LOVE LIVE!! The Rainbow For yoU 作:RASっさん
それに今回は視点が2人からのものとなっています。
昼時の食堂は相変わらず生徒らで混みまくっていた。ここ、何でもあるのに財布に優しいからだろうな…俺も毎日のように使っている。
が、生憎今日は何かを頼む気になれない。三大欲求の食欲に勝るのは…睡眠欲。
「………眠ぃ」
今日は異常に眠い。重い瞼の下には隅ができていることだろう。普段は10時間以上寝る俺が徹夜したからな…
昨日、あのまま調子に乗っていろんな動画見返していたから、オールしてしまった。
授業中の睡眠だけでも全然足りないくらいだ。少しでも油断したら倒れ込むくらいに眠い。
あー、だめだ…エナドリでも買わないと午後も持たないな。もしくは仮眠を取るべきかもしれない…それなら午後のバンド練も何とか参加できるだろうし。
食堂を抜けて学園の外庭へと足を進めた。あいかわらっずスゲエ景色…
庭というが、その広さは尋常じゃなくトレーニングで使う人もいるくらいだ。俺も外周を回ってみたが相当疲れる。
だがそれもあってか、ここは絶好の睡眠スポットがある。たとえば木々の下とか、丘上のベンチとか…原っぱに大の字に寝るのもありだ。
その場合、事故で誰かに踏まれるリスクはあるけど。てかこの前踏まれたし。
顔に襲いかかった痛みを思い出しながら、今日は木の下で寝ようと考えていた。
丁度良いスポットがこの前見つかったんだ。それは意外にも部室棟付近にある。
「やっぱりここ隠れスポットだよなぁ。昼時で人通り少ないし」
その場所には大きな木が植えられていて、周りにベンチが囲んでいる。こんな感じのベンチは他にもあるが、ここは角に位置している上、部室棟の裏にあるため目立たない。
加えて今の時間なら太陽の光を丁度良い具合に浴びられる。寝るところとしては最強の場所なのではないか。
少なくとも、これを見つけたときは一気に睡眠が解消されたのは確かだ。その後の授業もしっかり聞けてたし。
そんなわけで、今日も昼はここで寝るとするか。これなら午後に爆睡して中川に何か言われないだろうし。
「すやぴ……」
「……ん?」
と思ってたが…先客がいたみたいだ。猫みたいな寝言が聞こえた木の裏へ回ってみる。
目に入ったのは1人の女子生徒だった。ゆるふわウエーブのかかった茶髪で、落ち着いた色のカーディガンを着ていた。
そんな彼女は木に寄りかかる形で睡眠をとっている…しかも太陽の位置的に、最も気持ちがいいポジションだ。完全に分かってやがる。
ぐぬぬ…普通に1人で寝るつもりだったが、ここを見抜くとはやりおるな。
一応、暇な時に校内を回って1人でサボれる所を探してはいたから、ここは穴場と思ってたんだけどなぁ。
「すやぁ……」
「めっちゃ気持ちよさそうに、しかもど真ん中に寝てるな……」
彼女のカーディガンに隠れているが、首に見えるのは緑色のリボン…
つまりは2年生。俺の1つ上の先輩ってことになる。
先輩となると俺より先にここを見つけていてもおかしくないか…それにしても本当に気持ちがよさそうだ。
木漏れ日が丁度彼女に当たっているから、この状態自体、青春の1ページに収められそうだな。一言で言えば、凄く絵になっている。
それより、どうしたものか…こうなると場所を変えるべきか?
いや、ここまで来るのに時間をかけてるし、今から他を当たってもまともな睡眠時間は取れない。
それに、すやすやと寝ている目の前の先輩を見ているとこっちまで眠くなってきた。早くどこかに座りてえ。
「それじゃあ、少し距離あけて…こっち側失礼」
彼女の邪魔にならない程度…1人分くらいのスペースを空けて腰をかける。ここでも十分陽の光が照らしてくれた。
先輩の睡眠を邪魔はしない…でも気持ちよく寝れるくらいのポジションにはなれたかな?
