奸臣に反逆凌辱されたい内政チート転生姫様vs奸臣のフリをする善良ハゲデブ宰相   作:RKC

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ハーメルンにおける「勘違い」は細かい定義があるかと思われますが、それから外れていてもご了承ください。



1話 姫様視点

 始まりは14歳。兄の部屋に漫画を借りに行った時、本棚の奥に隠されていたR18の本を見つけた。

 当時、私の性知識は薄く、“こんな本を読んでるんだ兄貴” とからかってやろうという気持ちで本を手に取った。安易な気持ちでペラペラとページをめくると、途端に私の脳に流れ込んでくる未知の映像。

 

 兄が隠していたエロ本はいわゆる凌辱ものだった。高潔な姫が卑劣な配下の罠にかかり、尊厳を奪われながら凌辱される。

 その創作物は私の性癖を育む種になるには十分だった。それからというもの、エロ本の内容を思い出しながら自分でも創作をしてみたり、インターネットでそういう画像や動画を見たり。とにかく、性癖の種を絶やさないように水をあげ続けた。

 

 で、出来上がったのが凌辱されたい癖を持った私ってわけ。とはいえ凌辱されるというのは現代社会では非常に難しい事だ。

 

 凌辱とはッ! 悪意ある相手に! 無理やり犯される事だッ! SMプレイだとか首絞めプレイだとかそういうチャチなもんじゃあ断じてねぇ。もっと精神的に敵対していないといけない。

 

 しかし、普通に生活しているだけではそうそう悪意ある相手に出くわすものではない。仮にそういう人が居たとしても法律で縛られている以上、実行に移す人はまずいないだろう。

 

 道徳を踏み外してくれる人は居ないかと、探し回ってみたがそうそう簡単に見つかるはずも無く。

 結局、私は凌辱の夢をかなえることなく一度目の生涯を病死で閉じてしまった。

 

 

 

            ♢

 

 

 

 ほんで二度目の人生は異世界のお姫様でした。しかも私の両親に当たる王様と王妃様は結構な悪政を敷いて民や一部の配下に疎まれています。

 やったぜ。一度目の人生は凌辱相手の適任に巡り合えず、神様を呪いもしたが、これほどの凌辱環境を備えた地位に転生できるとは。これから毎日凌辱エロ本を神棚に捧げます。

 

 今の暴君のお姫様ポジションが、凌辱されるという点においていかに優れているかについて語ろう。

 1つ目はクーデター凌辱。王道だね。悪い王様を処刑! 姫は凌辱! 完璧な流れだぁ……。懸念点としては、凌辱されずに処刑される可能性もあるということ。とはいえ今の私は子供ながらに空前絶後、超絶怒涛の美少女お姫様。

 こんな可愛い子を凌辱しない奴いる? いねぇよなぁ!!

 

 2つ目はこれまた王道の奸臣凌辱。暴君のお姫様が逆に善性を発揮し、それを(うと)ましく思う悪い配下がお姫様を凌辱する。うーん、芸術。

 

 やはり、悪いお姫様が凌辱されるのはどちらかというと理解(わか)らせ、生意気なメスガキをお仕置きするというシチュエーションに寄ってしまいがちだ。凌辱は善性が悪性に犯されてこそ映える。

 

 懸念点は私の性根が善性では無く悪性ということだ。前世で家族が悲しむとかを一切考えずに凌辱されようとしていた人間が善性なわけはない。これでは真の意味で善性が犯されるというシチュエーションにはならない。しかし私の性格はもうどうしようもないのでここは妥協するしかない。

 暴君から生まれた高潔なお姫様が奸臣に凌辱される……やはりこのプランで行こう。

 

 そうと決まればまずは両親を暗殺よ~。だって王様と王妃様がいると私が政治出来ないからね。上の二人が死ねば、王家の血を引くのは現状私だけ。子供とはいえ私が次の女王様になれる。

 

 そうすれば、“へへ、今の女王はガキだぜ。これなら簡単に操れそうだ”という邪な思いを持つ奸臣が現れるはず。というか現在の宰相がまさにそのポジションだ。とはいえ宰相が実質的な王様ということはなく、今の王様も悪知恵は働くらしく、せっせと国民から絞りとる政策を考えている。

 宰相はハゲデブの髭親父。高潔なお姫様を凌辱する存在として完璧な容姿だぁ……。

 

 宰相が私を意のままに操ろうとしてきたところを、高潔なお姫様である私が跳ねのける。

 

“民は国の血液です! 民が疲弊すれば国も衰える一方……これからは民の事を第一に考えた政治を行う様に!”

 

 そんな素晴らしい為政者の登場。賄賂と重税で私腹を肥やしている宰相は、当然私の存在を疎ましく思うはず。私を追い落とすために腹回りの贅肉の如く蓄えた知恵で姦計を巡らす宰相。政治をしたことの無い私が百戦錬磨の宰相にかなうはずも無く……やべ、上の口と下の口、両方から涎が出てきた。

 

 話を戻そう。とにかく王様と王妃様を暗殺よ~。暗殺の方法はもちろん毒殺。私が転生した異世界は中世ヨーロッパぐらいの文明、科学レベルだ。そんな中での毒物といえばコレ! ヒ素!

