ロボ子のヒーローアカデミア   作:あならなあ

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第六話「透明と蛸と不可抗力」

 

 

 

「申し訳ない、葉隠さん」

「だからもういいって!!私も気にしてないから!!!」

 

 モニタールームにて、綺麗な土下座をする障子君とわたわたとしている透。オールマイトを筆頭に苦笑いをする私達と悔し気な轟君に興味なさげな爆豪君、羨ましげな男子数名と呪い殺さんばかりオーラを纏った峰田君。

 二回戦が終わって講評の時間なのに、なんでこんな事になっているのかというと、

 

「障子テメェ!!女子を押し倒した挙句、おっぱいとかお尻とか腰とか揉みしだくなんて、なんて羨まけしからん事してんだよ!!オイラと代わりやがれ!!!」

「本当にすまない!!」

 

 

 

  ▼▼▼

 

 

 

「轟!!」

「下がってろ、障子!!」

 

 俺は、轟の個性に巻き込まれない様、言われた通り外で待機していた。一応複製腕を耳にして内部の状況は探っていた。轟が何事もなく敵役二人のいる部屋に入った所で、もう終わりかと気を抜いた瞬間、明らかな戦闘音を複製腕の耳が捉えた。

 無線で轟に通信を入れるが返答はなく、急いで轟のもとへと向かった。辿り着いた先では、凍っている尾白と葉隠の靴、唇から血を流しながら誰もいない場所へ氷結の個性を放つ轟の姿があった。

 

「残念、はずれだよっ!!」

「ガッ!!」

「轟!!!」

 

 葉隠の声が聞こえたと同時に、こちらに吹き飛んできた轟を受け止める。靴の所から人の気配を感じない事から、やはり、あの靴はフェイクで何らかの手段で凍結から脱した葉隠が攻撃を仕掛けて来たのだろう。

 中遠距離型の戦闘スタイルに加えて、目標の核や、制圧済みの尾白への過剰攻撃にならない様広範囲な攻撃を控えているとはいえ、推薦入学組の轟に対して優勢に戦っている葉隠の戦闘能力には驚かされる。

 

「俺が葉隠を抑える、轟は目標の確保を頼む」

「チッ、仕方ねぇが任せた」

 

 ここは、姿が見えなくとも音で索敵出来る俺の方が相性が良い。そう思い、轟に核を取りに行く様提案し、複製腕全てを耳にして前に出る。

 

「させないよ、集束偏光ハイチーズ!!」

 

 突如、俺達の視界が閃光によって真っ白に塗り潰された。流石、透明になるだけであの実技試験を突破した実力者なだけはある。だが、

 

「目が見えなくとも、俺の耳はお前を逃がさない!!」

 

 俺は、潰された視界のまま、複製腕を大きく広げて葉隠がいる場所へ飛び掛かる。予想外の行動だったのか、葉隠はその場から動いていない。

 

「グッ!葉隠確「あっ♥️」···ほ?」

 

 鳩尾に打撃を食らった様だが、構わず葉隠を覆う様にかき抱いて押し倒す。決して逃がさぬよう力強く。掴みやすそうな場所があればどこでも。六本の腕を全部使って。

 そして、捕らえた事を轟に伝える為に声を上げようとした瞬間、室内に葉隠の艶やかな声が響き渡った。

 

『ヴィ、敵チーム確保と見なし、ヒーローチームの勝利とする。障子少年、今すぐ葉隠さんを解放するんだ!!』

 

 無線に、オールマイトの焦った声が届く。そして、

 

「じ、事故なのは分かってるから、あの···手、どけて、出来れば、全部、今すぐ」

 

 俺の下にいる葉隠が、身動ぎしながら恥ずかしそうに言う。そして、気付いた気付いてしまった。俺の手が、女性特有の膨らんで柔らかい胸部を鷲掴みしている事に。ついでに、細く引き締まった腰や女性らしい丸みを帯びたお尻にがっつり触れている事に。

