真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
つんざくような悲鳴が空間に響き渡った。
悲鳴を発し、絶命したのは豚のような邪鬼の悪魔。それ以外にも複数の叫びが空間を満たして、数秒後にそれは収まった。倒した悪魔からドロップ品を手早く回収して、暗い異界の中を見渡す。
此処は人為的に作られた異界であり、用途は攫ってきた人間を監禁及び“資源”として利用・取引するというもの
GPの上昇により凡そ淘汰されたマンハンター、ただそれも全てが消え去ったという訳ではない。マンハンター同士の共食い・同盟、世界に馴染んでいない漂流者を狙い撃って誘拐、阿修羅会等の大組織に取り入る
母数こそ明確に減ってはいるが、マンハンターは各々の方法で生存しており、その一つがこの異界である
この異界を作った奴はそれらの融合型とされ、大組織には所属していないが何らかの繋がりを保持。自身に従わないマンハンターを潰して、従う者は配下として置きながらマンハントを続けている
こちらが掴んでいる情報だと旧ファントムソサエティのダークサマナーというのが有力だ。
異界内部は地下に向けて蟻の巣のように膨らんでいく迷宮であり、トラップも多彩で数も多い。出てくる悪魔も平均で約50レベル
複数のチームにおける攻略でなければ苦戦は必至なのは間違いない
現在この異界を攻略しているチームは合計で4部隊。そのうち一人は僕の身内であり、隠密をしながら単独で動いている
残り2チームはそれぞれ別経路から侵入し、それぞれ異界中枢への到達を目的に行動中。そして、僕に与えられた役目は正面からの異界制圧
囮役も兼ねているが、正規の入り口から分かり易く真っ直ぐに異界の奥を目指すのが役割。異界の階層の状況に関しては仲魔であるフレスベルグの<虚空の眼界>*1にて把握し、破壊可能なトラップは破壊。道中の悪魔も時間を掛けずに排除して、最短経路で異界深部を目指す
異界深部に到達してまず見えたのは大量の屍鬼に、それを喰らうか犯している悪魔。屍鬼達の中には漂流者と思われる人間が大半であり、行方不明となったデビルバスターも存在している
死亡してから大分年月が経っているのか、身体の一部が欠損或いはスライム化しており、全員が手遅れだった。対する悪魔は邪鬼や悪霊、幽鬼が多く、冥界・冥府等の死後の世界関連の悪魔が多い。異界の主の性質に寄るものだろうか
「ごめん。助けてあげられなくて」
無抵抗の屍鬼達をそれぞれ破魔で昇天させて、残った悪魔を殺して回る。この辺りは生活区域なのか、これまで潜って来たような迷路もトラップもなく出現する悪魔も弱い
COMPにて状況を一度他のチームに伝え、深部に到達していた時から警戒していた場所に目を向ける。
地下深くへと続く暗闇に包まれた大きな階段。<スキャニングゼロ>や暗視ゴーグルで確認しても見通す事が出来ない
手持ちの解析用COMPで解析した所、暗闇の正体は毒ガス・神経ガス・魔界・怨念の複合
「毒…いや、疫病か…?」
異界自体が冥府・冥界に近く、この暗闇の性質が毒に近いのならばある程度異界の主の正体を推察する事は出来る
当然これが異界の主が正体を悟らせない為に用意したフェイクの可能性もある為に確定したとは言えない。だが、奥には異界の主とそのサマナーが居るのは間違いないだろう。
懸念点はこの暗闇と敵の目的。安直だがこの暗闇に乗じて奇襲を仕掛けられるのが一番可能性は高い。そうなるとそれ前提で戦力も考えなければならないが、今の戦力は僕一人と仲魔3体のみで正直大分心もとない
しかし、他チームとは距離が大分離れており、ここに来るルートも発見できていない。それにこれ以上時間を掛けるのは不味いような気がしている。
ここに来るまでに明確に強い悪魔とは対峙せず、戦ったのは自然発生した悪魔のみ。それにこの異界を維持する為に必要であろうあの屍鬼と悪魔をあまりに無造作に置き去りにされていた
あれらの数を処理するだけでもかなりの時間が掛かっている。それで足を止めさせるのが恐らく目的だろう。明確な時間稼ぎ……この暗闇の先で何かしら不味い事が起こっている可能性は高く、やはり今行くしかない
敵の強さ次第ではあるが、不測の事態も考慮した上で大体の相手に勝算はある構成にはしている。後は此方の勝ち筋を通せればだが、そこは出たとこ勝負で何とかするしかない。
「タリ報、百太郎、後諸々オッケー……装備も問題なし。いこっか」
――時々、どうしてこうなってしまったんだろうと思う事がある。
旧ファントムソサエティ……今は滅びているが、あそこにいた時はよかった。ファントムソサリティに入ったきっかけはとある筋から悪魔召喚プログラムを手に入れ、ダークサマナーとしてあれこれやってたらそのままスカウト、まぁよくある流れだ
