奸臣に反逆凌辱されたい内政チート転生姫様vs奸臣のフリをする善良ハゲデブ宰相 作:RKC
凌辱を邪魔された後の事はよく覚えていない。私は自室で失意の底にいた。
幾重にも糞尿を弄り、零難零苦を越え、愉快適悦の果て、満願成就に至る所だったというのに。
――まぁ、あんまり苦労してきた思い出は無いけどさ。いうて10年以上頑張ってきた訳ですよ。それを“ぐしゃ~”やられて落ち込むなって方が無理ない?
……というか再度腹立ってきた。は? 宰相、あいつ奸臣じゃないの? なんで私を助けに来たの?
今までの態度は何だったんだよ。マジでキレそう。思わせぶりな態度を取るだけとって手のひら返し。人の心とかないんか?
ハゲデブが私の計画を邪魔しやがってよォ。私の10年返してもらえます? 時間が戻せないなら時給2000円換算で6307億返せよ。
それが無理ならお前の10年私が貰っても文句ねぇよな? もう年だから今すぐ処刑するぐらいが10年奪うのに丁度良いよなァ!!?
という訳で宰相を投獄。一応あいつは私を助けた立役者だが、適当に言いがかりをつけた。
やれ、私のいる場所が分かったのはおかしい。
やれ、敵と内通していたから私の場所を知っていた。
やれ、私を助けたのはマッチポンプ。私の信頼を得ようとした。
こんな事を言っておけば、一応表むき奸臣だと疑われている宰相はあっさりと捕まえる事が出来た。ざまみろ。
一方で私は自室に引きこもっている。特に何をするでもなく、邪魔されたことに思いをはせていた。
クソが。私の邪魔するとかマジでありえん。
あんな脳みそのしわが少なそうなハゲデブに私の10年以上を台無しにされなきゃいけねぇんだ……!
今まで積み上げてきた物全部ひっくり返されて。
無限に落下するような喪失感。負けて……失って……♡
中世生まれの野蛮人に完全敗北して……♡
…………あっ……♡
♢
ふー、すっとしたぜ……。私はチとMっぽい性格でな。完全敗北した時はトチ狂いそうな程自分を慰めるようにしているのだ。
……というか自分でもびっくりした。まさか私の中にこんな性癖が眠っているとは。何でも3日3晩、水ぐらいしか口にせずにヤってたもんで。過去最高に良すぎて涙が止まらない程興奮した。
凌辱は好きだし、ビンタに首絞めも興奮出来たからMであることは自覚していた。しかし、今回はそれに加えて喪失感が大きい要因だと感じている。
10年以上凌辱を目指して頑張った。
自分が出来る限り凌辱の種をバラまいて、育てて、ようやく実った。
それをあっさりと刈り取られるあの喪失感。
無限に落下し続けるような気持ち悪さと気持ち良さ。
目の前の私を負かした人間には一生勝てないんだというあの絶望感と、何をしても勝てないから何もしなくて良い、何も考えなくて良いというある種の安心感。
退廃的な思考で頭が染まり、胎はじくじくと熱を持ち始め、手足は“じん”と痺れていう事を聞かなくなる。間違いなく過去最高の時間だった。
なんちゅう行為をさせてくれたんや……なんちゅう行為を……。
こんな気持ち良い行為はしたことない……。これに比べるとレイスターはんの凌辱はカスや。
何が足りないって喪失感が足りない。あの凌辱で私が失う物は自分の命だけだった。少なくとも私の目の前で、両親の悪政から私が立て直した国やプライドを失う事は無かった。そんな生ぬるい事では駄目だったのだ。
今思えば私は無意識のうちに喪失に固執していたのだと気づける。
凌辱されたいのなら、善人だが無能な馬鹿女王を演じれば、各方面からつけ込む隙が出来たはず。農民からの革命凌辱、貴族の政略結婚凌辱など色々呼び込めた。
それをしなかったのは? 私は喪失したかったのだろう。私の手で善政を敷いて、豊かになったこの国を。だから王都が焼かれる光景をバックにバックされる想像をしていたわけだ。まぁ、鉄砲を使いたかったから色々頑張ったというのも本心だが。
それに戦争の時、自分側が負ける想像ではあまり興奮しなかったが、兵力に勝る相手側が敗走している姿に自分を重ねた時はかなり興奮した。これも有利状況から負けるという、あってはならない喪失感に惹かれていたのだろう。
自分の性癖はよく理解していると思っていたが、私もまだまだらしい。
よし、そうと分かればこれからも富国強兵を頑張るぞ! 私が手ずから作り上げた豊かで強力な国家が台無しにされた時の喪失感……それを味わった時こそ私は真に大往生できるはずだ。
とはいえ、負かしてくれる相手も必要なんだよね~。国内の騒ぎは収まりそうだし、適当に諸外国に吹っ掛けてみるか。多方面戦争やってればいくら強国でも負けれるっしょ。
いやー、それにしてもこんな大事な性癖に気づくキッカケをくれた宰相には感謝だよ感謝。あんな中途半端な凌辱で満足して死なずに済んだし。それに彼はこれからの富国強兵にも欠かせない人材となるはず。
先々の事も含めてお礼言いたいんだけど、どこにいる? ……え、牢獄? いったい、誰がそんな酷い場所に宰相を!? ――はい、私です。
ごめんって、あの時はちょっと錯乱してたから許してちょんまげ。お詫びに胃に優しい食事を私が作ってあげるから。前世で一人暮らしの歴が長いから料理は得意なのよ~。
ついでに一緒に食べよ。同じく空腹同士だろうし。
私は三日三晩何も食べずに自分を慰めて空腹。宰相は三日三晩牢獄の中で過ごして空腹。そこに何の違いもありゃしねぇだろうが!
