ベネリットグループ・フロント____
テム「レイオニックス社CEOのテムです。我が社は本日よりベネリットグループに参入する運びになりました」
テム「ご期待には必ずお応えいたします。よろしくお願いいたします。」
テムは長机の重鎮達に対し、
画面が切れたと同時に着信があった
秘書「社長、お電話です。....シン・セー社から」
テム「こんなときにか?繋いでくれ」
ピッ
『もしもし?画面越しなら、わざわざそんなところまで出向かなくてもよかったんじゃないですか?』
テム「誠意は嘘でも見せておくべきだと思いましたのでね。それで要件は?珍しいじゃないですか、貴女からのご連絡とは」
プロスペラ『ええ少し。学園の方で面白いことが起こっているらしいんですよ』
テム「アスティカシアで?なんです?」
プロスペラ『アムロ君....ご子息がジェターク社の御曹子と決闘をするそうで。』
テム『....なぜそんな事に?」
プロスペラ『なんでも総裁のお姫様を庇ってのことだと。随分と立派になられたんですね、アムロ君』
テム「アムロが?....そんな馬鹿な」
プロスペラ『本当ですよ』
テム「しかし、息子はそんなに強い男じゃありませんがね....」
プロスペラ『あらあら、少しはアムロ君の成長を認めてあげないと』
テム「にしても...少々展開が早すぎますな」
プロスペラ『いいえ、むしろこれは好都合ですよ』
プロスペラ『レイオニックス社のMSをエアリアルの隠れ蓑にしていただく上で、これは絶好の機会です。』
テム「.....私は貴女の隠れ蓑になった覚えはありませんよ」
プロスペラ『おっと.....失敬しました』クス
テム「......しかし、少々早いですがこれは私にとってもいい機会ではあります」
プロスペラ『レイオニックス社製のMSにも、なにやら『不思議な力』があると聞きましたが?』
テム「.....ええ、CSSと言って初心者でもある程度は戦闘行動が取れるようになっています」
プロスペラ『なるほど.....それはまた、興味深いです』
プロスペラ『で?それをアムロ君で試すのですね?』
テム「ええ....そうですとも」
テムは俯いて答える。
プロスペラ『ふふ....貴方も私も、所詮は同じ穴の狢ですねぇ』
テム「私は『復讐』のために息子を利用するのではありませんよ....!」
プロスペラ『それは戦争の道具造りに利用したって同じことですわ』
テム「.....ッ!私が創るMSはそんなものではないのです!」
テムは端末に向かって咆える
プロスペラ『あらあら......まぁ、兎にも角にもこの決闘に勝たなければお互い次へは進めませんから』
テム「......分かりました。今すぐ運ぶよう伝えます」
プロスペラ『はい。ではそのように』
プロスペラは通話を切る。
秘書「社長、どうしましょう」
テム「送るように言ってくれ。こうなった以上、我々も賭けるしかあるまい....」
テムは窓からアスティカシアの方を向いて呟く
テム「アムロ....うまく使えよ....」
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アスティカシア
アムロ「そうだ、スレッタ」
スレッタ「は、はい!なんですか....?」
アムロはポケットからスレッタの生徒手帳を取り出す。
アムロ「これ落としてたよ」
スレッタ「っあ!あのっ!あのあの....っ、ありがとうございますっ!」
ミオリネ「ちょっとあんた!なに勝手に首突っ込んでるのよ!」
アムロ「分かってるさ、大人気ないとは思ってるよ。たが.....」
ミオリネ「うるさいっ!これは私の問題なのっ!部外者のあんたが勝手に決めないでよ!」
スレッタ「そ、そんな......あ、アムロさんはただ...」
ミオリネ「それとスレッタ。あんた、ちょっと付き合って」
スレッタ「へ....?付き合うって....なにに、ですか?」
ミオリネ「いいから。少し付いてきて!」
スレッタ「えぇ....ち、ちょっとぉ....」ズルズル
ミオリネはスレッタを半ば強引に連れてどこかへ行ってしまった。
その後、アムロはしばらくベンチに座っていた
アムロ「.....ふぅ」
アムロ(決闘か....。そう考えると、自分のMSを用意しておくべきだった)
生徒手帳が震える
アムロ「ん.....なんだ着信?」ピリリ
ピッ
テム『...アムロか?』
アムロ「父さん?」
電話の相手は父、テムだ
テム『問題行動はするなと言ったはずだが?』
アムロ「どこからそれを.......いや...すまなかったよ、父さん」
テム『....まぁいい、今からそちらに一機のMSが届くだろう。お前はそれに乗れ』
アムロ「MSが?.....随分とタイミングがいいんだね」
