水星の魔女と地球の悪魔   作:yomiyomi

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今回は少し番外編気味です。


第6話「宇宙舞う悪魔~その1~」

 

 

地球

 

 

部下「____お早いお戻りで。少佐」

 

 

?「ああ...今回はメインエンジンの稼働試験だけで切り上げてきた」

 

部下「どうです?RX−02...『ゲラノス』の具合は」

 

?「セーフティを外した分、じゃじゃ馬ではあるが私にはちょうどいいな。気に入ったよ」

 

部下「グラスレー社のMSは型落ちばかりでしたから。しかし、あれだけのMSを製造できる企業がまだ地球にあったとは....」

 

?「レイオニックス社か。まだ小さな企業だが、契約をする価値はあるようだな」

 

 

ルナ「....おかえりなさい。少佐」

 

ルナ・シェーラがその男を出迎える。

 

 

?「ルナ...体調はいいのか?」

 

ルナ「はい、ご心配なく」

男はルナの肩を抱いて呟く

 

?「まだふらついている...無理をするな」

 

ルナ「少佐に是非ご覧になって欲しいものがあって...」

?「では私の部屋に行こう。話ならゆっくり聞く」

 

部下「....ではご希望通り、出力を上げるよう技術部に要請します」

 

?「ああ、頼む」

 

 

___男の自室にて

 

ルナ「申し訳ありません...ミオリネ・レンブランを早く...地球に送らなければいけないのに」

 

?「ヴィクトルのやつがそんなことを言っていたな。...急ぐようなものでもない、気長に機会を待てばいい」

 

ルナ「....ほかの反スペーシアン組織は、まだ少佐のことを遠ざけるのでしょうか...」

 

?「私がスペーシアンだからさ。自分達が散々憎んできた人種と、いきなり同じ釜の飯は食えんだろう?」

 

ルナ「しかし少佐は各地の反スペーシアン組織に助力していらっしゃいます....あの方々は恩知らずです」

 

?「信頼が直ぐに得られては、帰って気味が悪い。これでいいんだ」

 

ルナ「私は...少佐のこと、最初から信じていますよ....?」

 

男はベッドに腰を下ろす

 

 

?「....ルナ....いいか?」

 

ルナ「!....はい」

 

ルナ・シェーラは隣に腰を掛けると、男は彼女の膝に頭を落とす。

 

?「....暖かいな.....」

 

ルナ「ふふ...今日の少佐は、まるでかわいい子供のようです」

 

?「嫌かい?」

ルナ「いいえ。とても嬉しいですよ」

 

?「...私もたまにはこうして、人の暖かさに触れたい時がある...」

 

?「君のような女性が、私には必要だ」

 

ルナ「私は少佐になら....いつでも」

そう言って男の頭を優しく撫でる

 

?「....ああ....ルナ...」スリ…

 

 

ビーッ!ビーッ!

 

 

その時、部屋に設置された通信機が鳴る

 

男は身を起こすと、通信を受けた。

 

?「....私だ。どうした?」

『少佐、日本からです。例の件について話し合いたい....とのことで....』

 

?「『フォルドの夜明け』だな?我々と組んでくれる気になったか」

 

『詳しくは某所で...だそうです。』

 

?「分かった。直ぐに出るぞ」

通信を切って再びジャケットを羽織る

 

ルナ「少佐?」

 

?「出てくる。続きは、また今度にしようか」

 

ルナ「....これを少佐に」

 

ルナ・シェーラは封筒を一つ渡す。

 

?「.....これは?」

ルナ「少佐の探しもの....です」

 

?「探しもの...私のか?」

部下「少佐、車の用意できました」

 

?「ああ...今行く。ルナ、いい子で待っていろ」

 

ルナ「はい...」

 

彼女の頬に一つ、口付けをしてから部屋を後にした。

 

 

________________________________________

 

 

翌日、アスティカシアにて

 

 

地球寮のテレビでは、ある決闘の様子が映されていた。

 

内容は、決闘委員会のメンバーの一人、エラン・ケレスが1on3、一対多による決闘を行っていた

 

チュチュ「3対1とか...なめすぎっしょ」

 

オジェロ「...プライド見せろよダイゴウ寮っ!」

ニカ「また賭けてるの?」

 

アムロ「賭け...?」

 

ニカ「オジェロはいつもこうやって...決闘で賭け事して遊んでるの」

オジェロ「これは遊びじゃないぜ?大穴当てれば金が倍々になって帰ってくるんだ!」

 

アムロ「...で?いくら賭けたんだ?」

オジェロ「エランが負けるほうに20万!」

 

アムロ「お前な...その20万を他に回そうとは思わないのか?」

オジェロ「いいだろ別に!?勝ちゃいいんだ!勝ちゃ...!」

 

ニカ「そう言って勝ったことないくせに...」

オジェロ「うぐっ.....き、今日こそは...!」

 

アムロ(こりゃ、やられるな)

 

アムロもエランの決闘が気になり、テレビを見る

 

アムロ(しかし....いい立ち回りをする。エラン・ケレス....自らを自分の作戦の陽動に使うとは)

 

そうこうしている内に、エランに軍配が上がったことをテレビが教える

 

リリッケ「勝っちゃいましたね」

 

オジェロ「お....俺の20万...」

アムロ「これに懲りたらもうやめるんだな」

 

チュチュ「だっさ...3対1で負けるとか」

 

ミオリネ「...違うわ、エランの作戦通りよ」

 

