奸臣に反逆凌辱されたい内政チート転生姫様vs奸臣のフリをする善良ハゲデブ宰相   作:RKC

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前話では大量の誤字を読者の方々に修正していただきました。
ありがとうございます。


25話 無血クーデター臣下 絶頂陛下

 とある日の朝。最近は良い事があんまりなくて気分は悪いはずなのにもかかわらず、目覚めが良かった。

 

 私専属の侍女であるクレアちゃんの到着を待つ間、窓を開けて新鮮な空気を取り込み、ラジオ体操第1を踊って体をほぐす。そして現状について振り返る。

 

 私の反宗教活動により、疫病の治療もできないエッセ教は民からの信頼を失いつつある。そのことを重く見たエッセ教は私の事を公然と批判し始めた。

 

 私がただの村娘とかであれば聖女として祭り上げ、(てい)の良い偶像に仕立て上げる事も出来ただろうが、女王ともなれば流石に発言力が強くなりすぎてしまう。そこも考慮しての行動だろう。

 

 そこまでは私の狙い通りだったのだが、困ったことも一つ。なぜか私を神に代わる救世主だと呼び始める勢力も現れ始めた。民達がそう騒ぐ分には良いのだが、最悪な事にエッセ教の内部にも私を(うた)う勢力があるらしい。

 

 なんでも私が治療した司祭が発端となってそのような勢力を作り上げたとの事。

 

 “私は救世主たるソフィア様の教えによって病から身を救っていただいた。私と同じく神を信じていたが、ソフィア様の教えを受けられなかった他の聖職者たちは皆、死んでしまった。

 

 神は救いなどもたらさない。神様と言う姿も形も見えない偶像ではなく、正しい知識だけが我々を救い、豊かにするのだ。

 

 見よ! 現に救世主様の国は豊穣に恵まれ、民達も幸せそうにしている! 疫病の蔓延も最小限に抑えられているではないか! 

 

 読むべきは聖書ではなく論文! 捧げるべきは祈りではなく学び! 信じるべきは神でなく科学! 救いはソフィア様、ひいては我々の頭脳と研究によってもたらされるのだ!”

 

 科学信仰も始めてるし、余計なことしやがって……! あそこでぶっ殺しとけばよかった。

 

 とにかく今のエッセ教は旧来の神様信仰と科学信仰に二分している。勝手に仲間割れして争っている様子。

 

 なんだろう、勝手に同士討ちするの止めて貰って良いですか? 私が救世主とか、神敵とかってあなた達の感想ですよね? 何かデータとかあるんですか?

 

 ……いや、普通に私の防疫方法を行った地域は感染者の数は他とくらべて半分以下になっている。救世主と呼ばれても仕方ないかもしれない。

 

 何もかも思い通りに行かない。こんな中途半端な所で計画が頓挫(とんざ)しても、私が求める喪失には遠く及ばない。不完全燃焼でイラつく心をラジオ体操で落ち着けていると、扉がノックされる。

 

「入れ」

 

 私の許可を得て入室してくるのは侍女になったクレアちゃん。ミニスカメイド服が良く似合っている。基本的に侍女はクラシックなロングスカートのメイド服を着ているのだが、クレアちゃんは特別。

 

“ソフィア……いえ、ご、ご主人様。このように丈の短いスカートでは下着が……”

 

 初めてミニスカメイド服を着せた時、クレアちゃんはスカートを押さえながら赤面していた。ちなみに私の呼び方は当然“ご主人様”。

 わざわざミニスカを着せたのは恥ずかしい格好を主人に無理やりさせられていると言う、服従の気をクレアちゃんに感じてもらうためだ。彼女のニーソックスとスカートの間の絶対領域を五指でさすりながら言う。

 

「私の前ではこれ以外の格好を禁ずる」

 

“し、しかし……”

 

 クレアちゃんはくすぐったそうに足をモジモジさせながら反論してくるが、侍女にそのような真似が許されるはずもない。

 

「口答えは許さん。私の言葉に従え」

 

