奸臣に反逆凌辱されたい内政チート転生姫様vs奸臣のフリをする善良ハゲデブ宰相   作:RKC

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 主人公をギャン泣きさせた対価として、主人公が喪失好きという無敵性癖に目覚めてしまいました。そうしないとこの我儘主人公、性格的に宰相処刑しちゃうから……。
 その弊害として主人公の理解(わか)らせが出来なくなってしまいました。

 当初、この作品の終着点は“凌辱は無理だったけど美少女の体を悪意を持っていやらしく犯して貰えるならまぁ良いやと期待した主人公が、宰相と婚約を結ぶことになったが、初夜で凌辱を期待していたら、滅茶苦茶優しく恋人セックスされてラブラブ性癖矯正されて、子供まで孕んで、とほほ~! もう異世界転生はこりごりだよ~!” で終わらせるつもりでしたが、そうもいかなくなってしまいました。

 しかし、凌辱性癖をいちゃラブセックスで理解(わか)らせる展開はやりたいので、別の世界線の陛下と宰相の話を鋭意製作中です。

 ちなみにR18になります。陛下が凌辱で孕んで宰相が曇る外伝を見たいという声も多かったですが、そっちは後書きのネタで書いただけで、本編を書くつもりはありません。ごめんね。
二次創作はいくらでもしてくれて良いよ(二次創作してもらえるほど人気と思い込んでいる傲慢)

 この作品はこのまま勘違い内政チート作品として続ける予定です。2部では現実で言うキリスト教みたいなクソデカ宗教を周辺国ごとぶっ潰してハッピーエンドの予定なので気になる方はご愛読お願いします。




17話 非ロリコン宰相

「はい! 何でもお申し付けください!」

 

 私がそう宣言すると、陛下は顎に手を当てて少し考えこんだ。

 

「……何でも、か。では、早速一つ頼みたいことがある」

 

 いったい何だろうか。何でも、と聞いて頼むからには相当難しい事に違いない。しかし、どれほど難しい頼みであろうとも必ず成就させてみせる。そう意気込んで陛下の言葉を待った。

 

「私とセックスしろ」

 

 しかし、その思いは一瞬で粉々に砕け散った。陛下は一体何を言っておられるのだろうか。呆気にとられるのは私ばかりではない。周りに控えていた兵士も唖然としていた。

 

「……そ、その、私の聞き間違いですかな? もう一度おっしゃっていただければ幸いなのですが」

 

「お前が、私と、セックスしろ」

 

 一縷の望みをかけて聞き返したが、帰ってくる答えは同じ。いったい何がどうなって陛下が私とそのような事を望むのだろうか。少し前にあんなことがあったばかりだというのに。

 

 とにかくここは分水嶺な気がする。細心の注意を払って対応しなければ。

 

「な、なぜそのような……私とその、性行為をしたいなどと?」

 

「ん? それは……」

(宰相は善人みたいだしここで本音話すと、王国滅亡喪失セックスをまた邪魔される可能性があるんだよな。それはそれで多分興奮できるんだけど……無敵か私?

 まぁ、王国滅亡の方が気持ち良くなれそうなんで真意は隠しておこう。王族は私一人だけだから子供作らなきゃいけないって言えば筋は通るでしょ。

 

 ……いや待て! 今の私は客観的に見て強姦されかけた可哀そうな陛下。私の性癖データによると善人な宰相が、仕方なく性行為をしなければいけない可哀そうな陛下に勃起する確率、0%。

 

 ここはド変態という事をさらけ出して、“こんな変態のために今まで頑張って来たのか”と怒りを誘い、理解(わか)らせ行為に走らせた方が性行為チャンスの期待値が高い。その方が乱暴にしてくれてM要望も満たせるし。

 

 冴えている。中国の郭隗(かくかい)さんも言ってたしね。「先従癖考」――“先づ性癖より考えよ”。

 

 それに私が喪失大好き王国滅亡を夢見て自慰するド変態と広めることで、まともな家臣であればそれを阻止しようと動いてくれるだろう。なんなら私に失望した家臣の革命もありうるかもしれない。

 

 王国滅亡を阻止されても計画喪失で気持ち良い。家臣が革命を起こしても立場と今まで育てた国を喪失して気持ち良い。家臣の頑張りが足りなくて王国が滅亡しても当然気持ち良い。

 

 我ながら完璧な計略を思い付いたものだ。己の性癖を理解し、人間的に成長出来たからに違いない。今の私は……(スーパー)ソフィアだ!!)

