ「あんたも手伝ってよ!」

ヌーノ「え、えぇ?」

 

 

スレッタはようやく換装エリアに到達した

 

ミオリネ「スレッタ、兵装換えるよ。立って右腕上げて!」

 

アムロ「....いいぞ、スレッタ!」

 

ミオリネ「照準システム、リンク確認。自動修正問題なし、行って!」

 

兵装の換装が完了し、いざ最後の実技へ______

 

ビーッ!

 

 

しかし、残酷にも時間切れのブザーが鳴る

 

教官「...時間切れだ。スレッタ・マーキュリー、不合格」

 

ミオリネ「.....くっ」

 

スレッタ「あ......あ....ぁ」

 

アムロ「....そんな」

 

 

ミオリネ「スレッタ、もう1度行くよ。スタート位置戻って!」

 

チュチュ『おいお姫様』

ミオリネ「.....なに」

 

チュチュ『何回リトライしてんだよ。あーしスタートできないじゃん』

 

ミオリネ「リトライは認められてるでしょ?おとなしく順番待ちなさい」

 

チュチュ『でもよぉ....あーしの前、アムロまでいやがるのにさぁ....』

 

アムロ『俺はいい....スレッタが合格してくれればそれで...』

チュチュ『....ったく、お優しいことで』

 

ミオリネ「ほら、スレッタ」

 

 

スレッタ「..........もう...帰りたいです」

 

ミオリネ「....スレッタ?」

 

スレッタはぽつぽつと話しだす

 

 

スレッタ「一人で学校に来るの....本当は.....すごく怖かったんです.....」

 

スレッタ「決闘もやりたくない.....目立ちたくない......」

 

スレッタ「こんなんじゃ.....こん...なんじゃ.....私」

 

 

スレッタ「卒業....できないでずうぅ......っ.....ゔぅっ.....」

 

 

スレッタのすすり泣く声が、アムロのコックピットに聞こえる

 

アムロ「......スレッタ...」

 

ミオリネ「スレッタ!学校作るんでしょ?期待されてるんでしょ?」

ミオリネ「水星のみんなが送り出してくれて!お守りもらったって...!ここで諦めていいの!?」

 

アムロ「.....っ!」

 

アムロは突然、コックピットを降りる

 

 

スレッタ『でも"っ....私には..... 無理でずぅぅっ......』

ミオリネ「あんたが決めたことよ!戻ってスタート地点に立ちなさい!」

 

スレッタ『ゔぅう〜っ....ひぐっ...』

 

 

女子生徒「あっははは!ホルダー様がみっともねぇの!」

女子生徒「田舎もんはおとなしく引っ込んでろってさぁ!」

 

チュチュ「あいつら.....!.....って、アムロ...?」

 

チュチュのモニターから、女子生徒達の前に立つアムロが見えた

 

女子生徒「......あぁ?んだよアーシアン!」

 

アムロ「....おい、お前たちだな?妨害工作は...」

 

女子生徒「へっ!だからなんだよ、先生にチクるか?どうせお前らアーシアンの言うこと信じてくれる先生なんていないけど」

 

チュチュ「おいコラァ!!」

 

女子生徒「げっ、狂犬....」

 

チュチュ「オメェら今すぐぶっ殺して.....」

 

アムロ「まて、チュチュ。俺に任せてくれ」

 

チュチュ「はぁ.....?」

 

アムロ「なあ、君たち。俺と『賭け』をしないか?」

 

 

女子生徒「......は?」

 

チュチュ「お、おい!お前何言って...」

 

アムロ「簡単さ。俺が負けたら、俺は君たちの言うことをなんでも聞こう」

 

女子生徒「へぇ....なんでもって?」

 

アムロ「なんでもさ、どんなことでもする」

 

女子生徒「じゃあ、仮にあんたが勝ったら?」

 

アムロ「.....もう二度とスレッタや地球寮の皆に危害を加えたり、ちょっかいを出すな....!」

 

チュチュ「....!」

 

女子生徒「ん〜、賭けの内容しだいかなぁ?」

女子生徒「そーそー、くだらねえ賭けだったら、あたしら乗らねぇし」

 

アムロはスレッタが乗っているデミトレーナーを指差して言う。

 

アムロ「俺があれに乗って、一発で試験に合格する.....どうだ?」

 

女子生徒「!」

チュチュ「...なっ!?」

 

ヌーノ「おいアムロ!チュチュ!なにやってんだ!」

チュチュ「まだなにもしてねーよ!」

 

女子生徒達はしばらくひそひそと話し合って、アムロに対して返答する。

 

女子生徒「ああ、いいよ。その賭けのった」

アムロ「....よし」

 

ミオリネ「ちょっとアムロ!あんたなにしてんのよ!」

 

アムロ「ミオリネ、スレッタに機体を俺のと交換するように言ってくれ」

 

ミオリネ「....どういうこと?」

 

女子生徒「私たちはこいつの賭け勝負にのったんだよ。」

女子生徒「だからお姫様は邪魔しないでよね」

 

ミオリネ「はぁ?賭け勝負ですって....!?」

 

 

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