水星の魔女と地球の悪魔   作:yomiyomi

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第9話「交錯 ~その2~」

 

グラスレー、女子更衣室

 

 

イリーシャ「メイジー...私みんなに迷惑かけないかな?」

 

メイジー「イリーシャは怖がりすぎだって。もっと自分に自信持ちなよ」

 

レネ「___ホントだってぇ〜、今も手ぷるぷるだよ?.....え?祝勝パーティー?みんなで?....絶対だよ?楽しみにしてるからねぇ♪」

 

サビーナ「レネ、決闘直前は通話禁止だ。何度も言わせるな」

 

レネ「......チッ」ピッ

 

エナオ「しかし、地球の悪魔か....その名も頷ける強さらしい」

 

イリーシャ「なんか、怖いなぁ....悪魔なんて」

 

メイジー「大丈夫だってイリーシャ。私たちが皆で悪魔退治しちゃうんだからさ」

 

サビーナ「アムロ・レイ......気に食わんヤツだよ」

 

シャディクから通信が入る

 

シャディク『みんな、いけるか?』

 

サビーナ「私はいつでもいい」

 

メイジー「私も〜!」

 

イリーシャ「私も...いけます」

 

エナオ「ああ.....いけるよ」

 

レネ「ひひッ!...さっさと潰しちゃおうよ!」

 

シャディク『...では各員、ベギルペンデに乗り込んでくれ』

 

全員「「了解!」」

 

 

*  *  *

 

 

マルタン『うう...結局僕が乗るの?』

 

オジェロ「ここで俺の悪運が来たぜ...!」

 

集団戦のメンバーは...アムロ、スレッタ、チュチュ、リリッケ、ティル....それとあと一人

 

これがなかなか決まらず、ついにしびれを切らしたミオリネによってオジェロとマルタンが指名され、じゃんけんでラスト一人を決めることに。

 

その勝負で敗北したマルタンが最後の一枠にはまることになったのである。

 

ヌーノ「寮長の意地、見せてこいよー」

 

マルタン『ひ、他人事だと思ってさ!』

 

オジェロ「ガンダムじゃねえだけマシだろ?」

 

リリッケ『大丈夫ですよ!私もいますから』

 

スレッタ『それにガンダムに乗っても死んだりなんかしませんよ!』

 

ミオリネ「いい?アムロを中心として隊列を組むのよ。」

 

チュチュ『....なんであーしが後方支援なんだよ』

 

ミオリネ「そのMSじゃ性能的に真正面から殴り合うのは無理だから」

 

チュチュ『あぁ?オンボロだって言いてぇのかよ!』

 

ニカ「こらチュチュ」

 

ミオリネ「チュチュのデミトレは遠距離、エアリアルとゼムリアで各個撃破、ザウォート3機はその支援」

 

ミオリネ『いい?アムロ、あんたがリーダー機なんだからね』

 

アムロ「わかってるよ。兎に角、一発も喰らわなければいいんだな?」

 

ミオリネ『そういうこと』

 

ヌーノ『ぜってー無理だってそんなの』

 

ミオリネ『こいつならできるわよ』

 

アムロ「ああ...やってみるさ」

 

各員操縦桿をもち、決戦直前の独特な雰囲気がコックピットを満たす。

 

スレッタ「私が前衛でいいんですか?」

 

ミオリネ『相手はパイロット科の成績上位組、あんたが前に出てアムロと挟むのよ。攻守兼任もあんたら前線2人にかかってる』

 

ミオリネ『もしヤバくなったらマルタン達を盾にして!』

 

ニカ『えっ?』

 

スレッタ「わかりました!」

 

マルタン「あぁ....僕は盾なんだね....」

 

オジェロ「うわぁ....鬼畜かよお前ら」

 

 

アリヤ「......時間だ」

 

ミオリネ「発進よ!」

 

アリヤ『全機、発進を許可』

 

皆、操縦桿を強く握る。

 

ティル「........ 発進するよ」

 

チュチュ「よし.....いっちょブチかますぜ!」

 

リリッケ「頑張りましょ〜!」

 

スレッタ「絶対に勝ちましょうね、アムロさん!」

 

アムロ「勿論だ」

 

マルタン「......やっぱり乗りたくなかったぁぁ....」

 

ティルを先頭に次々と、彼らとMSを乗せたコンテナが発進して行く

 

 

アリヤ『.....スレッタ、発進完了。最後はアムロだ』

 

アムロ「よし、発進する」

 

アムロがコンテナ発進のための遠隔装置を作動させようと手を伸ばした________その時

 

 

ビーッ!ビーッ!

