水星の魔女と地球の悪魔   作:yomiyomi

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第1話「導き~その1~」

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『............厶ロ』

 

 

...............ん

 

 

『.......アムロ』

 

 

.......なん、だ.......声が....聞こ...える.....

 

 

『目を覚まして。アムロ』

 

 

アムロ「ララァ.....なのかい?」

 

 

ララァ『...アムロ、アナタにはなにがみえたのかしら?』

 

 

アムロ「僕には....シャアがみえたよ」

 

 

アムロ「シャアの全てを....あの一瞬て感じた」

 

 

ララァ『でも、シャアはアナタを理解してはいないわ』

 

 

アムロ「僕は......なぜシャアが君にしがみついているのかが分かっただけだ」

 

 

ララァ『アナタたちには時間が必要なだけよ』

 

 

アムロ「なんの時間だ.....!そんなものをどんなにかけても、シャアとは分かりあえない。ララァだって......!」

 

 

ララァ『私はアナタ達と繋がっていたい。二人だって、きっと分かりあうときが来るわ』

 

 

アムロ「これ以上シャアを感じるんじゃない!」

 

 

ララァ『遅くはないわ。アナタには戻るべき場所がある』

 

 

ララァはアムロの手をとる

 

 

ララァ『ほらアムロ。みえるわ....もうすぐそこに』

 

 

アムロ「やめろララァ。そうやってきみは僕を弄ぶ!」

 

 

ララァ『私はただ導きたいだけよ』 

ぱっ、とアムロの手を離すララァ

 

 

アムロ「待つんだララァ!」

 

 

ララァ『私もシャアも、()()にいる』

 

 

アムロ「ま、待ってくれ!待ってくれララァ!」

 

 

ララァ『ここなら、アムロにもきっと分かりあえる世界が見えるわ』

 

 

 

アムロ「ララァ!ララァーーー!」

 

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アムロ「ら.....ララァ!」

 

 

パチリと目を覚ますと部屋の天井が見える

 

アムロ「夢.....か。ここは?」

顔を起こして部屋を見るが、家具やらインテリアやら、自分には見に覚えがないものばかりだった

 

アムロ「俺は...助かったのか?ここは病室じゃなさそうだけど....」

 

アムロはベッドから身を起こして辺りを確認する

アムロ「....少し背が縮んだ?」

 

ほんの少し時間を置き、寝起きで朦朧としている頭で今置かれている現状を考える

 

アムロ(ええと、俺はアムロ、アムロ・レイ。.....連邦宇宙軍ロンド・ベル隊所属で....)

 

アムロ(....そうだ。俺は確かνガンダムでアクシズを.....シャアを.....)

 

そういえばあの閃光の刹那に視えたアレは...

 

アムロ「......頭がボーッとしちまってるな。顔でも洗おう」

 

部屋に備え付けられていた洗面台で顔を洗う。

 

アムロ「....ん?」

ふと鏡を見ると写った自分の顔に違和感を覚える

 

アムロ(嘘だろ....。俺の顔、()()()やしないか?)

 

鏡に写った顔はアムロが知っている年相応の顔ではなく、まるで『一年戦争』時の頃のようなまだ稚さが残る顔がそこにはあった

 

アムロ「.....どういうことだ?俺は幻覚でも見ているってのかよ!」

バシャバシャと顔を洗ってタオルで水気を拭う

 

もう一度鏡をみるが、そこには稚いアムロが写るだけだった

アムロ「信じられん....なんでこんな」

 

その時、ララァのことを思い出す。

 

アムロ(ララァが言ってた『戻るべき世界』)

 

アムロ(ここは前の世界ではないって、そういうことなのか?)

 

 

コンコンと誰かが扉をノックする

 

「アムロ、起きているか?」

アムロ(........この声は...)

 

「荷物はまとめたな?早く着替えなさい」

 

扉を開けると、そこにいたのは....

