真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
「君がウリック・ヤードか」
「おや、エリヤさんからでも聞かされたかい?」
「そういう口調なのは昔からなんだ。聞いてるよ」
「結構昔話でもしてくれたみたいだな、あの人。嬉しいねぇ」
ウリック・ヤード。エリヤの妹のアンナの幼馴染の男の子であった存在であり、今は恐らくガイア再生機構の構成員。此方に向ける視線に含まれる感情には敵意や害意は含まれておらず、一種の親近感や感謝すらその瞳にも籠っていた。だが、此方に突きつけられた凶器が彼がどういう立場で僕の目の前に立ち塞がっているのかを雄弁に物語っている。
「質問、幾つかいいかな」
「答えれる事なら」
「君はどういった理由で此処にいる?」
「上の命令って所かな。此処の用心棒を任されてね。とはいっても退屈な日々だったが」
「その上とやらには何故従っている?」
「ちょいとやむを得ない事情って奴さ。俺達はあそこの支援なしでは生きられん。だから従っている」
「その支援とやらを此方で受け持つことは可能?」
「不可能だ。悪いが、交渉の余地はない」
それだけはきっぱりと彼は言い切った。表情には憂いが見れて、此処にいるのも或いは戦っている事さえ本意ではないように見受けられる。
「俺と……アンナの目的はエリヤさんの身柄を生きたまま確保する事だ。そして、その結果としてエリヤさんは死ぬ事になるだろう」
「それは、避けられないの?」
「ああ、無理だ。そしてお前さんはそれを許容できない筈だ。戦力としても或いは感情としても」
「……」
「エリヤさんがお前さんを見る時、ああいう目をしてるって事はきっとお前さんは良い人なんだろう。あの人のこれまでに何があったのか、俺はそれを知っている。だからこそ、お前さんのような人に拾われて心の底から良かったとそう思っている」
それでも彼が僕に突きつけている大剣に揺らぎはない。僕の気が一瞬でも緩めば、切り捨てられるのは間違いない。
「
「勢い余って殺したら大変って訳だね」
「お前さんは1回殺して死ぬようなタマじゃないだろう。殺した後に蘇生すれば問題はない」
会話が止まり、辺りが静寂に満ちる。お互いのスタンスは理解した。ウリックが親切に色々話してくれたのもそれを示したかった故なのだろう。少し話してみた感じ……その言葉に嘘はないし、エリヤが話したウリックの人物像にも一致している。詰まる所、性格にあまり変化はなく此処まで言っている事は恐らく全て正しい。
最後にエリヤを見た時、彼女の傍には由奈がついていた。彼女の安否は由奈に任せるしかなく、僕も僕に出来る事をやるしかない。
「質問は終わりでいいかい?」
「もっと聞きたい事はあるけど……お互い時間はなさそうだしね」
「そうだな。んじゃま……」
その視線に明確な殺意と敵意が宿る。快活な笑みは獲物を狩る肉食獣のような凄惨な物へと変わり果てた。僕もまたアセイミナイフを構えながらMAGを迸らせる。
「おっぱじめるかァ!」
「来い!」
\カカカッ/
| 剣士/サマナー | ウリック・ヤード | Lv85 | 耐性不明 |
\カカカッ/
| 堕天使 | 流出のゴモリー | Lv83 | 耐性不明 |
\カカカッ/
| 熾天使 | 創造のフラウロス・ハレル | Lv82 | 耐性不明 |
\カカカッ/
| 龍神 | 創造のケツァルコアトル | Lv81 | 耐性不明 |
\カカカッ/
| ウィッチ(♂) | 久遠 フェイ | Lv83 | 全てに強く破魔吸収。技・火炎・氷結・呪殺反射。BS無効*1 |
\カカカッ/
| 女神 | ラクシュミ | Lv81 | 破魔反射・衝撃無効・バッドステータス無効*2 |
\カカカッ/
| 神獣 | バロン | Lv79 | 物理耐性・破魔・呪殺無効。全ステータス異常無効(BS無効)*3 |
\カカカッ/
| 破壊神 | カルティケーヤ | Lv81 | 銃反射。物理・破魔無効。呪殺耐性*4 |
・各配置
| 前衛 | ウリック | ゴモリー |
| 後衛 | フラウロス・ハレル | ケツァルコアトル |
| 前衛 | カルティケーヤ | バロン |
| 後衛 | フェイ | ラクシュミ |
双方の召喚によって戦いの狼煙は上げられ、戦闘態勢へと移行する。此方はラクシュミ・バロンにレイドバトルの後に新しく作り、御魂合体もある程度完了させた孔雀を騎獣とする軍神カルティケーヤを召喚。
ウリックは堕天使ゴモリーに熾天使フラウロス・ハレル、龍神ケツァルコアトルを召喚する。ゴモリーとケツァルコアトルはそれなりにメジャーであるし、聞いたことがある類の悪魔だがフラウロス・ハレルに関してはデータがない。それに熾天使という種族に関しても同様に聞いた事がない、大天使ではないのか?
