マーリン伝説   作:プロトタイプ・ゼロ

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最近コロナや風邪とかが流行ってる。みんなも手洗い、うがいをしっかりして体調を万全にしようね!


第二話「剣士か魔術師か」

 

 

 

 あの村からアルトリアを引き取って数日。俺は早く力の制御ができるようになりたいと寄ってくる弟子を落ち着かせながら、平和な一日を過ごしていた。

 

「というわけでね、君は剣士と魔術師……2つの才能が眠っているんだ」

 

「はぁ……あの師匠? その話とこの体勢はなんの意味が?」

 

 今俺はベッドに横になっており、その上に寝そべるようにアルトリアが寝ている……というか俺が抱き枕にしている。

 

 至って理由はない。単純に抱き心地が良かっただけなのだ。だが、そんなことを可愛い弟子に言えるわけもない。言ってしまったら師匠としての面目潰れるし。

 

「君は固くなりすぎるんだよ。もっと柔らかく考えることを覚えないと。君の持つ力は、そう簡単に抑えられるものではないってことさ」

 

「でも……それでも毎日のように抱き枕にされる理由に納得が」

 

 確かに彼女からすれば、自分の中に眠る不安を煽る力を早く封じ込めたいだろう。だが、焦ってしまっては意味がない。こうやってゆっくりすることも覚えられない弟子に、次の修行をやらせるわけにはいかない。

 

 まぁ、俺自身ここんとこやることが多すぎて疲れてるのもあるが……。

 

「ふむ……君の魔力に落ち着きがないな。もっとゆっくり丁寧に身体に巡らせるんだ。そうじゃないと君から聞いた話と同じ結果になるよ?」

 

「うぅ……」

 

 若干頬を赤らめるアルトリアを抱き寄せると、なぜかモジモジとしだした。

 

 彼女から聞いた魔力の暴走。アルトリアの中にある膨大な魔力が、精神状態に左右され暴走することが多々あったらしい。

 

 そのせいで家が壊れたり近くにいた人が怪我したこともあったようだ。まぁたしかに、この年齢で膨大な魔力を制御することなんて不可能だろう。それこそ優秀な師が見ていない限りは。

 

 なにが原因かと言われれば、答えは簡単なのだが。それを彼女に理解してもらうのは難しいことだ。なにせ、こればかりは才能と努力にかかっているのだから。

 

 アルトリアの努力次第で、暴走しやすい魔力を常に落ち着いた状態に戻す。これが第一段階だ。これをクリアしないとアルトリアはちょっとした不安などですぐに魔力暴走を起こし、いつかは自らの肉体を傷つける可能性が大きい。

 

「アルトリア。君には2つの選択肢がある」

 

「選択肢……ですか?」

 

 こちらに顔を向けながら可愛らしく首を傾げるアルトリア。めちゃくちゃ可愛いけど、それかなりキツくないか?

 

「そう、一つは……私と同じように魔術師となるか。もう一つは……剣の道を行き剣士となるか」

 

 このどちらかを選ぶかによって、彼女の未来が変わる可能性がある。俺としては、彼女がどちらの選択肢を選んでも最高の幸せを送ってもらえるように陰で動くつもりだ。

 

 剣士だろう魔術師だろうと、最強の存在へと導き、死ぬ時は幸せを思い出せるように。そうじゃなきゃ……原作の彼女は辛い思いをさせてしまっているのだから。

 

「わたしは……」

 

 脳を動かし悩ませるアルトリア。その顔は真剣そのもの。自分の人生が分かれるのだから当たり前か。

 

「わたしは……両方の道を歩みたい!」

 

「……ん?」

 

 聞き間違いかな? 今物凄くベリーベリーハードな道を歩きたいと聞こえたのだが……え、待って?