俺は魔法なんかは使えなかったが悪魔5体の使役が可能でMAG生産・供給も安定していたし、頭もそれなりに回った
そんなもんだから、数年位組織で活動して居れば約40レベル程度にはなれて、問題なく仕事も熟せた。今思えば天狗にもなっていたが、それも当時ファントム最強だったフィネガンに鼻というか顔事叩き潰された、今でも恨んでる、許せねぇ
そんな事や悪魔との付き合いに難儀したりもしたが間違いなく俺の絶頂期はあの時期で、それもあの忌々しいクズノハキョウジとスプーキーズが現れて全部終わった。
まずヤタガラスのクズノハキョウジによってシド・デイビスを筆頭にファントムソサエティの幹部が次々と討ち取られた
活動に大きな制限がつけられた組織は『パラダイムX』を用いて再起を図るもスプーキーズによってそれも防がれ、ファントムソサエティの未来は其処で凡そ無くなった。ファントムソサエティは徐々に縮小、組織も分裂して、俺も逃げるようにファントムソサエティから逃亡した
そこから逃げた俺を追跡する者はおらず、正しい選択をしたという安心感よりエリートにまで登り詰めた組織がこうまで零落れた事実に心底がっかりした。
そこからは他の裏組織に媚を売りつつ、フリーのダークサマナーとしてちびちびと活動してしていた。阿修羅会や新設したファントムソサエティにも誘われたりしたが、大組織に所属するのは懲り懲りだった
上からの命令でクズノハキョウジの足止めをしろ、とか言われたくない。その時はしょんべん漏らしながら悪魔を切り捨てて何とか生き延びたが……もう御免被る、色々と
フリーの活動において幸いといっていいのが、とある異界にて強力な悪魔と契約出来た事。悪魔の名はネルガル
メソポタミア神話の冥界神であり、強力なスキルも持っていた。奴は俺に神としての力を取り戻させる事を求め、俺は奴に自身の仲魔になる事を求めた。お互いの将来性や能力、方針、それらを鑑みて契約は成立。丁度ネルガルと契約した頃は世界の滅亡うんたらかんたらと悪魔業界も騒がれていた
その事自体にさして興味を示していなかったが、多くの悪魔業界関係者が異界やシェルターに籠りだしている点に俺は注目した
大半の悪魔関係者は穴熊に籠って消え去り、悪魔業界は極度の人材不足に陥る。それらの状況を踏まえて俺は成り上がる為に、ネルガルを用いた計画を進めた。まずは異界を構築し、ネルガルに王として君臨してもらう。そこからは目立たないように人を狩った。特に身の程知らずのアホなカジュアルはシェルターや異界には籠れない、それを重点に狙って攫う
それらを供物に、ネルガルを強化。契約者である俺も、それに応じて力を得て、大組織に悟られないように慎重に慎重に、媚も売って、マンハントを続ける。カジュアルや女子供を攫っては悪魔に犯させて異界を強化。壊れたらネルガルの死霊にすれば無駄もない。そうして多くの屍を積み上げていく
それを危惧したヤタガラスなんかのマンハント狩りが始まれば、他のマンハントチームをスケープゴートに差し出す様にして注意を逸らした。そこから空港に突如現れたとされる九頭竜の出現による異界の崩壊も防いだ
セプテントリオンという化物達に与えられた被害も軽微だ。唯一気掛かりなのは、それらを打倒したという、キリギリスという連中
調べてみればまぁ与太話にしか思えないような話ばかりで、信用度に欠けた。ただのオタク集団という奴も居れば、世界を牛耳る大組織という奴だったり、世界を救済する為に天より遣わされた神の一団とか、どう考えても頭がイッちまってる事をほざいてる奴も居た
奴らのはっきりとした手掛かりは奴らが使っている掲示板であるらしく早速確認してみたら、パスワード代わりに色々と問題を出された。出てくるのは漫画やアニメ等の凡そサブカルチャーばかり。なんだよガンダム顔なら全部ガンダムじゃないのかよ……。まぁとにかく空いた時間を使って、何とかそれらの知識を蓄えて掲示板に侵入
そこから出てくる情報は……無駄に有益だったし、明らかに秘伝の術なんかも流れていた。分かった事としてこいつらは各々の趣味や生活を守る為に本気で世界を救おうとしている事、恐らくこいつらに一度目を付けられたら死ぬまで追っかけられそうな事
なによりこいつらが俺の計画の最大の障害になるだろう、という事である。それからというもののキリギリス及びそれに関わる組織達の警戒度を上げながら、標的をカジュアルからマンハンターとこの世界に現れ始めたドリフターとかいう奴らに絞った
カジュアルも自然淘汰されて、今現役で残っているのは足切りライン50を超えた奴とレルムに籠るなりで裏方に徹する奴、或いは一芸を持ってる奴のみで標的にするにはリスキー過ぎた為である。改めて考えると足切りライン50ってなんだ?
