奸臣に反逆凌辱されたい内政チート転生姫様vs奸臣のフリをする善良ハゲデブ宰相   作:RKC

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11話 戦争陛下

 え~、エリュシオン王国の女王ですけれども、自国内の悪徳貴族達に戦争を吹っ掛けられました。伝令の報告ではあくまで戦争の準備だったんだけど、こちらに動きを悟られたと分かるや否や宣戦布告してきたね。

 

 いやー、まさか私の煽りがここまで効くとは。悪徳貴族、顔真っ赤でワロタ。

 

 “先代の陛下2人が同時に急死なされたのは明らかにおかしい! 現陛下――いや、ソフィア・クロノス・エリュシオンが何らかの手を使って殺害し、実権を奪い取ったのだ! 両親を殺したあの痴れ者にこの国を任せておくことはできん! 革命だ!”

 

 みたいな大義名分掲げてる。向こうとしては徴兵した農民たちがやる気を出してくれそうな大義名分を掲げられれば何でも良くて、内容はでっち上げのつもりなんだろうけど……。

 

 えー、100点満点です。困った、ちょっと言い返せない。

 

 とはいえ、本当に言い返さないとこちらの士気はだだ下がり。やっと野蛮な異世界人を現代の叡智の結晶、銃で理解(わか)らせられるチャンスが来たのだ。こちらも最高の状態で蹂躙しなければ無作法というもの。

 

「奴らの言い分はまったくの言いがかりだ! 奴らこそ悪政を敷き、民を苦しめる痴れ者! 今こそ私が諸君らを解放したように、奴らの領民を悪政から解放する時だ! 立ち上がれ、我が国民よ!!」

 

 うぉおオオオオオオ!!

 

 この演説で国民のボルテージは最高潮。国民用とは別に武官・兵士用の演説も行う。

 

「我が忠勇なるエリュシオン軍兵士達よ! 今や我が国は豊作に恵まれている。小麦畑の輝きこそ我等(われら)エリュシオンの統治が正義という証である。

 悪政を敷き、不作を起こした反逆者どもがいかほどの戦力を動員しようと、それは形骸である。敢えて言おう、カスであると!

 

 それら軟弱の集団が諸君ら兵士を打ち破る事は出来ないと私は断言する。全ての国民はエリュシオンの正統な血を引く私に管理運営されて、初めて幸福に暮らすことが出来る。奴らの革命を許してはこの国の存亡にかかわるのだ。

 

 無能なる反逆者共に思い知らせ、明日の未来のために我が兵士達は立たねばならんのである!

 ジーク、エリュシオン!」

 

 ジーク、エリュシオン! ジーク、エリュシオン!!

 

 兵士達も大盛り上がり。演説気持ち良い~。私の自尊心と兵士の士気がフルチャージ!

 

 演説後、宰相に声をかけられた。お、もしかしてエロ漫画展開? あんな凛々しい演説しちゃった後にエロ漫画展開? 分かってんねぇ!

 

 ……え? 今後の戦争に備えて対策会議だって? あ、はい。

 

 まぁ、それもそうか。目の前に国の存亡がかかった戦争が起きてるんだしね。これが普通の対応か。いかんいかん、凌辱脳になりすぎてるぞ。

 

 しかし、戦争が終われば再びエロ漫画凌辱展開に突入するはず。そして、その保険があるという事は~……? 悪徳貴族達は殲滅しちゃっても良いって事だよね。やっと銃が使える! 完膚なきまでに叩きつぶしてやるからな~?

 

 ……あれ? 銃の量産追いついてなくね? 個人的には1,000~2,000丁ぐらい欲しかったんだけど、100丁しか無いですとな!? これじゃ、密集歩兵を殺戮出来ない……。

 

 しかも、向こうの方が戦力多いって? それにエリュシオン家の重装歩兵、ザラミス家のロングボウ部隊、レントール家の騎兵が合わさって最強に見える? しかも、向こうの総指揮官は“エリュシオンにコーヴァスあり”とまで言われる、あのコーヴァス将軍?

