水星の魔女と地球の悪魔   作:yomiyomi

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第6話「宇宙舞う悪魔~その2~」

 

 

翌日、座学中

 

 

アムロ「.....」

 

クスクス

   クスクス

 クスクス

    クスクス...

 

周囲からひそひそと笑い声が聞こえてくる。

 

....ポト

 

アムロの席に丸まった紙が飛んでくる

 

中にはメッセージが書かれているのだが...

 

『悪魔め』

 

『田舎者』

 

『いい気になるなよ』

 

『早く出ていけ』

 

 

アムロの席には座学中、こういうことは日常的であり、教壇に立つ教員すらもこういった行為を平気で見逃している現状である。

 

アムロ「.......ふぅ」

 

タブレットで授業内容を見るわけだが

その教材のタブレットにも毎秒、毎分。アムロを侮辱するメッセージが届く

 

前や横の席の生徒たちはアムロの反応を見るために定期的に振り返ったりしては、ニヤニヤと下衆な笑みを浮かべている。

 

アムロから幾分か離れた席にスレッタも座っていた。

彼女は座学が終わるごとにアムロの身を案じて心配の声をかけてくれる

 

彼女を見ると、その矛先が彼女に向いていないのは幸いなことなのだと思えてくる。

 

 

授業が終わる。

 

いつもは授業が終われば、さっさと教室を立ち去る。留まっていても良いことなどないからだ。

 

しかし、今日は出入り口がなにやら騒がしい。

 

アムロ「.....なんだ?」

 

エラン「.......やあ、アムロ」

 

そこには決闘委員会のメンバー、エラン・ケレスがいた。

 

アムロ「エラン・ケレス...なんでここに?」

 

エラン「スレッタも....いる?」

 

スレッタ「あ、アムロさん!.......って、え...エランさん!?」

 

タイミングよく彼女もやってくる

 

アムロ「どうしたんだ、こんなところまで?なにか用事でもあるのかい?」

 

エラン「うん.....君たち二人にね」

 

スレッタ「えっ?」

アムロ「僕らにか?」

 

エラン「今度の休日は....暇?」

 

スレッタ「わ、私は大丈夫です!アムロさんは.....?」

アムロ「特に用事はないが....一体なにをするんだよ」

 

エラン「手伝って欲しい事がある....時間は____」

 

彼は時間と場所を指定すると、最後に「MSも一緒に」と伝えて教室を去っていった。

 

アムロ「......しかし御三家が一体なんで俺たちに...」

 

スレッタ「でも、もっとエランさんと仲良くなれますね!」

 

アムロ「...え?...あ、ああ。そうだな」

 

______________________________________

 

 

ベルメリア「....このレイオニックス社製の機体。本当に凄いわ....」

 

モニターにはアムロの駆るRX−03の戦闘時の映像が映っている。

 

ベルメリア「特にコックピットに使われているこのフレーム....パーメットとは全く違うものを含んでいる」

 

ベルメリア「データストームを引き起こさない....New.GUND-ARMとはよく言ったものね。」

 

エラン「........」

 

ベルメリア「そして....」ピッ

 

映像をエアリアルに切り変える

 

ベルメリア「これは、まさに人機一体ってところかしら。重心の軌道グラフが姿勢制御パターンのどれとも一致しない」

 

ベルメリア「反応性も駆動システムのそれに比べて有機的過ぎる。」

 

エラン「.....やはり、身体拡張制御ってこと?」

 

ベルメリア「GUNDフォーマットの理想形ね。」

   

ベルメリア「もっとも、このタスクレベルじゃ、膨大なパーメットの流入でパイロットは即死だけど」

 

エラン「........」

 

ベルメリア「機体性のエアリアルと、安全性のNew.GUND-ARM....これを組み合わせたところに、その理想があるのかしらね....」

 

エラン「....アムロ・レイは、彼はただの人間だった。ただ........」

 

エランは己の手を見つめて言う

 

エラン「....スレッタ・マーキュリーは恐らく強化人士だ」

 

エラン「.....ガンダムに乗るためだけに作られた人間。僕と同じようにね」

 