木に寄りかかってみるとずっしりとした幹が背中に感じる。でも不思議と悪い気はしなかった。
これが自然の力ってやつか…
「おお…こりゃあ……い……ぃ…」
程よい気温と心地よい風…両方がうまく重なり合う事で形成されるこの場所はやっぱり天国だろ…
同時に意識が薄らと揺らいで、力も抜けていく。
ってことで、おやすみ…30分くらいは寝よう。
☆★☆★
「鰐淵さん、ありがとうございます。確かに皆さんの課題を受け取りました」
「いえ、気になさらないでください。ただの雑用ですので」
そう言い残して職員室を去ります。私より先に到着していた彼女は既に何処かへ向かったようですね。
まぁ、彼女は四六時中何処かで借り物として使われているようですし…よく壊れないものです。
それにしても、このように時間を喰われるのは侵害です。
「それに本当に、程度の低い用事ですね。態々分担する仕事でもないでしょうに…」
本来、私1人で済ませるはずだったノートの提出。紙媒体を好むこの先生に課せられた面倒極まりない仕事でした。
それでも1人で行うなら問題ないとたかを括っていましたが、予想外の手が伸びてきました。誤算でしたね…もう1人の委員長がいたなんて。
『えー?1人だけで運ぶのは時間がかかるよ〜…愛さんも手伝うから!てか同じクラス委員長だし!これでお”あい”こだよ!愛だけに!』
お陰で時間のロスが逆に生じる…しかも有無を言わずに勝手にノートを運んで行く。
…腹いせに爆せてくれますか?
…誰かの命令で動きたくないから、上の役に着いたというのに、面倒な人と組む羽目になりましたね。高い頻度で絡んできますし。
しかも、性格は何処かのキャンキャン娘に類似している…頭はそれほど悪くないようですけど。
そもそも、アオトの言っていましたが、ここには俗物などはそうそう居ませんね。全員、少なからずうじ虫以上の理性は持っているのでつまらなくはないのですけど…
あのような年中元気に走り回ってそうな人も苦手ですね…ワンワン娘ですね。キャンキャンよりはマシですが。
「貴方、ちょっといいかしら?」
「…はい?」
そんな風に考えて歩いている時に声をかけられました。振り返れば学園の生徒が突っ立っているではないですか。
ロイヤルブルーの髪…奇抜ですね。身長もとても高く、女性に換算するとモデル体型でしょうか。何はともあれ、知らない人であることは確かですね。
「食堂の場所が何処にあるか、知りたいのだけど…」
「1階の入り口に校内の全面図があるので、そちらを確認すればいいかと」
「え?」
「では失礼します」
何か返してくる前に私は歩き始めます。昼食の時間、既に始まっていますし…途中であのキャンキャン娘にうるさくされては台無し。
なるべく早く到着したいのに、今日は散々ですね。いっそ世界が私中心に動いてくれないでしょうか。
…そうは上手くいかないのですけど。アオトやウメと出会っている時点で、世界は彼、彼女らに振り回されるでしょうし。
彼らは正に破滅分子…いるだけで世の中が騒々しくなるでしょうね。
すると数分経った後でしょうか。前方に再度現れる、見覚えのある女性。
「あら…また会ったわね」
「そうですね。もしかして下級生を狙う悪質で非道なストーカーだったりしますか?」
「そんなんじゃないわよ…ただの偶然だから、そんなに過剰な反応しなくてもいいじゃない」
そう堂々と言う割には、少し眉を顰めていますね。まぁ、偶然なのは間違いなさそうですが。
すると今度は目色を変えながら人差し指を顔につけて返してきます。邪魔なので早く目的地に向かいたいのですが。
「それとも──もしかして自分への意識が高かったりするのかしら?」
「周りの意識が低いの間違いでは?虫から視線は感じませんが、目に入ればイラつきはしますから」
「それじゃあ、その虫に私は入っているのかしら?」
「いいえ──」
そもそも、彼女の状態を見ている時点で大方察せます。食道の道を聞いてきて、でもここへ戻ってきている。
まさかあの僅かな時間でお昼を済ませたとは思えませんし…迷っているのでしょうね。
幾つなのですか、というツッコミは置いておくとして…だからと言って浅ましく教えを請われるのは腹立たしいですね。
