ミオリネ「スレッタ!」
アムロ「....エラン・ケレスだと?」
ニューゲン『それでは、改めてご紹介しましょう』
ニューゲンの呼びかけにこたえて、エランが前へ出る
ニューゲン『弊社の誇るMS、ファラクトのパイロット...エラン・ケレス!』
エランが頭を下げると、会場からは大きな拍手が起こる。
カル『....そして、27連勝の学園記録保持者であった前ホルダーを相手に、見事な勝利を挙げました』
カル『現ホルダー、スレッタ・マーキュリーさんです!』
スレッタはいきなり自分の名前が呼ばれ、ドキリとしてエランのほうを見る。そんな彼女にエランは微笑みかけ、前へ出るように促した
スレッタ「........」ドキドキ
内心、スレッタは極度の緊張状態にあった。
もともと人見知りが激しい彼女が、それも百人規模の視線を一身に受ける場に立たされて、平然と挨拶などできるはずがなかった。
スレッタ「あ...ああ....わた....し....」
スレッタ「スッ....ススス....」
____ミオリネ『ほら、背筋を伸ばす!』___
スレッタの脳裏にミオリネの一言が過る
スレッタ「あ....っ」
スレッタは大きく息を吸って....前に出た。
スレッタ「スレッタ・マーキュリーです」
スレッタ「水星から来た私にとって、学園には学びがたくさんで.....じゅ...充実、してます!」
スレッタ「これからも勉強...頑張ります...!」
深く頭を下げたスレッタに対して、会場からは大きな拍手がおくられた。
ニューゲン『ありがとう、スレッタ・マーキュリーさん』
カル『ときに、あなたのMS...とてもユニークですけど』
ネボラ『操縦には複雑な技術を要するのではなくて?』
ゴルネリ『それとも、あなたの才能かしら?』
スレッタ「エアリアルがすごいんです!...エアリアルは子供の頃からずっと一緒だった....」
スレッタ「大切な家族ですから...!」
ニューゲン『家族....すてきなお話ね』
ニューゲンはほんの少し間をおいてから、再び話はじめる
ニューゲン『....では皆様にもう一人、優秀な生徒をご紹介致します』
パッ!
アムロ「っ!」
舞台照明がアムロを照らす
ニカ「アムロくん...?」
カル『先日の戦闘にて我が社のファラクトを、見事に撃破した青年』
カル『アムロ・レイ君です』
アムロに対して取り囲むように、周りから視線と拍手がおくられてくる
ニューゲン『...ときにアムロ君、実はそちらのエラン・ケレスから、先日の決闘中に不思議な感覚があったというお話が』
スレッタ「感覚...?」
エラン「....あのとき一瞬、変な反応があったんだ」
エラン「アムロ君と僕の機体が混線する...みたいな」
アムロ(確かに...あの時にエランと共感する感覚はあった...)
アムロ(だが、なぜそんなことを今...ここで話す必要があるんだ?なにか裏がある気がしてならないが....)
エラン「君もなにか感じたんじゃないのかい?アムロ・レイ」
スレッタ「........」
_____『あなたも、とらわれたヒト....なのね』
スレッタ「.....あっ」
アムロ「...いや、特に感じたことは「ありました...」
アムロの言葉にかぶせるようにして、スレッタが発言する
アムロ「スレッタ...!」
スレッタ「私もあの時、なにかを感じたんです」
ニューゲン『....なるほど、間違いありませんね?』
スレッタ「は...はい!」
ガシュン
スレッタ「えっ....!?」
スレッタが立っていたステージが、更に上へとせり上がった。
ミオリネ「スレッタ!」
ニューゲン『....これで、はっきりしました』
ニューゲン『シン・セー開発公社のMS エアリアル、そしてレイオニックス社のMS...ゼムリア』
ニューゲン『この両機体は.....ガンダムです!』
会場が、大きくざわめく
ミオリネ「なっ....」
アムロ「.....チィ!」
エラン「ガンダムだって...?」
スレッタ「え...ぁ....ち、ちがっ....!」
カル『ご説明します』
カル『弊社のMS、ファラクトがGUNDフォーマットを使用していたと』
ネボラ『決闘委員会、および弊社監査部門からの報告で発覚しました』
ゴルネリ『あの現象は、GUNDフォーマットの相互干渉によって発現するもと断定いたしました』
ニューゲン『ガンダムに反応するのはガンダムだけ』
アムロ「待ってくれ!彼女のMSはあの場所にはなかった。なぜエアリアルまでガンダムだと?」
ニューゲン『....では、こちらをご覧ください』
ステージ奥に設置された巨大なスクリーンに、ある映像が映し出される。
ミオリネ「...あれって」
スレッタ「エアリアル...?」
カル『こちらは、ゼムリアとファラクトの決闘中...例の現象が起きた瞬間の格納庫内の様子です』
格納庫には一つ一つのハッチに監視カメラが設置されており、無論エアリアルの様子も完璧に映されていた。
しばらくは特に変わったところはないまま、十数秒が経過した時であった
スレッタ「え...」
マルタン「見てよ、エアリアルが!」
突然、エアリアルが赤く発光しだしたのである
アムロ「なんの光だ...?」
その発光は数秒間続いたあと、緩やかに消えていった
カル『タイミングや発光時間的に見ても、ゼムリアの引き起こした現象に、エアリアルが共鳴していると見て間違いはないでしょう』