 壁ドン(私の方が身長が低いため、下から突き上げるような形)で強く言うと、クレアちゃんはびくりと体を震わせる。その瞳は嬉々としており、喜んでいるのが分かる。

 

「は、はい……」

 

 クレアちゃんは目を逸らしながら言う。私は彼女の顎を手で掴み、無理やり目を合わせた。

 

「人の目を見て話せ。最低限の礼儀も知らないのか?」

 

 顎から首に手を移動させ、喉を優しく撫でる。頸動脈から彼女の高まった鼓動が伝わって来た。

 

「申し訳、ありません……」

 

 クレアちゃんが謝るが、私はそのまま冷たい目線で彼女を睨みつけ、首の手にも次第に力を込めていく。

 理不尽に晒されて身を竦めるクレアちゃん。しかし、私は急に顔つきと手を緩めた。首の手を頬に移動させ、優しく撫でてあげる。

 

「分かれば良い」

 

 厳しさと優しさの落差。私という主人の機嫌次第でどうとでも扱われるという、被支配・服従の事実にクレアちゃんは瞳をドロリと爛れさせる。

 

「……ふぅ……っはぁ……」

 

 クレアちゃんの息が少し荒くなる。半開きの口が少しエッチだったので、親指を入れてみる。すると“かぷかぷ”と甘噛みしてきた。

 

 異物の侵入に対して最低限の防衛反応だけを示す、服従と戸惑いが混ざった行動に思わずときめく。

 

 ……なんだろう、私はレズビアンの気もあるかもしれない。

 

 新たな性癖を開発した日であった。回想終わり。

 

 

 

 思い通りに行かず機嫌が悪い私は部屋に入って来たクレアちゃんに心の安定を求めて抱き着く。

 

「ご、ご主人様?」

 

 いきなり抱き着かれたクレアちゃんは驚くが、有無を言わせず彼女の薄い胸に顔を埋める。

 

「んーーーー~~~~~~っ!!」

 

 そして赤ちゃんですら己の喚き方の劣等を思い知るであろう、天晴(あっぱれ)な発狂を見せる。こうしてたまに発散しないと頭おかしくなっちゃうからね。

 

 私の発狂が終わった頃を見計らい、クレアちゃんが私の背中を撫でてくれた。

 はー好き♡ 私の事私の性癖理解してくれてるのもクレアちゃんだけだし。お礼に彼女の性癖を満たしてあげる。

 

「柑橘の香水、付けてないな。私の贈り物を使わなかったのか?」

 

「その、今日は支度が遅れまして……付け始めは匂いがくどいので付けずに」

 

 クレアちゃんの言い訳に耳を貸さず、私は彼女を抱きしめる腕に力を籠める。

 

「香水を付けなかったのに変わりはない。罰が必要だな」

 

 クレアちゃんの上着の一番ボタンを外し、首元に噛みついた。

 

「ぃうっ……」

 

 強く、強く、私の歯をクレアちゃんの柔肌に食い込ませる。彼女は痛みに耐える為なのか、私の背中を強く掴んでくる。

 しかし力が強いのは最初だけ。時間が経つにつれて主人の服に皺を付けてはいけないと、力が抜けてくる。私が噛む力を強くするたびに、背中の手が切なそうに動いていた。

 

 私が口を離すと、細い唾液の糸を残しながら彼女の肌にはくっきりと歯形が。被所有物の証を付けられたクレアちゃんは、目を胡乱にしながら息を荒くしている。

 

「も、申し訳ありませんでした……」

 

 クレアちゃんは衣服の乱れを治して噛み跡を隠そうとするが、もちろん許すはずもない。

 

「今日一日はそれを晒したまま仕事をしろ」

 

「し、しかし歯形を晒したままというのは……」

 

「お前は私の従者だ。従う者の文字通り、ただ従え」

 

 彼女の耳たぶを甘噛みしながら耳元で囁くと、体を“びく”と震わせる。

 

「承知しました……」

 

 クレアちゃんが了承して、ようやく彼女を解放してあげた。性癖を刺激された彼女は内股でどこか猫背気味であり頬を赤く染めている。

 

 うーん、エッチで可愛い。最近はクレアちゃんを虐め、虐められて興奮している彼女に感情移入して、自分のM性癖を満たすとかいう高度な自慰を開発してしまった。

 

 クレアちゃんが私に虐められて興奮して! 私がクレアちゃんの興奮している姿を見て興奮、更に加虐! 永久機関が完成しちまったなァァ~! これでノーベル賞は私んモンだぜ~!!

