【本編完結】もしもさりなちゃんがゴローと結婚するとしたら   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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Q.最近ゴロさり要素少なくない?
A.俺も思ってた


もしもさりなちゃんが旧B小町と出会っていたら-2-

 雨宮さりなは欲張りである。

 アイドルでアイの隣に並び立つ女になると宣言した彼女は翌日もB小町全員が事務所にいると知るや否や即座に向かって社長に

 

「あの事を伝えたいからみんなを集めてもらえませんか?」

 

 と伝えた。

 壱護は瞬時に何の事か察して胃を抑えたがそれに関しては後々もっと盛大な胃痛が来るのと比べれば耐えねばならないと平静を装って承諾した。

 

 もう一度言うが雨宮さりなは欲張りである。

 アイドルとしても嫁としても頂点に立つと意気込む現状世界一無敵の女である。

 

「……まあ、二日連続で集まってもらって悪いんだが。今日はりーなから事前にメンバーに知ってもらいたい事があるそうなんで聞いていてもらえると助かる」

 

 アイは事情を知っていたので「あれか〜」と瞬時に納得していた。

 他のメンツは頭の上にハテナが出ていたりそもそも興味無さげに他事をしていたりするメンバーがいたりと様々だった。

 

「皆さん、わざわざごめんなさい。でもどうしても事前に知ってもらいたい事があるんです……私のコンセプトは『嘘も秘密も無い最強のアイドル』なので」

 

 嘘も秘密も……というところで勘の良いメンバーは『大方結構ヤバい事だな?』と考え始めていた。

 そしてそれは大方どころの問題でないとその直後に知る事となる。

 

「私の秘密、それは……私、実は夫がいるんです」

 

「……ん?え?」

 

「夫……オットセイじゃなくて……?」

 

「ちょ、ちょちょちょちょっと待って!?は!?」

 

 上から順に芽依、カナン、ありぴゃん。

 B小町の中でもリアクションの良いメンバーだ。

 初見では少しクール系な印象を与えがちなカナン、実態はアイに次ぐ天然である。

 

「……こ、これはちょっと意外だったね」

 

「新人ちゃんより行き遅れる私……不幸だぁ……」

 

 流石の一番クールなユウキも苦笑いを浮かべる他無かった。

 そしてめいめいは安定していた。安定して不幸オーラを纏っていた。恐らく一番平常運転していたのはこの人かも知れない、とさりなは感じていたのであった。

 

「貴方……それで本当にアイドルやれると思ってるの?」

 

 一番常識的な事を口にしたのは……ニノだった。

 他のメンバーからしてもご尤も過ぎる意見なだけに何一つ反論は出なかった、アイに関してはさりなを試しているのか口出しはしてこなかった。

 

「やります。その覚悟を持ってこの場に、B小町として立つと決めました。何があっても絶対に、大好きなB小町に汚名を付ける様な真似はしません」

 

「……そう。アイドルはそんな簡単なものじゃないと、分かってくれてたら良かったんだけど。見込み違いだったかしら」

 

 この中で一番アイドルとしてのプライドが高いのはニノだ……というのは昨日の時点で彼女自身察していた。

 そうではあるが実際言われてしまうと多少なりともショックを受けてしまうのは元々ファンだった宿命か、それでも一度決めた道を戻る気は彼女には更々無かった。

 この歩みが、きっと良い変革を起こしてくれると信じているから。

 

 ……とはいえ、である。

 

「ねえねえりーな!りーなの旦那さんどんな人なの!? 」

 

「え、本当に夫なの!?オットセイじゃなくて!?」

 

「アンタはいつまでオットセイ擦ってんのよ!じゃなくて!所帯持ちでアイドルって世間にオープンするって事なの!?」

 

「不幸だ……私は……」

 

「あ、あはは……」

 

 取り敢えず食いつきが思った以上に良くて少し困惑しているさりながいたのも、また事実であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~……疲れたぁ」

 

「お疲れ様さりな、ホットミルク飲むかい?」

 

「ありがとーゴローくん〜、はぁ幸せ~……」

 

「……B小町、どう?」

 

「ううーん……思ったより殺伐としてた」

 

