ロボ子のヒーローアカデミア   作:あならなあ

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第十四話「体育祭と宣戦布告」

 

 

 

「皆ーーー!!朝のHRが始まる、席につけーー!!」

「ついてるよ、ついてねーのはおめーだけだ」

 

 雄英襲撃事件から臨時休校を一日挟んでの登校。

 休校中は自宅待機で纏ちゃんのお見舞いに行けなかったけど、纏ちゃんから電話で、手足生え揃って簡単な検査とちょっとしたリハビリすれば退院出来るって言ってた。教卓の所で、いつものようにカクカクした動きをしながら指示を出す飯田君の声を聴き流しながら、唯一の空席である纏ちゃんの机を眺める。

 纏ちゃんが回復した事は教室に入った時に皆に伝えた。皆も心配してたから、とりあえず無事な事を理解してホッとしてた。あの爆豪君も聞き耳立ててた位。

 そうこうしていると、相澤先生が教室に入ってきた。

 

「先生、葉隠君から兵壮君の様子は聞いたのですが、どうなのでしょうか。彼女は、いつ頃学校に復帰されるのでしょうか」

「···あくまでも、主治医やリカバリーガールの最終判断次第だが、早ければ明日からだ。そんな事よりも、他人の心配をしている暇はお前達にはない。まだ、戦いは終わってないんだからな」

 

 先生の言葉に、安堵の表情から一転して身構えた。またヴィランの襲撃?とざわつきながら先生を注視する。

 

「雄英体育祭が迫っている!!」

「「「「「「「クソ学校っぽいのきたぁぁああああ!!!!」」」」」」」

「待って待って!敵に侵入されたばっかなのに大丈夫なんですか!?」

 

 切島君を筆頭にテンション上げる中、響香ちゃんや上鳴君など数人が不安そうに相澤先生に問いかける。

 

「まぁ、不安に思う気持ちもわかる。だが、雄英体育祭はヒーロー科にとって就活の場に等しい。そのチャンスも年一回の計三回、敵ごときでおいそれと中止していい催しじゃねぇ。それに、開催する事で雄英の危機管理体制が盤石だと示すって面もある、一応警備は五倍に強化するそうだ」

 

 毎年、纏ちゃんとテレビで見てた雄英体育祭。ここでどんな活躍をするかで、プロヒーローになった後の活動に大きな差が出るんだと纏ちゃんが良く言ってた。

 私達は今年無くても後二回あるけど、三年生は今年が最後のチャンスなんだもんね。ヒーローに対して色々言われてる昨今を思えば、簡単に中止って訳にはいかないんだろうなぁ。

 

「いいか、お前ら。例えどんな競技だろうと、誰が相手だろうと最後の最後まで戦い抜け。あの時の兵壮の様に。お前達の更なるPlus Ultraを期待する、以上!!」

「「「「「「はい!!!!」」」」」」

 

 

 

「おーっし!!体育祭まであんま日無いけど特訓だーー!!」

「気合い入ってるな、葉隠」

「先生にも発破かけられたし、障子君とかみたいに見た目のインパクト無いから頑張って目立たないとだもん」

「···そうだな」

 

 一日の授業も終わり、障子君の前で麗花みたいに腕を振り上げて宣誓する。流石に、凄い表情はしてないけど。

 訓練場の使用許可は、前に纒ちゃんが申請してくれてたから、放課後いつでも使える。先生に確認とったし。

 

「障子君も来る?響香ちゃんとかヤオモモとかと一緒にするんだけど、やっぱ男子も居た方が訓練になるし」

「ああ、良いなら俺も混ぜて貰おう。他にも何人か誘っていいか?」

「全然良いよ!みんなでつよ「意味ねぇからどけや、モブども!!!」っくて何!?」

 

 爆豪君の怒声が聞こえてそっちに目をやると、外の廊下に沢山の生徒が集まってた。その所為で、とおせんぼみたいになってたから、爆豪君がキレちゃったんだ。

 

「・・・敵情視察というか、物見遊山だな。こんな所に居るより、訓練に時間を割いた方が有意義だと思うが」

「だね。というか、今の私達を見た所で何か意味があるのかな?」

 

 訓練してる所とかを隠れて偵察~とかならまだ分かる。帰り支度するか駄弁ってる様子を見た所で、何の対策にもならない気しかしない。

 

「どんなもんかと見に来たが、ずいぶん偉そうだなぁ。ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい?こういうの見ちゃうと、ちょっと幻滅するなぁ」

 

 人の壁の中から、紫色の立った髪の男子が前に出てきた。隈すご。

 

「普通科とか他の科って、ヒーロー科落ちたから入ったって奴けっこういるんだ、知ってた?体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって。その逆もまた然りらしいよ」

 

 何か、長々と説明しだした。いや、初日で除籍処分の危機を体験してるから今更なんだけど。

 

「敵情視察?少なくとも普通科は、調子のってっと足元ゴッソリ掬っちゃうぞっつー宣戦布告しに来たつもり」

「隣のB組のモンだけどよぅ!!敵と戦ったつうから話聞こうと思ってたんだがよぅ!!エラく調子づいちゃってんなオイ!!!本番で恥ずかしい事んなっぞ!!」

 

 増えた。B組って事はヒーロー科の人か。事件に関して箝口令が出されてるの聞いてないのかな?単純馬鹿っぽいから何も考えてなさそう。

 

「彼凄いね、こんな中で臆せず言えるなんて」

「大きい事言って、自分をより一層追い込む為なのかもね、纒ちゃん······纒ちゃん!???!?」

「「「「「兵壮(さん)?!??」」」」」

 

 バッと振り返った先には、表情の薄いいつもの見慣れた顔がそこにあった。

 

「い、い、い、いつからそこに!??」

「今さっき、あっちの扉から普通に入ったよ。先生に退院報告しに行ったついでに皆の顔見ようと思って」

「うぅぅぅ、ま゛~と゛~い゛~ち゛ゃ゛~ん゛」

「おっと、ただいま透。皆も、心配かけてごめん」

 

 纒ちゃんの胸に飛び込んで思いっきり抱き締める。皆も集まって、「大丈夫なのか?」とか「おかえり」とか言ってる声が耳に入る。

 

「おいロボ女、お前体育祭には出れるんかよ」

「出れるよ、リカバリーガールからも許可は出た。残念だったね爆豪君、一位になれるチャンスだったのに」

「はっ、寝言は寝て言え。お前を完膚なきまでぶっ倒して、俺がNo.1になるんだよ!!しっかり首洗って待ってろや」

 

 私を挟んで爆豪君と熱いやり取りしてる纒ちゃん。纒ちゃんがあんな挑発的な事言うなんて珍しい。爆豪君も嬉しそうな感じの声だし、何だかんだ心配だったんだねぇ。

 

「おら、どけ雑魚共!!こんな所で突っ立ってる暇があんなら、さっさと帰って無駄な足掻きでもしてやがれ!!」

 

 そう言って出ていく爆豪君。普通科の人達も、爆豪君の態度に悪態をつきながら去っていった。ただ、啖呵を切ってた男子が纒ちゃんの顔をじっと見てたのが気になる。もしかして、一目惚れ?許さん。

 

「透?」

「纒ちゃん、体育祭頑張ろうね。私も負けないから」

「うん、思いっきり叩きのめしてあげる」




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