 

 とまぁ、朝の戯れはこれぐらいにしておいて、クレアちゃんに身だしなみを整えてもらう。生まれ変わった頃は他人に髪を整えられたり服を着せられる事に戸惑っていたが、かれこれ10年以上はこうされているため、もう慣れた。

 

「今日の髪型はどうなさいますか」

 

「高慢ちきツインテール」

 

 私が希望を述べると、クレアちゃんが高い位置で髪をツインテールに結んでくれる。ツインテールと生来の釣り目の相乗効果で、今の私はラブコメの不遇金持ちツンデレお嬢様枠ヒロインに抜擢される事間違いなしだ。

 

「良くお似合いですよ。特に今日の様な日には」

 

 クレアちゃんの妙な言い回しが少し引っかかったが、そのままスルーして今日の執務に臨んだ。

 

 

 

 

 

           ♢

 

 

 

 

 

(三人称)

 いつもは余裕のある雰囲気漂うエリュシオン王国の王宮。しかし、本日に限ってはソフィアを除いた役人たちにまるで戦時中の様な空気が満ちていた。それもそのはず彼らは今日、国のトップであるソフィアから実権を簒奪する計画を実行しようとしているのだから。

 

 執務室で仕事をしているソフィアと、その周りで掃除をしているクレアの元を宰相とルーカスが訪れた。

 

「陛下、私とルーカスの三人で話し合いたいことがありますので中庭にある噴水に来ていただけますでしょうか?」

 

 いつかのソフィア対策会議で先陣を切るのはルーカスという事になったが、万が一失敗した時の責任を彼一人にだけ負わせるのは心苦しいと思った宰相も同行している。

 

「別に中庭に行かなくともここで話せば良いだろう。……いや、やっぱり行く。中庭だな」

 

 書類に承認・非承認の判子を押すだけの退屈な仕事をしていたソフィアは機嫌悪そうに言う。とはいえ、休憩する口実が欲しかったため手のひらを急に返して中庭に向かった。

 

 

 

 

 

 中庭では宰相、ルーカス、ソフィア、クレアの他にソフィアをいつも護衛している兵士達が顔を合わせる状態に。

 

「それで、何の用だ?」

 

 書類仕事で退屈にしていたのを除いても、まだ機嫌が悪そうなソフィア。

 彼女は宰相とルーカスに対して“自分がわざわざ性癖晒けだしたのに信じてくれなかった”と思い込んでいるのでムスッとした態度を取っている。

 

 真実を訴える者にとって一番こたえる事は信じてもらえない事。彼女もその例に漏れなかった。

 

「本日は大事な話があって、このような場所に呼び出させていただきました」

 

 口火を切ったのはルーカス。彼が話し始めたのを受けて、同行していたクレアがソフィアの背後に回った。

 

 侍女とはいえ女王の背後に回る不審な動きを見せれば取り押さえられるのが普通。しかし、今この場は普通ではない。歴史上、後にも先にもないであろう異常事態の渦中なのだから。

 

「陛下には今日限りでお飾りの女王になっていただきたいと思います」

 

「……はぁ?」

 

 ソフィアはルーカスの突飛な発言に疑問符を浮かべる。

 

「聞こえませんでしたか? 私達が陛下から実権を奪わせていただきます。端的に申し上げますとクーデターです」

 

「えっ。な、何を言って……」

 

 未だに混乱しているソフィア。とはいえクーデターという言葉に反応して反射的に色めき立つ。

 その隙にルーカスはソフィアの肩を掴んだ。

 

