水星の魔女と地球の悪魔   作:yomiyomi

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第6話「宇宙舞う悪魔~その4~」

 

テム『それで...またせがれが決闘を受けたと』

 

プロスペラ「アムロ君も立派な人になりましたね。あの激しい人見知りくんが嘘みたい....」

 

プロスペラはレイオニックス社のテム・レイと連絡を取りあっていた。

 

テム『私も驚いてますよ。ここのところアムロは精神的にかなり成熟しているようでしてね、まるで大人ですよ』

 

プロスペラ「ふふ....親のもとから離れたのがいい起爆剤になったのでしょうね」

 

しばらく、そこから相互に数秒の沈黙があった後、プロスペラの考えているであろう事に関して、テムが口を開く。

 

テム『......エアリアルなら大丈夫です。まだ機会はあるのですから...』

 

プロスペラ「私はね?テム社長。遅すぎる機会なんてものは求めてはいないの」

 

プロスペラ「なるべく早く、『娘』を到達させなければならないのよ?」

 

テム『.......それは』

 

プロスペラ「...この前のCSSの件、とても感謝しているわ。素の彼と戦わせた所で大したものにはなってなかったと思うから」

 

テム『なにより...ですよ』

 

 

プロスペラ「でもね?これ以上アムロ君が娘の邪魔になるのなら...........

 

 

消えてもらうことになっちゃうかも....」

 

 

テム『.....!』ゾッ

 

プロスペラ「....なんて、冗談ですよぉ。テム社長?」

 

テム『....失礼します』

 

 

テムからの通話が切れる。

 

プロスペラ「あら...少し、脅しすぎちゃったかしら?」

 

プロスペラ「....予定より少し遅くなりそうね....本当はもっと、早く自由にしてあげたいのに...」

 

プロスペラは椅子に腰を掛けて息を一つ吐く。

 

 

 

プロスペラ「ああ.......負けてくれないかな、アムロ君」

 

 

_______________________________________

 

 

地球寮

 

 

ミオリネ「....なんで私に一言もなく決闘の約束なんてしてるのよ」

 

アムロ「...僕のことを信じてはくれないのか?ミオリネ」

 

ミオリネ「あんたが負けるってことは、私の負けってことでもあるの。自覚してんの?」

 

アムロ「分かっているよ。僕が敗れたら...君やスレッタにまで迷惑をかけてしまう。負ける気は毛頭ないさ、ミオリネ」

 

半分ほどコーヒーが残った飲みかけのマグカップを机に置いて、アムロは話を続ける。

 

アムロ「....エランに拒絶されたこと、彼女にとってはかなりのショックだったらしい」

 

ミオリネ「スレッタのこと?...御三家なんか信用してひょいひょい付いていくからそういうことになるのよ」

 

アムロ「様子はどうだった?」

 

ミオリネ「けろっとしてるわ。立ち直りは無駄に早いっぽいから」

 

アムロ「そうか.....よかったよ」

 

もう一度マグカップを大きく呷って、中のコーヒーを全て飲み干す

 

ミオリネ「他人の心配するより、自分のことを心配しなさいよ....アムロ」

 

アムロ「ああ、そうするよ」

 

アムロは空になったマグカップを持ってリビングから出る。その後ろ姿を見て、ミオリネは一人呟く

 

ミオリネ「あんた....負けたら絶対許さないからね」

 

 

 

___翌日、決闘委員会

 

 

シャディク「___双方、魂の代償をリーブラに」

 

アムロ「......」

エラン「......」

 

シャディク「決闘者はエラン・ケレスとアムロ・レイ。場所はフロント外注域」

 

アムロ「ん....フロント(ここ)じゃないのか?」

 

シャディク「エラン・ケレス、君はこの決闘に何を懸ける?」

 

エラン「僕が勝ったらアムロ・レイのMSと、スレッタ・マーキュリーへの決闘権を貰う。」

 

アムロ「......」

 

シャディク「アムロ、君は何を懸ける?」

 

