水星の魔女と地球の悪魔   作:yomiyomi

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第6話「宇宙舞う悪魔~その3~」

 

 

シャディク「双方、魂の代償をリーブラに」

 

相対する二人の表情は対照的で、猛獣が威嚇するがごとく睨みつけるグエルとスンとした表情のエラン

 

シャディク「決闘者はグエル・ジェタークとエラン・ケレス。場所は戦術試験区域11番、個人戦を採用」

 

シャディク「...異論はないか?」

 

グエル「ああ」

エラン「...異論はない」

 

セセリア「久しぶりっすねぇ、御三家どうしの決闘なんて」

 

シャディク「グエル・ジェターク、君はこの決闘に何を懸ける?」

 

グエル「...こいつがスレッタ・マーキュリーに近付かないことだ。」

 

シャディク「.....へぇ」

シャディクは興味ありげな表情でグエルを見る。

 

スレッタ「そ...そんなの、余計なお世話...です」

 

グエル「お前分かってンのか?こいつは敵だ。御三家なんだぞ?」

 

スレッタ「.....それはあなただって一緒じゃないですか...」

 

グエル「っ俺は......ッ!......チッ」

 

正論をスレッタに突きつけられ、口籠るグエル

 

シャディク「水星ちゃん、これはグエルとエランの決闘だからね。君が口を挟むことはできないよ」

 

スレッタ「です...けど」

 

シャディク「結果が気に入らなければ、次は君が決闘すればいい。この学園はそういうルールで動いてるからね」

 

アムロ「....嫌なルールだな」

 

シャディク「では、エラン・ケレス。君は何を懸ける?」

 

エラン「.......僕は」

 

エランはアムロの方を向く

 

エラン「アムロ・レイ....僕が勝ったら、君と決闘する。」

アムロ「!」

 

スレッタ「え....エランさん...?」

 

アムロ「...なぜ俺なんだ?」

 

エラン「...最初はスレッタでも、君たち両方を同時に相手にしても...どれでもよかった」

 

エラン「でも、アムロ。君を先に仕留めることに決めたよ。......君が一番、鬱陶しいからね.....!」

 

アムロ「......そうかよ」

 

 

シャディク「ālea iacta est(アーレア ヤクタ エスタ)....決闘を承認する」

 

__________________________________

 

 

ジェターク寮のMSハッチが開く

 

カルミ「お、おい!止まれ!」

 

ラウダのディランザが勝手に持ち出されているらしい

 

カルミ「誰がラウダのディランザに乗ってるんだ!」

 

男子生徒「.....それが...」

 

ラウダ『兄さん...!決闘は駄目だ!こんなこと、父さんに知られたら...!』

 

グエル「...勝ちさえすれば父さんだって文句はないはずだ」

 

 

オジェロ「なんでグエルとエランが決闘すんだよ」

 

リリッケ「そんなの決まってるじゃないですかぁ...!ね?スレッタ先輩!」

 

リリッケはスレッタの方を見てニコニコと微笑む

 

スレッタ「いや....そんなんじゃ....」

 

ミオリネ「まぁ、展開としては凄くいいわ。あいつらには潰し合ってもらおうじゃない」

 

チュチュ「お前...性格悪すぎんだろ...」

 

チュチュ「アムロ、お前結婚したら絶対尻に敷かれるぜ」

 

アムロ「....それは否定できないな」

ミオリネ「はぁ?」

 

オジェロ「待てっ、始まるぜ!」

 

 

 

___第11戦術試験区域

 

グエルの乗るディランザが姿を現す

 

グエル「K P 001 グエル・ジェターク。ディランザ、出る!」

 

フェルシー「これまずいっしょ.....」

ペトラ「CEOにばれたら.....」

 

ラウダ「....決闘を止めてください!」

 

ラウダは決闘委員会に直談判を試みる

 

ラウダ「兄さんは決闘を禁止されています!この決闘は無効だ!」

 

セセリア「...グエル先輩はとっくに了承済みっすよ〜?」

 

ラウダ「....くっ」

 

シャディク「悪いねラウダ。俺も、この決闘を見たいんだ」

 

 

ディランザと対になる形でエランの乗るMSも姿を現す。

 

グエル「.....なんだ?」

 

セセリア「あれ...黒いザウォート?」

 

ロウジ「...違いますね、あれは...」

 

 

エラン「K P 002 エラン・ケレス。ファラクト、出る」

 

アムロ「....なんだ?」

 

オジェロ「ペイル寮まで新型かよ!?」

チュチュ「ふん...金持ちが」

 

シャディク『両者、向顔』

 

グエル「...勝敗はMSの性能のみで決まらず」

 

エラン「操縦者の技のみで決まらず」

 

グエル・エラン「「ただ、結果のみが真実」」

 

シャディク『フィックスリリース』

 

 

いきなり仕掛けたのはエラン。地面すれすれに低空飛行しながらアルケビューズでディランザを狙撃しにかかる。

 

グエル「新型も飛行タイプか....だが!」

 

その攻撃に対してディランザも反撃を繰り出す。

飛び上がってからファラクトを下に捉える形で胸部のビームバルカンを連射する

 

しかし、エランはそれを避けつつ遮蔽物となる崖に入って完全にバルカンをシャットアウトした。

 

エラン「....ん」

モニターに警告音が流れる

 

グエル「低重力ならディランザだって...!」

 