そして、召喚された悪魔達から感じられるレベル以上の強大なオーラと悪魔に付随した二つ名のような物。その正体こそが恐らく
レルムにおける戦いにてあのラクシュミ達が落としたとされる用途不明のルーンストーン。所謂、悪魔の転生であり、ルーンストーンを用いて悪魔をレベル1にした上で<祝福>を刻み込む。<祝福>によって悪魔の能力値は上昇し、その段階に応じて二つ名を与えられるというそんな話だ。
その段階は大まかに深淵・活動・形成・創造・流出、そして無から無限に最終的に無限光に至るとされている。そう聞いただけで実際どうかは分からないが奴の悪魔はゴモリーが流出に、他2体が創造に至っている。ゴモリーから発せられるMAGの感覚は凡そ90後半以上、他2体は約90前半。
成程、話を聞く限りではレベルダウンが重すぎてこの切迫した環境においてはほぼ使える者はいないと思っていたがエデンのような周回を続けている組織ならば安定した育成環境が用意できる。
その反面、サマナーであるウリック・ヤードは装備の効果等も含めないのであれば85そのままに感じられていた。エデンの構成員のレベルと比例しない高い能力の仕組みがデビルリユニオンによるものなのであれば、ウリックは純粋な人間であるか別の何かしらが存在するかの2択になる。
この情報を齎したのはラスキン老であり、此処に来る数日前にデビルリユニオンそのものとそれが広まる事についての危険性について説明を受けた。取り敢えず広まった際の対策として宝石を揃える事による能力値上昇の事柄をさらに拡散させた上で、悪魔由来の宝石そのものを集めやすい環境或いは市場に流通させる為の宝石自体を事前確保しておくという案を出して、その場は解散となった。色々他にも話はあったがシロエさんも含めて対応できる状況にない為に断念した。
| 全知なる導き | D2出典。ゴモリー専用。 ターン開始時、次の連動効果が発動。 「生存中の味方全体の強化段階があるスキルの強化段階を1増加させる。」。 「味方全体のステータス弱体化効果を解除し、敵全体のステータス強化効果を解除する。」 |
| ゴモリー思念融合 | D2出典。 以下の効果をゴモリーは思念融合によって得ている。 1,状態異常になる確率が80%減少する。 2,1ターン目開始時、連動効果が発動。 「生存中の味方全体の「スキル使用時に強化段階が増加するスキル」の強化段階を1増加させる。」 3,回復スキルのHP回復量20%増加。最大HPが20%増加。 |
| 賛美の光輪 | D2出典(劣化)。フラウロス・ハレル専用 破魔貫通(D2)を得る。 自ターン開始時、連動効果「自身をリディア状態にする」が発動し、 強化段階が1増加。※連動効果は、自ターン開始直前の強化段階に依存。 【強化段階:1】呪い無効を得る 【強化段階:2】リディアの対象が味方全体に変化 代償:強化段階:3が消失。このスキルはスキル枠を3つ消費する リディア状態※D2:3回行動するまでの間、手番が来た時にHPを回復する(回復量は約15%)。 |
ゴモリー、フラウロス・ハレルが持つ権能に近い能力。僕も初めて見るがその力はデカジャ・デクンダの自動化、そして破魔貫通とそれに付随しての自動回復効果。発動タイミングが決まっているようだが此方としても非常に困るスキルだ。相手は緊急に迫られなければ通常のデクンダ・デカジャ或いは回復でさえ手番を使う必要がないのだから。
「随分と強力な悪魔だね。何か仕組みがあるのかな」
「さて、どうだかな」
レベルは凡そ同格だがデビルリユニオンの影響で悪魔の強さはウリック側が数段上と捉えた方がいいだろう。ウリックも恐らくステータスの差によって上を取ることができる
| スピードスター | D2出典。悪魔のバトルスピードへの影響が50%増加する。 |
