※ハイスクールD×Dではありません。   作:おーり

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サブタイに悩んだので初投稿です

ちなみに天保異聞の時代設定は天保14年の末期だそうです(トーリービアー


天保5年、大飢饉の最中【水野忠邦】老中となるッッ!!

 時代(とき)は令和、世紀末!(CV.千葉繁。

 淑女の集う学び舎足る聖ティルダ女学院では、未曽有の(まじな)いが流行していたッ!

 

 

「ヒッヒッヒ…! 此処で青の滴をひとつまみ…、こ~れで恋のおまじないの完了ッてわけだねぇ…!」

「流石ですわおねえさま…っ! ライバルを蹴落とす為なら特級呪物にだって挑んで見せる…! その生き様にシビれる憧れるッッ!」

「イィッヒッヒッヒ…素敵なお嫁さんになれますよぅにぃ…!」

 

 

 いわゆるテンプレートな魔女の恰好にフォルムチェンジを果たした女学生と思しき二人組が、家庭科室で大釜をぐるぐると混ぜつつ煮込んでいた。

 コレにはマリア様だってびっくりだ。別の小説見てる場合じゃねぇ。

 

 

「コラー! 家庭科室の利用には許可申請が必要よー!?」

 

「やっべ。生徒会長のお出ましですわ。お逃げになるわよ義妹ッ!」

「何処までも付いていきますおねえさまッ!」

 

 

 ッスターン! とスライドした扉から某天野さんが顔を覗かせれば、即座に脱兎と身を翻す少女たち。

 脇目も振らずに窓へ向かった丁度そのとき、

 

 

「ハッハー! 此処から先は通行止めだぜぇー!」

 

 

 窓を開けて誰かさんのモノマネしつつ立ち塞がるのは、我らが良く知る主人公(覗き魔)兵藤一誠そのひとであった!!!

 

 

「ッ!? 馬鹿な、此処は3階だぞ…ッ!」

「アレは人知を超えた変態ですわおねえさまっ! 女子校に侵入して3階まで窓の外を登る男なんて、他に説明付きませんっ!」

 

「ぐぅのねも出ねぇ!」

 

 

 義妹の見分性能が高すぎる。

 そして義姉に関しては、なんなんだ、口調ぶれすぎだろお前。

 

 

「くっ、前門の変態、後門の生徒会長…! 万事休す、か…!」

「お、おねえさま…!」

 

「へ、へっへっへ、諦めておとなしくするんだな…、いやしかしお姉さんスタイル抜群っすね、お胸が強調される衣装で北半球と鎖骨のコントラストがマジセクシー…」

 

「おねえさまを視姦するな変態ッ!」

「か、かくなる上は…!」

 

 

 覚悟を決めた義姉が、うおおお!と叫びつつイッセーの横の窓へと吶喊する。

 これが聖ティルダ女学院伝統のガラス破りだぁーーー!!! という捨て台詞を遺し、彼女らは3階の窓からカッシャーン! と飛び出して逝った。

 

 

「下級生が真似するでしょ止めなさい! あとそんな逃亡前提の伝統はウチの女学院にはありませんッ!!」

 

 

 

  ■

 

 

 

「入校許可、渡すんじゃなかったかしら…」

 

 

 あの後、伸身5回転宙返り着地で無事逃亡を果たした義姉妹(スール)な二人組を見事に見逃し、縋った藁が役立たずだったこと『だけ』は判明した。

 諸々流されて校内への入校も許可してしまった過去の自分を、今からでもシバいて止めたい気持ちで夕麻の胸はいっぱいだった。

 

 一介の男子高校生になんて何が出来ると云うものでもあるが。

 大概、後悔と云うモノは跡の祀りに陥るモノだ。は? 字面が違う? 大概意味合い変わらんじゃろがい。

 

 

「い、いや、役にはたてなかったけど、これからこれから! 俺は逆境でこそ輝く男だぜっ!」

 