ドリフターやマンハンター狩りは多少効率は減ったものの上手くいったが、懸念点が幾つもあった。まず1つ目がこのマンハンター・ドリフター狩りは必ず露見するという事
マンハンターの母数が減り、その数を俺の手でさらに消していっているというのはどうやって隠蔽しても何らかの形でバレるのは明らかだった。2つ目に此方が懇意にしていた大組織やカルトがこの時期になると大幅に減っていた。メシアでさえ、最近は数が少なくなっている。端的に言うと俺達は孤立しかけていた
以前は結んでいたマンハンターの連合もマンハンター狩りによってパー。だからといって、ドリフターやマンハンターを狩らなければ異界の維持・拡張が厳しく、ネルガルとの契約を反故にする形になり、何よりネルガルに全賭けしてる以上は俺ももう後がない。だから自力で必死に戦力は集めた
使えるマンハンター、ドリフターに関してはネルガルの拡張された権能による支配によって手駒に。異界内部を拡張して、異界そのものを冥界へと近づけた。その結果として異界と魔界との距離は縮まっており、ネルガルの権能を大幅に拡張している
ここまでやって、ネルガルのLVは約80。このレベルではヤタガラス・キリギリスの上位層が来れば、問題なく狩られる。そんなことは分かっているから、魔界への深度をさらに深めようとした。最悪、魔界に堕ちたって良い
既に俺達の存在は露見し、俺に付き従った手駒達は全滅した。そしてこの異界に、もうキリギリスの奴らはやってきている
各侵入経路から推定Lv60以上のデビルバスターが複数。データを確認しただけでも異界走破を得意とする異界ジェノサイダー、宮本明、エクス・アルビオ、その他多数のキリギリス内でも目立っているデビルバスターが多い
この時点でもう正直俺は萎えてきた。幸いなのが異界内の数十にもなる迷路のような階層がちゃんと機能しているという点。これに加えて、各地には通りすがりにMAG生産用の人間牧場がある。既に屍になっている個体は多いものの、足を止めてはくれる筈だ多分。
そこから時間さえ稼げれば、
このまま行ける所までレベルを上げたネルガルで奴らを返り討ちにさえできれば、文句なしに高位の魔王となったネルガルとそのサマナーである俺
それを交渉材料に最近ずっと接触を図っていた“奴ら”と取引が行える。勿論、それが上手くいく保証はない。ネルガルだけ奴らに吸収されて俺が切り捨てられるか、両方とも切り捨てられるか。そういうリスクはある
だがそれも織り込み済みで俺達には最早それしか生き延びる手段はない。マンハントさえ始めなければこんな選択をしなくてもよかったんだろうが、そんな後悔だって最早無意味だ。どうせ、俺は他者を切り捨てる事でしか生きられない人間なのだから
『契約者よ』
3mを超える緑の巨体、その皮膚に張り付くように映るのは虚ろな死者の顔。黄金の兜を被り、ナイフを携えた冥府の神であるネルガルが俺を見下ろした
「分かってるよ。そろそろこんな異界を真正面から突破してきた化物が到達するんだろ?この戦いでどうなろうと、もう俺達には足掻いて生き延びる選択肢しかない。お互い外道を働いてきた身だし、最後まで精々好きにやろう」
『……いざとなれば私はお前を切り捨てる。死にたくなければ最期まで足掻け』
「へいへい」
ネルガルとの会話はそれで終わり。契約した時からこいつとの関係は変わっていない。互いにビジネスライクで冷めた関係、だがそれが一番俺にとっては心地よかった。
\カカカッ/
| サマナー | 久遠フェイ | LV80 | 耐性不明 |
| 女神 | ラクシュミ | LV78 | 耐性不明 |
| 神獣 | バロン | LV77 | 耐性不明 |
| 凶鳥 | フレスベルグ | LV76 | 耐性不明 |
ネルガルの言っていた敵を見据えた。奴らはネルガルが構築した暗闇を意にも返さずに異界最深部へと到達しようとしている
数は悪魔召喚師が一人、その仲魔が3体でどれも70後半。ただ、サマナーの方は見覚えがあった。あの長い金髪に蒼瞳、150cmにも満たない少女のような華奢な体格……レベルは桁違いに成長しているがやはり、そうだ
「……ファントムソサエティに居た奴が俺の最後の相手になりそうなのも因果なのかね」
あれはファントムソサエティの性奴隷だった。MAGは豊富ではあったが、覚醒はしていない悪魔交じりの何かであり、ガイア組織からこちらに寝返って来た奴の実験体として運び込まれたのは覚えている
「ま、それも今はどうでもいいか。殺せればよし、殺せずに倒せれば身柄を確保すりゃいい」
自分が負けた場合など考える必要もない。あれがどういった経緯であの強さを手に入れたのか、それは及びもつかないが俺にはもうどうせ戦う以外に道はない。接敵するまで後数十秒、暗闇に乗じて奇襲を仕掛けて……そこからが勝負だ
真っ暗闇の階段を下る。視界は不明瞭……というよりテクスチャが黒に塗りつぶされた様な不自然な色で、踏み入れた僕達だけが明確に映るような、そんな景色
凡そこれ以上望めないレベルの眼を持っているフレスベルグでもその全てを見通せない程の闇で、何処まで続いているかも分からない。もうかれこれ、20分以上は歩いている。
『サマナー、敵ガイル』
フレスベルグが声を発して止まり、僕も素早くCOMPを確認した。エネミーソナーも真っ赤に。タリ報*2や百太郎*3も反応している