エランの身体のあちこちが赤く発光しだす

 

ベルメリア「恨み言はやめて...」

エラン「彼女の顔も別人のものだったりして」

 

ベルメリア「.......あなた、ひょっとして...嬉しいの?」

 

エラン「彼女達を調べろと言ったのはあんたたちだろ。.....身体調整が済んだなら学園に戻るよ」

 

ベルメリア「...あの2機と戦う前にファラクトのテストがしたいわ」

 

ベルメリア「事前にもう一回、決闘を取り付けておいて」

 

エラン「......ご命令とあらば」

 

 

______________________________________

 

 

休日

 

 

アムロ「準備は済んだかい?スレッタ」

 

スレッタ「はい!」

 

ニカ「オーライ...そのまま乗せて!」

 

チュチュ「なんだよお前ら、ほんとにその格好で行くんかよ」

リリッケ「ある意味ペアルックですからね!」

 

スレッタ「ち、違いますよ...私とアムロさんもMSを持って行くから....」

 

チュチュ「はん...保護者同伴ってわけか」

 

ニカ「二人とも、コンテナいつでも発進できるよ」

 

アムロ「ああ、ありがとう」

 

スレッタ「皆さん、エアリアルを直していただいて....本当にありがとうございます...!」

 

二人はコンテナに乗込む。

 

ニカ「二人とも、楽しんで来なよ!」

アリヤ「スレッタ、ちゃんとエランの誕生日を聞くんだぞ」

 

スレッタ「はい....!」

 

 

プルルル...

 

アムロの生徒手帳が振動した

 

アムロ「着信...?ミオリネ...?」

 

アムロはいい予感はしなかったが、ミオリネからの着信に耳をあてる。

 

アムロ「.....ミオリネか?」

 

ミオリネ『.....私を差し置いて、スレッタとデートってわけ?』

 

ミオリネのその声色には呆れと少々の怒りが込められていた。

 

アムロ「エランからの頼まれごとに付き合ってるだけだ。べつにデートって訳じゃない」

 

ミオリネ『あのね、御三家は敵なのよ?それなのにあんたもスレッタも.....なんで私の言うことが聞けない訳!?』

 

アムロ「まだそう決まった訳じゃないだろ?」

 

ミオリネ『決まってるのよ!あのマネキン野郎だって、裏で何考えてるか分かったもんじゃないんだからねっ!』

 

アムロ「ミオリネ...!少しは冷静に考えろよ...」

 

ミオリネ『うるさい!この馬鹿っ!』プツッ

 

そこで通話は切れる

 

アムロ「......はぁ」

 

(チェーン...俺は、ダメな男だな...)

 

スレッタ「どうしたんですか?アムロさん」

 

アムロ「....いや、なんでもない。それより、そろそろだろ?」

 

スレッタ「はい!エランさんも待ってくれてると思います。」

 

 

 

女子生徒「ねぇ...なんでエランさんいるの?」

女子生徒「さぁ...」

男子生徒「お前聞いてこいよ」

男子生徒「えぇ...やだよ」

 

エラン「........」

 

いつもは、いないはずの人間がいることでざわめく生徒たちを横目にエランは路線に目を向ける。

 

そこにアムロ達を乗せたコンテナが来る

 

スレッタ「あ.....!え、エランさん!」

 

エラン「...時間通りだね。彼はいる...?」

 

アムロ「ああ、いるぞ。エラン」

 

エラン「うん....じゃあ行こうか」

 

_____________________________

 

 

二人がエランに連れて来られたのは戦術試験区域

 

エラン「....悪いね。僕のザウォートはこの前の決闘で整備中だから」

 

スレッタ「いえ...お手伝いできて...その...嬉しいです!」

 

エラン「試験区域のチェックも決闘委員会の仕事でね」

 

アムロ「その委員会の仕事を、俺たち一般生徒にやらせてもいいのか?」

 

エラン「うん....君たちは信頼できると思ったから」

 

スレッタ「エランさん....」

 

エラン「...アムロ、君はここから順番に周ってほしい。スレッタは僕と反対方向から周ろう」

 

アムロ「分かった」

スレッタ「はい!」

 

