あべこべ貞操逆転世界のガーリッシュ白馬の王女様系男子 作:フェルナンデス
『唯がさー!山本君のことが気になるんだってー!なんか好きらしいよー!』
(はぁ・・・・・)
バスでの出来事を思い出しながら、俺は旅館の温泉に浸かっていた。
中学生が利用する旅館のくせに泉質が自慢らしく、ゆっくり入浴していいことになっている。
肩まで湯に浸けながら今日のことを考えていた。
(流石に揶揄われているだけだよな・・・でも女の子とそういう話になったのは初めてだ・・・)
明日行くテーマパークの計画で会話を楽しむ男の子たちに話を合わせていると、前の方に座っていた工藤さんがニヤニヤしながら振り返った。
(ん?村上さんが山本君のことを好き?へぇーそうだったんだ・・・山本君をねぇ・・・てっ、俺のことじゃん!村上さんが俺のことを好き!?)
脳の処理が追いつかず固まってしまった。
全ての視線が自分に集中した。
じんわりと顔が赤くなるのを感じる。
しばらくの沈黙の後、車内が一気に盛り上がる。
前世も含めてこういった話題にあがる経験がなかった俺は、オドオドすることしかできなかった。
「ちょっ、違うって!違うって!強子が嘘言ってるだけだから!」
村上さんが真っ赤になって、こちらをチラチラ見ながら必死になって否定している。
「ちょっと女子!やめなよ山本君困ってんじゃん!」
「伊月君はそんなんじゃないって!バカ変態女子共静かにしろ!」
仲の良い男の子たちが女子たちに噛み付いている。
助けようとしてくれているようだが余計に恥ずかしくなるからやめてくれ・・・!
この後先生が女子たちを怒鳴りつけて、やっと静かになった。
「ほんと女子って変態ばっかだよね・・・大丈夫、伊月君?」
心配してくれる男の子たちに大丈夫と言いながら平静を取り戻した。
(はぁ・・・なんか今日は疲れる一日だったな・・・村上さんと顔を合わせるのが気まずくなるな・・・はぁ・・・)
ガラガラガラ、どん!
ん?隣の女風呂からすごい音が聞こえた。悲鳴も聞こえたような?え、大丈夫?
(村上さんもいるのかなぁ・・・はぁ・・・胃が痛い・・・)
俺は大きくため息をつきながら、今後の心配をするのだった。
(今日は散々な目にあった・・・)
私は湯に浸かりながら今日のことを振り返っていた。
強子に聞いたのが間違いだった。
(弱みを探るつもりだったのに、逆に恥をかいたじゃない・・・!)
私は隣の浴槽で、愉快な仲間たちと馬鹿騒ぎしている強子を睨みつけた。
視線に気づいた強子がニヤニヤしながら近づき肩を組んでくる。強子のくせに無駄にでっかいおっぱいが顔に近づく。やめろ気持ち悪い!
「唯〜、まだ怒ってんの?さっき謝ったじゃん!ほら笑顔笑顔!」
なんでこいつはいつもこんなに明るいんだ。
まだ怒りは消えてないが、いつまでも怒っていては空気が悪くなる。
お調子者だけど悪いやつじゃないし、もう許してやるか・・・。
「そんなことよりさ、楽しいことを考えようよ!ほら、あそこに壁があるじゃん?」
そう言われて、私は壁の方を見る。
「向こう側さ、男湯になってんの!さっきクラスの男子の声が聞こえた!」
へぇ・・・中々有益な情報持ってんじゃん・・・。
私も思春期の女子だ。強子ほどではないが、エロいことは大好きだ。嫌なことはエロいこと考えて直ぐに忘れるに限る。
私は向こう側にいるであろう莉央君の裸で妄想を楽しむことにした。
・・・・・・・妄想の中の私は莉央君を押し倒していた。
莉央君は顔を赤くし、上目遣いでこちらを見つめている。目は潤んでおり庇護欲をくすぐる。私は堪らず、唇にむしゃぶりつこうとした・・・・が
(あれ・・・おかしいな・・・?いつもならめちゃくちゃ興奮するのに・・・あまり興奮できない・・・・・しかし今日のあいつは妙に色っぽかったな・・・)
山本伊月。天敵のあいつが頭から離れない。
(あいつっていつも女みたいだけど、やっぱり男なんだよなぁ・・・)
あいつを脱がせたらどんな反応するんだろう。今日みたいに顔を赤くするんだろうか?
どんな乳首なんだろう。いきなり吸ってみたら何て言うんだろう?
押し倒してみたら嫌がるかな。無理矢理キスしたらどんな反応するんだろう。
ちんこはどんな形をしてるんだろう。皮被りかな・・・
ていうか、あいつって彼女いたことあるのかなぁ・・・童貞だと良いなぁ・・・・・ん??んん!!??