やはり姿は見えないが……囲まれている
「皆、来るよ」
| スピードスター | D2出典。自身のバトルスピードが大幅増加 |
| ベノンザッパー | 敵全体に物理属性の大ダメージを与えて、確率で毒状態にする |
| 準物理貫通 | D2出典。物理貫通(D2仕様)を得る 物理無効以上の耐性には与えるダメージが70%減少する |
仲魔達に声を掛けたと同時に凄まじいスピードで此方に接近する骸骨頭の凶鳥。悪魔の中でもトップクラスのスピードを誇るであろうフレスベルグの速度すら追い抜いて、邪毒を纏った爪で僕達を切り裂いていく
準物理貫通を持っている影響で此方の防具の相性も貫通されながらダメージを受ける。思ったよりも打点が高い、【タルカオート】*4持ちも恐らく居るのだろう。
「フレスベルグ、マーキングを」
敵が動いたのなら《虚空の眼界》を持つフレスベルグには敵の配置が見えている筈。大きく翼を羽ばたかせながら【マハブフダイン】*5を発動
空間の全域に凡そ冷気が奔らせ、それによって僕も敵の配置を把握する事が出来たが暗闇の奥より強力なプレッシャーを放つ魔王を視認した。
『さぁ、蝕まれよ』
| バビロニアの疫病 | D2出典。敵全体のバリア状態を解除する その後、敵全体を超高確率で虚弱状態・毒状態にする |
魔王の手から放たれた病魔が僕達に降り注がれ――
| メスラムタエア | D2出典_ネルガル専用 物理命中率が増加し、敵が毒状態になった時に連動効果が発動 「味方全体を会心状態にする」 |
| 黒い夜の霧 | D2出典_チェルノボグ専用 敵が虚弱状態になった時に連動効果が発動 3ターンの間、敵全体の回避と命中率を減少させ、 敵全体を超高確率で毒状態にする |
| ヤクシャの凶爪 | D2出典_グルル専用 敵が毒状態になったとき、次の連動効果が発動 「ランダムな敵に3回、物理属性の小ダメージを与える 攻撃成功時、ヒットした敵を確率で緊縛状態にする」 |
| ネルガル_思念融合*6 | 1,物理属性で与えるダメージが15%増加 状態異常にする確率が20%増加。 2,敵が虚弱状態のとき、与えるダメージが25%増加する。 3,物理貫通(D2仕様)を得る。 自身が会心状態のとき、物理命中率が20%増加する。 4,敵が毒状態になったとき、連動効果が発動 「敵全体に物理属性の中ダメージを与える」(1ターン中1回まで) |
フレスベルグが毒・虚弱状態になった事で敵は
さらに暗闇が僕らを包み込んで動きを鈍らせ、そこに凶鳥の会心三連撃が僕とラクシュミ、バロンを切り裂いた
魔王もまた動き出して、恐るべき速度で僕達を軽く吹き飛ばし、会心の手応えにニヤリ*7と嗤いながらその瞳をさらに禍々しく輝かせる
| 獣の眼光 | 補助スキル。このターン、追加の1アクションを得る 1ターンに1回しか使用できない。ボス専用 |
| 冥界破 | 敵全体に物理属性の大ダメージを与える |
さらに踏み込んで、赤黒い瘴気を纏いながら吹き飛ばされている僕らを跳ね飛ばす。暗闇が徐々にだが晴れていき、その奥で屍鬼の群れに囲まれた敵のサマナーがほくそ笑むのが見えた気がした
「けどまぁ、まだ死んではやれないね……起きて、フレスベルグ」
| 電気ショックⅢ | 即時効果。味方一人が即死またはDEADになるのを防ぐ。但しHPが0以下になる場合は1とする ランクⅢの為に1シナリオ3回まで使用可能 |
僕とバロンとラクシュミは何とか耐えて、最後の冥界破で倒れたフレスベルグは【電気ショック】にて瞬間的に蘇生させる
暗闇に入ってから定期的に【魔法の輪】*8を掛けていたのが功を奏した。なければ今頃全滅が見えていただろう。走馬灯も若干見えたし、敵の脅威度も見誤っていたと反省もするが……そこはそれとして、今は加速する思考の中でアナライズを行うと共に状況を整理する
\カカカッ/
| ダークサマナー | ベリーニ | Lv74 | 耐性不明 |
\カカカッ/
| ガンスリンガー | エリヤ | Lv64 | 耐性不明 |
\カカカッ/
| 魔王 | ネルガル | Lv85 | 耐性不明 |
\カカカッ/
| 凶鳥 | グルル | Lv78 | 物理全般に強く、衝撃反射*9 |
\カカカッ/
| 死神 | チェルノボグ | Lv76 | 物理全般に強く、精神・魔力・緊縛・神経無効。破魔・呪殺反射*10 |
\カカカッ/
| 軍勢 | バビロニアの群れ | Lv69 | 物理耐性・銃・破魔・呪殺無効。毒・風邪無効*11 |
\カカカッ/
| 軍勢 | 死者の群れ | Lv47 | 呪殺無効。毒・混乱・睡眠・緊縛・風邪無効*12 |
まず敵の配置はネルガル・チェルノボグ・グルル・バビロニアの群れが前衛。ダークサマナーとガンスリンガーが後衛である。死者の群れは恐らく厳密には奴らのPTではなく、ネルガルの権能で呼び出された屍達でそこまで詳細な指示を与えられるようには見えない
出来るとしたら僕達への無造作な攻撃か、僕達の攻撃に対するカバー要因程度。とはいえ数が尋常ではなく軍勢単位でも十数軍団は下らない数に囲まれている。ネルガルは異界の主故にレベルが高く、どうも霊格とMAGが膨張し続けているように見える……時間稼ぎの正体は恐らくこれであり、時間を掛け過ぎるのは不味い
