ロボ子のヒーローアカデミア   作:あならなあ

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第十話「USJ襲撃事件 その1」

 

 

 

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、そしてもう一人の三人体制で見る事になった」

「ハーイ!なにするんですか!!」

「災害水難なんでもござれ、人命救助訓練だ!!」

 

 マスコミ侵入事件から一日。

 あれから何事もなく午後の授業になって、相澤先生がRESCUEと書かれたボードを掲げながら今日の授業内容について説明している。人命救助、戦闘とは違った力を求められる行為。その場その場で必要なロボに、素早く判断して変身する事を求められる。今の自分が、どこまでやれるか楽しみ。

 そうして、うずうずしながら先生の指示でコスチュームに着替えてから、訓練会場へ行く為のバスの前に集合する。緑谷君だけは、修復が間に合わなかった様で体操服姿。個性による反動を少しでも抑えれる改良がされて返ってくるといいけど。まぁ、そこは緑谷君の要望次第か。

 そんな事よりも、移動時間の間に訓練で何になるか選定をしておこう。視界の端で、何か飯田君が項垂れてるけど気にしない。

 

「私思った事を何でも言っちゃうの、緑谷ちゃん」

「あ!?ハイ!?蛙吹さん!!」

「梅雨ちゃんと呼んで。あなたの“個性”オールマイトに似てる」

「!!!そそそそうかな!?いやでも僕はそのえー「待てよ梅雨ちゃん、オールマイトは怪我しねぇぞ」

 

 前に座る梅雨ちゃんの言葉に、えらい焦り様な緑谷君。確かに、彼の圧倒的なパワーだけ見ればオールマイトを髣髴とさせる物がある。ただ、個性に体が追い付いてない事が致命過ぎる。

 

「派手で強えっつったら、やっぱ轟と爆豪に兵壮だな。特に、兵壮は人気出そうだよな」

「ロボットもだけど、変形合体はロマンだもんな」

「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気でなさそ」

「んだとコラ出すわ!!」

 

 話は個性の派手さとかから、爆豪君弄りに移っていた。確かに、爆豪君は強いし個性は目立つけど、その乱暴な口調がマイナス過ぎる。それさえなければ、エンデヴァーみたいな人気が出ると思うんだけど。

 

「もう着くぞ、いい加減にしとけよ・・・」

 

 一番前に座っていた相澤先生の声で、騒いでた皆がビシッと静かになる。さて、ヒーローになる為の時間だ。

 

 

 

  ▼▼▼

 

 

 

「水難事故、土砂災害、火事etc。あらゆる事故や災害を想定し、僕がつくった演習場です。その名も、嘘の災害や事故ルーム!!」

 

 宇宙服の様なヒーロースーツに身を包んだスペースヒーロー「13号」先生が、今回訓練を行う演習場の説明をしてくれている。災害救助をメインに活躍しているヒーローだから、彼女の経験の全てがこの施設に詰まっているんだろう。

 

「えー始める前にお小言を一つ二つ…三つ…四つ…」

 

 増えるお小言。しかし、その内容はお小言で済ませていいものではない。

 人を簡単に殺せる力。私の個性も、やろうと思えば簡単に人の命を奪えてしまう。だからこそ、その事実から目をそらさず、何の為にこの力を使うのか、常に考えて個性を使いこなさなければならない。13号先生の言葉に、身が引き締まる思いと、それ以上にやる気が満ち溢れる。

 

「以上!ご清聴ありがとうございました」

「ステキー!」

「ブラボー!!ブラーボ!!」

 

 お辞儀をする13号先生に、皆から拍手や称賛の声が上がる。好きだと公言している麗日なんて、特に大きな拍手を送っている。

 

「そんじゃま「先生!!」ず―――」

 

 拍手が落ち着き、改めて相澤先生からの指示を受けるために向き直ったその視線先で、空間の歪みを感じた。それは、すぐさまどす黒い煙へと変化し、体中に人の手をくっつけた人間を先頭に、中から何人もの人間が続々と姿を表した。学校敷地外から、あの人数をワープさせるなんて凄い個性。

 

「一塊になって動くな!!!」

「え、なんだアリャ!?また、入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」

「動くな!!あれは、ヴィランだ!!!」

 

 先生の言葉に一瞬理解が追い付かなかったけど、理解した瞬間皆に動揺が広がる。

 

「ヴィランン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてあほすぎるぞ!」

「先生、侵入者用センサーは?」

「もちろんありますが…!」

「現れたのはここだけか学校全体か…何にせよセンサーが反応しねぇなら、向こうにそういう事が出来る“個性”がいるってことだな」

 

 恐らく、昨日のマスコミ侵入もアイツらが起こした事件だったんだろう。その時に、あのワープで職員室にでも侵入して、今日私達がここに来るという事を把握した。これだけの人数を揃えて奇襲してきた奴らの目的は何?

 

「ダメだ先生!!外に通じねぇ!!」

「そうか、13号!生徒を任せる!」

「待って!!先生!!行っちゃダメ!!」

 

 ゴーグルをして、首に巻いた捕縛布を構えて飛び出そうとする先生を止める。先生は、視線だけこちらに向けて、端的に説明しろと目で訴えてくる。

 

「覆われているゾーン以外の災害ゾーンに、ここと同程度の生体反応があります。恐らく、敵はあのワープの個性を使うか何らかの方法で、私達を分断して袋叩きにするつもりです。先生の個性以外で、それを確実に阻止する方法が私達にはありません。ここで、先生が私達から離れるのは愚策だと思います!!」

 

 中央にヴィランが現れた後、目視できるゾーンに人の生体反応も現れていた。それらは、こちらに向かって来ずに何かを待っている様子。中央の戦力は、主力でもあるけど、先生を釣るための見せ餌でもある可能性が高い。

 

「ばれてしまいましたか、流石雄英の生徒ですね」

「ッ!!」

「纒ちゃん!!」「兵壮!!」「兵壮さん!!」

 

 不気味な男性の声に反応して振り向くと、そこには黒くて大きな掌が顔面に迫ってきていた。物凄い力で頭を捕まれ持ち上げられ、あの黒煙が視界を埋め尽くす。

 煙が晴れ放り投げられた先は、先程まで見下ろしていた噴水前広場。悪意のど真ん中に。

 

 

「無事で居てね、纒ちゃん!!私は私に出来る事をするから!!絶対、間に合わせてみせるから!!!」

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