 ※この間僅か1秒

 

「当然私が喪失大好きな変態だからに決まっているだろう」

 

 再び耳を疑った。どう返事をすれば良いのか困っている間にも陛下は続ける。

 

「まぁ聞け。私はこれまで凌辱をされようと頑張って来たのだ。不思議に思わなかったか? 不当に奸臣に暴言を浴びせたり。処刑した貴族の親類を処刑せずに見逃したり。

 これは全て反乱の芽を育て、凌辱されるためにやっていた事だ」

 

 何を……何をおっしゃっているのだろう。陛下の言葉は聞こえてはいるが、脳が理解を拒む。

 陛下は笑顔で語っている。嘘を言っているようには見えない。

 

「そしてその努力が実り、遂に私は凌辱で処女を喪失しかけた。結局はお前に邪魔されてしまったがな。しかし計画を潰される喪失感を味わって私は“喪失”という新たな性癖を開拓できたのだ。

 その点に関しては本当に感謝しているぞ、宰相」

 

 私の脳は相変わらず陛下の言葉の理解を拒んでいる。しかし、最悪な感謝をされたことだけは分かった。

 

「だからこそ私の計画を潰した張本人に私を犯して欲しいのだ。頼めるか、宰相?」

 

「嫌です」

 

「えっ」

 

「あ、いや、し、失礼しました! 今の発言は忘れてください!」

 

「あ、あぁ……」

 

 およそ陛下から出てはいけない単語の連続に思考停止してしまい、つい脊髄反射で返事をしてしまった。

 

 落ち着け。落ち着いて状況を整理しよう。

 ……落ち着けない。苛烈だが高潔な陛下が何故このような発言を……とても正気とは思えない。やはり、襲われてしまった事がショックで気がふれてしまったのだろうか。

 

 その時、ある貴族の話を思い出した。その貴族には妻がおり、夫婦仲は円満だった。しかし、ある時妻の方が浮気をしていた事が発覚。

 妻を愛していた貴族は酷く傷心し、しばらく寝込んでいたが、元気になると妻が別の男と浮気をしている状況でしか勃たなくなってしまったらしい。

 

 まさに今の陛下の状況と同じではないだろうか。人間はあまりに辛い出来事に遭遇すると自分を守ろうと記憶や嗜好を捏造する傾向にある。

 

 陛下と改革を行う中で、不正がバレて追い詰められた役人がシラを切る事があったが、本人は嘘を言っている自覚が無いようだった。それも自分を守るために不正をしていないと無意識のうちに記憶を捏造していたのかもしれない。

 

 とにかく、陛下もそれらと同じで襲われた恐怖が余りに大きく、自分を守るために“元々私は乱暴にされるのが好き、性行為が好き”、と自分の嗜好を捏造してしまったのかもしれない。

 そうでなければ気が狂ってしまいかねないから。そう考えると、とても正気とは思えない発言を堂々と話す姿にも少しは受け入れる事が出来た。

 

 同時に陛下の不憫さに涙が溢れそうになる。あの事件でこれほどの心の傷を負ってしまわれたとは。今の笑顔もトラウマによって捻じ曲げられてしまった物なのか……。

 

 例の貴族はそれからも妻の浮気を見逃し、それに興奮していたらしいが、それ以降髪の毛は薄くなり、早くに死んでしまったと聞く。やはり、捏造された嗜好には本能がストレスを感じてしまい、体調を崩してしまうのだろう。

 

 陛下も同様だと考えられる。だからこそ陛下の頼みを聞くわけにはいかない。そもそも陛下の笑顔の影に気づいてしまった今、陛下を相手に勃つとは思えなかった。

 

 だが、断るにせよ陛下にとって今の想いは本当の感情。安易に否定することは躊躇われた。だからこそ言葉を選ぶ。

 

「も、申し訳ありませんがそれだけは聞くことが出来ませぬ」

 

「なぜだ? 別にお前は結婚もしていないだろう。義理立てる人間もいないはずだが」

 

 確かに私はハゲに加えてデブという醜い容姿のため、結婚はしていない。私の地位や財産を目当てに寄って来る女性はいたが、うんざりだったので全て断っている。

 

「いえ、私の事情の前に、その……大変僭越ながら……一般的には性行為というのは好きあった者同士がやる事でありまして。

 いえ、貴族や王族ともなれば政略結婚の相手ともする必要がありますが……とにかく好きあった人や結婚した間柄の者がやる事でありまして。

 このように突発的に決めて行う事では……それに凌辱や喪失が好きなどと大っぴらに言うのも……」

 

「一般的な意見など私には関係ない。好きなものを好きと言って何が悪いのだ」

 

 少し探りを入れてみたが、やはり陛下は完全に嗜好を捏造してしまっているらしい。この状態で“今の陛下は襲われたショックでおかしくなっている”といった所で、気づいてくださらないだろう。

 これ以上そこを突くのは悪手に思えた。別に断る理由を探す必要がある。

 

「し、しかし私の様に髪の薄い太った年寄りに頼むことは無いのでは……?」

 

「容姿は関係ない。大事なのはお前が相手してくれるという事だ」

 

 そうだ、陛下は私の容姿を見て嫌悪感を抱く方では無かった。少し嬉しかったが、状況が状況なだけに喜べない。他に断る理由は……。

 