グルル・チェルノボグ・バビロニアの群れは此方にあるデータより数段レベルが高い。悪魔達が纏っているMAGから恐らく異界限定のレベル増強なのだろう。そしてそれらのサマナーである赤いスーツ姿の男、ベリーニは死者の群れを護衛に手元に置きながら【ガード】*13をしている。あれを落とすには死者の群れを先に落とす必要がある。
そして、僕が一番警戒しているのはエリヤと表示されたガンスリンガーの方だ。全身を防具で固めて顔は見えないが、立ち振る舞いから恐らく女性。震えながら此方に銃を構えており、興奮状態であることが伺える
これまでの異界攻略で何度か出くわした薬物投与及び洗脳術によって戦闘員としてコントロール化に置かれたドリフターかデビルバスターの可能性が高い。また、唯一彼女だけが死者として用いられていない点に違和感を持った
ネルガルの特性を考えるなら死者にする方が洗脳も管理も耐性も遥かに楽であり、死者にしないという事は余程の理由があるという事。それこそ不安定な技術を用いてでも彼女が今持つ何かを用いようとしているのかもしれない。
以上が敵陣の状況であるが、こちらは実質フレスベルグは切り捨てる形にならざるを得ない。フレスベルグの耐性に状態異常に関わる物は存在せず、ネルガルのあの毒・虚弱に関しては恐らく必ずかかるといってもいい
対して僕と他の仲魔は全員、BS事態を無効化する耐性を持っている為にあの状態異常は通さないが、フレスベルグさえ掛かってしまえばまたあのコンボが始動してしまう。故にフレスベルグの状態異常を治す事は出来ない
バッドステータスに強い悪魔は他に居るものの無効化でない限りはネルガルのあの状態異常に対抗するのは難しい。手数も負けてる以上は此方も殲滅優先で動くしかない。後はフレスベルグがどこまで生存できるか、敵の切り札はどれ程あるかに掛かってくるだろう
「はー……ほんとしんどいや。ラクシュミ、まだ舞える?」
『勿論で御座います』
「じゃあ、仕返ししてやろうか」
少なくとも氷結無効は居ない。万能に対してもそれを反射する物は張られずに、耐性持ちも居ない。仲魔に目配せをして、ラクシュミの舞と共に詠唱を始める
| 天上の舞 | NINE出典。3ターンの間、味方全員の魔法攻撃力と魔法防御力を2倍にする。 |
『サマナー』
「おっけー……吹き飛ばす!」
| ワイルドハント | 覚醒篇におけるウィッチの最終魔法 敵全体に相性:-(万能相性処理)のダメージを与える 威力は加護(運)×2となり、ステ振りが運魔特化の為に メギドラオン以上の特大ダメージを与える。 |
周囲に満ちた暗闇と冷気、それを塗り替える様にして発現するのは
ラクシュミの支援もあり、全ての死者の群れはダメージに耐え切れずにその身体を塵に返されて――
| 北端の凍てつく風 | D2出典_フレスベルグ専用。敵が死亡したとき、次の連動効果が発動 「敵全体に氷結属性の小ダメージを与える」 |
間を置かず、フレスベルグの冷風で追撃する。カバーに入る隙もなかったのか、全ての敵に冷気が襲い掛かった。とはいえダメージとしては低く、支援があろうとこれが決定打にはならない
「
| 高速詠唱Ⅲ | 200X出典。補助スキル 手番中、使用者は追加で1アクション分の魔法攻撃か支援魔法を行う事が出来る 但し、HPを回復する効果のあるスキルは使用できない 1シナリオに3回まで使用可能 使用する度にコストとして現在HPの半分を消費する このスキルは本来1つの手番に複数回使用できるが、 不完全な習得である為にそれは封じられている |
高速詠唱。獣の眼光等と酷似した魔法の行使回数を増やす、魔術師にとっての奥義。僕では不完全な習得しか出来なかったが、それでも十分。再び【ワイルドハント】を発動させ、敵全体を吹き飛ばしながら倒れた者が出現したことによって再び、フレスベルグの追撃*15が敵陣に再び冷風を叩きつける
バビロニアの群れがそれぞれグルルとチェルノボグを【カバー】に入り、その身を妖精達によって群れを霧散させる。ガードしているサマナーと
万能無効、という訳ではない。一瞬見ただけだが、あれの概要を少し理解できた。
| ■■ | 即時効果。自分に対するダメージ・追加効果を打ち消す 1シナリオ■回まで使用可能 |
幻視、ESPのようなものだろうか。それによって瞬時に必ず命中しない場所を判断し、なければ己の技術で防ぎ切る状況を作り出す能力。ダメージこそ喰らっていないがこちらの魔法とフレスベルグの冷風、その二つを防いだ影響で疲弊しているのは確認できた。恐らく後使えて1~2回程度だろう
| メディアラハン | 真3出典。味方全体のHPを全快させる。 |
そして、それまで待機していたバロンがこちらのPTを全快させる。現状打つべき手は全て打てた。まだあちらの手番は終わっていない
『Aaaaaaaaaaa!』
剣を携えた死神、チェルノボグが剣風を纏わせて【デスバウンド】*16を振るう
グルルの事も踏まえると奴も恐らく準物理貫通を持っており、無効化する事は出来ない。加えてネルガルの能力によって会心状態。耐性がなく、多段攻撃で上振れが起きた場合は死亡するリスクがある。