 

 まぁ何とかなるでしょ。戦争に負けたら負けたで凌辱タイムだし、私にとっては何の問題も無い。

 

 それにジャイアントキリングってのはいつの時代、どの世界でもワクワクするもの。クイーンの戦争(デュエル)はエンターテイメントでなければいけない!

 まぁ、実際に戦うのは兵士だし、指揮を取るのは将軍ですけど。私は銃の有効的な使い方を教えただけだ。

 

 

 

 という事でやってきました一大決戦。負けたら捕らえられて速やかに凌辱されるためと、戦争を実際に見てみたかったので私も戦場に来てる。

 

 止められるかと思ったけど、逆に将軍からお願いされたぐらい。私がいるのといないのじゃ士気が全然違うらしい。 

 

 あ、そういえば私が前線に行く事についてルーカスが注意してきたっけ。ルーカスは戦争相手の一派閥、クラウディン家のスパイ。

 

 この注意も私の身を案じているようで、その実クラウディン家が有利になる策のはず。とはいえ、今回は私が前線に行きたすぎるので今回は却下。

 

 あとついでにルーカス君、わけわかんない事を言いだしたんだよね。

 

「陛下は宰相殿を奸臣だと遠ざけているようですが、それは誤解です。宰相殿の本心は陛下と同じです。国を良くする事しか考えていません。

 ずっとあなたに寄り添いたいと思い続けているのです!」

 

 えぇ……、あのハゲデブ奸臣が国の事を思ってるわけないだろ。そうでなくとも、ちょっと前にエロ漫画展開されたばっかり。なおさら信じられる訳がない。まぁ、ルーカス君はそのことを知らないから言っても仕方ないけど。

 

 とはいえ、宰相がルーカスを告発しようとしていた事実がある限り、宰相とルーカスは敵対しているはず。なのにルーカスが宰相を持ち上げようとしている理由が分からない。貶めるならともかくだ。

 

 ……待てよ? 宰相を持ち上げて得するのは宰相自身。もしかして宰相の戦略か? ルーカスを上手いように操って……いや、エロ漫画展開した後に持ち上げるのは無理がありすぎる。宰相の策にしても不自然。

 

 やばい、全然分からん。ルーカスの行動の裏が全く読めない。しかし、私が付いていけないだけで裏では十手、百手の策謀がめぐっているに違いない。

 

 この出来事を凌辱に繋げるために私がとる反応は……素直に善良陛下ムーブでいこう。こういう時は考え過ぎたらいけない。

 

 私以上の知恵者が裏にいる事は確実。ならば私がどう動いても問題無いだろう。

 

「宰相が国の事を? ……そんなはずがないだろう。ルーカス、誰に何を吹き込まれたんだ」

 

 私がそう言うと、ルーカスは少しだけ怒ったように反論してきたが、それも跳ね返す。この件はそれで終わりだった。

 

 ルーカス君、怒ってたって事は良くない反応しちゃったかも。私、何かやっちゃいました?

 

 とにかく閑話休題。戦争の話に戻る。

 

 

 

 国にある一番大きな湖の横で、両軍が対峙している。軍勢の数は敵が3万、こっちが1万5千。ダブルスコアとはたまげたなぁ……。

 

 将軍君、これ無理じゃない? 私、内政面のチートは得意だけど、戦術チートはあんまりだよ。……え、大丈夫? 絶対陛下に勝利をお届けする?

 

 まぁ、ほどほどに頑張ってね。私としては銃で野蛮人を殲滅しても、負けて凌辱されてもどっちでも旨みがあるけど、おたくらは死活問題だろうし。あ、銃だけはちゃんと私が言った通りに活用しろよ! 絶対だぞ!