「あっ……」

 

 自分より二回り以上大きいルーカスに無理やり迫られ、ゾクリとM快感が背中を駆け巡るソフィア。間近で彼女を観察しているルーカスだけでなく、近くにいた宰相も僅かに浮かんだ喜色を見逃さず、これで間違っていないのだと勢いに拍車を掛ける。

 

「とはいえ陛下の知識と知能は非常に有用です。そのため、これからも政策や発明などは沢山思い付いていただいて結構ですぞ」

 

 ルーカスに倣って宰相もソフィアの肩に手を置く。縦に長いルーカスと横に広い宰相に挟まれ、圧迫感を感じたソフィアは混乱も相まって瞳をぐるぐると回しながら口角を僅かに上げる。

 

「お前ら何を言って……」

 

 肩の手を払おうと腕を動かすソフィア。しかし、背後に回っていたクレアがソフィアの腕を後ろ手に拘束する。

 

「く、クレア? 何やって……」

 

 急に腕を掴まれて暴れるソフィアだが、彼女の力は態度と地位に反比例するかのようにひどく弱い。荒事に一切慣れの無いクレアですら押さえ込めるほど。

 

「ご主人様、私みたいな小娘に力で逆らえない……♡」

 

 圧倒的に被服従の立場に置かれたソフィアに感情移入して興奮するクレア。一方でソフィアは拉致されて以降、縁の無かったパワーというあまりに原始的で絶対的な力に晒され、下腹部が“きゅう”と切なくなる。

 

 クレアに押さえ込まれるぐらいなら目の前の宰相やルーカスに勝てるわけがない。

 

「へ、兵士! こいつらを捕らえて……っ!」

 

 外部に助けを求めるが、ソフィア専属の護衛は彼女から目を逸らした。なぜなら宰相やルーカスから事前に話が通っているためだ。しかし、それだけではこうはならない。

 今の陛下の期待に満ち満ちた表情。まるでバトルジャンキーが絶好の好敵に出会った時の様な表情を見て、陛下の喪失したい性癖は本当なんだな、と納得したのが一番大きい。

 

 兵士に目線を逸らされた瞬間、駆け巡るソフィアの脳内物質。

 β-エンドルフィン、チロシン、エンケファリン、バリン、リジン、ロイシン、イソロイシン……!

 

 今まで手足のように扱ってきた護衛に無視をされる。それは彼女にとって手足が動かなくなった事に匹敵する喪失であった。

 

「へ……? ぁ、あぇ……♡?」

 

 本当にクーデターされていると認識し、ソフィアは“ふわふわ、ちかちか”と昇天を迎える。その隙に、周りの茂みに隠れて様子を窺っていた他の役人たちがクーデター有利と見てぞろぞろと姿を現し始めた。

 

“陛下、これからは今までのように無茶苦茶は出来ませんぞ”

“そのようにだらしないお顔……本当にこれを望んでおられたのですな”

 

 周りを大きな男性に囲まれ、腕やら肩やら背中やら、どさくさにお腹やら腰やら胸やらを掴まれ、更に下腹部を“キュン”とさせるソフィア。俯いて陶酔していると、顎や頬に手が伸びてきて無理やり上を向かされる。

 

「「「陛下、お返事は?」」」

 

 ルーカス、宰相、その他役人に迫られ、無数の手に拘束され、口もまともに動かせないソフィアは舌ったらずに答える。

 

「ぁ……あい……♡」

 

 こうして大陸の歴史上初となる無血クーデターが為されたのであった。

 




 無事クーデターが成功しハッピーエンドに到達しましたが、この作品はまだ続きます。

 立場を剥奪されたソフィアの日常。喪失が完了してやる気のないソフィアに無理やり政策や道具の発明をさせる周りの人々。二分したエッセ教の末路。数百年後のエリュシオン国の様子や学校で行われる歴史の授業の様子を書こうかなと思っています。

 良ければ最後までお付き合いください。
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