ロボ子のヒーローアカデミア   作:あならなあ

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第三話「雄英高校1年A組No17 兵壮 纏」

「やった!!私達、同じクラスだよ!!」

「三年間、よろしくね。除籍にならなければ」

「纏ちゃん、ひどい!!」

 

 合格の通知から二月程、ヒーロースーツの要望等の提出書類を作成したり、透と個性の特訓やトレーニングをして過ごしたり、カラオケやボウリングとかで思いっきり羽を伸ばしたりして過ごしてたら、あっという間に入学式を迎えた。

 掲示板に貼られたクラス表でクラスを確認し、嬉しさから抱き着いてへばり付いてきた透を引っぺがして、案内図を見ながら教室へ向かう。人とすれ違う度に、透の宙に浮いた制服を二度見されるという恒例行事をこなしつつ廊下を歩くと、どんな個性を想定しているのか、1-Aと書かれた巨大な扉の前に着いた。

 

「あーーー、ドキドキする!!ねぇ、どんな入り方すればインパクト強いかな!!」

「浮いてる制服の時点で充分だよ」

 

 透が変な事をする前に、さっと扉を開けて教室に入る。

 バッと視線が集中するのに一瞬気圧されるけど、気にしない風を装って適当な席にカバンを置く。透も後ろをついてきており、隣の席にカバンを置く。クラスの大半は、案の定空中に浮く制服に注視しているが、あのブドウみたいな紫髪だけ視線に邪な物が混じり過ぎている。見なかったことにしよう。

 

「おはろー、あたし芦戸 三奈。よろしく~」

「ウチは耳郎 響香、よろしくね」

「私は葉隠 透。見ての通りの透明人間です!!」

「兵壮 纏、よろしく」

 

 後ろの席で話をしていた子が、声をかけてくれた。

 透と同類っぽい、ピンク色の髪と肌、頭に二本の触手を生やした子が芦戸。バンドやってそうな、ボブカットで耳たぶからプラグが伸びている子が耳郎。クラス全員と仲良くの第一歩としては上々の滑り出し、と透が喜びに溢れていて微笑ましい。

 

「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここは・・・(ヂュッ!!)ヒーロー科だぞ」

(なんか!!!いるぅ!!!)

 

 4人で他愛ない話をしていると、扉の方から声が響いた。視線を向けると、無精ひげを生やした男性が、寝袋に入った状態でゼリー飲料を一飲みしながら横になっていた。その位置、扉近くにいるショートボブの女の子のスカート見えてない?流石に、そんな変質者が雄英にいる訳ないか。

 

「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。担任の相澤 消太だ、よろしくね」

 

 寝袋の人は、雄英高校教師で担任だったらしい。首に巻いているのはマフラーか何かなのだろうか。

 

「早速だが、体操服着てグラウンドに出ろ」

 

 ゴソゴソと寝袋の中を漁り、雄英の体操服を取り出してそう言った。

 

 

 

    ▼▼▼

 

 

 

「個性把握・・・テストォ!?」

 

 

 グラウンドに集合した私達に相澤先生が告げたのは、個性使用可の体力テストの実施だった。

 

「爆豪、個性を使って投げてみろ。普通のソフトボール投げと一緒で、円から出なきゃ何してもいい、思いっきりな」

 

 先生からボールを受け取って、円に向かう金髪の男の子。実技試験で、かっ飛びアイアンマンしてたツンツン悪役面君、爆豪って言うのか。

 その爆豪君は、言われた通り思いっきり振りかぶって、ボールを放すのと同時に起こした大爆発の爆風で文字通りボールを吹っ飛ばした。死ねぇ!!!という、ヒーロー科の生徒とは思えない言葉と共に。

 ボールはというと、煙を纏いながら700m辺りに落ちた。

 

「まず、自分の最大限を知る。それが、ヒーローの素地を形成する合理的手段」

「なんだこれ!!すげー面白そう!」「705mってまじかよ」「"個性"思いっきり使えるんだ!!さすがヒーロー科!!」

 

 

「………面白そう…か」

 

 

 爆豪のパフォーマンスを見てテンションが上がった私達の様子に、相澤先生の纏う空気が重くなる。あれだけ大騒ぎしていたのに、一瞬でみんな静かになり、相澤先生の次の言葉を息をのみながら待つ。

 

「よし、トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、"除籍処分"としよう」

「「「「はあああ!?」」」」

「生徒の如何は先生の"自由"。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」

 

 青春を犠牲にした努力をしてきて、最難関の筆記&実技試験を乗り越えてようやく辿り着いた雄英高校ヒーロー科。最初の試練は、在籍時間1日というピンチを回避する為、クラスメートと争い合う事だった。




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