ロボ子のヒーローアカデミア   作:あならなあ

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第七話「我、空にして煩悩を断つ」

 

 

 

「ハァ、ハァ、ハァ。いや~、兵壮も凄い事考えるよね~」

 

 

 

 

「ハアアアアアア!!!」

「ウオオオオオオ!!!」

 

 小細工無用と相手に向かってまっしぐらに駆ける、マッチョマン砂藤君とメカマンモスもといビッグモスな私。互いの強烈なパワーが廊下中央で激突する。

 ゴシャっという音が響き渡り、衝突の衝撃で大気が震える。決して侮っていた訳じゃないけど、当たり負ける事なく、逆に此方の装甲を凹ます砂藤君の超パワーには驚嘆だ。このままでは分が悪いと思い、鼻を横凪で砂藤君の脇腹にぶつけるけど、それも受け止められ掴まえられた。

 

「ヌオオ!!オオリャア!!!」

「ヌグッ!?!」

 

 空いている方の腕で牙を抱え込まれ、そのまま物凄い力で横の壁に叩きつけられてしまった。この体を持ち上げるとか、予想以上のパワーだよ砂藤君。

 

「こっちもお返し!」

「しまっ!!ゴハッ!!!」

 

 一瞬弛緩したのを見逃さず、鼻を砂藤君の左足に巻き付け反対側の壁へ放り投げる。こっちは全身ロボだから、動けさえすれば素早い反撃に移れる。まぁ、壊れている部位を判断する為に、擬似的な痛みは再現してるけど、痛みで動けなくなるなんて事は基本的に無い。瞬時に反撃なんてお手の物。装甲が凹む位だったらすぐ直せるし。

 

「昨日のテストで見てたけど、予想以上のパワーだよ、砂藤君」

「そっちこそ、肩が外れるかと思ったぜ。でも、それじゃ俺は抜けねぇぞ」

「だろうね、という訳で別の手を使わせてもらうよ。行け、獣戦機隊!!」

 

 私の声に応え、三機の小型メカが砂藤君に飛び掛かる。鷲を模したイーグルファイター、豹を模したランドクーガー、ライオンを模したランドライガー。かっこよく呼び出したけど、実際他の階の探索を終えて合流してきただけなんだけども。

 

「グッ!クソ、ダアアアア!!!」

 

 狭い空間を存分に使った上下左右の攻撃に、連打で迎撃する砂藤君。だけど、イーグルは小回りと的の小ささ、クーガーとライガーは猫科らしい瞬発力で回避し、牙や爪などで攻撃していく。あ、訓練だから一応そこら辺りの部位は柔らかくしてある。爆豪君と緑谷君みたいに、やり過ぎるとダメみたいだし。

 

「そっちばかり気にかけてると、危ないよっ!!」

 

 前足振り上げてのストンピング。今度は、迎え撃たずに後ろへ飛びずさる砂藤君。倍以上に膨れ上がっていた筋肉が萎んでいってる所を見るに、彼の個性は時間制限がある増強系みたい。効果時間は大体三分、某地球守る光の巨人みたい。こういう場合、制限時間を過ぎたら何らかのデメリットがあるのが相場。

 

「という訳で、回復する前に押し切る」

「チッ、来いやぁああ!!」

 

 グッと貯めて一気に駆ける。今度は、ぶつかる前にクーガーとライガーで、明らかに動きの鈍くなった砂藤君の腕を噛みつかせて拘束し、牙で両脇を持ち上げながら核のある部屋まで突進する。

 

「どうも~砂藤君の配達に参りましたよっと!!」

 

 扉を突き破って部屋に侵入、瓦礫と共に砂藤君を放り投げる。部屋の中でワタワタしていた口田君が、宙を舞う砂藤君を見つけて受け止めに走り、床に落ちる前にスライディングしながらキャッチ。

 

「だ、大丈夫?砂藤君」

「すまねぇ、口田。こっからは、二人でアイツを止めっぞ」

「う、うん」

 

 拳を構え、私と対峙する二人。口田君の個性は動物とかを操る系ってのは分かってるけど、彼の鍛えられた肉体を見るに、充分近接戦も出来るパワーを持っているだろう。再び、筋肉を肥大化させた砂藤君も相手にしながらって事を考えると、やっぱりアレをするしかないよね。

 

「キーワード!D!A!N!C!O!U!G!A!」

 

 ビッグモスが立ち上がり、牙や鼻が畳まれ頭部の無い人型となる。ライガーとクーガーは、体を畳んで下駄の様にビッグモスの脚に、イーグルが赤いツインアイの光る頭部となり合体する。ここに、野生をその身に宿したスーパーロボットが降臨する。

 

「超獣機神ダンクーガ!!バーニング・ラヴ!!!」

 

 大きく足を広げ、半身で右手右足を前に、左手は後ろで引き絞り、由緒正しきポーズを決めて二人を威圧する。本当なら、雷とか大爆発を背負って巨大な剣を構えたかったのは内緒ね。

 

「ど、どうする?砂藤君!?」

「とにかく、動きを止めてテープを巻くしかねぇ。左右に分かれて突っ込むぞ!!」

「う、うん」

 

 左右に分かれて突撃してくる二人。その手には捕縛テープが握られており、下手な対処をするとすぐに巻かれて退場する事になるでしょう。私じゃなければ。

 

「巻ける物なら巻いてみろ!!」

 

 先手を切って殴りかかってくる砂藤君の拳を腹で受け、お返しとばかりに左足を横腹に叩き込む。反対側から軸足を刈り取ろうとする口田君のタックルを跳んで避け、左足を抱え込んだ砂藤君の側頭部を右足で蹴っ飛ばす。ついでに、捻った勢いを利用して振るった腕で、たたらを踏む口田君を殴り飛ばす。着地して間髪いれずに、フラフラしている砂藤君の胸倉を掴んで持ち上げ床に叩きつけ、起き上がって助けに向かってくる口田君へ投げつける。何とか受け止めたけど、威力を殺しきれず壁に激突。

 たった一度の攻防で、あちらは素手に満身創痍。こちらは当然無傷である。

 

「す、すまねぇ、助かった。まだ、行けるか?口田」

「(コクコク)」

 

 膝をつき痛みに顔を歪めながらも、目に闘志を宿してこちらを睨んでくる二人。ヒーローを目指す人間が、この程度で心を折る訳もなし、流石だね。

 

「でも、もう私達の勝ちだよ、芦戸!!」

「もう、出番がないかと思ったよっ!!」

 

 核の後ろにある外壁を蹴破り、芦戸がイーグルファイターよりも大きめの鳥型ロボ「ブラックウイング」と飛び込んで来る。唖然とする二人を尻目に、芦戸がそのまま核にタッチした。

 

 

『ヒーローチーム、WIIIIIN!!』

 





頭に思い描く戦闘シーンを、文字に起こすって予想以上に大変でした。もっと頑張らねば。


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