ミオリネ「あんた何勝手に...!」
チュチュ「いま試験中だろ?交代なんてこと、教官が許してくれんのかよ」
ミオリネ「無理よ!あの教官がそんな許可くれるわけないじゃない」
女子生徒「早く相談してみなって。ワンチャン聞き入れてもらえるかもしんないじゃ〜ん?」ニヤ
女子生徒「じゃなきゃ、不戦勝で私らの勝ちだけど?」
アムロ「...やるさ!」
ミオリネ「ちょっと....!」
ミオリネに人差し指を口に当てるジェスチャーで応える
アムロ「.....教官、少しよろしいですか?」
教官『...なんだ、アムロ・レイ?』
アムロ「スレッタ・マーキュリーの機体には妨害工作が施されている可能性があります。」
アムロ「よって、自分の機体と交換を願います」
教官「妨害...どのような?」
アムロ「遅効性塗料です。メインサイトを遮断してます」
アムロ「これではアンフェアです!許可をください」
教官は少し間を置いて応える
教官「.....駄目だ」
アムロ「...なぜです?」
教官「たとえ妨害工作をされていようが、試験直前まで機体を検査しなかったのはスレッタ・マーキュリーの落ち度だ。」
アムロ「では妨害をした者にはなんの落ち度もないと?」
教官「この実技試験はパイロット適切を測るものでもある。機体の変化に敏感でなくてはパイロットなど務まらん....ということだ」
アムロ「そんな理屈で!他人の努力を冒涜する行為を見逃すなんて...!」
教官「アムロ・レイ、それ以上の反抗は許さん。強制失格にされたいか?」
アムロ「........チィっ!」
これ以上の交渉は無理だと判断したアムロは通信を切る
それを見た女子生徒二人は大声を上げて嘲笑う
女子生徒「アハハハっ!ダッセぇの...!」
女子生徒「だから言ったでしょ?お前らみたいな田舎野郎の言うこと聞いてくれる人なんていないんだって!」
女子生徒「自分で醜態晒して、ほんっと情けねぇなアーシアンはさぁ?」
女子生徒「これに懲りたらさっさと地球に帰れってんだよ!」
チュチュ「るせーぞッ!クソスペーシアンが!」
女子生徒「あぁ?なんだと狂犬女が!」
チュチュ「黙れオラァッ!」
ヌーノ「チュチュ...!」
スレッタ「あ....の...」
ミオリネ「スレッタ!」
目を真っ赤にしたスレッタがこちらへやってくる
ミオリネ「とょっと!まだリトライしてるのよ!?あんたが機体降りたら失格に.....!」
教官『スレッタ・マーキュリー、降機したためリトライを放棄したと見なす。』
ミオリネは目を閉じて天を仰ぐ
スレッタ「もう.....今日は.... 無理です」
ミオリネ「いいのね?諦めるの?あんたの夢も、なにもかも!」
スレッタ「........ぐすっ...」
アムロ「スレッタ」
スレッタ「アムロさん...?」
アムロ「よく頑張ったな。凄いじゃないか、地雷原を突破したんだろ?」
スレッタ「ミオリネさんの......おかげです」
アムロ「いい目標をもって
スレッタ「......っ」
アムロ「それはとても大切にしなければならないものだ。こんな事で投げ出しちゃいけない!」
スレッタ「でも....私はもう....不合格で....」
アムロ「まだチャンスはあるはずだ。挽回はその時にすればいいさ」
アムロ(...その機会が来る前に、俺が事を片付ける。)
女子生徒「で?どうすんの?お前の負けでいいわけ?」
アムロ「まだだ....」
女子生徒「は?」
アムロ「ようするに、同じように...メインサイトが
ヌーノ「言ってる意味がよくわかんねぇけど...」
アムロ「チュチュ」
チュチュ「あ?...なんだよ」
アムロ「君にやって欲しいことがある....頼めるか?」
チュチュ「......?」
____________________________
チュチュ『なあ.....お前頭おかしいんじゃねえのか...?』
アムロ「いいから、ひと思いにやってくれ」
ヌーノ「チュチュ!よせって!」
スレッタ「なにしてるんです....?」
ミオリネ「....わかんないわよ、そんなの」
チュチュ『あーしは知らねえからな....!』
チュチュが駆るデミトレーナーは、そのアームをアムロのデミトレーナーの頭部に直撃させる
バリンッ!