 

 

突然の警告音と共にゼムリアのコックピット内が赤い警告灯に切り替わる

 

それはミオリネたちがいる管制室も同じであった。

 

アリヤ「.....なんだ?」

 

オジェロ「お、おい!なんだよこりゃあ...!?」

 

ニカ「警告って、なんの?」

 

AI『ただいま運用レーン上にて予期せぬトラブルが発見されました。レーンを封鎖し問題をクリアしますので、それまではレールの運用をやめてください。』

 

ミオリネ「レーンを封鎖...ですって!?」

 

ミオリネ「ヌーノ!警告出てるのうちのレーンだけなの?調べて早く!」

 

ヌーノ「今やってるって...!」

 

オジェロ「なぁ、修復っていつまでかかるんだ?決闘が始まっちまうよ!」

 

ミオリネ「うるさい!そんなの分かってるわよ」

 

アリヤ「アムロ...聞こえるかい?」

 

アリヤが通信をコックピットに繋ぐ

 

アムロ『ああ、聞こえてる』

 

アリヤ「君の方からコンテナの射出はできないか?」

 

アムロ『....無理だ。下の車輪そのものがAIにストップされてる』

 

ミオリネ「アムロ!コンテナから出て、自力で戦術試験区域に向かうのよ!」

 

ヌーノ「復旧モードじゃ試験区域のハッチも閉じちまうんだ。自力であれを開けるのは無理だよ...」

 

ニカ「そんな.....なんとかならないの?」

 

オジェロ「全部のレーンも復旧モードに移行しちゃってんだ、いったん地上に運んで外のモノレールを使うしかないぞ?」

 

ミオリネ「ダメよ、そんなの時間がかかり過ぎるわ」

 

アムロ『俺は戦術試験区域のハッチに向かう。なにかの拍子に開いてくれるかもしれない』

 

ミオリネ「分かったわ、私は決闘委員会に掛け合う」

 

ミオリネは手帳から決闘の立会人、ラウダに電話を繋ぐ

 

耳に端末を押し付けるミオリネの額を一粒の汗が流れる。

 

数コールあとにラウダが通話に出た。

 

 

ラウダ『......なにか?』

 

ミオリネ「ちょっと、どういうことよ!」

 

ラウダ『なにがだ?』

 

ミオリネ「AIがレーンを塞いでる。今すぐに復旧モードを解除しなさい!」

 

端末の向こうでラウダが鼻を鳴らす 

 

ラウダ『レールのAIはフロント管理社の管轄だ。残念だが決闘委員会にはどうすることもできない』

 

ミオリネ「決闘の事前点検はアンタらの仕事なんでしょ!?」

 

ラウダ『点検時点では問題は確認されていなかった。僕らに出来ることはなにもない』

 

ミオリネ「まさか......あんたシャディクと....」

 

ラウダ『.....君と長話なんて御免だよ、僕は失礼する』

 

ミオリネ「逃げる気?やっぱりシャディクと繋がって______」プツッ

 

そこで通話は途切れる

 

 

ミオリネ「.......やられたわ」

 

ミオリネは天を仰いで深くため息をつく

 

ニカ「どういうこと?」

 

ミオリネ「....おかしいと思わない? スレッタ達5人は問題なく発進できたのに、アムロの時だけ足止めをくらう...」

 

ミオリネ「アムロはシャディクたちにとっては一番警戒しなきゃいけないパイロットよ?オマケにリーダー機だしね」

 

アリヤ「......まさか」

 

ミオリネ「シャディクよ。あいつがAIに誤作動を起こさせてアムロを戦術試験区域に送らせないようにしたの」

 

ヌーノ「そこまでするかよ...」

 

ニカ「そんな....ひどいよそんなこと...っ!」

 

オジェロ「フロント社管轄の整備AIをどうやってイジったんだ?」

 

ミオリネ「シャディク(あいつ)は御三家で頭も回るヤツよ。それなりのコネも持ってるしね、きっと管理社の上部に直前取り合ったんでしょ...」

 

ミオリネの手が小さくわななく

 

アリヤ「まずい...アムロがいないと戦力差は6対5。単純な戦術でも相手に遅れをとらざるを得ないな...」

 

ヌーノ「うちの戦術はアムロありきで考えてるからなぁ.....大貧民でいうとこの“ジョーカー”なんだよ、アムロは」

 

オジェロ「どうすんだよ姫さん....!」

 

管制室中の目線がミオリネに集まる

 

ミオリネ「..........」

 

 

*  *  *

 

 

決闘において、学園でも最も人気を集める寮はと学生たちに問えばグラスレーと答えるだろう。

 

その整った顔立ちと紳士的な性格で女子からの圧倒的な人気を誇るシャディク・ゼネリを筆頭に、男女双方(特に女子)から強い人気を集める右腕サビーナ・ファルディン

 

