水星の魔女と地球の悪魔   作:yomiyomi

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第3話「檻の中の悪魔~その2~」

 

パンっ!

 

部屋に乾いた音が響く。

 

グエル「あ......」

制裁を受けたグエルは怯えた目で父を見る。 

 

ヴィム「ジェターク家の人間がジェターク社のMSを使って負けただと?」

 

ヴィム「お前は会社の信用を潰す気か!?」

グエル「....申し訳ありません。父さん」

 

グエルは深々と頭を下げる。

 

ヴィム「それも、訳のわからん田舎企業のMSごときに......!」

ヴィムは握った拳をわななかせ、怨嗟の声を漏らす

 

ヴィム「今回の決闘は俺のほうで無効にしてやる。これ以上恥をかかせるな!」

 

グエル「っ.........はい」

 

グエルが部屋を去ったあと、ヴィム宛てに通信が入る

 

「CEO、ご来客です」

ヴィム「誰だ?」

「それが....シン・セー開発公社の代表でして」

 

ヴィム「...なに?」 

 

数分後、彼女はヴィムの代表室に入ってきた。

 

プロスペラ「ご無沙汰しております、ジェタークCEO」

ヴィム「....3年前の社長就任以来だったか。レディ・プロスペラ」

 

プロスペラはにこりと笑む

 

プロスペラ「ええ、はい」

ヴィム「総裁にとりなしてくれという話しなら、受け入れんぞ」

 

プロスペラ「....いいえ、その()です」

ヴィム「なに?」

 

プロスペラ「そちらが、私に頼むのです」

 

___________________________

 

 

_アスティカシア_

 

ミオリネの温室

 

スレッタ「....アムロさん、大丈夫なんでしょうか」

 

ミオリネ「あいつなら....って言いたいとこだけど。私だってアムロがどういう状況なのか分からないわよ....」

 

スレッタ「さっき皆さんが言ってた、決闘が無効って話し....やっぱりそうなんでしょうか?」

 

ミオリネ「....どうせグエルの父親がもみ消したんでしょ」

ミオリネは工具箱を置いて、そこから工具を取り出す。

 

スレッタ「学園の人たちはアムロさんを悪者みたいに言ってました...。アムロさんはいいことをしただけ....なのに」

 

ラウダ「手伝うよ」

二人の元にグエルに取り巻きのようにくっついていた3人が現れる

 

スレッタ「皆さんは....あの、時の?」

ミオリネ「フン....あんたたちのエース様が壊したんだけど」

 

ラウダ「...兄さんから直すように言われた...だから」

ミオリネ「反省したってわけ?....で、その本人は?」

 

ラウダ「欠席している」

ミオリネ「あぁ、決闘に負けたから?」

 

ミオリネ「呼び出されたってわけね、パパに」

ミオリネが嫌味たらしく言うと、それを快く思わなかった女子二人組が反論する。

 

フェルシー「無関心な親よりはマシでしょ?」

ペトラ「娘もそっくりね。自分のために決闘してくれた編入生ほったらかしてさぁ?」

 

スレッタ「あ、あの....そんなこと言っちゃ....」

ミオリネ「....あっそ、別に私が頼んだ訳じゃないし」

 

ミオリネ「戻って来たら言っとくわよ。これ以上よけいなことしないでって」

スレッタ「み、ミオリネさん....!」

 

それを聞いた二人はクスクスと笑う

 

フェルシー「あんた達知らないみたいだから教えてあげる」

 

フェルシー「あのアーシアンと水星ちゃん、あんたらまとめて退学になるってさ」

 

ミオリネ「........!?」

スレッタ「.......え....わ、私......退...学?」

 

その言葉を聞いた二人は硬直する。

 

フェルシー「MSもスクラップだって。2つまとめてね?」

スレッタ「え、エアリアルも.....!?」

 

フェルシー「そーだよ。私のパパが言ってた_____」

ミオリネは勢いよく立って、フェルシーに寄る

 

フェルシー「な...なによ!やる気....」

ミオリネはフェルシーの手に工具を持たせる

 

ミオリネ「そっちが言ってきたんでしょ?直しといてよ」

 