(なんで私の妄想にあいつが出てくるんだ!?)
おかしい、私は莉央君一筋の筈だ。
何とかいつもの通り莉央君で妄想しようとするも、あいつが邪魔してくる。普段は睨みつけてくるのに、妄想の中のあいつは微笑みながら私を見つめている。
そして、男みたいな甘える声で私の名を呼ぶ。
唯ちゃん・・・お願いっ・・・!
(んん!・・・ふぅー・・・嘘でしょ・・・?)
信じられない。あいつで軽くイってしまった。
何となく、あいつの男の部分を使ってしまったことに罪悪感を感じる。
「しっかり支えてて!もうすぐで見える・・・!」
強子の声で我に返った。
浴槽のイスを重ね、壁の向こうを覗こうとしていた。
スケベ仲間たちがイスを支えている。
「見えたか強子!?支えてやってんだ、しっかり実況しろよ・・・!」
「ちょっ、ちょっと!やめなさいよバカ!クラスの恥よ恥!」
委員長が子犬のようにキャンキャン吠えているが、顔は期待に染まっている。やっぱりムッツリじゃん・・・
「任せろ・・・!あ、あっ!み、見えた!!す、すごっ・・・!」
「マジ!?よっしゃ!おい、どんなんだ!?」
女風呂の全員が固唾を飲んで強子の言葉を待つ。
委員長も目を見開きながら期待している。
「えーと、そうだな・・・あ!6組の川瀬君がいる!ち、ちんこはそんなに大きくない!噂通りだ!あいつパッド入れてたんだ!」
おぉぉぉ!!
歓声が上がった。
マジか。川瀬君パッドだったんだ。
「ね、ねぇ!ほ、他は!?早く!」
「急かすなって!んーと・・・あ!山本君が見える!!」
ドキッとした。
この時、頭の中にあることがよぎった。
(あいつの裸を他の女に見せたくない・・・!)
私は風呂桶を持つと、強子の頭に投げつけた。
強子はバランスを崩し、悲鳴をあげながら落下した。
良いところだったのにと非難を浴びる中、私は呆然としていた。
(私、一体どうしちゃったんだろ・・・)
私は腰をさすりながら唯に悪態をついた。
「ちょっといきなり何すんのよ・・・良いところだったのに・・・!」
「あはは、ご、ごめんって。」
唯は申し訳なさそうに謝ってきたけど、どこかぼーっとしている。
本当にどうしちゃったのよ・・・。いつもなら乗ってくるのに。
ま、今日は唯に悪いことしたし、これでおあいこってことで。
しかし惜しかった。あともうちょいで山本君の裸が見れたのに。湯気に隠れてて見ることができなかった。やっぱり唯を許すのやめようかな?
ま、いっか。他の男子の裸は見れたし。
しかし、やっぱり川瀬君はパッドだったかぁー!私の見立ては間違っていなかった。こりゃまだまだ隠れ貧根が多そうだね。
この後、崩れ落ちたイスの音を聞きつけた教師が現れ、覗きがバレた私はそのまま正座で説教されるのだった。
・・・あれ?なんで私だけ?
僕――川瀬蓮は、誰にも言えないコンプレックスがある。
(やっぱり、僕のって小さいよね・・・)
それは、おちんちんが小さいこと。
成長したら自然と大きくなっていくものだと思っていたのに、2年生になっても全然大きくならない。友達はみんな大きくなっているのに!
特に隣のクラスの山本君のはすごく大きい。外国の映画に出てくるようなセクシーな男優みたいに。家族で映画を観てると、お母さんが興味ないフリしてチラチラ見てるのを知っている。その度にお父さんに怒られているんだ。
(やっぱり女の人って、おちんちんが大きい方が好みだよね・・・)
雑誌とかスマホの記事で
[これを飲むだけで巨根に!!]
[彼女から毎晩求められて困っちゃいます!!]
[成長に効果的な食べ物とは!?]
[韓国で話題のチントレがすごすぎて炎上]
みたいなのは全部チェックしてるのに全然効果がない。
それで結局、恥ずかしいけどパッドを詰めるようにしている。
脱衣所でも同じようにパッドを詰めてる人が何人かいたから、貧根は日本男性共通の悩み何だろう。
しかし、一つだけ希望がある。
(女の人から揉んでもらうこと・・・)
僕には好きな人がいる。
工藤強子ちゃん。
体育祭で転んだ時、真っ先に助けてくれたのが工藤さんだった。
いつもはふざけているのに、間近で見た工藤さんの顔は真剣だった。
エッチで男子から嫌われているけど、エッチなだけで本当はかっこよくて優しい人なんだ。
(工藤さんは僕を助けたことなんて忘れてるよね・・・工藤さんも貧根より巨根のほうが好きなんだろうな・・・)
山本君はただのコミュ障のような気がしてきました。
覗きは犯罪です。