| スプリガンベスト | デビサマ出典。多くの物理属性を反射する。通常攻撃は反射しない |
| 観音神符 | 200X出典。アイテムを消費する事で 受ける攻撃のダメージがクリティカルだった場合、 それを通常の成功に変更する |
近接攻撃は当然だが間合いに居る相手にしか届くことはない。あのデスバウンドは間合いのに居る前列の対象に攻撃する物であり、前列に出ているのは僕とバロン、後衛にはラクシュミとフレスベルグが居る
バロンか僕かの2択で、そこからさらに僕はチェルノボグにそのまま体当たりする寸前まで近づいて攻撃の対象をさらに絞らせた。準物理貫通は反射も貫通するが、無効以上は7割近く威力が減衰される
加えて会心状態も観音神符で凌げば、最大ヒットでも問題なく耐え切る事は出来る。とはいえ今回当たったのは4回だけ。運が良かった。その間にガンスリンガーは宝玉輪*17を使用。お互いにHPだけは振出しに戻った。
何とか、勝負の出来る範囲にまで盤面を持ち込めたが懸念点は多い。まずネルガルのレベルが戦闘開始時は実は83だった。それが85と上昇しており、今も恐らく上昇し続けている。【ワイルドハント】で暗闇は吹き飛ばしたが、それも徐々に戻りつつあり、依然として時間は敵の味方だ
次にやはりあのガンスリンガーが問題となる。まだ見せた手札はあれだけで何をしてくるか分からない。レベルは一番低いが、ネルガルの次に面倒なのは彼女であると僕の勘が告げている
とはいえ敵のサマナー、ベリーニの顔色も左程良くはない。あれほど派手にぶっ放せばああもなるが、若干の余裕は感じられる。警戒対象も……恐らく先の二つで間違いない筈だ。
そして、
「バステ無効に化物染みた魔法出力、こっちのメタは完全に取られてる訳だが……有利なのがこっちなのは変わらんだろ?」
虚勢か本当に余裕があるかは分からない
グルルは【ベノンザッパー】を構え、容赦なく僕達を切り捨てた。敵の狙いはフレスベルグの撃破なのは間違いないが、こちらの勝算を鑑みるとフレスベルグに裂けるリソースはない
「フレスベルグ、最後に---」
「させねぇよ!エリヤ!」
ガンスリンガー、エリヤはベリーニの言葉に頷きもせずに銃を構え、【クイックリロードⅢ】*18を発動
| イレイザー | IMAGINE出典 驚異的な集中力でより多くの射撃を繰り出す特技 敵単体に6回の衝撃攻撃を行う。武器依存属性 |
| 神経弾 | 真1出典_特殊弾。相性無視の弾丸 追加効果でSLEEPを与える |
| 虚弱状態 | D2出典。虚弱状態の際に他の状態異常を 与えられると必ず状態異常になる |
フレスベルグの放たれる神速の6連弾。銃そのものは弱かった為に死亡こそしなかったが、虚弱状態であった為にSLEEP状態となって行動不能。フレスベルグは次で死ぬ。
『まずは一つ』
| 獣の眼光 | 補助スキル。このターン、追加の1アクションを得る 1ターンに1回しか使用できない。ボス専用スキル。 |
| 冥界破 | 敵全体に物理属性の大ダメージを与える |
| 群れ集い | 他の悪魔を召喚する |
再び魔王の一撃が大地を震わせ、此方に襲い掛かる。フレスベルグは死亡。他の面子はもう1発位なら耐えられそうだが、ネルガルはこちらの全体攻撃を警戒してか【死者の群れ】を軍勢単位で4つ召喚した
こちらの行動を強制されているようで癪だがどうあれ死者の群れ諸共、また敵を吹き飛ばすしかない。
| 天上の舞 | NINE出典。3ターンの間、味方全員の魔法攻撃力と魔法防御力を2倍にする。 |
| ワイルドハント | 覚醒篇におけるウィッチの最終魔法 敵全体に相性:-(万能相性処理)のダメージを与える 威力は加護(運)×2となり、ステ振りが運魔特化の為に メギドラオン以上の特大ダメージを与える |
再び荒れ狂う、【ワイルドハント】。死者の群れはそれぞれベリーニ、エリヤ。グルル・チェルノボグをカバーして吹き飛ばされる
| 高速詠唱Ⅲ | 200X出典。補助スキル 手番中、使用者は追加で1アクション分の魔法攻撃か支援魔法を行う事が出来る 但し、HPを回復する効果のあるスキルは使用できない 1シナリオに3回まで使用可能。 使用する度にコストとして現在HPの半分を消費する このスキルは本来1つの手番に複数回使用できるが、 不完全な習得である為にそれは封じられている |
| ワイルドハント | 覚醒篇におけるウィッチの最終魔法 敵全体に相性:-(万能相性処理)のダメージを与える 威力は加護(運)×2となり、ステ振りが運魔特化の為に メギドラオン以上の特大ダメージを与える |
「エリヤぁ!」
2発目。迫り来る魔法と相対しながらベリーニが吼える。
| 援護射撃Ⅲ | 即時効果 銃器を装備中に使用者以外の味方一人が攻撃を受けた時に使用可能 対象は回避・防御・反撃の判定に+40%の修正を得る この効果は1シナリオに3回まで使用可能 |
| 幸運Ⅲ | 即時効果 自分に対する攻撃のダメージと追加効果を打ち消す 1シナリオ3回まで使用可能 |
エリヤは空中を跳ね、【ワイルドハント】を躱しながら魔法そのものを一部撃ち落とす。その合間を縫ってベリーニは【ワイルドハント】の射程外にまで到達し、回避に成功してしまう