スレッタ「ひゃっ!」
ミオリネ「!」
女子生徒達「!?」
アームが当たった頭部のメインサイトは見事なまでに粉々になっていた
教官『おい!なにをしているチュアチュリー・パンランチ!』
チュチュ「え...?あー...すいませーん。ちょっとアームの調子が悪いみたいで...」
教官『....チュアチュリー・パンランチ。妨害行為で失格とする』
チュチュ「なっ!?」
ヌーノ「嘘だろ....!?」
女子生徒「プクク....マジかよ、共食いじゃん!」
チュチュ『おい!アムロテメェッ!』
アムロ「教官、なぜ彼女は不合格なのです?」
教官『機体の故意的な損壊は妨害行為にあたる。当然だ』
アムロ「これは、
教官『......!』
アムロ「スレッタ・マーキュリーに妨害を仕掛けた者を咎めない....しかし、チュアチュリーには罰を与える...」
アムロ「一体どういうことです?なぜ忖度をするのですか」
教官は沈黙する
アムロ「これは俺の問題ですよ...教官」
教官『......何が言いたい』
アムロ「一つは、チュアチュリーの失格を取り消していただきたい。」
アムロ「そしてもう一つ...
チュチュ「なっ!?」
スレッタ「メインサイトが潰れた.....私と同じことをするんですか...!?」
アムロ「どうなのです、教官」
教官『........分かった。チュアチュリー・パンランチ、失格を取り消す』
ヌーノ「.....ホッ」
教官『アムロ・レイ、お前は宣言通りその状態で試験を受けてもらう。取り消しはなしだぞ』
アムロ「...恩に着ます」
アムロはそのままコックピットに乗り込む
アムロ「案内たのむぞティル」
ミオリネ「ちょっと、無茶よ!」
アムロ『さがってろミオリネ...!』
教官『L P 042 アムロ・レイ、スタート』
アムロ「っ!」
アムロは慎重に進むことはせず、勢いを付けて地雷原へ進む。
女子生徒「へぇ〜...あいつマジでやる気だよ」
女子生徒「ハッ!カッコつけやがって...情けない姿バッチリ見ててやる」
ティル『...5度方向...左側...25メートル先に地雷だよ』
アムロ「了解」
1つ目の地雷を難なく躱す
ヌーノ「おぉ......安定してんな....」
視界が見えていないとは思えない安定性を見せるアムロ
女子生徒「フフ....ねぇ、
女子生徒「え〜?でもあれ使っちゃったらあいつ...耳までなくなっちゃうよ〜」
アムロ「次は?」
ティル『次は....右側3度18メートル先...』
突然音声が乱れる
アムロ「?...ティル?通信が乱れてるぞ...?」
ミオリネ「ちょっと、次の指示は?」
ティル「.......通信が....」
ミオリネ「...?ちょっとかして!アムロ?アムロ!」
ミオリネ『...ムロ!...アムロ!』ザザッ
アムロ「なんだこれは....ジャミング?」
ミオリネ「駄目...通信繋がってない!」
ヌーノ「なんで....こんなこと滅多にないぜ.....」
ハッとしたヌーノは女子生徒達の方を見る
女子生徒達はその様子を見てクスクスと嘲笑っていた
女子生徒「ドローンに仕掛けといてよかったよ...電波遮断器!」
女子生徒「あははっ!さぁ、迷子みたいに慌てやがれ...!」
_____________
アムロ「妨害電波?....またあいつらだな!」
目も見えず、頼みの聴覚も断絶.....状況は最悪だが...
アムロ「.....たかがメインサイトが見えないだけだ......続行するぞ」
アムロは止まらずに進む。
ミオリネ「駄目、そろそろ逸れないとまずいわ!」
スレッタ「アムロさん....っ!?」
しかしアムロは避けることをせず、真っ直ぐ進む
アムロ「まだ....まだだ」
アムロ(左右に動いて方向感覚を狂わせたくない。なるべく直進で行くために地雷は直前で避ける....!)