| ラスタキャンディ | DSJ出典。味方全体の攻撃力・防御力・命中・回避率を上げる。 |
が、最初に仕掛けたのは此方のカルティケーヤ。
「と速いな。ならこうしよう、ゴモリー」
『良いでしょうサマナー。貴方の未来は私の加護と共に』
| 貴婦人の加護 | D2出典。ゴモリー専用。 1ターンの間、味方全体の攻撃力・防御力・回避と命中を20%増加させる。 このスキル使用時、強化段階が1増加。 【強化段階:1】スキル効果に「1ターンの間、敵全体の攻撃力・防御力・回避と命中を20%減少」が追加。 【強化段階:2】追加効果も含め、ターン数が3ターンに変化。 現在の強化段階は2である。 |
ゴモリーが放った此方と同様の強化魔法。しかしそれはターン制限があるとは言え
「さて、そのまま仕留めるか。ケツァルコアトル」
| 道具の知恵・癒 | 戦闘中に回復・補助アイテムが使用可能になる。 |
| 精神向上の札 | P5R出典。魔法攻撃力を1度だけ2.5倍にする |
加護を身に纏ったケツァルコアトルが続け様に動いていく。
| ウリック陣営 | 全能力+1。*5フラウロス・ハレル【コンセントレイト状態】) |
| フェイ陣営 | なし |
「撃て」
全能力が向上し、魔法倍化の強化を受けたフラウロス・ハレルがその真っ白な獣の身体に生えた翼を羽ばたかせながら両手に光を宿す。
| 破魔ハイブースタ | D2出典。破魔属性で与えるダメージが25%増加 |
| 洗礼を受けし者 | IMAGINE出典。フラウロス・ハレル固有特徴。 神の力によって天使の姿を取り戻した悪魔。 全魔法無効確率がLv×0.5%上昇する。 破魔相性のスキル使用時、威力が100%上昇する。 ラピッドスキル使用時、威力が30%上昇する。 |
| ハプテスマ | D2出典。代償効果付与。 敵単体に破魔属性の魔法型ダメージを威力170(特大ダメージ)で与える。 このスキルによるダメージは死亡時にふみとどまるスキルを無視する。 このスキルで敵を死亡させた場合、その敵は復活が出来なくなる。 攻撃成功時、「賛美の光輪」の強化段階が1増加する。 代償:このスキルは3ターンに1回までしか使用する事が出来ない |
僕に放たれた絶対的な死を齎す破魔の光弾。冗談なしに受ければ一発で死に至り、蘇生も出来ない代物で食いしばりの一種である<電気ショック>によって耐えるのも不可能。少なくとも誰かが犠牲にならねばならず
| 友愛の加護 | ソルハカ_忠誠度。忠誠度:5の性格:友愛における効果。 サマナーのHPが0以下になるダメージを受けるとサマナーを庇って、身代わりとなる |
『酷くしんどそうな戦いなので1抜けさせて貰いますね?』
初見のそれを庇いに行けたのは同じ後衛のラクシュミのみ。僕の前にてカバーを行った彼女は一撃にてその身体を諸共に光で焼かれて消滅し、その反面ウリック側にはその光の反射にて
「お前さんが焼ければそれでよし、隣のラクシュミが庇って焼けれればそれでよし。後者になった訳だが、お前さんも悪魔に随分慕われてる」
「ビジネスライクさ。嫌われないように気を付けてるけどね」
冷や汗を流しながら会話を進めて、ソウルリンクによるMAGの繋がりにて次に動く事が出来るバロンに指示を飛ばす。
| ふういんのうた | 魔神1出典。距離1の敵1体に通常攻撃の25%のダメージとCLOSE(100%)を与える(物理相性として裁定する) |
敵の後衛へと飛び出したバロンが口から放ったのはほぼ確実に敵を
『……』【HIT!】【CLOSE】
| 魔封状態 | 魔神1出典。状態異常。魔法を使えない状態。かかったターンを除いて3ターン目に自動回復する |
音波は無事に命中。物理耐性・魔封耐性もない。運が良い。
「流石に対処してくるか。出遅れたが仕方ない」