♢
「ノッパラ宰相、陛下がお呼びだ」
私は兵士に連れられる事で、ようやく鉄の檻から外に出られた。
あの一件の後、陛下は酷く乱心なされていた。私が陛下を抱えて本陣に戻ったまでは良かったのだが、それ以降陛下は私がルーカスと通じていたとおっしゃる。
「どうして私のいる場所が分かったんだ! お前が敵と内通していたからだろう! 私を助けたのは何の策だ! 私の信頼を得ようとでもしたのか!! こいつをとっ捕まえろ!!」
私は奸臣だが仕事ができるため陛下に見逃されているに過ぎないという見方をされていたため、陛下が命令を下すと周りの善良な家臣や兵士たちはすぐに従った。
とはいえ陛下の言い分はまるっきり言いがかりという訳でもない。理はある上に、一部は真実だ。
それに私の事を嫌っている陛下はこれを理由に私を排除しようともしているのだろう。もしかしたら襲われた怒りと恐怖を私にぶつけているのやも。
とにかく私は牢獄に押し込められた。もはや弁解をする余地も気力もなかった。牢獄の中で時間だけはあったが、嫌な事ばかり思い出す。
“うるさい! 黙れ! 全部お前のせいだろうが!! あと少しで……! あと少しでぇえええええッッッ!!!”
陛下の叫び声が耳から離れない。私が突入した時、陛下は本当にあと少しで純潔を失う所だった。未だに幼い陛下が感じた恐怖は計り知れない。
ギリギリで間に合ったものの、陛下の心の傷は大きいはず。
三日三晩部屋に閉じこもっており、扉からは時々うめき声が聞こえ、唯一出入りを許されている使用人曰く、“シーツをひどく濡らしておられる”と、牢獄でも噂に聞こえるほどだ。
何がいけなかったのだろう。陛下を連れ戻すようルーカスに頼んだのが間違いなのか。ルーカスを引き入れた所から間違いだったのか。それとも陛下に賄賂を持っていったところから間違いだったのか。
私の流す涙は石畳には吸い込まれず、蒸発を待つだけ。ただ、不思議な事に陛下を拉致したルーカスや、救助したにもかかわらず私を投獄した陛下に対して怒りは抱かなかった。
精神的に疲れて怒る気力も無いのか……とにかく今の私は全てが終わるのを待つだけの空虚な人形。兵士の指示に従い、歩き続ける。
そうして連れてこられたのは小さな円卓がある部屋。兵士は私の手枷を外し、席に座らせた。
着席して少し待つと、いい匂いが鼻を刺した。ほぼ同時に反対側の扉が開き、ワゴンを押しながら陛下が部屋に入って来た。
「少しやつれたな」
そう言う陛下も少しやつれていた。目の下は赤く腫れており、泣き続けていたのだろうと推測できる。
陛下はワゴンの上の皿を私の前に配膳する。なぜ陛下が使用人の様な真似をしているのだろうと不思議に思いながらも、ただ待つ。
陛下が皿のフードカバーを取ると、かぐわしい匂いが部屋中に漂った。肉と野菜を形が無くなりそうな程煮込んだポトフ。それが銀の皿に盛りつけられている。
陛下はもう一つの皿を持って私の対角線上の椅子に座った。
「食え。腹が減ってるだろう」
陛下は自分の皿から肉を口に運びながら言う。
罪人の私に対して料理の配膳。配膳者は陛下。皿は銀製。
ここまでヒントがあれば嫌でも理解できる。これが私の最後の食事なのだろう。陛下が持っている銀に反応しない毒が盛られているに違いない。
両親を殺したように私も殺そうという事なのだろう。公開処刑でない分温情は感じるが、どうして陛下が私に対して温情をかける必要があるのか……。
今はそれを考える事すら億劫だった。目の前の食事を口に運べば全てが終わる。疲れ切った私は食欲に抗わず、料理を口に運ぶ。
今際の際に最後に思うのは陛下の事。
閉じこもっていたとの事だが、部屋の外に出られるまでに回復されて良かった。
反乱も山場を越え、陛下なら国内を収めることが出来るはず。
陛下の治める国の行く末が見られないのは残念だ。
……思えば、自分の命を捨ててルーカスの不正を告発しに行った時と同じような事を考えている。
改めて自覚する。私は為政者としての陛下に心酔しているのだ。陛下と志を同じくして共に国を治めれたならどれだけ……。