「蜂などは自分の往く道をパターンとして記憶しますから」
「へぇ、虫以下と?」
「おや、迷子だったのですか?では言う手間が省けましたね、助かります」
…暫く沈黙が続きます。何ですかこの時間、無駄なのでさっさと食堂に向かいたいのですけど。
でも、このままでは平行線で何も起きなそうですね。今日はとことん運が悪いです。
「1階の入り口にも向かっていないのです?ここは2階ですが」
「え?」
「はい?」
「「………」」
直ぐ近くには階段があり、2階と書かれた文字…まさかそれにも気づいていないのですか。というより、現在地も分かっていない様子。
呆れを通り越して滑稽…を更に通り越してイラつきますね。
これまでのワンワン然り、これからのキャンキャン娘然り…応える気も失せました。
「はぁ…私は昼食がありますので、どうぞ勝手にしてください…それでは」
「っ!…そう、じゃあそれまでの道は同じね」
そう言って私の少し後ろに位置しました。まぁ、これなら丸くは収まるでしょう。多少の面倒もここは我慢しかなさそうですし。
そのまましばらく無言が続きますが、手っ取り早いですね。食堂までの道が少し長いのが問題でしょうか。
ここ、縦も横も縮尺比がバグかのように大きいですし。
「貴方…一応、1年生よね?」
「リボンを確認していないのなら3分の1を当てたことになりますね。おめでとうございます」
「全然嬉しくないわよ…それにそれなら、私のことも分かっているんじゃない?」
…確かに、よく見れば覚えはありますね。キャンキャン娘が時より見せてくる流行り物の一面に写っていた気もします。
そういえば、風の噂ですが1つ上の学年に少し有名人がいると聞きましたね…あの時は木に求めませんでしたが、名前は確か──
「朝香果林さん…でしたね。雑誌などで偶に見かけます。偶にですが」
「へぇ、あくまでも先輩って分かってくれてると思ってたけれど、名前まで覚えてくれてるのね。ありがとう」
「……」
口は回るようですね、この人。そのまま私へ着いていく足を止めず、先に彼女は口を開く。
「そんな風に過ごしていると人付き合いが悪くならないかしら?随分言葉遣いに棘があるように見えるけれど」
「どうでしょう…同レベルの知識量と感性を持つ生命体が中々見つかりませんから」
「自分から下げるのも必要とは思うわよ?少なくとも、今の貴方だと近寄り難いもの」
今の言葉、録音でもして名誉毀損として訴えたいところですね。準備していなかったことが悔やまれます。
ですが、その質問は愚問ですね。そもそも、友達を作るべきと言う義務化じみたものがある時点で気に入りません。
「必要なのは情ではなく人脈です。だれふり構わず友達などと言う浅はかな考えではそれに支配されて人生に嫌気がさします」
「それも、一理はあるわね…って、貴方に情を与えるほどの人物が果たしているのかしら?」
「随分はっきりと物を言いますね」
「貴方の真似よ、気にしないで」
ニコリと澄ました笑みで答える彼女に何言っても無駄なのでしょうね。随分場慣れしていますし、会話も繋げている。
客観的な思考ができる冷静さは評価しますけど、それなら道に迷わないでほしいですね。
どれだけ視野角狭くなっているのやら…
「…そもそも、くだらない連中と群れる趣味はないです。友達などと言うくらい大切に思う存在に数も何も関係ない…優しい言葉も、そんな人にでも取っておきます」
…それに、そんな深い関係は数人で十分ですし。
自分であり続けることができる関係が友達と呼ばれる関係でしょう。
それなら、それ以外は精々有効なラインとでも思えば人生が楽なものです。
「ふーん…それじゃあ、今の私との関係はどうなるのかしら?」
「先輩後輩…或いはストーカーの加害者被害者などがしっくり来ますね」
「はっきり言うわね…」
…そう考えれば、朝香さんは大変ですね。確か朝香さんは読者モデルなんていう仕事をしているのでしたね。
音楽とは程遠い存在であれど、誰かの前に立つところは同じ。しかし確実に違うのはどんな自分が出せるのか。
「貴方こそどうなのですか、朝香さん。定められた姿を強要されるのは100%酸素のみ吸わされるのと同義ですね」