| ブレイブハート | DSJ出典。コマンダースキル。使用から3ターン、味方全体を状態異常、弱体効果から守る(デカジャは防げない)。再び使用するのに5ターンの経過が必要。 |
ウリックが使用したのはデモニカスーツに搭載された機能であるコマンダースキル。特に<ブレイブハート>は厄介な代物で状態異常や
「これでお前さんの手は大体潰した。速攻やろうとしてもラクシュミが堕ちたのはきついだろ」
「……みたいだね」
敵味方共に凡そ動いた、状況を整理する。此方はラクシュミが堕ち、バロン・カルティケーヤは健在、バフはなし。敵はフラウロス・ハレルに魔封が、それ以外は万全、全能力強化のバフが1段階。盤面上ではまだ拮抗しているが実情はそうではない。敵の悪魔のLv90以上の高いステータスに
| マッスルドリンコ(PT) | IMAGINE出典。消費アイテム。60分間、パーティとその仲魔の最大HP+50%。ウリックが戦闘開始前に使用済み |
| 大地の祝福 | NINE出典。1カウント毎にパーティ全員のHPが1/5(20%)ずつ自動的に回復する。ケツァルコアトルが所持するスキル |
特殊な薬物、恐らくマッスルドリンコによってさらに増幅された敵の
ターンを跨ぐの強化・弱体は意味がなく、回復は自動的に行われる上に今は状態異常・弱体効果も通用しない。攻撃面はフラウロス・ハレルの破魔貫通による魔法爆撃に由奈が観測した非常に攻撃に特化したウリックの
まだ見せていない伏せ札も幾つかあるだろう。手番を使わないスキルで生まれたアドバンテージをそのまま叩き付けて、万が一に返されても稼いだアドバンテージを利用して反撃すればその隙をついて凡その敵は打倒できる、そういうスタイルだ。
ウリックが僕を生け捕りにするというのもこの戦力ならばそう難しい話ではない。地力も手数も違うのだ、現状のままでは勝てる訳がないのは猿でも分かる。故に僕は
「改めて降伏でも促そうと思ったが……どうも、そういう雰囲気じゃなさそうだな。戦力差は明らかだろうに」
ウリックが此方を見ている。余裕そうな口振りだが、其処に一切の油断はない。
「こっちにも負けられない理由がある」
「うちの上は従順な奴には寛容だ。少々問題がある久遠 由奈だってお前さんが居れば制御は可能だろう」
「でもエリヤは其処には行けない。大方そっちのアンナさんが生きる為にエリヤの命が必要とか、そんなんなんでしょ」
「……勘が良いな」
「当てずっぽうだったけどね……まぁなら猶更さ。君にとってアンナさんの命が何より優先されるなら、僕にとってもエリヤの命は優先される。大切な仲間だからね」
「斬りたくない理由が増えたな。斬らなきゃいけない理由は増えたが」
「お互い様でしょ。じゃ、其処は通してもらうから」
「やれるもんならやってみろよ」
深呼吸をして息を整える。ウィッカとして戦っても彼には勝てない。現状の敵の土俵では戦う事すらままならない。それを覆す為に行う事。
「
\カカカッ/
| 邪龍 | セト | Lv79 | 銃・投具・氷結・電撃に強く、破魔・呪殺・精神・神経・魔力無効*8 |
ラクシュミの残滓をCOMPに格納して召喚されたのは邪龍セト。これで3体目。
「
\カカカッ/
| 邪神 | マダ | Lv77 | 火炎吸収、破魔・呪殺無効。精神・神経・魔力耐性*10 |
| 前衛 | カルティケーヤ | バロン | セト |
| 後衛 | フェイ | マダ |
| 死亡 | ラクシュミ(復活不可) |
「馬鹿な、4体目だと」
「色々と、ムリすれば行けるって事さ」
