GATE〜自衛官 斯くして彼の地にて、ASで駆けり 作:とりマヨつくね
追記:9・24日、内容を再編集
ふもふもと可愛らしい音が聞こえる。
それは一つだけではなく、いくつもの音が重なり合っていた。
その音の出どころを探ると、犬なのかネズミなのかよくわからない、ずんぐりとした身体と、透き通るようなつぶらな瞳の着ぐるみだった。
ここまで言えば、原作を知っている人間ならその正体を掴めたことだろう。
ボン太くん、それこそその着ぐるみのキャラクター名だ。
フルメタルパニックを象徴するゆるキャラであり、尚且つこの世界のミッ◯ーとも言える存在だ。
「ふもっふ……(まさかボン太くんの格好をする日が来るとは……)」
「ふもも、ふもっふ(仕方ないだろ、これが一番最善の手だったんだから)」
「もふもふ……もふっる(ですけど……これはいくらなんでも……)」
ボン太くん着ぐるみを着た克人、伊丹、富田の三人が腕を組み、なんとも微妙な顔を浮かべていた。
なぜ彼らがこの格好をしているかと言うと、今回の作戦の要だからだ。
着ぐるみにはデフォルメされたパイロットスーツ、無精髭、ツーブロックなど、それぞれの意匠が組み込まれている。
「ふもも、ふむるる……ふっもっふ?(それにしても、百匹のボン太くんが東京都を徘徊するイベントって、完全にピ◯チュウ大発生チュウですよね?)」
「ふも、ふもふも(言うな、それだけは言うな)」
涙を流しながらパイロットボン太くんの肩を叩く、無精髭ボン太くん。
遠目でピニャと騎士ボーゼスが、そんな様子のボン太くん達を少し離れたところで奇異の目で見ていた。
「おい、ボーゼス……お前、アレの言葉がわかるか?」
「安心してください、殿下。わたくしもわかりません」
「ああ、大丈夫ですよ。すぐに何を言っているかわかりますから。少なくとも、ボン太くんの言葉がわからない人はいませんから」
「栗林殿……それは大丈夫なのか?」
「殿下、ここは異世界です……」
「そうだった……」
こればっかりは致し方がないことだが、側から見たら大変おもしろおかしい状況である。
分かってはいるものの、ボン太くん達は心にダメージを受け、余計にしょんぼりとする。
「それにしても随分と愉快な隠れ蓑ね」
「だがこれはとても効果的。有効的なら活用すべき」
「そうね。それにこの着ぐるみ、可愛らしくて私好きよ」
どうやらロゥリィ、レレイ、テュカの三人には、友好的に捉えてもらえたようだ。
そんなこんなで全員、ボン太くんの着ぐるみを着替え終えると。
「ふもっふ!(じゃあ、行くぞ!)」
『ふもー!(おー!)』