 

「……本気、かい?」

 

「本気です。師匠の言う通り、わたしの中で才能が眠っているのなら、どちらかを潰したくありません。両方を輝かせたいと思います」

 

「その道が、過酷だとしても?」

 

「はい」

 

 そこにはまるで満面に咲く桜のように美しい笑顔を浮かべた少女の顔があった。それを聞いてしまったらこちらも心を決めねばなるまい。

 

「いいだろう。私の修行は厳しいぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アルトリアと修行を始めて数年が経った。彼女は宣言した通り魔術と剣術……二つの道を歩み、そして極めた。と言ってもまだまだ半人前と言ってもいい。

 

 それでもその実力は並の剣士や魔術師では歯が立たないレベルにまで成長させてしまった。いや、これには俺にも責任があると思う。だってアルトリアの飲み込みが凄く早いんだ。俺が覚えている限りの剣術や魔術(中にはゲームの呪文とかもある)を教えればすぐさま吸収して、魔法剣士のような立ち回りを見せてくれた。

 

 俺の予想では10年くらいはかかるかなぁと予想していた。なのに、僅か2年で教えた全てを吸収し尽くし、自分のものとした。その後は俺と実践形式で鍛錬をしたり、彼女一人でダンジョンを攻略させたりもした。

 

 まさか、ここまで強くなるとは思ってもなかった。

 

「アルトリア。君の修行もここまでだ。今日は君にプレゼントを用意している」

 

「プレゼント……? 嬉しいです師匠!」

 

 瞼に大量の涙を溢れさせながら抱きついてくる白百合の魔法剣士。それを見て俺は天を仰いだ。

 

 どこで育て方間違えたかなぁ???

 

 ずっと一緒に過ごしていたので俺でもわかる。アルトリアは俺に好意を抱いている。寝る時は俺と一緒でなくては拗ねたりするし、剣の素振りのためとはいえ上半身裸になった俺を見て頬を赤らめつつも微笑んでいたり、時としてワザと胸元が見えるように服をパタパタさせたりしていた。

 

 そこまでされて、流石に気づかないほど俺は鈍感系というわけではない。では、もしもアルトリアから想いを伝えられたとして、それを受け取るのかと聞かれればそうではない。

 

 俺は死なない。そう、魂の契りがある。だが、アルトリアは死ぬ。俺だけが生きることを彼女は幸せにいてくれるだろうか? 否、そんなはずはない。

 

 そもそも俺が耐えられない。だから、もしそうなったとしてもはぐらかす気でいる。もしくはうまく誘導して別の人と結婚してもらう。

 

「それで……プレゼントとはなんなのですか?」

 

 上目遣いになりながら聞いてくる彼女が美しい。というかどこで覚えたそれ!!

 

「ふふ、祈りの泉にある。一緒に行こうか」

 

 アルトリアの手を掴んで、彼女が転けないように泉まで歩く。

 

 泉って言っても以前行った退魔の剣がある泉ではない。また別の泉なのだ。

 

 数分後

 

「なんて綺麗な……まるで幻想的な場所ですね!!」

 

 いつものように天真爛漫なアルトリアを見れて俺はホッコリする。

 

 場所はさほど遠くない。歩いてすぐにつく場所には台座と、一振りの剣。王を選定する仮初の聖剣。つまりはカリバーンだ。

 

「師匠、もしかしてこの剣……ですか?」

 

「そう、それを引き抜いてみなさい。そうすれば、君が今後やるべき道が開かれるはずだよ」

 

 固く表情を結んでアルトリアは頷く。そして台座の前に立ち、ゆっくりと深呼吸をした。

 

「わたしはアルトリア……あなたの主となるために来た者です」

 

 柔らかくそして傷つけないようにそっと右でカリバーンの柄に触れる。その瞬間、彼女の白い手の甲に赤い紋章が浮かび上がった。

 

 あぁ、別にカルデアやFateの令呪を模したものではないよ。彼女の中に眠る赤き龍の力。それを紋章にしただけだ。と言っても俺が弄って生まれたわけではない。この世界では、アルトリア・ペンドラゴンは生まれながらにして赤き龍の力を宿し、膨大な魔力を持っていたから偏狭な村に実父ウーサーによって捨てられた。

 

「おめでとう。どうやら選定の剣(カリバーン)に認められたようだね。暫くはこの剣を主とし、カリバーンが真の聖剣となるまで武者修行と行こう」

 

「ありがとうございます! これで、また一歩、あなたの隣に立つ魔術剣士にふさわしくなれたでしょうか?」

 

 台座からカリバーンを抜き放ち、こちらにやってくるアルトリアを見て微笑んだ俺だが、次に掛けられた言葉を耳にして固まってしまった。

 

 こりゃあやばいな。うかうかしてたら断れなくなるぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

 こうして、魔術師と剣士。二つの道を歩み始めたアルトリア。彼女の持つ選定の剣が聖剣になるのはいつ頃なのか、それは続きをご覧ください




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