アムロ「俺は........」

 

セセリア「あれぇ?なにも懸けないってことでよろしいですかぁ〜?」

 

シャディク「まぁ、待てよ。決闘当日までに決めてくればいいさ....いいだろ?エラン」

 

エラン「...なんでもいいよ」

 

そう言ってエランは去っていった。

 

シャディク「...エランは君のこと、相当嫌ってるみたいだね」

 

アムロ「...俺だって好きじゃないさ」

 

シャディク「ふふ、でも君たち転入生が来てからエランもおかしくてなってる」

 

アムロ「...?」

 

シャディク「魔女に...悪魔。僕も君たちのこと、もっと知りたくなってきたよ....」ニコリ

 

________

________

 

 

ニカ「フロント外宙域?」

 

スレッタ「それって、宇宙でってことですか?」

 

ヌーノ「アムロお前、推進ユニット持ってんの?」

 

アムロ「必要か?そんなもの」

 

マルタン「ま...まずいよ...!ペイル寮のMSは機動力が売りなんだっ!まして新型が相手じゃ.....」

 

マルタンは顔を真っ青にして頭を抱える

 

アリヤ「...あの装備だけじゃ不利だぞ」

 

アムロ「推進ユニット....撃ち落とせばいいだろ」

 

マルタン「あのスピードは流石に無理だよ!」

 

スレッタ「場所を変更...とか、できないんですか?」

リリッケ「決闘の諸条件は決闘委員会の専権事項ですから」

 

オジェロ「....で、とうすんだ?推進ユニットなんて買う金うちにはねえぞ」

 

リリッケ「他の寮から借りるのは?」

チュチュ「あんなぁ、スペーシアンがあーしらに貸してくれる訳ないっしょ」

 

ニカ「うーん.....」

 

 

ピリリリリ....

 

そんな時、アムロの生徒手帳が鳴る。

 

アムロ「....父さん?」

 

テム『アムロか』

アムロ「父さん、なにか?」

 

テム『そこに地球寮の生徒たちはいるな?』

 

アムロはそれを聞いて地球寮の面々を見る

 

スレッタ「?」

 

アムロ「.....いるけど」

テム『では、私の声を皆に聞こえるようにしなさい』

 

アムロはテムに言われた通り、通話のスピーカー機能を使って皆に音声を聞かせる。

 

ニカ「アムロくんのお父さん?」

アムロ「ああ...」

 

テム『地球寮の皆さん、いつも息子が世話になっています。私は地球係企業レイオニックス社のテムという者だ』

 

スレッタ「アムロさんの....お父さん」

 

テム『今、君たちはRX-03の推進ユニットをお探しではないかな?』

 

地球寮の面々は、その言葉を聞いて目を見開く

 

マルタン「えっ!?す、推進ユニット...!?」

オジェロ「なんで知ってんスか!?」

 

テム『訳は追々話そう。今、ちょうどRX-03の機能拡張パーツが出来上がった所でね』

 

アムロ「また見計らったように...」

 

テム『その第一弾として、専用推進ユニットをそちらに送ろうと思っている』

 

ニカ「あ...ありがとうございます!レイCEO」

 

オジェロ「マジかよ!?これで一発問題解決だぜ!」

マルタン「感謝します!レイCEO!なんとお礼を申し上げたらいいか.....」

 

 

テム『ただし.....だ』

 

テムの声色が変わる

 

アムロ「なんだよ、父さん」

 

テム『アムロ、この決闘に負けたら....どうなる?』

 

アムロ「...父さんの自慢のMSが獲られちまうが...」

 

テム『ふむ....しかし、そうなれば我が社は重大な損失を伴うことになってしまう。』

 

マルタン「つまり.....どういうことですか....?」

 

マルタンが恐る恐る聞き返す

 

テム『これを.......見ていただけるかな?』

 

 