僕の身体に与えられた悪魔戦闘における才能は大きく分けて二つ。ウィッカを含む魔法技能に悪魔を使役するサマナー技能。僕が実の所、特化しているのは前者の魔法技能の方でサマナー技能の方には正直言って限界がある。僕の通常の制御限度数は3体でそれ以上の悪魔を召喚しようとした場合、4体召喚というMAGの負荷に身体が耐え切れずにまともに身体が動けなくなるという縛りがあった。それは人それぞれに存在する物であり或いは使用しているシステムによって規定される場合もある*11。通常、この制御限度数を超えての召喚は出来ない。出来たら多くの人間が使っているだろうし、出来たとしても僕のように負荷に耐え切れない。
だからこそだろうか、限界を超えて一種の切り札としてそれを利用しようと考えたのは。その発想に至ったのは1年ほど前だったがレベル20といったLvの低い悪魔を4体召喚する事で負荷を減らす等して今に至るまでに限度を超えた召喚に身体を慣らしていった。
ある程度形には出来ていたものの、きっかけがなかった故にそれの使用に踏み込むこと自体は出来なかったがその過程でラーヴァナと相対して自身の全てを懸けても打倒が難しい敵が己の運命に関わっている事を知ってしまった。彼らから逃げれば戦わずに済むかもしれない或いは一人と仲魔達だけで戦おうとしなければこれは無用の産物なのかもしれない。
だが、一人で戦い勝たなければならないその瞬間が今まさに来ている。
「そうしなければ勝てないのなら、迷う必要はない」
| 同時召喚制限:フェイ |
| 出典なし(オリジナル)。許容範囲外の悪魔を召喚する際の制限。 この制限はフェイ個人のものである為に他者がどのような物かの定義は行わない。 通常、フェイが召喚する事が出来る悪魔の数は3体までだがそれを4体、5体と拡張させる。 召喚数が増加する程に召喚者にはマグネタイトの使用に大幅に制限が掛かり、マグネタイトの消費量も増加する。4体召喚の場合はフェイのスキルによる攻撃のダメージは半分になり、4体召喚中のターン終了時に最大MPの10%のMPを失う。5体召喚の場合はフェイは一切のスキルを使用できなくなり、5体召喚中のターン終了時に最大MPの15%のMPを失う。4体・5体召喚中にフェイのMPが0になった時、フェイは死亡する。 |
1体の拡張を行った4体召喚から、キョウジさんやアイバさんといった純粋なまでに強大なサマナーが用いる5体召喚にまで手を広げた召喚制御数の拡大とそれによる
4体目は召喚できた。心拍数は徐々に増大し、身体は重いが何とか維持は出来ている。僕はまだ戦える。
「セト、マダ!」
| ウアス | D2出典(劣化)。 敵単体にクリティカル率50%の 貫通(真4式)を得た物理or衝撃属性の特大ダメージを与える。 そのダメージの50%分、自身を回復する。 属性は状況によって自動で選択される。このスキルによるダメージは属性貫通を得る 劣化効果:貫通効果が劣化 |
| トリスアギオン | 真5出典。敵1体に火炎属性の大ダメージを与える。相性を無視して貫通する(反射まで) |
セトの翼より放たれた真空破、マダの手から放たれた炎がウリックに命中する。
| 生存技術 | IMAGINE出典。生存能力に関わる技術。 必殺(クリティカル)を受けにくくなり、防具の消耗を緩和する。 |
どちらも消して低い威力ではないがウリックの命までは流石に届かない。この攻撃もまた回復される以上は一転攻勢する機会は必要になるだろう。
「……」
ウリックの険しい、此方を警戒した視線が僕に突き刺さる。
| メシアライザー | 味方全体のHPを全回復し、死亡以外の状態異常を回復する |
先手を取ったのはウリックのケツァルコアトル。これはフラウロス・ハレルの魔封を解除するための物だろう、ウリックも先程の攻撃で多少HPが削れていたのもあるだろうが。
『実質初陣で此処まできつい戦場に出されるとは思ってなかったよボク』【ラスタキャンディ】
『コレモカンキョウガワルイ。コラエロ』【テトラカーン】*13