ニューゲン『つまり...エアリアルもガンダムに相違ないのです』
スレッタ「待ってください...!エアリアルもゼムリアも、ガンダムじゃありません!」
ニューゲン『先程お認めになられたではありませんか。あなたご自身が』
スレッタ「ち...違います!」
ヴィム『ガンダムの製造、所持はカテドラルの協約違反だ』
来賓席に座っていたジェターク社CEO、ヴィム・ジェタークが立ち上がり、そう発言する
ヴィム『ペイルはこの責任をどう取る?』
ネボラ『ことの重大さを鑑みて、弊社は機体の廃棄と』
ゴルネリ『当該開発部門の解体をお約束します』
ヴィムはにやりと笑う
ヴィム『であれば...シン・セーもレイオニックスも、同様の処分を受けるべきだな?』
アムロ「...そうか、そういうことかよ...!」
スレッタ「ダメ...ダメです!」
マルタン「そんな...だってこの前は....」
ミオリネ「あいつら...エアリアルもアムロのMSも、一緒に沈めるつもりだ...!」
アムロ「違う!あの光はGUNDフォーマットなんかじゃない!」
ニューゲン『では何だというのです?あの現象がGUNDフォーマットによって引き起こされたものではないと証明する証拠はおありで?』
エラン「待ってよニューゲンCEO」
エラン「彼女たちは自分の機体がガンダムだって知らないんだ。開発者の話を聞くのが筋だ!」
スレッタ「開発者.....あっ...お母さん」
スレッタ「お母さん!お母さん...お母さんっ!」
スレッタは壇上から必死にプロスペラを呼ぶが、本人が姿を現すことはない
ミオリネ「レイCEOは?あの人もいないの...?」
参列者「やはりガンダムだったか」
参列者「これでやつらはおしまいだな...」
参列者「当然だろうな...」
参列者たちが、ヒソヒソと陰口を言い始めている
スレッタ「違います!彼らはガンダムじゃないんです!」
アムロはヴィムに向かって訴える
アムロ「こんな茶番までして...俺たちを追い詰めたいのですか?」
ヴィム『我々はグループの秩序と協約を護らなければならん。例外はなく、ガンダムは排除する』
マルタン「まずいよ、このままじゃ....」
ミオリネ「......っ」
サリウス「...我々ベネリットグループはガンダムを看過しない、そうですね?」
デリング「.......」
スレッタ「お願いです、聞いてください!」
サリウス「ご裁可を、総裁」
デリングは、その腰を上げて自らの裁可を下そうとした_______
ミオリネ「そんなのっ!廃棄なんて絶対にさせないわ!」
凛とした声が、会場に響く
アムロに当てられたスポットライトの下をくぐり、ミオリネはその際にアムロの腕を掴む
アムロ「ミオリネ...?」
ミオリネ「...あんたもついてきて」ボソッ
二人はそのままステージの壇上へと上がる
ミオリネ「あの両機体はペイル社にもジェターク社にも勝った、優秀な機体よ!」
ミオリネ「廃棄するなんてもったいないわ!」
サリウス『ミオリネ様...なぜあなたが』
ミオリネ「決まってるでしょ...」
ミオリネは意を決した表情で告げる
ミオリネ「アムロは私の婚約者で、スレッタは私の親友だからよ!」
アムロ「...!」
スレッタ「...私のこと、し...親友って...」ウル
サリウス『...問題を履き違えていらっしゃるようだ』
サリウス『パイロットの命を奪う非人道兵器を認めるわけにはいきません』
ミオリネ「なぜ?アムロもスレッタもピンピンしてるじゃない。ただ否定して排除することしかできないの?」
サリウス『...排除以外の道があると?』
ミオリネは自分の生徒手帳を係員に渡す
ミオリネ「接続...お願いします」
壇上の巨大スクリーンにミオリネの手帳データを表示させる
ミオリネ「...過去の決算報告からファラクトの機体廃棄と、同開発部門の解体に伴うペイル社の損金を1200億と見積もり...」
ミオリネ「その倍の2400億、これを目標金額とした新規事業のプランをご提案させていただきます...!」
ミオリネ「シン・セー、レイオニックスとペイル社の開発部門をM&Aにより買収し、これらを統合」
ミオリネ「生命の安全を前提に管理、運用を目的とした新会社を設立します!」
先程までせり上がっていたステージが元の位置へと戻り、スレッタは二人のもとに駆け寄った。
スレッタ「ミオリネさん...エアリアルはガンダムじゃ....」
ミオリネ「黙ってて!」
ミオリネ「えと.....その、新会社の名前は......」
ミオリネは手帳をなぞり、文字を書く
『ガンダム』
ニカ「ガン...ダム?」
スクリーンに映し出されたそれを見た参列者たちは、あ然とする
シャディク「ふふっ...」
ヴィム「ガンダムだと.....ふざけるなっ!」
アムロ「おい...もっといい名前なかったのか....?」
ミオリネ「っ、黙っててって言ったでしょ!」
ミオリネ「....皆さんは今、ベネリットグループの業績を立て直す起爆剤を欲しているはず」
ミオリネ「協約の縛りや生命倫理問題は私と会社が引き受けます」
ミオリネ「投資は
静まり返っていた会場が少々ざわめき始める
ミオリネ「この話に価値があると思った方は、『株式会社ガンダム』の設立に...」
ミオリネ「どうか、投資を!」
ミオリネは手帳を高く掲げた。