ティル「.....あと5メートル...」
ヌーノ「踏んじまう.....!」
スレッタ「っ!」
ミオリネ「馬鹿っ!」
女子生徒「踏めっ!踏めっ!」
女子生徒「さっさと爆発しろ!」
ティル「......!」
画面上で、アムロ機と地雷が重なった______
アムロ「プレッシャー....ここっ!」
サッ!
アムロは足元の地雷を避けきってみせた。
スレッタ「......え?」
ミオリネ「うそ....なんで」
ヌーノ「い、今....確実に踏んだと思ったぜ...」
女子生徒「チッ.....避けやがった!」
女子生徒「だけど地雷はまだまだある...きっとまぐれだって」
アムロ「....次だ!」
アムロはアクセルを強く踏む
ミオリネ「速度を上げたの?」
ヌーノ「マジかよ....」
アムロ「前にあるな...?」
アムロは目を閉じる。
アムロ(あと3メートル.........ここだッ!)
サッ!
再び地雷を躱す
ティル「........凄い...!」
スレッタ「アムロさん...!」
映像もスポッターもなしに地雷を次々に回避するアムロ
アムロ「ここは...ペダルの感覚が変わった....丘陵だな」
女子生徒「....ねぇ、なんであいつ、普通に動けてんのさ!?」
女子生徒「わ...わかんないよそんなの....っ!」
女子生徒「あれ絶対に見えてるよ!そうでしょ!?」
女子生徒「でもメインサイトはぐちゃぐちゃだし.....」
アムロ「ッ!」
サッ!
アムロ「なんとっ!......坂の途中にもあった...」
アムロ(しかし、地形の変化でも安定して操縦できるな。自立姿勢制御システムのおかげか)
丘を降ってアムロはさらにスパートをかける
アムロ「もうそんなにないはずだ...」
再び目を閉じて、地雷の気配を探る
アムロ(......あった。直線にあと10メートルぐらいか...?)
再び地雷すれすれまで進む
アムロ(.....手前にあるな....ここっ!)
サッ!
最後の地雷もするりと躱してのける
ミオリネ「っ換装エリア!」
ミオリネは再びスクーターに乗って換装エリアへ
スレッタ「すごい.....ほんとに一発で....」
女子生徒「なっ......あ、ありえないって!」
アムロ「よし、越えた...」
アムロは見えない地雷を突破してみせた。
アムロ「....換装エリア、通信聞こえるか?」
ミオリネ『ええ、バッチリよ』
アムロはヘルメットを脱ぎ捨てながら言う
アムロ「ジャミングされた。この射的も俺がなんとかする」
ミオリネ『どこから的が出るかわからないのよ?』
アムロ「やってみるさ」
ミオリネ『...右腕交換...!照準システム、リンク確認した』
ミオリネ『自動修正.....問題なし!』
ミオリネ(本当に...いけるの?)
スレッタ「頑張って....アムロさん!」
ヌーノ「あれは流石に....厳しいんじゃ?」
アムロ「...右、左、真ん中....どこから来る?」
アムロは操縦桿に手を添えて目を閉じる。
アムロ「.........」
アムロ(来るな...?そこっ!)サッ
アムロが方向を換えた瞬間に、標的が地面から姿を現す
ドドドドッ!
ぼん!という衝撃音とともに、標的のライトが赤から青へ変わる。
ミオリネ「なんで分かったの...!?」
アムロ(次....右か!)
再びアムロが的に照準を合わせた瞬間に標的が現れる
ドドドドッ!
ティル「また撃破判定.....」
ヌーノ「まじか......!」
アムロ「最後....!真ん中!」
ドドドドッ!
....ボンっ!
ミオリネ「.....やった」
アムロ「......ふぅ...」
教官『....L P 042 アムロ・レイ、合格』
アムロの合格が通達された。
スレッタ「や、やった....!」
ティル「.....!」
ヌーノ「すっげぇ....」
アムロ「......まだやれるな」
己の手を見てそう呟く
ミオリネ『アムロ、降りてきて』
アムロ「....ああ」
アムロ(...これで彼女らが大人しくなればいいんだが......)