 

 将軍に釘を刺しつつ、戦場を改めて見直す。南は湖、北は山、東西に細い道が伸びており、東に我が軍、西に敵軍の配置。

 

 戦場が狭いおかげで数の不利がそれほど問題にならない。加えて道にはこちらの重装歩兵を配置しており、強行突破はなかなかに困難だろう。加えて山の方には伏兵を隠している。

 

 なるほど、鉄床と金槌作戦か。重装歩兵で足止め、伏兵の騎兵と軽歩兵が敵を包囲し、一気に叩く。カルタゴの将軍ハンニバルがトラシメヌス湖畔の戦いで行った有名な作戦。地理的な条件もほとんど一致する。

 

 さらに武官はここを戦場とするために、策を打っていたらしい。まず、悪徳貴族連合には食料が少ない。そのため、食料を略奪しながらここまで来なければいけないのだが、将軍は今回の戦場となる場所以外に繋がる導線上から徹底的に食料を排除したらしい。

 

 そうすれば敵は食料を略奪しながら進軍すると、導かれるようにこの湖へとたどり着く。我が軍が有利なこの地に。

 

 やるね、彼。こんなに策略家だったとは……ノーマークだった。

 

 とはいえ、向こうのコーヴァス将軍も優秀みたいだし、食料が少ないからやむを得ずここに進軍してきただけで誘い込まれた事は承知の上だろう。

 

 ……あぁ、そこで鉄砲ってわけね。やるじゃない。

 

 勝手に一人で納得する私を他所に、ついに戦闘が始まった。向こうはこちらの重装歩兵に対して突破力の高い騎兵を当てて来た。やはり、包囲されるのを嫌って早期に突破しようという狙いだろう。

 

 更に見事なのが敵兵の練度。騎兵が突進した後すぐに反転。かと思えば後方のロングボウ部隊がすかさず矢を射掛けてくる。ちなみにこの時代のロングボウは有効射程が200m程もある。意外と長いね。

 

 矢をやり過ごしたかと思えば、すかさず騎兵の突進。この波状攻撃で我が軍はもうたまらない。加えて敵軍は重装歩兵を山の方面に配置しており、包囲されてもある程度戦えるような布陣。

 

 流石コーヴァス将軍と言うべきなのか。あんまり彼の事良く知らんけど。

 

 今回の作戦は短期決戦が必須と見るや否や、練度の高い兵を前に出し、徴収した民兵は後ろの方に下げている。この場所では多くの兵が一度に戦えないため、前に精鋭を集中させたのだろう。

 

 しかし、我が軍も何とか持ちこたえていた。

 

「この後ろには陛下が居られるのだぞ! 突破されればエリュシオンの歴史が終わりを告げる! 死ぬ気で守れ!」

 

「「「おおおおおッ!!!」」」

 

 事前に私の許可を得ていたとはいえ、王族の身を危険に晒しながらカンフル剤に用いるとは、中々食えない将軍だ。私は好きよ、そういうの。

 

 とはいえ、我が軍も耐える一方では無い。すでに策は打ってある。

 山の隠した伏兵に、100丁の銃を持たせた鉄砲部隊がいる。そいつらに敵のコーヴァス将軍を狙撃してもらっているのだ。距離にしておよそ600m。

 

 山に身を隠しながらこれだけ離れていれば、目視で発見されることも無いし、戦場の喧騒で銃声が聞こえる事も無い。加えて無煙火薬のニトロゲルを使っているので煙で発見されることも無い。

 

 敵は姿も見えない、音も聞こえないのにコーヴァス将軍を狙った流れ玉に当たって死ぬ。ロングボウが最大射程のこの時代、さぞかしホラーな事だろうね。ここからじゃ見えないけど、敵の本陣は大慌てではないだろうか。

 

 ん? 粗悪な銃で600mも銃弾が飛ぶのかって? 確かに戦国時代の火縄銃は有効射程が50mぐらいと言われているらしい。しかし、私のチート知識によって我が軍の銃はロングボウなんて目じゃない距離で戦えるのだよ。

 

 銃身にライフリングを刻んで100m! 銃弾を円錐状にして空気抵抗を減らすことによって200m! そして黒色火薬の50倍以上の爆発力を持つニトロゲルを用いれば、ロングボウ! お前を上回る有効射程400mだ!

