ロボ子のヒーローアカデミア   作:あならなあ

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第十五話「特訓もとい緑谷出久強化週間」

 

 

 

「じゃあ、始めようか」

「は、はい!よ、よろしくお願いします」

 

 他クラスからの宣戦布告があったらしい日から一日。私と緑谷君は訓練所γに居る。まぁ二人っきりではなく、周りに組み手してる透と障子君だったり、砂藤君と尾白君に殴られる切島君だったり、岩にプラグを突き刺している耳朗だったりと、クラスの大半が体育祭に向けて思い思いの特訓をしている。来ていないのは、家でやるとさっさと帰った轟君や手の内明かせるかクソがと帰った爆豪君位である。

 私は、まだリハビリが完全に終わってないから、過度な訓練を行えないので、緑谷君のサポートをしながら体を馴らす事にした。

 

「緑谷君の喫緊の課題は、体を壊さない個性の使い方を覚える事でいいよね?」

「う、うん。例年の体育祭と一緒なら、何回戦かした後トーナメント戦で優勝を争う形になると思う。今の僕じゃ、個性を使って突破しても、次の競技に出られないなんて事に成り得るから、体を壊さないか使ってもちょっと休めば治る程度のダメージで抑えるやり方をマスターしなきゃ、優勝なんて不可能だから(オールマイトとの約束もあるし)。でも、どうすればいいかよく分からなくて···」

「ん、分かった。じゃあ、とりあえず個性を出してみて」

「え?」

 

 私の言葉に、緑谷君はきょとんと困惑顔を浮かべる。

 

「で、でも、だ、だ、だから、個性を使えばボロボロになっちゃうし···」

「うん、だから出すだけでいいよ?」

「????」

 

 あー、そこからか。

 

「えっと、緑谷君の個性は増強系の超パワーでいいんだよね?砂藤君みたいに自身の筋力を増大させたり系じゃなくて、個性に宿ったエネルギーで体を強化する系の。今の緑谷君は、そのエネルギーのコントロールが出来てなくて、自分の肉体を凌駕するエネルギーで殴ったりしてるから体を壊してる。だから、自分の体が壊れない程度のエネルギーがどの位か確かめないと。それで、さっきから個性を出してって言ってるの。理解できた?」

「そうか!僕は個性を必殺技みたいに思ってた。だから、一点に100%の力を乗せて放つしか出来なかったんだ。そうだよ、この個性はぶっぱする必殺技じゃなくてバフなんだ。という事は、一点に100%じゃなくて数%を体全体に薄く纏わせるイメージでブツブツブツブツ·······」

「あー、考察するのは後で、とりあえずやってみよ」

「あ、うん、まずは5%位をイメージして···」

 

 ゆっくり深呼吸をして、意識を集中させる緑谷君。すると、顔に大きな✕印の赤い光が浮かび上がり、それが根のように首から胴体へ、胴体から手足に伸びていき、末端まで届くと弾けるように霧散して緑谷君の体を包み込んでいく。

 

「んぐっ···くはぁっ、ハァハァハァ······出来た」

 

 薄く光輝く自分の体を見つめ、嬉しそうに拳を握りしめる緑谷君。やっぱり、性格と個性がチグハグしてる。緑谷君は恐らく理論型で、自分の中の公式にしっかり当て嵌める事が出来れば幾らでも伸びていく。でも、宿った個性は芦戸とかみたいな感覚型に適している。普通は、本人の性質に沿った個性が発現するものなのに、まるで誰かから個性を貰ったみたい。

 

「···まさかね」

「え?何か言った?兵壮さん」

「いや、何も。それでどう?感覚は掴めた?」

「うん、多分今の僕じゃここが限界だと思う。これ以上は、体を鍛えて素の強度を高めないと危険だし、集中を切らさない様にしないと、維持も難しい感じ」

 

 手を開いたり閉じたりしていると、不規則に明滅している。まぁ、今の緑谷君は自転車に乗り始めた子供みたいなものだろうから仕方ない。

 

「じゃあ、まずはその状態を長く維持出来る様にする特訓···と言いたいけれど、正直体育祭まで時間が無い。ここは、荒療治といこう」

「あ、荒療治。いったい何を」

「やる事は簡単。あそこの山を、維持した状態で登り降りするだけ。意識しなくても、その状態を維持出来る様に体に覚えこませるの」

 

 指差す先には、天井近くまで聳え立つアスファルト製の切り立った山。少しは臆するかなと思ってたけど、緑谷君は凄いやる気に満ちた顔をしている。やると決めたら一直線な所は、やっぱり男の子だね。

 

「最初は、スピードよりも維持し続ける事を意識して、一本一本丁寧に行こう」

「うん···って、兵壮さんもやるの?」

「当然、私も体育祭までに体を万全しておかないといけないから」

 

 そうして、二人だけの登山部が結成された。

 

「あの···うちも混ぜてくれへんかなぁって」

「う、麗日さん!!う、うんいいよ!!」

 

 三人に増えた。これが青春か。というわけで、個性で浮遊しながら登る麗日に見守られながら山登りを開始する私と緑谷君。

 麗日の尊厳が破壊されそうになったり、緑谷君が個性を維持出来ずに滑落したりしながら、施設使用時間一杯まで頑張った。

 

 私達のPlus Ultraはここからだ!!

 

 

 




というわけで、緑谷君にフルカウルを覚えて貰いました。さて、次からは体育祭だけどアレとかソレとか組み合わせとかどうしましょ。

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