とうに枯れたと思っていた涙があふれる前に、私は匙を口に入れた。
…………美味い。ただ、美味しかった。体に異変は無い。
陛下の両親が死んだ時の様子から、陛下の持っている銀に反応しない毒は即効性のはず。今頃はのたうち回っているはずだが。
「美味いか?」
私が困惑している間に陛下がそう問うてきた。
「え、あ……は、はぁ。大変美味でございますな」
呆気に取られていた私は気の抜けた返事しか出来なかったが、陛下は満足そうにうなずく。
「私自ら作った甲斐があったというものだ」
「へ、陛下がこの料理を?」
配膳だけでなく調理まで。陛下はそのような雑用を進んでするお方では無い。基本は意思決定だけに携わるタイプだ。
私がさらに困惑する中、陛下は食べる手を止めて話を続ける。
「私は色々と勘違いをしていた。宰相にも迷惑をかけたな……すまない」
陛下が私に対して謝った。
自分の非を認める事となり、威厳に関わるため王家の者は軽々に頭を下げたりはしない。陛下は尚更、謝るような性格ではない。
私が驚愕する間にも陛下は続ける。
「ただ、これだけは言わせてほしい。……あの晩は助かった……ありがとうな」
陛下は照れているのか目線こそ合わせてくれないが、確かに感謝の言葉を発した。“ありがとう”と。
「ノッパラ、お前のおかげで今の私がある。……私の事を許して欲しいとは言わない。だが、これからも国のために力を貸して欲しい」
私は言葉を失った。三日の間で冷静になってくれたのだろうか、今までの誤解が
「……やはり私の仕打ちは腹に据えかねるか。退職金は好きなだけ出してやるから隠居しても……って、ノッパラ。お前何泣いてるんだ? 鼻水まで……うわ」
陛下の言う通り私は泣いていた。嬉しい、の一言で今の感情を片づけるのは不可能だ。
私の働きが尊敬する陛下に認められた。
尊敬する陛下が私を頼りにしてくれている。
あの陛下が私の名前を呼び、わざわざ料理を作ってくれるほど信頼を寄せてくれている。
陛下が戴冠されてから1〜2年。私が夢に描き、すでに諦めてしまった関係性が何の因果か現実のものに。
情けなくも人前で泣くことを許して欲しい。みっともない姿を陛下に見せて失望されないかだけが心配だが。
「とりあえず顔を拭いて、鼻をかめ」
陛下は使用人にハンカチを持ってこさせる。私は鼻水と涙を処理した後、陛下の隣まで寄り平伏する。
「不肖ノッパラ、この命が尽きる時まで陛下にお仕えさせていただきます!」
私がそう言うと、陛下はふっと笑う。
「そうか、助かる。これからもよろしくな」
たった二文。それだけでまた涙が出てきた。我ながらひどく簡単な人間になったものだ。
「はい! 何でもお申し付けください!」
だが、そんな自虐は些末な事。これからも陛下にお仕えできる。それ以外に今は何もいらない。
♢
ん? 今何でもお申し付けくださいって言ったよね?
なあ宰相、私に
私の計画潰した張本人の竿なら自慰よりも絶対気持ち良いだろうからなぁ~。この際善良な陛下は演じなくても良いや。積み上げた物を喪失するシチュエーションが一番大事。
今も喪失から完全に立ち直れているわけではなく、まだ余韻が残っている。何をするにも億劫な感じ。そのまま喪失を引き起こした張本人に、前世も合わせて十数年積み重ねてきた処女も喪失させてもらおう。
ハゲは性欲強いって聞くし、経験豊富だと嬉しいなぁ。
……ん? 処女と童貞同士が尊いって? お前は初めてスカイダイビングする時に、タンデムの相手も素人の方が良いって言う馬鹿?
経験豊富な相手にリードしてもらう方が素晴らしい経験になるのは確定的に明らか。私の知らない弱いところ責められて、もう無理って言うけど興奮冷めやらぬハゲはその巨体で私を押しつぶしながら、私を物のように扱い人間としての尊厳を喪失……。
アヘヘヘヘヘヘ…………♡
一回連続でキマってみたかったんだよね。一人じゃどうしても手が止まってしまうし。とにかくお願いしま~す!