「その、陛下は王族であられまして。婚姻を結ぶ時まで純潔を守らねばなりません。ですから私とそういう事をするのは……」

 

「だったら私とお前が結婚すれば良い。宰相と女王で立場はつり合いがとれるだろう。それにお前は私の命を救った功績もある。キチンと説明して誤解を解けば、反対する者もいないだろう」

 

「え、い、いや……! そんな軽々と婚姻など……!」

 

「後継ぎも必要だろう? 現状、私一人しか王族がいない状態だ。作れる時に作っておくべきだと思うが」

 

 ここにきて普通に正論を言われてしまった。謎の敗北感を覚えながらもなんとか解決策を考える。

 

「何でもお申し付けくださいといっただろう? にもかかわらずダメか?」

 

 確かに“何でも”と言った手前、断るには相当な理由が必要だ。それこそどうしても出来ないような理由が。

 

「お、恐れながら陛下。その、どうしても出来ない理由がありまして。

 ……そう! 嗜好の問題でして陛下が良くないというわけでは断じてなく! とにかく大変恐縮なのですが陛下の様に細くて小さいお方では私、興奮出来ないたちでございまして……」

 

 ……慌てて最悪な回答をしてしまった気がする。一応、断る口実にはなっている……はず……だと思う。

 

 護衛の兵士からとんでもない目で見られながら、バクバクと心臓を荒立たせていると、陛下は残念そうな表情を浮かべる。

 

「私では勃たないか」

 

「その、まぁ……そういう事になってしまいますな……」

 

「なら仕方あるまい。無理を言って悪いな」

 

 ……なんとかなってしまった。ひとまず問題が解決して胸をなでおろすべきなのだろうが、素直にそう思えなかった。何か大事なものを失ってしまった。

 

「私が成長して勃つようになったら言え。……旬を逃した感じはあるが、私を喪失させてくれたお前ならいつでも歓迎してやる。

 しかし、遅すぎると先約が入るかもしれんぞ。他にも私の眼鏡にかなう奴が出てくるかもしれないからな」

 

「は、はは……」

 

 愛想笑いを返す事しか出来なかった。とにかく、これからの課題として陛下に正気を取り戻してもらう必要がある。効果があるかは分からないが、この後純愛物の小説でも送ってみよう。

 

 ……おいたわしや陛下。

 

 胸の痛みは相変わらず取れなさそうだ。

 

 

 

 

 

「話は変わるが、ルーカスはどうなった?」

 

 陛下の言葉に、胸の痛みが増した。

 

「……ルーカスはその場で処刑いたしました。陛下を攫った大罪人。首は持ち帰ってあります」

 

 嘘だ。持ち帰った首は別人の物。髪の色、長さは同じぐらいの上、松明で顔を焼いたため、バレる事は無いだろう。

 私の手でルーカスを殺したわけではないが、彼とは色々ありすぎた。色々な思いが混ざり、未だに消化しきれていない。

 

「……そうか、死んだか。

 本来なら晒し首にするほどの罪だが、適当に弔ってやれ」

 

 陛下の発言に驚く。裏切り者のルーカスに対して弔ってやれと言うのは予想できなかった。

 

「その、良いのですか? ルーカスは陛下が目をかけていたにもかかわらず、裏切りを……」

 

「構わん。アイツは私のために働いてくれたからな」

(ちゃんと私を凌辱まで持っていったのアイツだけだし)

 

 陛下も私と同じように思う所があるのか。真顔の陛下は、怒っているとも悲しんでいるようにも見えた。

 

「生きていれば話すこともあったというのに……」

(両親に裏切られてどんな喪失感味わったか聞いてみてぇ~。もしかしたら私みたいに目覚めてたりして。そしたら喪失フレンズの出来上がりだったんだけど。理想の喪失シチュについて語ってみたかったな)

 

 寂しそうに遠くを見る陛下。私は思わず“ルーカスはまだ生きている”、と本当の事を言いそうになってしまった。

 

 しかし、そんな事をいっても混乱を招くだけ。本物のルーカスが生きているとなれば、探し出して処刑という流れになるかもしれない。それは陛下の望むところではないだろうし、私の望むところでも無い。

 

 ルーカスを見逃した私の罪を追及されるのが怖かったというのもある。少し歪とはいえ、陛下と理想の関係を築けたのだ。それを失いたくは無かった。

 

 そこで陛下が大きく欠伸をする。

 

「悪い、ここ最近寝不足でな。今日はもう休む。宰相も休め。牢獄暮らしで疲れがたまっているだろう」

 

「しっかりと養生し、今後に備えさせていただきます」

 

 そうしてこの場は解散となった。

 反乱の鎮圧といい、陛下が正気を失っている事といい、まだまだ課題は残っている。ひとまず陛下のあの様子では、見かけた適当な男に“性行為をしろ”と言い出しかねない。

 

 間違いが起こらないよう、この件について周知する必要があった。……いや、周知ってどないせいと……。

 

 

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