ファラクトの上からビームアックスで襲撃。その衝撃で辺りは粉塵が舞う

 

オジェロ「い、いけ!1.4倍!」

 

ヌーノ「....お前ら、あいつによく勝てたよな」

 

アムロ「グエルは...感情をむき出しにして戦うから、MSの動きが鈍ったり次の手が相手に読まれやすい。動き自体は悪くないと思うけどな」

 

ヌーノ「へえ...」

 

マルタン「戦い方が荒すぎるよ...!ほら...静電気を帯びた砂があんなに舞っちゃってさ.....」

 

グエルの暴れ狂うようや戦い方で二人の周辺を粉塵が埋め尽くす

 

エラン「レゴリス....」

 

グエル「....オラァッ!」

 

エランはグエルの強襲を躱して空中へと逃れる

 

グエル「...チッ!」

 

エラン「グエル...ファラクトのテストに付き合ってもらう」

 

グエル「あ?」

 

粉塵の中、赤く光るファラクトがグエルのディランザを捉える。

 

ロウジ「あれは.....ガンダム?」

 

 

エラン「___パーメットスコア......3」

 

ファラクトの体中から、本体の意思に応えるかのように小型ビットが出現する

 

アムロ「またファンネルか...?」

 

小型ビットは無数のレーザーを展開してグエルのディランザを取り囲んだ。

 

グエル「チッ....なんだこれは....!」

 

撃ち落とそうと奮起するグエルだが、ビットから発射されたレーザーが逆にディランザの右脚部とアックスにヒットする

 

グエル「うっ....ダメージか!?」

 

ディランザを後退させるが、レーザーがヒットした箇所が動かなくなってしまった。

 

グエル「なんだ...違うのか?」

 

そんなディランザをエランのファラクトが悠々と狙撃してくるが、グエルは右脚部を引きずりながらもなんとかディランザを動かしてビームを回避する。 

 

そのままファラクトの砲撃を避け続けていると、停止していた右脚部とアックスの機能が回復したことにグエルは気付く

 

グエル「機能が戻った...?これは....」

 

ロウジ「...スタン効果の電磁ビームですか」

 

グエル「こいつもドローンか.....!」

 

ファラクトのビットが再びディランザに襲いかかる

 

グエル「くそっ....!」ダダダダダ

 

グエルもビットから逃げつつファラクト本体をビームライフルで狙い撃つが....

 

ピシュッ.....

 

ビットにライフルを持つ腕を電磁ビームでスタンさせられてしまい、ライフルは崖の下へと落ちていってしまった。

 

グエル「!......だったら...っ!」

 

グエルはビームアックスをフィールドに叩きつけて再び巨大な粉塵を巻き起こす

 

エラン「.....!」

 

そして、その粉塵を隠れ蓑にビットを回避しつつファラクト本体に一気に迫る。

 

グエル「触れさえしなければこんなもの...!」

エラン「...甘いよ」

 

幾多にも張り巡らされた電磁ビームの網を身のこなし一つで躱していく

 

グエル「すり抜けて見せるッ!」

 

グエルは包囲網を次々に突破してモニター正面、ついにファラクト本体を捉える。

 

グエル「見切った!」

 

ディランザにビームサーベルを展開させ、一気に突貫をかける__________

 

 

 

が、ファラクトに届く目前でディランザの動きが停止した

 

グエル「なっ.....!?」

 

次々にビット達が電磁ビームを浴びせられ、ディランザは完全に膝をついてしまった。

 

シャディク「...エランの罠にかかったな」

 

ロウジ「電磁ビームの導電性を利用して、レゴリスを帯電化させましたね。」

ロウジ「関節駆動部に吸着させることで、過負荷状態を引き起こした....そして」

 

ロウジ「その要因を作ったのはグエルさん自身です」

 

 

グエル「クソッ!」

 

そこからは凄惨なものであった

 

エランは直ぐに決着をつけようとはせず、ディランザの右腕を、左腕を、右脚部を、左脚部を....全ての四肢をビームアルケビューズで吹き飛ばす。

 

まるで恨みをぶつけるかのようなエランとファラクトの様子をみた学生達は口を抑えて絶句し、目をそらすしかなかった

 

それは、地球寮の面々も同じである

 

スレッタ「......エラン....さん....」

 

アムロ「......何故ひと思いにやらない...っ」

 

 

ディランザを散々に痛ぶったファラクトは、そのブレードアンテナに手をかけた

 

グエル「.....やめろ」

 

エラン「....ガンダムを倒せるのは」

 

ミキミキミキ...

 

グエル「やめろッ!」

 

エラン「ガンダムだけだ...」

 

 

バキッ!

 

 

エランはへし折ったディランザのアンテナを天に掲げる

 

それと同時にエランの勝利を告げるアナウンスがなされた。

 

 

オジェロ「......外した」

ヌーノ「3倍きたーっ!」

 

アムロの手帳が振動する

 

アムロ「.....エラン・ケレスか」

ミオリネ「え...?」

 

 

エラン『......アムロ・レイ。約束通り、僕と戦ってもらうよ』

 

ミオリネ「戦うって.....あんたまさか!」

 

エラン『アムロが僕との戦闘で懸けるのは、君のMSだ。僕が勝ったらあれを貰う』

 

アムロ「.......」

 

エラン『そして君との決闘が済めば、僕はスレッタ・マーキュリーと決闘をする。』

 

 

アムロ「.....いいだろう。決闘を受ける」

 

 

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