回避に成功したのは此方の命中・回避が1段階下がっている影響も大きかったのだろう。これを消せなかった現状がやはり痛い。グルルとチェルノボグは耐え切り、ネルガルも健在だ
| 混沌の海 | D2出典。敵全体に万能属性の大ダメージを与えて 3ターンの間、敵全体の防御力を減少させる |
チェルノボグから放たれる黒い波のような魔力の奔流が此方に叩き付けられる。HP自体は先に攻撃が来ると踏んで、待機させていたバロンを即座に【メディアラハン】を放たせる
何となくだが、相手の考えている事は分かった……ネルガルのレベルももう少しで90に達する。相手は必ず勝負に出てくる
再び
ベリーニが【瞬間増強の札】*19をネルガルに、エリヤが【宝玉輪】を使用
グルルは【フォッグブレス】を放ち、此方の命中・回避減少段階は3段階目
「殺せ、ネルガル!」
『……いいだろう。これで終わらせてやる』
| 龍の眼光 | 補助スキル。このターン、追加の3アクションを得る 1ターンに1回しか使用できない。ボス専用スキル |
| 冥界破 | 敵全体に物理属性の大ダメージを与える |
| 冥界破 | 敵全体に物理属性の大ダメージを与える |
| 冥界破 | 敵全体に物理属性の大ダメージを与える |
| 冥界破 | 敵全体に物理属性の大ダメージを与える。 |
荒れ狂うネルガルの巨腕。周囲の屍すら吸収して放たれる、此方の空間全域を叩き潰す全体貫通物理四連撃。下がり切った回避では避けることは出来ない。テトラカーンでも、あれは反射できない。ならば―――
「真正面から受ける……!」
ネルガルの巨腕が僕達を叩き潰すが、バロンも含め1撃目は何とか耐えた。再度振るわれる2撃目の巨腕
僕は【鋼靭の闘魂】*20、ラクシュミは【物理耐性】*21、バロンは【食いしばり】*22で耐え抜いた
『後はお願いしますね、サマナー』
三撃目。ネルガルの口から冥界の瘴気が放たれ、ラクシュミが僕を【カバー】して死亡。バロンは2回目の【電気ショック】を発動させて、何とか命を繋ぐ
『まだ生き足掻くか…!』
あのネルガルも急速な自己強化に恐らく身体が付いてきていない。苦悶の表情を浮かべながら、最後の一撃に両腕を僕達に振り下ろす
僕はバロンの前に飛び出して、【カバー】。肉体は過剰なダメージに破裂し、骨の大半は粉々になりながら最後の【電気ショック】を発動。自分自身の命を保たせる
「おいおい、マジかよお前ら……けど残念だったな。やれ、チェルノボグ」
相手のHPは全快。ネルガルは先程の行動で疲弊したのか、レベルが徐々に下がりつつあるが最早他の悪魔と自分だけで蹂躙できる程の戦力差。僕達だけならもう勝てない
「そう、僕達だけなら……バロン。御願い」
「援軍?あの二つのPTならまだ……いや、一人見失って……まさか……チェルノボグ、早くそいつら殺「もう、遅い」」
| 勇奮の舞 | NINE出典。3ターンの間、味方全員の物理攻撃力と物理防御力を2倍にする |
バロンが最後の力で【勇奮の舞】を踊る。その直後に突如僕の後ろから姿を現して敵陣に駆け出した彼女……久遠 由奈は手に持つ太刀を構え――
「死ね」
| 豪傑の転心 | ライドウ超力兵団出典 約50%の確率で物理攻撃の威力を100%上昇させる |
| チャージ | 真4出典 次に行う物理・銃撃攻撃力が2.5倍になる |
| 煌天の会心Ⅲ | 200X出典。補助効果 格闘攻撃をクリティカルに変更する 200Xにおいてクリティカルはダメージ2倍である為にそのように裁定 1シナリオ3回まで使用可能 |
| 大地震動Ⅲ | 200X出典。補助効果 このターン、使用者が次に行う攻撃1回の威力に使用者の<レベル×2>を加え クリティカル時の効果を「ダメージ2倍」から「ダメージ3倍」に変更する 1シナリオ3回まで使用可能だが、1回の戦闘では1回しか使用できない |
| 物理貫通Ⅲ | ソルハカ2出典。武器COMP改造 物理属性で攻撃時、耐性・無効・吸収を無視してダメージを与えられる |
| 血祭り | DDSAT1出典 敵全体に物理属性の中ダメージを与える。クリティカル率が高い |
ネルガルのそれを上回る程の、圧倒的な斬撃乱舞が敵全体を斬り潰す。
『お…ぉ…ッ!!!』
唯一、食いしばる事の出来たネルガルが唯一捥がれなかった片腕を此方に向ける。
「ふぅ……もう、無駄だよ。サマナーが健在ならともかく、その深傷でもう君に注がれるMAGはない。チェックメイトだ」
他部隊も屍の群れを突破し、既にMAGを供給する施設の破壊には成功している。ネルガルがここまで急激に進化し続けられたのはそれとサマナーであるベリーニのお陰
ベリーニも既に死んだ今となっては最早ネルガルには破滅しかなく、徐々に体がスライムと化してきている。
『こ、んな……所で……』
ネルガルが喚いている間にこちらは仲魔を蘇生させて態勢を整えた。念の為に悪足掻きがないか確認はしたけれど、それもなくその言葉を最後に呆気なくネルガルはスライムとなって消失した。
「ごめん、ほんとに助かったよ由奈」
「……礼には及びません。そもそも囮役をやってもらったのですから、もっと早く来れなかった私に不備があります」
「本当はもっと早く来たのに待機するよう指示出したのは僕だからさ。何にせよ上手くいってよかった」
\カカカッ/
| デビルバスター | 久遠 由奈 | Lv88 |