 自宅というものは何よりも一番安心する場所である。

 アイの家で過ごす1週間の内の二日もそれはそれで幸せな一時だが、それはそれとして最愛の夫のいる自宅は格別だ。

 吾郎に矯正される前の彼女であれば、ストレスがマックスまで溜まれば

 

「私は家に帰れば最愛の夫とイチャイチャして無敵になれるけど、貴様らは?」

 

 という害悪ネット民らしい火の玉ストレートなレスバトルを繰り返していただろうと懐古する。

 

「そのレスバ癖治したら正式に婚約するから、一緒に治していこうね」

 

 と言われた彼女は次の日にはレスバトルという単語自体を空の彼方に放り投げていたのは言うまでもない。

 現金な女と言われようがあの頃の彼女からしたら世界には吾郎とB小町しかいなかったのだから当然である。

 

「なるほど、それで疲れちゃったと」

 

「やる事は決まったし気合いも入ったんだけどね……はぁ、やっぱり推しから否定的に見られるのは辛いものがあるよぉ……私だって嫌われたくてやってる訳じゃないからさあ」

 

「……さりなは良く頑張ってるよ、それにアイ以外にも友達出来たんだろ?」

 

 少しだけ力無く吾郎に寄り掛かってくるさりな。

 吾郎はそれをそっと抱きしめて優しく頭を撫でながら愛おしそうに声を掛ける。

 それだけで彼女はまた活力が湧いてくる。

 

「うん。芽依ちゃんとカナンちゃん。初めて出来た後輩だーって凄く良くしてくれたし、ゴローくんの事話したらどんな旦那さんなのー?って興味津々で聞いてくれたり」

 

「やっぱり驚かれた?」

 

「キツい事も言われたけどね。それ以上に興味津々な人が多くて少し意外だった。……でもゴローくんの事たくさん話せて楽しかった!」

 

 事実、芽依、カナン、ありぴゃんに質問攻めされ困惑こそしていたが話す事に躊躇は抱かなかった。

 出会いから今までを話した結果三人ともまずは彼女の境遇に涙していたのは言うまでもないが。

 結論から言うと三人共に吾郎への印象は最高だった。

 年齢こそ相当なものでありどうなのかと思われていたが、エピソードを聞いた後で年齢差を気にする人間は存在しなかった。

 

「割と好印象だったんだね、僕。おっさんだしどう思われるか心配だったけど」

 

「カッコイイエピソード多いから大丈夫だもん。聞いてくれたみんなは「良い旦那さんだね」「手放すんじゃないわよ」って言ってくれたし」

 

「はは、そりゃ光栄だな」

 

 軽く笑いながらも、ギューッと彼女の抱き締める力が強まった事で彼もまた色々と想いが駆け巡る。

 そこまで彼女からして『僕』は自慢の存在だったんだなという気持ち、そう想う事で照れ臭くなる気持ち、もう少し自分にも自信を持っていかないといけないなと気を引き締める気持ち……

 

 その全てを受け止めて彼もまた、優しく、それでいて少しだけ力を強めて抱き締め返す。

 

「これでまた頑張れそう……」

 

「それは良かった」

 

「……私、頑張るね。アイと同じくらい輝く星になるから」

「応援してるよ、さりな」

 

 そう決意し、今は微睡みに身体を任せるのだった。




ユウキ
実は愛称を変更した過去がある
メンバー内で一番自分自身へのコンプレックスを持ってる
「B小町で一番臆病なのは、私だから……勇気が欲しくて。安直だけどね」

ありぴゃん
相変わらず後輩自体は可愛いと思ってる世話焼き
アイ以外との仲が一番良好であり、アイ以外での事ならメンバー間の架け橋にもなる頼れる姉御肌
「アイ以外の事なら何でも相談しなさい。アンタの事気に入ったから大抵の事なら解決してあげるわ。アイ以外ならね」

芽依
好奇心旺盛で加入前は熱狂的なアイのファンでもあった
後輩が可愛くて可愛くて仕方ない
「りーな!今度ショッピングしない!?東京の色んなとこ連れてってあげる!」

カナン
しっかり者に見えて天然でちょっと変な子?加入前は熱狂的なアイのファンでもあった
B小町で一番オタク目線に立てるメンバー
「現役JK人妻ロリアイドル…脳みそが焼かれる!気持ちいい!」
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