 

___時刻は夕刻に差し掛かる

 

ニカ「さぁさぁ、オジェロ!ヌーノも!」

ニカ「MSの点検、手伝ってよー!」

 

オジェロ「エランに賭けときゃよかった....」

ヌーノ「だーから大穴狙うなっつったのによ....」

 

ニカ「もう...まだ言ってる」

 

アムロ「俺も手伝うよ、ニカ」

ニカ「本当?助かるなぁ...!」

 

四人はエアリアルの整備に向かう。

 

 

アムロ「....これがエアリアルのフレームか」

 

ニカ「すごい....フレーム動作の最適化にこんな方法があったんだ...」

オジェロ「複雑すぎてわけわかんねぇ....」

 

アムロ「それにしたって、この可動システムは素晴らしいな。アナハイムでもこれは無理だ」

オジェロ「あ...あなはい...?」

 

ニカ「ヌーノ、システム群はどう?」

 

ヌーノ「神業レベルに統合されてるよ....一級エンジニアをどんだけ動員したんだか...」

マルタン「そんな予算、よくあったな...?」

 

ニカ「へぇ.....」

ニカはエアリアルをじいっと見つめる

 

ニカ「...やっぱり君、最高にミステリアスだね...」

 

 

....一方、スレッタはアリヤから占いを受けていた。

 

いくつかの石をパラパラと机上の布に落とす

その中で、真ん中に落ちた石を指してアリヤは言う

 

アリヤ「この石は君のお母さん。とても大きい...」

 

スレッタ「....はい」

アリヤ「でも...お父さんが見えないな」

 

スレッタ「お父さんは...私が小さい頃に死んじゃったって、聞きました」

 

アリヤ「.....気を悪くさせたなら、すまない」

スレッタ「...いえ!」

 

アリヤ「この石は...兄弟とか?」

別の石を指すアリヤ

 

スレッタ「兄弟....いないです」 

アリヤ「うーん....じゃあ、なんだろう...」

 

アムロ「......なにやってるんだ?」

 

スレッタ「アムロさん。いまアリヤさんと占いを...」

 

アムロ「占いか」

アリヤ「君もやってみるかい?」

 

アムロ「ああ、せっかくだし頼むよ」

 

アリヤは再び文字や記号が描かれた布の上に石を落とす

 

 

カラカラカラ...

 

 

アリヤ「....これはアムロのお父さんを指している」

 

アリヤ「君との距離がだいぶ離れているね....」

 

アムロ「あまり仲良くはないからな...俺たちは」

 

スレッタ「アリヤさん....この真ん中に落ちた石はなにを意味するんですか?」

 

布を見ると、一つだけ真ん中に落ちている石がある

 

アリヤ「それは、『アムロに親しい人』を表してる」

 

スレッタ「親しい...ですか?」

 

アリヤ「ああ、ほぼ真ん中にあるから....その人は『とてもアムロと親しい間柄』、ということになるね。」

 

アリヤ「誰か心当たりはあるかい?」

アムロ「いないさ...そんなの」 

 

スレッタ「分かりました...きっとミオリネさんですよ!」

 

アムロ「俺は彼女とそういう関係になるつもりはないぞ。スレッタ...」

 

アリヤ「ふむ.....君が言うように親しさではないとするなら、意味が逆になってしまうね」

アムロ「つまり?」

 

アリヤ「...この石は『親しさ』を意味するものでもあれば、逆に『憎しみ』を意味するものでもある」

 

スレッタ「...え?憎む...ですか?」

 

アムロ「じゃあ、これは俺のことを『死ぬほど憎んでる』...とも取れるわけだな?」

 

アリヤ「裏の意味も含めれば...だけどね」

スレッタ「えぇっ...どうしてアムロさんを...」

 

アムロ「.......俺のことを憎む人間...か。」

 

 

アムロ(俺のことを憎む人間なんて、数が多すぎて分かったもんじゃないだろうが.........)

 

 

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__________

____

 

 

 

地球、某所 

 

 

ルナ・シェーラから受け取った封筒の中身は写真だった

 

?「........アムロ・レイ...」

 

その写真を見て、男は口角を上げる

 

?「やはり貴様も....この世界に来ていたのだな」

 

?「....ララァ・スンの言ったとおりだった。彼女は再び私をアムロ・レイへと導いてくれたのだ......」

 

喫茶の窓際で一人、コーヒーの入ったカップを傾けて呟く

 

部下「.......そろそろ、指定時刻です」

部下が男の席にやってきて、そう伝える

 

?「......そうか」

 

部下「少佐....これを」

部下は、男に拳銃を手渡す

 

?「....(これ)は同胞に向けるものじゃない。そうだろう?」

 

部下「しかし、簡単に信用もできません...!」

 

?「私は、宇宙(そら)のデブリ共を一掃する為にここにいる。それには早いところアーシアンを一体化させねばならん...分かってくれるな?」

 

部下「....失礼...しました」

男に頭を下げ、取り出した銃をしまう。

 

?「.....いや、私などの身を案じてくれる、君のような人間を部下に持てて嬉しいよ」

代金をテーブルに置いて、サングラスをかけ席を離れる

 

部下「......では、ご武運を、少佐」

 

 

赤いジャケットを羽織った男は小さく手を振って喫茶を後にした。

 

 

 

 

 




少し地球の様子にも触れていこうと思いました。
※ルナ・シェーラは17歳という設定です。
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