※ハイスクールD×Dではありません。   作:おーり

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具体的なクロス先は今のところ用語くらいなので伏せときます
キャラが出る予定も無いので多分このままです


平成初期のオカルト学園ラブコメ漫画が混じった結果立ち位置偏った世界線

 小さく、笑うように息を吐き、リアス・グレモリーは余裕を以て口を開いた。

 

 

「――良いわ、話し合いましょう。私たちには、わかり合うことが必要だと思うから……

 

 ――だからその振り上げたコブシを降ろしてそうゆっくりと違うの腰に手を周してなにをする気まってやめておねがいおちついああああああ!!」

 

 

 ……余裕、あったんだけどなぁ……。

 

 残念無念、赤髪ボンキュボンナイスバディな先輩は、前川みくみたいな声したメガネの生徒会長の手によってキン肉バスターに処されてしまった。高校生が穿くとは思えないエロ下着全開で。…ナイスファイトだったぜ!

 いやファイティングスピリッツの恒常的な向上を目の当たりに出来たことに感心したのであって目に嬉しい光景に歓喜したとかそういう意味では決してなく――。

 

 

 さて。

 なんでこんなことになってしまったのかと言えば、幾許か話を戻すことで判明する。

 

 元はというと我がクラスのオープンスケベの一角が何をトチ狂ったのか、駒王学園のアイドルと呼ぶべき先輩に秋波を向けられちまったぜへっへっへ、と調子に乗っていたのがコトの始まり。

 今日日秋波とは聞かねぇなぁ…分かり易くらぶモーションとでも翻訳(いわんや)

 

 まあとにかく。

 流されて連れられて騙された兵藤一誠が8割悪い。

 

 日頃からR18指定映像女優ばるんばるんアクションの明け透けな感想を学び舎の教室でフルカウルトークショー噛ましたり、女子更衣室をコソコソ覗く様をライフワークと表明したり。

 男子からは令和に産まれた諸星あたる、と若干尊奉にも似た崇敬を向けられていたりもするのだが、それは女子からの好感度を犠牲として得られているモノだということを理解すべきではあった。

 

 

 獣骨を飾り、燭台の灯が揺らいで翳る。

 血濡れで濁った様に彩られた魔法陣の描かれた床板から、不可思議な反射で裸身が魅せる。

 撓む双丘、艶めくフトモモ、折れそうなほどに華奢な腰つきが翻る魅力は、画面越し、隙間越しに覗き続けたどのような女子女生徒のそれらと比べても、ずっと蠱惑的であったことだろう。

 

 

 だから、こうして貞操と引き換えに命を捧げるような魔女会(サバト)に連れられる羽目となる。

 

 

 ガッシャガシャと旧校舎の寂れた教室隅から転がり出る、大人の玩具と嘯くには殺傷性と鉄錆に似た血塗れスメルがお高めな拷問器具の数々に顔を引き攣らせるオープンスケベを脇目にし、銼蟹銜(ざがばみ) (いかづち)は何とはなしに興味を失せていた。

 

 なんてことはない。

 迂闊さが悪い話で終われるのだ。事件が未然に終わったために。

 だから、コレの中に在るモノなど何も無い、そのままなのである。

 

 

 だからこそ、漫画みたいなたんこぶを作ってしおらしく正座しているリアス・グレモリーへ、彼は善意の一押しを告げるのだ。

 

 

「てか、兵藤とナニを契約する気だったのかは知りませんが、ソイツは呪詛(魔術的素養)加護(先天的祝福)罪宝(ぺナジュエル)も持たない般人(パンピー)ですぜ。明らかに先走り過ぎですなぁお嬢様」

 

 

 おっと驚いた(かんばせ)

 まあ実力はともかく知名は有るので、多少は仕方がない。

 今回の此れで致命となりそうではあるけれど。

 

 

 

  ■

 

 

 

 現代に於ける“悪魔”とは何かというと、魔術的な側面から生まれる反作用というのがロジカルな見方のひとつとして彼らは聴く。

 