「それ、世の中のモデルが全員消えるわよ…」
呆れの眼差しをされていますけど、事実でしょう。そんな厳しい環境で生きていこうなど理解ができませんね。
音楽には自分の音が出せる。それに着いてくるのは人。自分が音を変えると周りもその音に着いて行ってくれる。
でも、モデルであればどうでしょう。
「自分であり続ける…百歩譲って一時的であれど、職業で何かしらの仮面を被ったまま生きるのは苦以外の何者でもないですね」
「それはどうかしら?案外、みんな自分の魅力を存分に出していると思うけれど?」
「その結果、それが自分と固められる…雑誌やメディア媒体によってその自分として生きなければならないでしょう」
それが何て面倒なことか。一度でも固められてしまえば、新しい自分を一定の人は拒絶してしまう。それ自体は気にせずとも、現代社会ではあっという間に燃えていく。
そしてモデルはビジネス。自分の印象が賃金へ直結する世界…それがどれだけ窮屈な世界であるか。
少なくとも、私には耐えられませんね。
「うーん…そう言う考えはあるかもしれないわね。でも、私は自信持って言えるけれど…写真を撮られている私も、色んな服を着ている私も、全て好きよ。だから心配せずとも、今のやりたい自分を貫き通すつもり」
「…そうですか。何方にせよ私には到底受け付けられない職業ですね」
「貴方の素直な性格を見ている限りそうかもしれないわね…スタイルはいいのに、勿体無いわねぇ」
「……」
モデル…バンドを本格化させる以上、人前以外で立つこともあるでしょうね。そうなれば朝香さんの言うモデルの二番煎じにも付き合うことになるでしょう。
まぁ、その場合はビジネススマイルでもしておきましょう。下等生物は笑顔でイチコロでしょうから。
と、やっと見えてきましたね。先ほどから俗物の流れに活気が増えてきていましたが、目的の食堂の看板も見えてきました。
朝香さんも心なしかホッとしていますね…次回からはその「友達」の誰かにでも張り付いていればいいのではないですか?
「ありがとう。本当に感謝してるわよ…それに、面白い話も聞けたんだもの。名前は何て言うのかしら?」
「赤の他人に名前を教える道義はないですね」
「それじゃあ、棘のある可愛い後輩って呼べばいいのかしら?」
…本気で呼びにかかる、でしょうね。幾らこの広い学園でも、1年で出会う確率も低くはないでしょうし。
もう最初から無視するべきでした。自分の軽率な選択に反省ですね…少し、あの2人に毒されていたのでしょう。
「はぁ……鰐淵えもこです。以後は会うことないように祈るばかりです」
「あらそう…よろしくね、鰐淵さん。また話せることを楽しみにしているわ」
そう言い、やっと彼女は去って行きました。終始、虫の居所が悪い気分でした…本人にも余裕がついていて厄介ですね。
それに、話しすぎました。これでは昼食も騒々しさが倍増確定…この時間ならウメも流石にいるでしょうから。
この先に起こる未来に溜息がつきそうです…全く、後でガス抜きが必要ですね。
手始めにアオトに爆せて頂きましょうか。
☆★☆★
「……」
「おぉ…やっと起きたね〜。お昼寝は気持ちよかったかな〜?」
目の前に映る彼女の顔…何故か笑顔で、何故か木々のバックに映る彼女の姿に俺は固まった。一気に眠気が吹っ飛び、頭がクリアになる。
何故?なんで?どうしてこうなっている?
と、俺は自分の体勢にも気づいた。頭の下がクッションのような弾力で支えられている。それに、彼女への視線も下から見ている構図で…
これは…膝枕されているのか?
いや、待て…待て待て…幾ら何でもおかしい。彼女から見ず知らずの俺を膝枕などというご褒美を与えるわけない。
原因があるとすれば俺…こうなった経緯を考えてみるべきだ。
あの時、先に寝ている彼女の距離を空けて座ったはずだ。俺も体力的には限界だったからな。そして直ぐに眠りの世界に飛び立ったんだけど…
あ…その時に俺がもし倒れた?そして倒れた拍子に彼女の膝に落ち着いた…
あの1人分の距離感だったらそうなってもおかしくない。ということは…結局俺が原因じゃねぇか!