僕の身内のデビルバスター……久遠 由奈は実は戦いを始めてから
元々はこれを発動させずに単独で異界内部を進んではいたが、僕達が暗闇に突入すると同時に隠密を発動させてそのまま到達した、というのが経緯である。
彼女を直ぐに戦闘に駆り出さなかったのはネルガルの切り札を出し切らせて僕達だけで受け切りたかったというのと彼女がチャージする時間を稼ぎたかったというのが主な理由。正直一撃で倒さないと何されるか分かったもんじゃなかった、という事で色々賭けに出た
実際早期に乱入させた場合はベリーニはあそこまで攻撃的に動く事はなかっただろうし、死者召喚で時間を稼がれてお互い泥仕合になっていた可能性が高い
「異界の主はこれにて討滅。主犯であるベリーニは……ああ、既に石化も麻痺も与えていましたか。ならそのまま運び出しましょう、もう間もなくこの異界は崩壊しますから」
「あー……それと一応彼女もこっちで連れ帰るよ。多分他じゃ厳しそうだから」
「彼女?」
僕が指差したのはガンスリンガーとして相対したエリヤと呼ばれていた女性。サマリカームをした後に同じようにBSを与えて無力化している
「色々聞きたい事もあるし、多分今回の敵対も本意ではなかったと思うよ。こっちに従わないようならそれこそ他の預かりになっちゃうけどさ」
「……依頼主への報告事項は増えますが、やむを得ませんね。運び出しましょうか」
これにてマンハンター、ベリーニ及びそれに連なるマンハントチームは全滅及び確保と相成った。とはいえ、今回の事件は飽く迄これまでの世界の延長線上の戦い。それも行き場を無くした敗残者の処理でしかない
メシアにガイア、それに掲示板で話されている三つの侵略勢力。戦いが激化するのは多分これからなんだろう。それらの戦いでどこまで生き続けられるのかは正直分からないし、死ぬ可能性の方が間違いなく高いだろう。だけど
「守っていきたい物は頑張って守るよ。僕自身の為にさ」
確かな幸福な未来を掴む為にこれからも進み続ける。僕だってキリギリスの一員なのだから
・銃器を装備していなくても即座に銃器を準備できる。
必要ならば装備している武器を地面に落としてもいい
・手番中、銃器で攻撃した後に即座に銃器にホルスター等にしまう事ができ、別の武器を構えてもよい
<キャラ紹介>
・久遠 フェイ <悪魔召喚師><ウィッチ><???> LV80
キリギリスの一員であるデビルサマナー兼ウィッチな本作主人公。
金髪蒼瞳、身長150cm未満。ロリータ着れば大体アリス。
そんな感じの男の娘。本人は男物を着たいが、絶対的に女物が似合う為にその事実に打ちひしがれている。あれこれ起こる前は大体30~40程度のレベルだったが、初期のキリギリスからあれこれ起こって、何度か死にかけていった結果としてこんなレベルになってしまった。召喚可能悪魔は3体の機械式。本人はウィッカ(覚醒篇)の魔法を主力にしながら様々な魔術技法と僧自身の内に存在するとある妖精のスキルを用いる。
・久遠 由奈 <剣士><退魔僧><???> Lv88
キリギリスの一員であるデビルバスター。
茶髪ポニテ、身長180cm以上の男装が似合うタイプのキリっとした女性。
紆余曲折あってフェイの保護者的な立場に居る。こちらもあれこれ起こる前は
50レベル程度だったがあれこれ起こってこんなレベルに。戦闘方式は
最新式の武器COMPを用いた近接術にカルトマジック、マントラを取り入れたもの。
またとある悪魔の血が流れており、その関係もあってフェイと共に行動している。
・デビルバスターチーム×2
推定Lv60以上のキリギリスメンバーで構成されたチーム×2。只管道中に居た屍鬼や悪魔を千切っては投げ、千切っては投げていた。ネルガルの配置した強力な悪魔も居たがジャイアントキリングはお手の物である為に割とサクサク狩られてしまい、奥にあったMAG生産所こと人間牧場も難なく破壊。結果的にLv92となったネルガルが一発でガス欠になってしまう一因を作っている。
・エリヤ <ガンスリンガー><幻視者?><???> lv64
異界内の決戦で相対したガンスリンガー。
銃と即時スキルを用いる戦闘方式であり、ESPを用いた幻視者ではないかとフェイからは疑われている。その正体はまた後日に。
・ベリーニ <ダークサマナー> Lv74
今回のやられ役。特に薄暗い過去もなくただの元ファントムソサエティのマンハンター。本当はもっと軽い話にしたかったけど、1話にインパクトがあった方が良いと思ったのと戦闘の流れとして、マンハンターにしては異様に強い存在になってしまっている(大体ネルガルのお陰ではある)。チンピラからファントムソサリティの一流サマナークラスに登り詰めた腕は確かであり、ネルガルと出会ってさえすれば他の周回でも多少良い所までいってるかもしれない。根回しや生存術、隠蔽技術等、裏社会で生き残るのに確かなものは持っていたが、戦闘で頭を回すのがあんまり得意という訳ではなく高速詠唱ワイルドハントの万能二連打コンボで戦闘に意識を釘付けにされて、隠密行動をしだした由奈のマークを外してしまったのが敗因となっている。でも正直作者暫くお前以上の敵は書けない(エネミー作成のカロリー的にも)と思ってるから、そういう意味では作者にとっては最大の壁はこいつです。