 

 ちなみに殺傷距離なら1,000m越えます。しかし1,000mも距離が離れると、着弾地点が狙いから1mぐらいズレる。600mだと60cmぐらい。

 

 1対1の狙撃なら致命的な弱点だが、今回は100対1の狙撃だ。それほど問題にはならない。

 

 とはいえ、この時代の銃はマガジンなどが無いため、数分かけて一発一発弾を込め直す必要がある。だから狙撃部隊の試行回数を増やすために、重装歩兵が敵を足止めする必要があったんですね。

 

 ソゲキッ!

 

 あ、どうやら狙いの人物に当たったみたい。敵軍が目に見えて狼狽(うろた)え始めた。コーヴァス将軍、粉砕!

 

 それと同時に我が軍の伏兵が突撃。一斉に敵を包囲する。守ってばかりだった重装歩兵もここぞとばかりに敵を押し返す。

 

 さぁ、面白くなってきました! 敵は将軍を失い統率の取れないまま、湖の方に押し込まれる! 

 

 おっと、一部の敵兵は後ろに撤退しようとしているぞ! しかし後方には練度の低い民兵! 撤退する兵を敵兵と勘違いしているのか同士討ちを始めているゥ~!! その隙に我が軍の騎兵が逃げ道を塞ぐゥ!

 

 湖に押し込まれた敵兵はそのまま戦死or溺死コースだぁ! 中世で泳げる人は少なかったと聞くぞォ! 水泳の授業もしない野蛮人共にはお似合いの末路ォ!

 

 圧倒的じゃないか我が軍は!

 粉砕! 玉砕! 大喝采!

 

 小高い丘で敵軍が蹂躙される様を眺めるのがこんなに気持ち良いとは。お、湖が血で赤く染まってる。赤潮かな? ガハハハ!

 人が苦しむのを見るのは実に楽しいもんZOY! 他人の不幸こそ最高の娯楽ZOY!

 

 自分の手で処刑した時は気持ち悪さが勝ったけど、他人が他人を殺しているのを見るの気持ち良すぎだろ! 古代ローマでコロッセオが流行る訳だね。

 

 やべー、気持ち良すぎて手が震えて来た。こんなん癖になっちまうよ……。

 

 あぁ~、それにしても私が敵軍の立場だったら一体どうなる事やら。相手の倍の戦力を用意したのに返り討ちに遭い、抵抗する事も叶わず敵将軍の慰み者に……。今から向こう側に寝返っても良いかな? ダメ?

 

 とにかく鉄砲がきっかけで戦争に勝てたから現代人の叡智の面目躍如も達成したし、戦争の見学もできたし、もうここにいる必要ないよね。本陣に帰らせていただきまーす。

 

 後で戦争の結果を聞いた。我が軍の被害は約千名。向こうの被害は推定2万らしい。 

 

 か、壊滅!? 3万の内2万の兵士が壊滅? 2時間も経たずにか…。 半分の1万5千の兵に2万の兵が……化け物か…?

 

 名前覚えてないけど味方の将軍すごいね。宰相にも見せてあげたかったな。まぁ、彼は王宮の方で留守番中だ。きっと私がいない間にあんなことやこんなことをして、私を凌辱する準備を整えているに違いない。

 

 なんなら反逆の準備のために奸臣たちをまとめ上げているかも。ここにきてハンギャクカンシンが差し返してきた! エロマンガテンカイは少し後ろ!

 

 とりあえず私の方は悪徳貴族を潰しちゃおっか。アンタらにはもう期待してないし、舞台から退場してもらおう。

 

 中央からの補給を待って、このまま悪徳貴族家に進軍じゃー! え、“陛下はもう王宮に戻ってください “だって? またまたぁ、もう一回カンフル剤に使って良いからケチ臭い事言うなよ。

 

 “陛下を利用した罰はいくらでも受けるから帰ってくださいお願いします”だって?

 うるせぇ! 陛下命令! このまま進軍~! 今宵の私は血に飢えておるぞ!

 

 

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