スレッタ「あ、あの....ミオリネさん」

ミオリネ「スレッタ、あんたこいつらが変なとこしないか見てて」

 

ミオリネ「あと...あんたら、トマト触ったら......殺すから」

 

ラウダ「はぁ....?」

 

ミオリネは再び港へと向かった。

 

________________________________

 

 

 

プルル...プルル...... ピッ

 

「はい.....フェンよ」

 

『....結局彼女は捕まったのですか?フェン・ジュン』

 

電話口から透き通るような声が流れる

 

フェン「ミオリネ・レンブラン?朝方に捕まえてから地球に連れてくる手筈だったのだけど。少し予定が狂った....そういうところかしらね」

 

『貴女には相応の額を支払っている筈です。それに見合う働きをしてくれなくては困ります』

 

フェン「分かっていますよ。仕事はきちんと果たすわ...ルナ・シェーラ」

 

 

ルナ『そうだといいのですが。.....ところでフェン・ジュン』

 

フェン「なにか?」

ルナ『フロントの諜報員からの情報ですが、いま審問会が開かれていると聞きます』

 

フェン「ええ。なんでも学園の決闘でガンダムを使った生徒がいるとか、いないとか」

 

ルナ『そのガンダムを使った生徒というのが.....アムロ・レイ、なんですよね?』

 

フェンはそれを聞いて眉を動かす

 

フェン「貴女が他人に興味を持つだなんて....なにかあるのかしら?」

ルナ『...私じゃない』

 

ルナ『少佐がその名前をよく口にしていらっしゃったので』

 

フェン「へぇ、あの人が...ねえ」

 

ルナ『アムロ・レイの画像データ...用意しては貰えませんか?』

 

フェン「それは代金に含まれまして?」

ルナ『....別に報酬はお支払いします。』

 

フェンはにこりと口角を上げる

フェン「ええ。ご用意しておきますよ、ルナ・シェーラ」

 

ルナ『....では私はこれで。少佐をお待たせしていますから』

フェン「ええ、ご機嫌よう」

 

そこで通話が切れる

 

フェン「まったく....二重スパイってのも楽じゃないわね」

 

お母さんのお葬式だって.....!

 

ロビーから怒鳴り声が聞こえる

 

フェン「....ミオリネ・レンブランね」

 

 

ボディガード「ミオリネ様どちらへ?」

ミオリネ「トイレ!」

 

ミオリネはムッとした様子でトイレに籠もる

 

ポチポチ..

 

ミオリネ「死ね...死ね...」ポチポチ

アプリゲームで溜まりきったストレスを発散していると、トイレのドアがノックされる

 

フェン「ミオリネ・レンブランさんですね?」

ミオリネ「...?」

 

フェン「コロニー座標XY72Z53」

ミオリネ「!それって...脱出の集合地点?」

 

ミオリネはトイレのドアを開ける。

フェン「対面でははじめまして。先日お見えにならなかったので、様子を見に参りました。」

 

ミオリネ「アフターケアも万全ってわけね...」

フェン「ええ、料金は頂いてますから」ニコリ

 

フェン「もしご意思に変わりがないようでしたら、今から脱出なさいますか?」

ミオリネ「え?」

 

フェン「今ならご希望どおり、地球にお送りできます。」

 

ミオリネ「地球へ.....あ、いや.....でも..」

 

フェン「猶予は30分です。後悔の無い決断を」

ミオリネ「............行く」

 

フェン「え?」

その決断は5秒とかからないものだった

 

ミオリネ「私を...ここから連れ出して...!」

 

 

そこからは護衛の邪魔も入ることはなく、あっさりと港を出港することができてしまった。

 

ミオリネ「こんなあっさり....?」

フェン「タイミングですよ」

 

フェン「管制官が我々の協力者だったのも、私と貴女が出会えたのも....ね」

 

グストン「5分後にフロント港管制区域から出ます。」

 

フェン「...そうなったら進路変更はできません。よろしいですか?」

 

ミオリネ「.........」

ミオリネは窓から宇宙を眺めながら頷く。

 

ミオリネ「もう、決めたから」

 

 

 




オリジナルキャラ第一弾はルナ・シェーラさんです。
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