ミオリネ「おつかれ」
アムロ「ああ、サポート助かったよ、ミオリネ」
ミオリネ「.....ねぇ、あんたってさ...魔法使い?」
アムロ「.....はぁ?」
あまりにも突拍子なセリフに気の抜けた声が出る
ミオリネ「だってそうじゃない?...じゃなきゃあんな動き、説明つかないもの」
ミオリネ「見えない地雷を自力で避けたり....的がそこに出てくることが分かってるみたいな動きしたり...」
アムロ「.......あぁ」
ミオリネ「あんたって、もしかして
アムロは自傷気味に微笑む
アムロ「そんなもんじゃないよ...ミオリネ達も訓練すれば出来るようになるさ」
ミオリネ「あんなの無理にきまってんじゃない...!」
女子生徒「.....クソっ!」
女子生徒「キモっ....化け物野郎が....!」
チュチュ「......おい、テメェら」
女子生徒達の後ろに、鬼の形相をしたチュチュが立っていた
女子生徒「....なんだよ」
チュチュ「お前らの負けだ。スレッタに謝れよ」
女子生徒「はぁ?なんで謝るんだよ」
女子生徒「私たちは負けたら謝るなんて一言も言ってないけど?」
チュチュ「あいつは....!沢山の人の想い背負ってここにいるんだっ!それを踏みにじりやがって....!」
女子生徒「ハっ!田舎もん風情が夢だの希望だの...!そんなもんにはなんの価値もねえんだ_________」
バキッ!!
女子生徒「」ばたっ...
女子生徒「!?」
チュチュ「誰の想いも背負ってないヤツが...!邪魔してんじゃねぇーッ!!」
ヌーノ「あのバカっ!」
スレッタ「えぇ...!?」
ティル『....アムロ』
アムロ「ティル!通信戻ったか?」
ティル『チュチュが喧嘩してるから......止めてくる』
アムロ「.....は?」
女子生徒「...っ!なにすんだよッ!」バキッ!
チュチュ「うらァッ!狡いマネしやがって!!」ドスッ!
ヌーノ「ち、チュチュ!」
女子生徒「アーシアンは底辺らしくっ、地べた這いつくばってろよッ!!」
チュチュ「くたばれッ!クソスペーシアンがァァッ!!」
スレッタ「や、やめ...!」
ヌーノ「やめろチュチュ!」
二人の間にスレッタが割って入る
スレッタ「やめっ!やめてくださ....バキッ!
スレッタ「」
ヌーノ「あ!?」
女子生徒「あ....」
チュチュ「_____オラァッ!!」ドカッ!!
女子生徒「」ぱたっ
チュチュ「....はぁ....はぁ....」
アムロ「なにやってる!」
ミオリネ「ちょっと...!」
チュチュ「離せっ!あともう一発ッ!!」
アムロ「やめろ!死んでしまう!」
チュチュ「離せってんだろ!」
その後、駆けつけた教官らによって、チュチュは失格判定を受けた。
__________________
ミオリネ「....で?結局とうなったの?」
スレッタ「ああ...ええっと」
チュチュ「...再試験。...ったく!なんであーしまで...」
チュチュ「てめぇのせいだかんな!」
スレッタ「す...すみません」
アムロ「だが、これであの娘らも手出しできないだろ。次の試験は大丈夫そうだ」
ミオリネ「...そうね」
ニカ「ふふっ....あ、そうだ!」
ヌーノ「?」
ニカ「ねぇスレッタさん。よかったら地球寮に来ない?」
スレッタ「....え?」
ヌーノ「に、ニカ...でも!」
チュチュ「ニカねぇ!」
アムロ「俺はいいと思うよ。人数が多いほうが楽しいしな」
ニカ「でしょ?」
スレッタ「で...でも...」チラ
チュチュ「はぁ?」
スレッタ「うぅ...」
ニカ「ね?チュチュ」
チュチュ「........ふん」
チュチュ「...あーしは一年だけど...寮じゃ先輩だかんね」
プイとそっぽを向くチュチュ
スレッタ「あ...あの」
ニカ「チュチュだよ、名前!」
スレッタ「は、はい。...よろしくお願いします...チュチュ...先輩」
チュチュ「...声が小さい」
スレッタ「よっ!よろしくお願いします!チュチュ先輩っ!」
チュチュ「......はいよ」
ニカ「ようこそ、スレッタさん!」ニコ
6話へ続く
アムロならもっと凄いことしそうですね。