 儀式を飾り、意味を准え、象徴を置き換え、祭事を模倣し、冒涜を是とする。

 魔術とは所謂オカルトの領分であり、其処に論理的な繋累は酷く薄いモノではあるが、術とは要するに技術のことで、継続的に次へと継承して征くのが人間の性だ。

 魔術もまた繋がれて往くために、彼らはそれを理屈で理解できるようにと、ロジカルな研究も視野に入っていた。

 

 一神教の手で堕とされた悪魔とは、歴史を準えば判るように侵略の痕でもある。

 他国の神を貶めてまたは取り込んで、他国の神話の否定を率先し、数多の神の時代を終わらせた彼らは、ヒトの時代を先へ遺そうとして、神話の代替えを取り計らった。

 故に【聖書】。

 此処に神の名は冠しない。

 

 しかしだからこそ、身中に呑まれたからこその彼らは、閉塞とされた人間の時代を覆さんと悪魔崇拝を選択する。

 魔術とは聖書を信奉するからこそ生じる、呑まれた神話へのプロトコルを辿る、かつての神を象る為の道程と呼べるわけである。

 

 

 故に、悪魔は実在する。

 神の遍在を是とする、神の信奉者がユビキタスを崇めるがゆえに、悪魔らはヒトの想念に大罪として対峙して実現し続ける。

 

 その悪魔を信奉し、その名を冠し続けたのが現代に続く魔術の大家だ。

 生徒会長の倭文(しづり) 忽那(ソーナ)は日本へ帰化しているが【シトリー】を奉じる魔術的血統の嗣子であるし、有名処の『ルシフェリス』という魔術師もまたドイツから日本へ渡って来ていたと聞く。

 現代的な魔術信奉者らはむしろこうした文明的な社会へと紛れてくるのが歴史的な背景にもあり、リアス・グレモリーは名前からして隠しきれていない明らかに魔術師として『グレモリー』としての復権を担う嗣子のひとりであった。

 

 

「同輩だからといって見逃す、わけはないのよ? その辺りの常識は国外へ置いてきちゃったのかしらリアスさん?」

 

「ご、ごめんなさい…」

 

 

 平たい胸がおたわわな胸部とぶつかり合ってドスコイドスコイ。

 力量差は推してるちっぱいが明らかに火力が足りてないよぉ! なわけだが、押されてるグレモリーはガンギマってる眼差しを直視できずに必死で目線逸らし中。

 勢いで負けた方が勝負にも負ける。

 ケダモノの上下関係は昔から自明の理である。

 

 

「まあまあ、お嬢様ぁお兄ちゃんのやらかしで色々とお家再興への足掛かりを探してるんですし、本日は初犯ってことで見逃しましょうや。連れられた兵藤が8割悪いんですし」

 

「確かに噂も聞きますし、学び舎でコト(情事)に及ぼうとする彼が8割悪いことも明白ですが…」

 

「お、俺に味方はいないんですか…!?」

 

「「アンサー:日頃の行い」」

 

 

 にべもなく重なったふたりの言に、兵藤一誠は目の幅涙がちょちょ切れた。

 滂沱、というやつである。

 

 

「ちょ、ちょっと待って、ふたり、というかまずお名前を…」

 

銼蟹銜(ざがばみ) (いかづち)です。其処の莫迦のくらすめぃと(classmate)

倭文(しづり) 忽那(ソーナ)よ。生徒会長(principality)

 

 

 なお【principality】は学内に限れば正確には校長を指す。

 訳せば公国とかその支配者とかそんな意味合い。大体合ってる。

 

 

「ふ、ふたりはなんで我が家の兄の事を知ってるの…?」

 

 

 全然情報アドバンテージを取れない事実に、リアスは及び腰ながらも虎穴へ臨む。

 一歩でも、踏み出すことが勇気…!

 

 

「この業界だと有名ですよぉ。レメゲトン派の筆頭と呼ばれた次世代の天才魔術師がグリモリウムヴェルム派へ【ルキフグス】の娘に懸想して派閥替え、しかも【マルバス】の血筋を滅ぼして乗っ取って手土産にしたんでしょう?」

 

「世が世なら女冥利に尽きる良いお話よね。まあルキフグスの娘さんの方がどう思ってるのかまでは伝わってこないけど」

 

「いや、それがそちらの方は今代の【サタナキア】に仕えてるらしくて」

 

「えぇ…? 今代(いま)の【サタナキア】って女殺しで有名なアレじゃないの。お兄さん何処まで本気なの?」

 

「そこで私に話を振らないで頂戴」

 

 

 新しく出て来た情報(虎児)にリアスの表情が抜け落ちる。

 チクショウ、何が勇気だ!