対する此方はカルティケーヤの<ラスタキャンディ>、バロンが<テトラカーン>を使用して攻撃に備える。
『お生憎ですが、それは此方も想定済みですので』【道具の知恵・癒】*14【テトラハンマー】*15
その時点で敵のゴモリーが行動し、<テトラハンマー>にて此方の<テトラカーン>は割られた。少なくとも由奈が戦った時と同様にウリックが持っている大剣は飽く迄反射までしか対応していないようだ。
| マハンマダイン | D2出典。敵全体に破魔属性の特大ダメージを与える。威力はメギドラオンと同等である |
そうして僕達に降り注がれたのはやはり用意していた
「ッッ……!」
とはいえ此方も80lv前後のサマナーと悪魔だ。その一撃自体はギリギリという所で耐える事は出来る。そう、これに関してはだが。
「さて、何処まで耐えられる!」
| 武器知識 | IMAGINE出典。 近接戦闘における武器知識を得ている事の証明。以下の効果を常に適用する。 ・近接攻撃力・必殺発生・必殺抑止が上昇する。 ・ラッシュ・スピンの詠唱時間-10%、ガード・カウンターの詠唱時間-20%する。 |
| 勇敢王 | IMAGINE出典。 両手剣の扱いを特化させるスイッチスキル。 両手剣装備時に近接攻撃力+50%する。 本来はラッシュにのみ特化したスキルだが研鑽により 効果が強化&デメリットが消失している。 |
| ランページ | IMAGINE出典。 暴力的なまでの力を身につけ、主に近接で効果を発揮する戦闘エキスパート。 以下の効果を常に以下の効果を常に適用する。 ・全てのスキルのHPコスト-25% ・武器依存相性スキルの効果+25% ・アタック・スピン・ラッシュ・カウンターの 威力+20%・クールタイム-25%。装填数+1。 |
| アウトブレイク | SH2&IMAGINE出典。 両手剣:アウトブレイク+武器COMPで改造済み。 物理貫通★(反射まで貫通。テトラカーンは不可)。 物理ブースターⅢ(通常攻撃以外で物理弱点を突いた時にダメージ+50%)。 モノノフⅢ(物理攻撃クリティカル率アップ)を搭載。 武器事態に与近接ダメージ+10%効果 |
| トリニティレイダー |
| 遠心力によって真空の刃を生み出し、より多くの攻撃を加えることができる特技。相性は武器依存(物理)。1度の詠唱で3発分(ランページによって4発分)の装填を行い、使用者の前面にいる敵に対して、近接攻撃力に依存した物理ダメージを与える。 |
| 追撃の悟り・近接 | IMAGINE出典。 術者が武器を用いて攻撃を行った際に 近接攻撃力に依存した追撃ダメージ(物理相性)を与える。 追撃ダメージは元のダメージ数値より計算され、 元のダメージ数値を超えることはない |
<テトラカーン>が解除された事によって続いてウリックが動く。手に持った大剣を軽々と振いながら一瞬のうちに四発の斬撃破を形成して此方の前衛を薙ぎ払う。後衛である僕とマダにはギリギリの所で届いておらず、前衛と後衛に完全にポジションを分けたのだが正解だった。
カルティケーヤは1発は耐えた物の2発目で撃沈。バロンは2発何とか耐えて<食いしばり>を発動させたものの3発目で撃沈。セトは<ラスタキャンディ>と<龍の反応>*17によって回避に成功する。
「
\カカカッ/
| 国津神 | アラハバキ | Lv80 | 神経・精神無効。破魔・呪殺・魔力反射*18 |
\カカカッ/
| 鬼女 | ランダ | Lv75 | 物理・銃・火炎反射。地変・電撃・即死無効。バットステータスに強い*19 |
死亡したバロンを送還して召喚したのはランダとアラハバキ。これで5体召喚。
「っぐ、ぉぇ……っ」