明るい性格で友達想いのメイジー・メイ、ふんわり系で庇護欲(ひごよく)をわかせるイリーシャ・プラノ

 

ミステリアスでクールビューティーなパイロット科3年、エナオ・ジャズ、この3名はともに男子からの根強い人気を誇る。

 

レネ・コスタ...異性を魅了する活発さと自らのファンを大切にするアイドル気質な彼女は中でも、なにか宗教じみた凄まじい男子人気を誇る。ファンクラブの人数もシャディク組の中ではダントツだろう

 

そんな注目を集める彼らの乗るMSが、決闘の舞台である第4戦術試験区域に到着する。

 

オペレーター『周囲に脅威となるものなし、発進を許可する』

 

サビーナ「了解した」

 

各員操縦桿を握る。

 

サビーナ「 K P 014 サビーナ・ファルディン」

 

イリーシャ「L P 012 イリーシャ・プラノ」

 

メイジー「L P 011 メイジー・メイ」

 

レネ「L P 013 レネ・コスタ」

 

エナオ「K P 015 ...エナオ・ジャズ」

 

シャディク「K P 003 シャディク・ゼネリ_____出る。」

 

シャディクの言葉とともに6名全員の駆るMSがコンテナからその姿を現す

 

 

一方地球寮

 

先にフィールドに到着していた5名にもコンテナレールが復旧モードに切り替わったことが通達される。

 

マルタン「そんな....なんでこんなタイミングで!?まずいよ!もうすぐ決闘が始まっちゃうのに...っ!」

 

リリッケ「アムロ先輩...来れなくなっちゃったってことですか....?」

 

チュチュ「ふざけんなッ!あーしらが通ったときにはなんもなかったじゃねーか!」

 

チュチュはライフルを抱えてレールに向かおうとする。

 

チュチュ「あんな扉あーしがぶっ壊してやる!」

 

リリッケ「チュチュ落ち着いて〜!」

 

スレッタ「私たち、アムロさん抜きで戦わなくちゃいけないんでしょうか.....」

 

マルタン「うう...無理だよ...!エース不在でしかも相手より一人少ないだなんてっ!」

 

その時、その場の全員に対して通達がある

 

ミオリネ『皆、聞こえる?』

 

スレッタ「ミオリネさん!」

 

マルタン「ミオリネ、まずいよ!アムロが......!」

 

ミオリネ『やられたわ。AIの誤作動はシャディクの仕業よ...このままじゃ間に合わない』

 

スレッタ「そんな....」

 

チュチュ「ちょっとまて、全部あのクソスペチャラ男野郎の仕業なのかよッ!」

 

ミオリネ『スレッタ、あんたがリーダー機をやって。戦術を変えるわ』

 

ミオリネは不在のアムロに変わり、スレッタをリーダー機に指定する

 

マルタン「リーダー機を変更...ってことは」

 

ミオリネ『....戦闘はアムロ無しでやる。エアリアルは前線、ザウォート3機でスレッタの援護よ』

 

チュチュ「.....あーしは」

 

ミオリネ『チュチュは前と同じ。遠距離からの援護射撃』

 

チュチュ「チッ、やっぱ後方支援かよ」

 

ミオリネ『いい?スレッタ、アムロは必ず来るわ。それまでリーダー機であるアンタだけは生き残って!』

 

スレッタ「わ...わかりました!私、今だけは...に、逃げますっ!」

 

 

 

シャディク組Side

 

メイジー「んー?相手、一人少なくない?」

 

イリーシャ「....本当だ。どうしたんだろう」

 

エナオ「いないのは....アムロ・レイだ」

 

レネ「さぁね、怖くて逃げ出したんじゃな〜い?」

 

サビーナ「機体に不具合でも起こったか?」

 

シャディク「いや....彼は来ないよ」

 

 

サビーナ「....どういうことだ?シャディク」

 

シャディク「アムロには自分の全てを奪われていくところを、指をくわえて見ていてもらうさ」

 

サビーナ「そんなことをしなくとも私たちは勝てるというのに....よかったのか?」

 

シャディク「これが彼に相応しい結末だ。そう思わないか?」

 

サビーナ「......お前がそう言うなら、私はそれに従おう」

 

シャディク「ありがとう、サビーナ」

 

にっこりと満面の笑みを画面の向こうにいるサビーナに返すが、その内心ではアムロ・レイに対して嘲り笑うもう一人の自分がいる。

 

シャディク(ミオリネは...俺が貰うぞ、アムロ...!)

 

 




次回から戦闘開始です。
(ミオリネのアムロに対する信頼度も若干上がってる.....ような)
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