テム『いかんせん機体構造が複雑でな。元々少し遅れで学園に到着するように手筈してあったのだ』
アムロ(レイオニックス社はあくまで民間向けの電子製品の開発をするような会社だと聞いた......。とても戦闘用MSを1から建設できるような設備はない....はずだが)
テム『その機体には戦闘補助システムが導入されている。まだ試験段階ではあるが、MS操縦未経験のお前でもある程度は戦えるだろう』
アムロ「.....そんなものまで?」
その時、格納庫のハッチが開く
メカニック科生「えーっと、これは3番ハッチに格納してくれ」
MSが一つ格納庫に運ばれて来たようだ。
アムロ「そのMS、誰の?」
メカニック科生「アムロ・レイって生徒のだけど」
テム『今、着いたみたいだな』
テムが通話口でそう呟く
アムロ「アムロ・レイは俺だ。今からこれを至急第13戦術試験区域に運びたい。いきなりですまんが頼めるか?」
メカニック科生1 「は、はぁ?なんでいきなり...」
アムロ「決闘なんだ。よろしく頼む」
メカニック科生1「あ、ああ....おい!この機体をキャリアへ!それから1番ゲート!」
メカニック科生2「え?今ですか?」
メカニック科生1「決闘だよ!」
アムロは機体を移動させるため、コンテナの中へ入る。
アムロ「...暗いな、ライトを....」
薄暗いコンテナの中をライトで照らすと、MSがその姿を表した
アムロ「これは....」
アムロはそのMSを見て目を丸める
アムロ「『リ・ガズィ』....だって!?」
アムロの前に姿を表したのは、自らの設計機でもあり、搭乗機体でもあったリ・ガズィだった。
アムロ(まさか....しかし、なぜ...)
アムロは四方からその機体を眺めるが、頭部から足先まで、自作機のそれと全く一緒である
テム『それが、我がレイオニックス社の総力を結集した機体、「New.GUND-ARM (ニュー・ガンダム)」だよ』
アムロ「ニューガンダム....」
テム『GUNDフォーマットに頼らずとも機体の制御を可能にした最新技術を取り込んである。まだ議会で承認はされていないが、これはGUND-ARMに代わるものになると....そう思っている』
メカニック科生1「おい、発進するぞ。機体動かせるか?」
アムロ「ああ、今すぐ「まっ、待って...くださいぃ....!」
アムロの元にスレッタが駆け寄ってくる。
アムロ「スレッタ...?」
メカニック科1「おい君!危ないから離れて!」
スレッタ「おっ、お...お願いですっ!私ものせ、乗せてっ.....!」
アムロ「スレッタ?ミオリネは一緒じゃないのか」
スレッタ「アムロさんっ!私も連れて行ってください!」
メカニック科生1「はぁ?」
アムロ「それは....なぜ?」
スレッタ「じ、実は....ミオリネさんが.....」
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第13戦術試験区域
『戦術試験区域の環境設定情報入手。』
『コリオリ補正問題なし』
『バイオインフォ識別完了』
『パーメットリンク良好。』
グエル「K P 001 グエル・ジェターク、ディランザ出るぞ!」
グエルの駆るディランザは砂埃を立ててフィールドへ着地する。
ラウダ『だけど、アーシアンなんかの決闘を受けるなんて』
グエル「ハン、朝は粘られたが今回は瞬殺してやるさ。」
グエル「俺はドミニコスのエースになる男なんだからな」
コックピット内に通知音が響く
グエル「来たかパーマ野郎........」
しかし、そこに現れたのはスレッタの搭乗機、エアリアルだった。
グエル「む....おいラウダ、奴にはデミトレーナーを与えたんじゃなかったのかよ」
ラウダ『い、いや....確かに指定した機体を格納庫に入れた筈....』
グエル「じゃあ何故違う機体に乗ってるんだ!」
シャディク『これより双方の同意の元、決闘を執り行う。』
シャディク『勝敗は通常通り、相手MSのブレードアンテナを折ったものの勝利とする』
『両者、向顔』
その画面に写った人物はアムロでも、スレッタでもなく.......
ミオリネ「.....。」
グエル「!.....なんのつもりだ?ミオリネ」
ミオリネ「....なんだってみんなが勝手に決めるの....」
ミオリネ「これは....これは私のケンカよ!」
グエル「生意気な女だ.....!」
グエル「いいさ、お前じゃ俺には勝てないって分からせてやる」
シャディク『グエル、決闘相手の変更を了承するのか?』
グエル「あぁ.....了承する」
グエル「勝敗はMSの性能のみで決まらず...」
ミオリネ「操縦者の技のみで決まらず....」
「「ただ結果のみが真実」」
シャディク「フィックスリリース」
決闘は開始した。