 

 

「まあ、お察しの通り、そんな真似をした(クソ)のお陰で業界内でのグレモリーの信用は酷いモノよ。血筋と才能を繋いできた誇り高い一族は、何処の親族にも頼れなくなっちゃったのよね」

 

「古い家柄はそれこそ別口の魔術師との繋がりで血を遺すとも聞いたわ。この辺りは貴族社会とも重なってるわね」

 

「れ? その割にはお母さまのご実家ってアレじゃありませんでしたっけ?」

 

「本当に何処まで詳しいのよ…。そうよ、【バアル】。700年前に失墜した、希少さだけの血筋、ね」

 

 

 兵藤は口を挟めない。

 何やら重要な話を交わしているのは判るのだが、専門的な部分ばかりで自分の及べる範囲が無い。

 つまりは蚊帳の外だ。

 

 だから、何処で何がどうして、自分が巻き込まれているのかが、聞いていても理解が出来ないままであった。

 

 

「ソレがあると思いましたか。兵藤に」

 

「思ったんだけどねぇ…」

 

 

 だから、いきなり話題と視線がこちらを向いて普通に驚いた。

 

 

「え。ナニが…?」

 

「…いくら追い立てられても諦めない衝動、時にはその道のプロである運動部も混じった逃走劇で逃れ切る、限界を超えるほどの体力。明らかに対格差が在る相手に、勝ちを捥ぎ取る場合もいくつも見たわ。不条理を越える不条理はオカルトの領分よ。其処に、あると思ったのよ。【バアル】の権能足る『倍加(ダブルカウントレス)』が、ね…!」

 

 

 それは。

 

 …それは、覗きを見つかってからの逃走劇のことを指したのであろうか。

 

 妙に恰好良く表現されているのだが、男子はその気になればパンツが弾ける覚醒(ふもっふ)くらいは容易く出来る、と兵藤は思っている。

 覗きの為なら命だって賭けてやらぁ! でも大統領は簡便な!

 

 尚、当時の追走にアメフト部のガタイヨシ男子タックルで汗まみれとなった苦い記憶が、今の彼の顔付きを若干蒼く染めていた(ブルーロック)

 

 

「覗きの為に限界超えたくらいで何を大げさな」

 

「身も蓋も無い言い方はやめてくれ。その通りだけど」

 

 

 ロクな目に合ってないのに覗きも辞めない。

 だからお前はイッセーなんだ、と目が言っていた。

 賛辞では無かった。

 

 

「本当にバアルの権能が扱える罪宝(ぺナジュエル)を持ってたとしたら、この莫迦は『透明化』を使いますよ。莫迦ですから」

 

「え!? そういう効果を持つなんかがあんの!? くれ!!!」

 

 

 立ち直りの速いバカにリアスは普通に引いた。

 納得せざるを得ない反射速度であった。

 それもそうね…、と落ち込むだけで手いっぱいであった。

 

 

「さて。それはさておき、今回の沙汰を言いつけます」

 

 

 と。生徒会長の言で【リアス・グレモリー魔女会誘惑事件】は一端の終わりを見せる。

 これが、彼らが知り合った最初の事件であった。

 




倭文:しとり、と打ち込めば変換できるしそう読める。そういう名前の神社もある

バアルの失脚:公式設定。羊飼い舐めてかかって魔術書取られ悪魔社会から総スカン

ぱんつが弾けるふもっふ:こーのーせかいにー、間違えた、きみがいるーからー

蒼く染める:ちらちらそんなCMよく見てた気もするけど作者は微塵も触れて無いのでわっかんね☆


お恥ずかしながら戻ってまいりました
前作は続けるモチベが無いので新作です
宜しければ今回の戯れにお付き合いください
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