そこからは早かった。反射的に起き上がり、彼女の前に立つ。そのまま流れるように膝を折り曲げ、手と頭を地面に擦り付ける。
「幾らで手を打ってくれますか」
「おぉー、それは彼方ちゃんも予想外だ〜…」
いや、これくらいはやらなきゃダメだろ…普通に人としてセクハラじみてるし。電車の中とかでやる奴らと同レートだろこれ。
だが、俺の謝罪にも彼女は怒ることなく、ゆったりとした口調で笑っていた。
「彼方ちゃんは平気だよ〜…起きた時に膝に頭があったから、ちょーっとだけ驚いたけど……」
「俺の首で勘弁して貰って…」
「まぁまぁ、落ち着きたまえよ〜」
毎回こんな口調なのか…あんまり許されているのか不動か分からないが、とりあえず怒ってはいないようで何よりだ。
というか、この先輩ゆるふわなイメージだが結構ノリがいい。普通に優しい先輩でよかった…
「彼方ちゃんの名前は、近江彼方…ここの2年生だよ〜」
「1年の七咲逢音です…マジで勝手に寝てしまいすみませんっした」
「大丈夫だよ〜。寝るのはいいことだから…寧ろ世の中みんなが、すやぴ出来ればいいのに…」
「あー、それは分かります。俺も寝るのは好きなんで……好きな時に好きな場所で寝れればいいんですけどね…」
「だねぇ〜」
彼女も頷きながら笑っている。やっぱりこの先輩、寝ることが好きのようだな。意外と気が合うかもしれない。
それに、この場所も知っていた…この人、やっぱりやりおる。
「この場所、やっぱり昼寝スポットだったんですね」
「そうだよ〜。ポカポカしてて丁度いいんだよ…アオくんも良くここが分かったね〜」
「まぁ、成り行きで…って、アオくん?」
「そうだよ〜。一緒にお昼寝した同士だからアオくん」
彼方ちゃんのことも彼方ちゃん呼びでいいよ〜と、言ってくるが、無茶言わないで欲しい。女子生徒、それも先輩にちゃん付けしたら夜道に背中から襲われそうで怖いわ…
それにしてもアオくん…ウメからの呼び名と凄く似ている気がする。でも彼女らしい呼び方でもある。
フワッとした印象が強い先輩だなぁ…ってか、この学園個性強い人ばっかだし、寧ろ当然か。
その後も少し、寝るスポットの共有や時間帯について話し合うと、鐘の音が鳴った。案外、寝るって大雑把なネタでも楽しく話せるもんだな。
「それじゃあ、俺はこの辺で。色々とすみませんでした」
「大丈夫、大丈夫…それに、こんな話できる友達もいないからね〜。また今度、睡魔談義で夢の世界に洒落込もうぜ〜」
「言い方がまずいっすよ彼方さん…」
何だろう、字面にしたらライン越えしてるような…そしてそれを言ってるのが彼方さんだから真偽があやふやで危なっかしい。
何はともあれ、昼時に先輩友達…それとも睡魔の同士?とにかく意外なコネクションができた。
それ自体は悪くなさそうだし、今のところまともな話し相手は中川とウメ、エモコだから少し嬉しかった。
ちょっとずつだが、俺の学校生活が普通の順風満帆になってきてるな…めでたい事だ。
「それじゃあ、彼方ちゃんはもう一休みしようかな〜…すやぁ──」
「…俺が言うのも何ですが、授業遅れますよ?」
「…てへっ」
…尚、あの鐘は授業の始まり合図だったので、思いっきり遅刻。そのことで中川から10分ほど説教、そして放課後に何故か異常に機嫌が悪かったエモコからのパワハラ。
2コンボの仕打ちに、今すぐ眠りの世界に逃げたくなるのだった。
七咲逢音…寝ることが好き。普段の睡眠は音楽で削られているためよく寝ているが、それを差し引いても寝るのが好き。尚、バンドとの優劣はいまだにつけられていない。
鰐淵えもこ…常に毒のある言い方だが、頑張れば一時的に優しさを出すことができる。でもあれが素なので戻れば暴言が吐かれることだろう。
近江彼方…本編では逢音と睡眠友達。虹キャラ全員に逢音が関わるのは難しいので、逢音以外のバンドメンバーも含め、丁度いい感じで関われるように話は進めています。
朝香果林…エモコに初見で対抗できる数少ない人物。というより、作者的にエモコとまともに話せる人物で彼女しかいないなぁと思い登場しました。それにしてもエモコと会話できるなんて、流石はセクシー系…
少しずつ、本編に近づくための準備運動。やっぱりキャラ同士の会話は楽しいですね。