 

 しかし、普通にヒ素を盛っても銀食器と化学反応を起こして、毒を盛ったのがバレてしまう。困った困った……とでも思っていたのか? 我、現代人ぞ?

 

 実際、銀と反応して色を変えるのは硫黄と塩素だ。ヒ素自体が銀と反応しているわけではない。ヒ素に不純物として含まれている硫黄が銀と反応しているわけで。

 つまりヒ素から硫黄を取り除いて純度を高めれば、あら不思議。銀食器に反応しない毒の出来上がり。

 

 硫黄を取り除く脱硫(だつりゅう)には塩基性物質が必要だ。じゃけん王宮お抱えの錬金術師の元に行きましょうね~。錬金術師というと持ってかれた鋼の兄弟のイメージが強いだろうが、現実の錬金術師は化学の研究をしていた人だ。

 

 錬金術師のエピソードでは石から金を作ったと言うのが有名だが、それも化学反応を駆使して石に含まれている僅かな金を取り出したというだけの事。そんなわけで、錬金術師の元には石灰だの植物灰だの塩基性の物質も存在していることだろう。

 

 というわけで錬金術師の元に失礼します。数か月にわたって錬金術師の元に入り浸り、試行錯誤でどうにかこうにか銀食器に反応しない純度のヒ素を作る事が出来た。

 

 ほならね、これを王様と王妃様の食事に混ぜ混ぜしようと思います。

 

「おとーさま! おかーさま! お食事をお持ちしました!」

 

 使用人に配膳係を代わってもらい、道化を演じながら両親の元にヒ素入りの料理を持っていく。甘えん坊を演じた方が受けがいいのよこれが。

 

「おぉ、ソフィア。わざわざ持ってきてくれたのかい? ありがとう」

 

「えぇ、ありがとうソフィア。けどね、こういう仕事は下賤な下々の者に任せておけばよいのよ。アナタは偉い偉いお姫様なんだから」

 

「ご、ごめんなさい……おとーさま、おかーさまに喜んでほしくて……」

 

 私がそう言うと、両親は私に抱き着いて頬ずりしてくる。悪党とはいえ実の娘は可愛い様子だ。今からその娘に毒殺されるって言うのに呑気なもんだね。

 

「ソフィア、最近錬金術師の元に入り浸っているようだが……あまり姫として相応しい振る舞いではないぞ」

 

「そうよ。錬金術師なんて怪しい奴の所に……成果は出しているようだから置いてやってるだけよ」

 

「ご、ごめんなさい。つい楽しくて……お父さまとお母さまが……ひぐっ、言うなら、もう、ひぐっ、行きません……」

 

 私が嘘泣きをすると両親は慌てて言葉を撤回する。ちょろいもんだね。

 

「じゃあ、食事をいただこうか」

 

「そうね」

 

 両親がスープを食器ですくって口に運ぶ。ヒ素は無味無臭、加えて銀食器にも反応はない。そのままヒ素入りのスープを飲み込んだ。

 

 思い通り、思い通り! 思い通り! 馬鹿がよぉ! 銀食器に反応しない高純度ヒ素を喰らえッ! 現代人の叡智(えいち)にお前たちは倒れるのだ! 叡智! 叡智叡智叡智ッ!

 

 悪い笑顔を両親に見せないように浮かべる。一応世間的には病死扱いで死んでもらうのが丸いだろうから、徐々に衰弱する様にヒ素の量を少なめに盛っている。

 これから君たちは愛娘に徐々に衰弱させられるんだよ。暴君とはいえ哀れだねぇ……やっぱり悪事は巡り巡って自分の元に帰って来るのかね。

 

 え? 人の心は無いのかって?

 我が心と行動に一点の曇りなし……! 全てが正義(りょうじょく)のためだ。

 

 さて、毒殺はこのまま続けるとして私が将来良い統治者になって、宰相から疎まれるための準備もしないと。

 やっぱり国の経営で一番大事なのは人口だよね。人が多いほど労働力が増える。人口と書いて人口(パワー)と読むくらいには大事な要素だ。

 

 じゃけん農業に力をいれましょうね~。人口は食料生産量に比例する。現代知識で農業改革や!

 

 まずは農具。現在私の国では、人間は(くわ)を使って、牛には(すき)を引かせて畑を耕しているが、そんなんじゃ甘いよ。新時代の農具はコレ! “モールドボード・プラウ”!

 これがあればわざわざ(くわ)を振るわなくても、農地の上でモールドボード・プラウを引きずり回すだけであら不思議! なんと畑を耕すだけじゃなくて土をひっくり返す効果まで!