「普段から実績を残せない人は、昼行燈っていう場違いなだけの暗喩なんですけども…。兵藤くん? 使う人の暗愚を隠喩にも持ちますけど、自分で云う人って『己の使い方を知りません』という自己紹介でしかありませんよね?」

 

「ナマ言ってスンマセぇン…」

 

 

 サムズアップした役立たずを下から覗き込むような目で笑顔を向ける生徒会長・天野夕麻。

 ぱっちりとした瞳は美少女なのだが、滲むサディスティックな視線には『役立たずは出荷よ~』とはっきりくっきり書いてあったのでガタガタ震える役立たずが其処に居た。

 

 

 改めて、此処は女学院・聖ティルダ。

 ある男の娘がしっちゃかめっちゃかに引っ掻き回したお蔭で世間様へ日の目を見た、乳袋の目立つ制服のミッション系スクールである。

 

 まともな教育機関の制服とは思えないが、駒王町お隣のこの高鳴市ではエレクトリカルパレードなどと揶揄されるパフスリーブ付きのピンクカラーショート丈ブレザーと胸を強調するコルセットスカートというセーラー&ブレザーの両方を取り入れられた折衷案みたいな制服を着ている学園も(略。

 

 駒王学園もヒトのこと言えない制服事情はさておき。

 男子生徒発覚事件の前後からかは定かでは無いが、この学院では冒頭でも触れた様にちょっとした(まじな)いの巣窟となっていた。

 

 家庭科室を勝手に占拠するだけならばまだ良い方で、生物部から鳥の剥製を使い魔と称して持ち出したり、お小遣いをはたいて購入したオカルトグッズを百葉箱に隠したり、近隣の佐藤さん宅の庭先に『大魔神』のレプリカを飾ったり、とちょっと暴挙がフェスティバル。

 毎日毎日踊ろ騒ごラリホー!(CV.田中真弓)みたいな狂騒っぷりに、生徒会長の心身もすっかり疲弊してしまっていたのである。

 …いやホンマやべぇことになっとるやんけ学院、頑張ったよキミ…。

 

 

 さて。

 流れならば、イッセーの所属するというオカルト研究会へ話を振るのが筋になるのだが。

 残念ながら、その辺りは騙りでもあるので、イッセーからの紹介は信用が無い。断言するが。

 

 その辺り本人も把握してるので、素直に駒王へ戻れも出来ない兵藤一誠。

 事前調査という名目を建てて、直接女学院へ赴いたのが事の発端であった。

 わざとやってるんだとしたら手口は見事に詐欺師のソレだ。見込み有るヨ、キミぃ。

 

 先立って暴露っ(発覚し)たヤベー事件のお陰で女装してこっそり侵入、なんて真似は無論できないので、その辺りは色々物語的に面白みのない展開で事を運ぶしかない。

 現実は非情なのだ。

 似た事件起こして更に騒ぎを煽るなどと、本物の莫迦の行いでしかない。

 故に天野夕麻は泣く泣く許可証をイッセーへと渡したのであった。何も泣かんでも。

 

 

 それはさておいて、イッセー自身にも女学院への侵入以外に、色々と思惑はあった。

 

 秘密のヴェールに隠された女学院、というだけで男子高校生はwkwkする(村田製作所。

 純粋な好奇心よりは、こう、下心的助平根性的意味合いで。

 

 だがそれよりも、イッセーには【オカルト】に対する、隣接しようとする覚悟みたいな、一歩分でも近い踏み込みが欲しいと、そう思っていた。

 その理由は当然、自らがハブにされたと思っているオカルト研究会に、自らが大手を振って迎えられるためである。

 リアスにこそ袖にされた事実が、彼の中では結構な重要性を占めていた。

 

 雷の方はなんなら明け透けなくらいに説明してくれそうな気もするが、それは立場としては『客』だ。

 恐らくは身内では無い。

 ある一線が心に在るとして、彼らはその内側へイッセーを迎えることは無いであろう。

 このままでは――。

 

 

 ――そう、この事件で何某かの解決やスタンスを経て返り咲く。

 それこそがイッセーの目論む、計画であり目標――。

 

 イッセーは、年頃の少年がアイドルやサッカーの花形に憧れるかの如く、オカルト研究会員になることに憧れる少年としてこの場に来たのであった――!