 一度意識してしまうと駄目だった。掌から伝わる感触、鼻腔を擽る匂い、耳を揺さぶる甘い息遣い。欲という物が薄いと思っていたが、存外俺も男だったようだ。

 そんな、しょうもない事が頭に浮かびながら、俺の意識は遥か彼方へと飛んで行ってしまった。要するに、ただ気絶しただけである。

 

「ちょ!!障子君!!重い重い潰れるー!!!誰でもいいからヘルプーーー!!!!!」

 

 

 

▼▼▼

 

 

 

 あの後、オールマイトが超特急で透を救出、障子君を起こしてモニタールームに帰還。そして、冒頭に至る訳である。一戦目がアレだったので、いい意味で空気がリラックスした感もあるから、二人には申し訳ないけど、こんなハプニングがあって良かったのかもしれない。

 因みに、何で私達が透と障子君の状態を確認出来たのかというと、モニターの一つをサーモグラフィーにして、透の動きを見れるように、オールマイトがしてくれていたからなのである。

 

「障子君、透もこう言ってるし、まだ授業中で講評もあるし続きは放課後に、ね」

「分かった、兵壮。葉隠、放課後にまた」

 

 障子君が引き下がったので、漸く講評が始まり、オールマイトから良かった点悪かった点を聞いて、次の組の訓練へと移る。そこからは、特にハプニングもなく順調に訓練が進み、遂に私の番。

 

「絶対勝とうね、兵壮。私、めっちゃ頑張るから」

「うん、頼りにしてる、芦戸」

 

 

『それでは、第五戦開始!!』

 

 

「開幕一番ミサイルカーニバル!!」

 

 オールマイトの開始宣言と共に、かの赤い巨神の如く腕や足から大量の小型ミサイルを発射。音と光に特化させたそれは、ビルの周囲に居た生物を追い散らしながら順次爆破していく。

 これで、口田君の個性を使った索敵を一時的に阻害出来た筈。

 

「じゃあ、作戦通りに。提案した私が言うのもなんだけど、無理はしないでね、芦戸」

「OK、任せてよ!!ばっちり決めて見せるから!!」

 

 そうして、私達はビルの内部へ足を踏み入れた。

 

「やぁってやるぜ!!」

 

 

 

「すげぇ音だったな。そっちは無事か?口田」

『う、うん。でも、動物達が皆怖がってどっか行っちゃった』

「て事は、こっちの個性は粗方把握済みって事か。昨日のテストでしっかり見てたんだろうな。流石、首席」

 

 動物と話せる口田に索敵を任せて、俺が核を置いた部屋に唯一通じる廊下で待ち構える作戦だったんだが、出鼻を挫かれちまったな。

 

『二人がビルに入ったのは上から確認出来たけど、どうする?砂藤君』

「口田は、そのままそこで警戒しといてくれ。相手が何してくるか分からねぇ以上、下手に動くより作戦通りにした方がいいと思うか···っと、早速お出ましだ」

 

 廊下の先にある階段から、何かが上がってくる気配を感じた。開始してまだ一分も経ってないのに速すぎだぜ。少なくとも、核の位置は知られているって考えた方がいいな。

 右手に角砂糖を持って何時でも食べられる様にしながら構える。

 

「ミツケタ」

「はっ?はああああ??!?」

 

 階段を上って来たのは、人じゃなかった。特徴的な長い鼻に鋭く伸びる口牙。とても見た事のあるその姿は、紛れもなくマンモスだった、機械の。

 

「その声、兵壮か。変えれるのは手足だけじゃなかったんだな。何になろうと、ここは絶対通さねぇからな」

「分かりやすくていいね。じゃあ、押し通らせて貰うよ、パオ~ン」

「お前、クールなふりして結構ノリいいだろ!!」





どうしても、葉隠さんと障子君のラッキースケベが書きたかったんや。

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