テムはアムロの手帳に一つの画像を送る。

そこには『RX-03本機体及び機体強化パーツ一点の建造費用並びに人件費用込む』と書かれた文書の下に、ズラリと数字が記入されていた。

 

マルタン「えっと...ゼロが........5つ、6つ、7つ、8つ、9つ.....あります、けど....」

 

リリッケ「あの.....これって?」

 

テム『アムロが敗北した時に君たちが我が社に支払う機体の賠償金額だよ』

 

 

「はあああああ〜っ!?」

 

 

チュチュ「んだよそれ!?そんなの払える訳ねーだろうがッ!!」

 

ティル「.......わお」

 

マルタン「」失神

 

リリッケ「マルタン先輩!?」

オジェロ「ま、マルタンが失神した!?」

 

アムロ「どういうことだ、親父!」

ニカ「こんな...無茶ですよ!」

 

テム『アムロが決闘に負けなければいいだけのはなしだ。そうだろう?』

 

アムロ「なに?」

 

マルタン「アムロ...!お願いだ!絶対....絶対勝ってくれぇ....っ!!」

 

ヌーノ「...やべぇなこれ、どこの国家予算なんだよ....」

オジェロ「アムロ、お前勝てよ絶対っ...!」

 

チュチュ「おいアムロ!ぜってー勝てよなッ!負けたらお前ぶっ殺すぞ!?」

 

ニカ「皆、落ち着いて...」

 

アムロ「要するに....エラン・ケレスに勝てばいいんだろ?」

 

テム『そういうことだ。アムロ』

 

テム『いきなりの電話失礼した。では、結果を楽しみにしているよ...健闘を祈る、地球寮の皆さん』

 

そう言い終えると、テムは通話を切った。

 

 

通話が終わって、阿鼻叫喚する数名をニカやリリッケがなだめている中で、アムロはスレッタに声をかける。

 

アムロ「スレッタ、少しいいか?」

 

スレッタ「はい!どうしたんですか?」

 

アムロ「じつは決闘の懸け...なんだが。よければ、スレッタの懸けたいものを教えてくれるか?」

 

スレッタ「私の...懸けたいもの、ですか?」

 

アムロ「そうだ。なにかあるなら....だけど」

 

スレッタ「...........では、一つ...懸けたいものがあります」

 

アムロ「それは?」

 

スレッタ「はい....私の、懸けたいものは______」

 

 

_______________________________________

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______________

_______

____

 

 

エラン「.......ぁ」

 

ベルメリア「...起きた?またうなされてたわよ」

 

エラン「....検査に支障はないだろ。...で、結果は」

 

ベルメリア「ええ....次の戦闘は問題ないわ」

 

エラン「....次の次は、持たないってことか」

 

靴を履いて立とうとするエランの前に、一人の男が姿を現す。

 

「.....よう」

 

エラン「......!」

 

エラン・ケレス「久しぶりだね、俺」

 

そこに現れたのは、もう一人のエラン・ケレスであった

 

エラン「.....どうも」

 

エラン・ケレス「相変わらず暗いねぇ...俺の代わりなんだからさ、もうちょっと明るく振る舞ってくれよ?」

 

ベルメリア「エラン様?...どうしてここに?」

 

エラン・ケレス「慰問だよ、慰問」

 

エラン・ケレス「聞いたよ。なんでも、地球から来た悪魔ってやつと決闘するんだろう?」

 

エラン「.....会社の指示だ、別に望んだわけじゃない」

 

エラン・ケレス「まぁそう言うなよ。お前にもご褒美は用意したろ?」

 

エラン・ケレス「花嫁を手に入れれば『もとの顔』に戻れるし、市民ナンバーだって用意する。...嬉しいだろ?」

 

エラン「.....別に」

 

エラン・ケレス「じゃあなんだって身代わりを引き受けたんだ?....こいつが呪いのMSだって知ってるんだろ?」

 

画面に映ったファラクトを指差して言う。

 

エラン「......僕はとっくに、呪われてるよ」

 

 

 

 




次回はアムロ対エランです。
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