 

 

テム「アムロ、支度はできたか?」

 

 

アムロ「......父、さん」

当の昔に死んだ父、テム・レイがそこにはいた。

 

 

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「到着5分前です。」

 

テム「見なさいアムロ。あれが『アスティカシア高等専門学園』だ。お前が今日から通う学校だぞ」

 

アムロ「アスティカシア....」

 

窓から外を見ると、巨大な建造物が姿を表す

 

アムロ「これが.....学校なのか」

 

船員「到着いたしました。荷物はスタッフが運び入れますので」

テム「ああ、頼むよ。アムロ、早く行くぞ。先生方に会ったらご挨拶をするんだ」

 

アムロ「......」

 

アスティカシア高等専門学園

 

ベネリットグループという巨大複合企業が運営する高等教育機関であり、グループ内に属する企業の御曹司達も在学する。ベネリットグループの社員社員養成学校のようなものである。

 

アムロ(この世界の親父は『レイオニックス社』という企業の代表を務めている)

 

アムロ(なんでも『ベネリットグループ』とやらへ地球企業で今季唯一参入が認められたらしく、俺はそのベネリットが運営する学校に入れられることになっていたらしい。)

 

テム「いいかアムロ、デリング総裁の御厚意で入学させていただいたようなものだ。間違っても問題行動は起こさないようにな」

 

アムロ「......分かってるさ父さん」

アムロ(子供より仕事、か。ここでもそれは変わらないんだな)

 

港を出ると巨大なゲートが姿を表す

そのゲートを越えると駅がある。どうやらモノレールに乗って本校舎まで行くらしい

 

ふと親父を見ると、親父は額から大粒の汗をたらたらと垂らしている

それをハンケチで拭っては「ふぅ...」としきりに深呼吸を繰り返す。

 

別にこの学園が暑いわけじゃない。これほど畏怖の念を抱くような人物との対面を親父は控えているからだ。 

 

テム「アムロ。私はこれからフロントへ行く。お前には在学生さんが付いてくれることになっているから、合流したらどんな勉強をしているか見学させてもらいなさい」

アムロ「場所は?」

 

テム「それに乗って本校舎駅の方まで行けば分かる。『MS整備棟』だ。一人で行けるな?」

アムロ「大丈夫さ、行けるよ」

アムロ(なんだ、MSがあるのか?)

 

テム「いいか?お前は今日からはこの学園で寝起きするんだ。きちんと同じ寮の人たちに挨拶しておけ」

そう言い残すとテムはネクタイを締め直しながら早歩きで再び港へと向かっていった。

 

 

 

移動中...

 

アムロ「凄いな.....!こんなに広いのか」

モノレールの窓から外の景色を見るが、その広大さに目を丸める

アムロ(ここは小惑星一つを丸々作り変えてる訳か。相当な財力だなベネリットグループってのは)

 

 

?「わぁ...!ここが、学校....!」

 

目をキラキラさせながら窓の外を眺める少女がいる

アムロ(あの娘も転入生か?)

 

鮮やかな赤毛に目をやっていると、その少女がちらりとアムロのほうを向いた。

 

アムロ(しまった。ジロジロ見すぎたか)

赤毛の少女「......!〜〜っ!」ペコっ

 

少女はわたわたとしながらもアムロに一礼して、

アムロもそれに応えて手を軽く振ってみる

 

少女は当惑した様子たったが、にこりと微笑み返してくれた。

 

 

そうこうしているとモノレールは本校舎前の駅に着いた。アムロは駅内にあった案内板を見て本校舎を目指す

 

なまで見るとその広大さがよくわかる。

コロニーのような造りだが、天井は恐らくバーチャルシステムで時間ごとに朝、昼、晩と切り替えられるシステムになっているのだろう

 

しばらく歩いて整備棟に着いた。

 

アムロ「ここが、....MS整備棟か。でかいな」

そこは広い荒野のようになっていて、そこを使って生徒達はMSの操縦訓練をしているらしい。

 