 

アムロ「....エラン・ケレスか」

 

アムロは言われた通り、試験区域を周りながら御三家の不思議な少年のことを考える

 

アムロ「なんだろうな...この感覚は」

 

アムロ「あまり考えたくはないが、どうしても嫌な予感がする....」

 

モニターに二人を乗せたエアリアルを捉えながら、自機体を進めた。

 

 

____しばらく順番通りに周り終えてエアリアルの方を確認すると、そのエアリアルからスレッタが降りていく様子が見えた。

 

アムロ「...スレッタ?」

 

ところがエランだけは降機せず、そのままエアリアルに乗って区域の奥のほうへと飛んでいってしまったのだ。

 

アムロも自機を降りてスレッタに話しかける

 

アムロ「スレッタ、どうしてエランがエアリアルに?」

 

スレッタ「.....えっと、エアリアルに一人で乗ってみたいって....」

スレッタ「誕生日...聞かれたくなかったのかな....」

 

アムロ「......」

 

 

 

エラン「....僕なら暴ける。お前がガンダムかどうか」 

 

エラン「_____パーメットスコア....2」

 

エランは、エアリアルと自身の感覚をリンクさせた。

 

エラン「....やはり、これはGUNDフォーマット.....いや、違う」

 

エラン「あの感覚が来ない。脳に手を突っ込まれるような....ざらついた....」

 

ふとエランは自分の腕を確かめる

 

エラン「....!パーメットが反応していない?」

 

エラン「ならば、『呪い』をクリアしているのは.....」

 

 

アムロ「おい、彼...動かないぞ?」

スレッタ「や、やっぱり怒ってるのかな....失礼なことを聞いてしまったんでしょうか....」

 

アムロ「なにを聞いたんだ?」

 

スレッタ「エラン、さんの....誕生日はいつかって」

 

 

 

エラン「...........スレッタ・マーキュリー」

 

エラン「君は......君は、僕とは違う.......ッ!」 

 

 

 

それから少しして、エランはアムロたちのところへ戻ってくる。

 

エラン「........」

 

スレッタ「あ、あの!エランさん...」

 

明らかに以前とは目の色が違う彼がそこにいた。

 

スレッタ「ご...ごめんなさい。誕生日...聞かれたくなかったですか?」

 

エラン「........そんなもの、僕にはない」

 

アムロ「おい、エラン.....?」

スレッタ「お母さんに、教えてもらってないって...ことですか?」

 

 

エラン「......うっとおしいよ、君は」

 

 

スレッタ「......え」

アムロ「!?」

 

エラン「MSが家族?あんなもの、僕には呪いでしかない」

 

エラン「同じだと思ってたのに。僕と君は.....!」

 

 

スレッタ「.........」ツー...

 

スレッタの頬を、雫が一つ伝う。

 

アムロ「エラン!どうしたんだよ一体!」

 

アムロはエランの肩を掴む

 

エラン「離せよ.....アムロ・レイ」

 

アムロ「彼女が何をしたってんだよ?なぜ泣かす必要があった?」

 

エラン「君も全くうっとおしいな...!彼女がどうなろと、もう僕にはなんの関係もない」

 

アムロ「ではなぜ彼女に近付いた?なぜ今日に誘った?何でもかんでも一方的すぎるぞ、エラン・ケレス...!」

 

エラン「.....悪魔には....僕の苦しみなんて分からないさ.....ッ!」

 

アムロ「なにっ?」

 

その時、一機のモビルクラフトがやって来る

 

 

グエル「....ッ!」

 

アムロ「グエル?」

 

グエル「アムロ!?なぜお前まで....!」

 

エラン「......」

グエル「おいエラン、こいつに一体......!」

 

グエルの目には涙を流すスレッタの姿が映った。

 

グエル「.....こいつに何をした?返答次第では...「決闘でもする?」

 

グエル「.....あ?」

 

アムロ「決闘?」

 

エラン「ちょうどいい、グエル・ジェターク」

 

エランの冷たい眼がグエルを捉える

 

 

エラン「君に...決闘を申し込む。」

 

 

 




次回はエラン対グエルです
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