 

 

「…何か何処かのギャングスターに憧れるスタンド使いみたいにビシィッ!とポージングしてますけど、これ以上役に立たなかったら普通に帰ってもらいますからね」

 

「セリフのテンションが水平線の如きフラット! うす! 頑張ります!」

 

 

 とりあえず格付けは終わったらしい。

 兵藤一誠、この場でも下っ端スタートである。

 

 

 

   ■

 

 

 

「――てな感じで、隣の市でオカルト事件が勃発しているみたいですね。白音さんのネコミミは、其処からの誘爆だったのかもしれないわね」

 

「勝った! 第3部、完ッ!」

 

 

 実は翌日の話なのです。

 何処からか情報仕入れて来たらしい倭文 忽那の報告に、悦び顕わと小躍り始めるリアス・グレモリー。

 その狂乱っぷりに胡乱げな顔で疑念を抱く東城 白音も其処に居た。いや顔つきヒッデェな。

 

 

「(自分がやらかした魔術儀式の余波かと狼狽えてたからなー、それにしたって喜び方はちょっとアレだけど)」

 

「(ああ、そういうことですか)」

 

 

 忽那と雷がこっそりとアイコンタクト。

 何も言わない先輩方へ、白音は益々苦々しい顔付きへと変わって逝く。

 

 

「え、なにも言わないんですか、アレ…」

 

「コホン。取り乱したわね」

 

「(ホントだよ)」

「(本当ですよ)」

 

 

 ひとしきり踊り切り武富士みたいなスタイル晒し終えて、リアスはスタンスを切り替える。

 いま無いんですよ、あのCM。

 

 

「というか、オカルト事件っつうよりは子供の悪戯みたいなのが多いな。コレで本当に余波が出るくらいの影響あるかねぇ?」

 

「むしかえさないで、おねがいだから…!」

 

 

 疑念を浮かべれば不安げな泣き顔でイヤンイヤンと雷へ縋りつくリアスが其処に。

 

 

「話が進まないのでこのまま進行しますが、大元になった事件自体は起こった様子ですね。校舎に封じ込められた吸血鬼が女学生を取り込んだ、とか。審査のためにシスターも派遣される様子で」

 

「ほー。駒王のオーナーなのにお隣の事情にお詳しいねぇ」

 

「ふふふ、こう見えて優秀なのですよ、私」

 

 

 自分の何を卑下しているのかは知らないが、忽那はジッサイ情報収集に関してはかなり優秀である。

 一方でリアスは「え、知らないうちに事件が起こってる…?」という顔でぽかんとしているが…、ま、まあ彼女は元々地元でないし、何時から日本にいるかはわからんけど、家を継げば優秀になれるはずだから…うん…。

 

 

「それにしたってお隣の市の内情ですよね。ちょっと詳しすぎませんか?」

 

「まあ、情報元というか丁度お客様が来ている流れで知れたと云いますか」

 

 

 白音が追及すると、あっさりと忽那は白状する。

 客? と皆が疑問符を浮かべたところで、忽那は笑顔のままリアスを見た。

 

 

「リアス、貴女にお客様です」

 

「え? 私?」

 

 

 その言葉に促されたのか、教室の扉を開けて、ひとりの少女が姿を現す。

 真白い肌、アメジストの目と紫がかった銀髪、猫のような吊り目とボブカットは、失礼ながら、やや色違いの白音のような近似がある。

 ベレー帽に似た黒い丸帽子と、フリルが多めのミニスカートとケープで着飾った少女は、リアスを見つけるとにんまりとした笑顔を浮かべた。

 

 

「迎えに来ましたよ、リアス・グレモリー」

 

「お帰り下さい!!!」

 

 

 拒否感スゲェ、どうしたお前。

 




地の文書くの楽しすぎて科白の割合が減ってきますね。反省反省
なお二次創作なのできちんと公式に基づいて書いてます。勝手なことは書いてませんよ?
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