男子生徒「ん?お前見ない顔だな。新入生か?」

一人の男子生徒がアムロに話しかける

 

アムロ「俺は今日編入されてきた者なんだが」

 

男子生徒「今日は編入生が2人来るって話だったが、君がそうか」

 

アムロ「ああ、そうだ。それとメカニック科の実習を見学したいんだが。」

 

男子生徒「実習なら今やってるよ。君に付く生徒は....教官に聞けば分かるだろうな」

アムロ「そうか、ありがとう」

 

男子生徒「そうだ、生徒手帳みせてよ」

アムロ「生徒手帳?」

男子生徒「入学する時に貰ったろ?四角くて平べったいヤツだよ」

 

アムロ「これか?」スッ

 

男子生徒「それそれ。ええっと、アムロっていうんだな。メカニック科専攻で.....レイオニックス社?聞いたことない会社だな。」

 

アムロ「親父が地球で始めた会社らしいんだ。俺も良くは知らないんだけどな」

 

男子生徒「........なに?お前まさか、アーシアンかよ」

男子生徒の態度が豹変する

 

男子生徒「チッ、田舎野郎がまた増えんのか」

アムロ「アーシアン?地球出身者のことか?」

 

男子生徒「ここはな?お前らみたいなのが居てもいい場所じゃねえんだよ!」

 

男子生徒は生徒手帳をアムロに投げつける

アムロ「なにするんだ、危ないだろ!」

 

男子生徒「さっさと田舎に帰りやがれ!ここはスペーシアンの場所なんだよ!」

男子生徒は悪態をつきなから足早に去っていってしまった。

 

アムロ「なんなんだ一体....」

 

次の瞬間、警告音のようなもが響いたと同時にバーチャルパネルが地上の青い景色から宇宙空間を思わせる風景に変わる

 

アムロ「今度はなんだ?なにか始まるのか?」

 

上空にはなにやら文字が浮かび上がっていた

 

『グエル・ジェタークVSパーカー・イーストコット』

と書いてある

 

すると建物左側のハッチが開き、2機のMSが姿を表した。

2機は銃器などを撃ち交わしながらフィールドを駆け回る

アムロ「戦闘か!?しかしなぜ学園(ここ)で.....?」

 

『実習中失礼する』

男の声が響く

 

『これは決闘委員会承認した正式な決闘である。』

 

アムロ「決闘だと?」

 

『立会人は、このシャディク・ゼネリが務める。各自、手出し無用に願いたい』 

 

アムロ(ゼネリって言えば...御三家の『グラスレー・ディフェンス・システムズ』の代表がそんな名前だったか。それにジェタークってのも確か御三家だったな)

 

 

「え、あれ....こっち来る?」ザワザワ

 

2機の機体は赤のグエル機がもう片方を押す形で生徒達の方へ向かっている。

 

アムロ(なぜ生徒達の方に向かってるんだ!あのままじゃあ!)

 

 

?「あ.....あぅ」

 

生徒達が逃げる中、一人腰を抜かしている生徒がいた。

モノレールの中で一緒だった赤毛の少女だ

 

アムロ(あの娘はさっきの....!クソっ!)

 

アムロは一機の訓練用MS『デミトレーナー』の方へ走る

 

アムロ「この機体動くか?」

男子生徒「え?そりゃ動くけど....何する気だよ!というか、君だれ!?」

 

2機のMSは少女の十数メートル先まで迫っている。

 

アムロ「すまんがこれ借りるぞ!」

男子生徒「おい!待てって!」

 

生徒の制止をよそにアムロはコックピットに乗り込む。

 

アムロ「エンジンは....ここだな」カチッ

エンジンのけたたましい音が響く。

 

男子生徒「おい止めろ!うわっ!」

アムロ「巻き込まれるぞ!下がるんだ!」

 

アムロ「よし、操作管は...旧式だが連邦のとさほど変わらんな。いいぞ!」

 

しかし、アムロが機体を動かした時にはもう2機が少女の目前まで迫っていた_____。

 

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