召喚の負荷は召喚数が多ければ多い程に増加していき、4体召喚と5体召喚では負荷のかかり具合も大きく変わってくる。4体召喚では使えていたスキルが5体召喚では一切使えないという事はそれ程負荷がかかっているという証拠であり、戦闘時でアドレナリンによる脳内麻薬及びサバトマと同時に身体に差し込んだ僕が調合した専用のブーストドラッグがなければ苦痛だけではなく臓器が破裂して戦闘続行自体が危ぶまれていたのかもしれない。加えてLv70~80代の5体召喚自体も初めてだった。
心臓が今にも爆発しそうな程に動いて、関節の節々を動かすだけでギリギリと軋むような痛みを感じる。目の血管が破裂したのか血涙が目を満たして視界が不明瞭。血が混じった吐瀉物を吐き出して、脳に釘を撃ち込まれたかのような苦痛も何とか耐え切る。それが例えやせ我慢だったとしても
「戦う分には、支障はない……!」
「ははっ……こっちの想定以上にイカレてるなお前さん!」
呆れたような、心配するかのような乾いたウリックの声が妙に耳に入った。状況は左程悪くない。今の被害も想定内だ。思考を纏めながら残りの悪魔達にも指示を出す。
| メディアラハン | 真5出典。味方全体のHPを全回復する |
| サマリカーム | 真2出典。味方単体を死亡から復活させ、HPを全回復する。 |
マダの全体回復からのアラハバキによる<サマリカーム>でカルティケーヤを蘇生させる。
| ディアジャマ | 敵単体を回復効果が受けられない状態にする。 これは状態異常ではない。魔力相性 |
| ランダ_思念融合 | 1,状態異常にする確率が10%増加する。 |
そして、状態異常ではない
| 前衛 | アラハバキ | カルティケーヤ | セト |
| 後衛 | フェイ | マダ | ランダ |
| 死亡 | ラクシュミ(復活不可)・バロン |
| ウリック陣営 | 全能力+1(残り1ターン)。 フラウロス・ハレル【ディアジャマ(回復阻害)】 |
| フェイ陣営 | なし |
「どうも侮りがあったのは俺だったらしい。それは認める。だから」
| 速攻戦型 | DSJ出典(オートコマンダースキル)。発動ターンは味方全体が敵より先に行動できる。 |
「一息に楽にしてやるよ」
「そうか、それもあるのか」
ウリックと敵の悪魔の動きが変わった。確実に先手を取られる。
『光在れ!』【マハンマダイン】【破魔ハイブースタ】【洗礼を受けし者】
最初に動くのはフラウロス・ハレル。胸部に存在する白い獣貌の口が開き、其処から発射される純白に染まった死の光線。身体を焼き切らんとする破魔を全員が何とか耐え切って
続け様に放たれたケツァルコアトルの翼より放たれた僕達を一纏めにするかのような竜巻。
「まだいける、かな!」【魔法耐性】*22【Aマックスアーム】*23
自前の魔法に対する耐性と防具の力、そして片腕を盾として扱って風圧にて複雑骨折するのと引き換えに何とか耐え切る。アラハバキは<大活脈>*24、ランダは<食いしばり>*25で耐えきって、セトは<龍の反応>による回避で対応。カルティケーヤはマダを庇って絶命した。
「さて」【武器知識】【勇敢王】【ランページ】
ウリックが大剣を構え、MAGを迸らせる。MAGの粒子が目に映る程に紅く輝き、その全てが大剣に収束した。
| デッドリーブレイク |
| IMAGINE出典。 両手剣【アウトブレイク】によって付加されたスキル。 特攻と同時に、マグネタイトから生成された弾丸を放ち、爆発させる特殊スキル。相性は武器依存(物理)。直線上の敵全員に対して、LVと、力~運の能力値を最大で合計1000まで加味し、近接攻撃力に依存した物理ダメージを与える。 |
| 追撃の悟り・近接 | IMAGINE出典。 術者が武器を用いて攻撃を行った際に 近接攻撃力に依存した追撃ダメージ(物理相性)を与える。 追撃ダメージは元のダメージ数値より計算され、 元のダメージ数値を超えることはない |