 これによって表面の痩せた土地では無く、その奥の肥沃な土地を使って農作が可能に! 加えて畑を耕す際の一人当たりの作業効率も倍近くに! これこそチートアイテムってもんよ。

 

 次に“千歯扱き”。現在私の国では2本の木の棒で脱穀を行っている。それと比べて千歯扱きは脱穀作業の効率がバチクソ上がる。

 江戸時代の後家――旦那を無くした未亡人は脱穀作業を仕事にしていたが、千歯扱きの登場で作業効率が上がり過ぎたせいで脱穀作業では食い扶持を稼げなくなってしまった……ぐらいにはバチクソ効率が上がる。

 

 更に“八反ずり”と“田打車”。除草のための道具。これも手で雑草を抜くのと比べて効率が段違い。

 

 加えて“唐箕(とうみ)”。こいつは穀物に混ざったゴミや籾殻(もみがら)を吹き飛ばす道具。現在私の国ではこの作業をスコップで穀物を持ち上げて落とし、風に晒して穀物に比べて軽いゴミを取り除くという非叡智な方法で行っている。

 それに比べて唐箕(とうみ)は楽チン。持ち手を回して風を起こしながら、上の投入口に穀物を入れるだけで穀物とその他ゴミを選別出来る。

 

 農具はこんな所だろうか。これら農具で一人当たりの収穫量を増やせる。次は単位面積当たりの収穫量の改善だ。

 

 まずはなろう農業チートの一角を担う“ノーフォーク農法“。別名“四鋪式農業”。有名だと思うので詳細割愛。この国の現在は二鋪式農業なので、単位面積当たりの生産量だけでなく、一人当たりの効率も爆上がり。

 2から4ですよ。数字からも凄さが分かるよねぇ……。

 

 具体的な凄さで言うと、1850年代のイギリスにおいてはノーフォーク農法で5人に1人が農業に従事するだけで国民の食料を賄えていたらしい。第一次産業従事者の割合が20%ですよ。

 中世ヨーロッパの第一次産業従事者の割合が90%だった事を考えると、どれだけ凄いか分かるよねぇ……。しかも浮いた労働者は工業などの第二次産業、第三次産業に従事することが出来るので精神的、物質的にも国が豊かになるのは確定的に明らか。

 

 ここに堆肥を一つまみ……www。

 この国では油粕、骨粉などの有機肥料は使用しているが、稲藁・雑草、糞尿を微生物が分解してできる堆肥は用いていない。堆肥は肥料成分こそ少ないものの土壌改良効果があり、長期的な収穫量の増加が見込める。有機肥料と堆肥の併用が最強ってわけ。

 

 とりあえず今はこんな所か。ほなら農具の試作を鍛冶屋さんにやってもらいましょか。

 ん? 何だってこんなものを作るんだって? うるさい、やれ。(われ)姫様ぞ?

 

 そして四鋪式農業の効率を実際に見る為にも使用人に畑を2つ作らせた。二鋪式と四鋪式でそれぞれ畑を運営させる。収穫の時期になれば、効率の違いが分かるようになるだろう。

 

 そして堆肥。堆肥を作るには糞尿が必要だ。しかし王宮と農村部は離れており、家畜の糞尿は手に入りづらい。じゃあどうするかって?

 

 じゃ、そこの使用人。ちょっとここの藁の上でウンコしよっか。

 ん? どうかした? (われ)姫様だけどどうかした? あ、やってくれる? 良かった良かった。

 

 ハイハイハイ! 使用人の! ちょっと良い便見てみたいー♪ はいイッキ! イッキ! イッキ!

 

 ブリブリブリブ

 

 ただいま文字が乱れております。少々お待ちください。

 

 

 

 ~~~~~~

 

 

 

 糞の確保、ヨシ!

 じゃ、そっちの使用人。藁と糞の混合物をかき混ぜてくれるかな? 糞が下痢気味だからおがくずを混ぜて水分調整もよろしく。

 

 良く混ざったらそっちに積み上げてね。あ、30cm積み上がるごとにこの石灰を撒くのを忘れないように。そんで上から踏みつけてね。

 

 ん? どうかした? くっせぇくっせぇくっせぇわ? だから? (われ)姫様だけどどうかした?

 

 あ、やってくれる? お願いね。1週間ぐらいすると発熱しだすから熱くなりすぎないように時々水をかけるように。

 

 じゃ、次はそこの使用人。2~3週間たったら内部と外部を入れ替えるようにかき混ぜてね。これを“切り返し”と言います。一回目の切り返しから3~4週間後に二回目の切り返しもお願いね。

 ん? どうかした? (われ)姫様だけど以下略――

 

 これで堆肥の製作はヨシ! 堆肥アリ、ナシの比較も出来るように3つ目の畑を作らせよう。これで両親を毒殺した後の準備はかなり進んだ。しかしまだまだ夢の道中。

 凌辱の道のりは一歩にして成らず。今世も一生頑張るゾイ!

 

 

 

 

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