「これで終わってほしいもんだがな!」
赤い軌跡を辿りながら大剣からと共に此方に一直線に突っ込むウリック。先程の竜巻によって僕達の立ち位置も一塊に、詰まる所全員がこの攻撃の射程内に入ってしまっていた。ランダがマダをカバー、アラハバキがセトをカバー。
「……マジかよ」
「マジさ」
僕とウリックの視線が交差する。大剣の機能によって巨大化した赤黒い光刃が僕らを一薙ぎにして、ランダとアラハバキがその身を挺して他の仲魔を守る。僕は無防備にその剣を浴びようとして
| 電気ショック |
| 200X出典。即時効果。味方一人が即死またはDEADになるのを防ぐ。 但しHPが0以下になる場合は1とする。ランクⅢの為に1シナリオ3回まで使用可能。 カルティケーヤが死亡して現在は4体召喚状態なので使用可能 |
無事な腕で自身の胸を鷲掴みにして電流とMAGを流し込む。一種の指向性を纏ったMAGは召喚負荷によって思うように動かない身体を強制的に活性化した上で肉体を瞬発性のみで操作した。その横薙ぎを空中に跳び上がる事によってギリギリ下腹部が飲み込まれない所で両足を犠牲に何とか命を繋いで、追撃の一撃は複雑骨折した片腕を強引に振り回して盾として扱い、腕が塵のように千切れるのと代償にまた命を繋いだ。*26
「ッ!撃て、ゴモリー!」
| 切なさ乱れ撃ち | IMAGINE出典 溢れ出る切なさをエナジーの基とし、攻撃を喰らわせる特技。精神相性 1度の詠唱で10発分の装填を行い、敵1体に対して、 射撃攻撃力に依存した物理ダメージを与える。 更に低確率で対象に3ターンの間、消沈の状態変化を付与する。 |
| 吟詠公爵 | IMAGINE出典。ゴモリー固有特徴。 過去、現在、未来の全てを知り、それを召喚者に伝える悪魔。 召喚者の知力が30上昇し、スキルのHPコストが30%減少する。 精神相性・神経相性のスキル使用時、威力が50%上昇する。 |
最後にゴモリーが動き、僕を覆うようにして放たれた10発の魔法弾。
「……いい加減降伏しろ。蘇生すら出来ない領域で死ぬぞお前さん」
「まだ負けてないから、それは出来ない」
正直、失血死しそうなのは事実だ。両足・片腕欠損に今も召喚の負荷は残っている。仲魔達が死んで、5体召喚でない故に今はまだ意識を保てているが此処から再び悪魔を1体でも召喚すればどうなるかは分からない。もし死んだら……由奈とか真澄とか、エリヤもかな。凄い悔いを残してしまうかもしれないけど
「それでも、ここまでは最悪の想定内。此処からが勝負……
\カカカッ/
| 凶鳥 | フレスベルグ | Lv77 | 火炎無効。氷結吸収。破魔・呪殺・緊縛・一部の物理に強い。*28 |
\カカカッ/
| 天使 | ケルプ | Lv79 | 魔法に特に強い。物理無効・銃撃耐性*29 |
\カカカッ/
| 狂神 | テスカトリポカ | Lv82 | 技・打撃反射。破魔・呪殺無効。精神・神経魔力耐性*30 |
死亡したランダ・アラハバキ・ランダを送還して、三体の悪魔を召喚する。ケルプにフレスベルグ、そしてカルティケーヤと同様に新たに作った悪魔であるテスカトリポカ、ケツァルコアトルの対となる狂神。
『ケツァアアアアアルコアトルウウウウウウ!』
『テスカトリポカ!』
宿命のある悪神と善神の咆哮を聞きながら、5体召喚による負荷が再び身体を襲う。最早痛みは麻痺しているのか、左程感じられないが身体が金縛りを受けているかのように動かない。単純に血液が足りていないのか、もう負荷に耐えて身体を動かすほどの余力がないのかは分からない。
「ぉ゛えっ」
口から、鼻・耳からも真っ赤な血が零れる、千切れた片腕と両足の断面が燃える様に熱く其処からも血が止まらない。身体中が自分の血によって真っ赤に染まって意識も薄れかかっている。完全に意識が堕ちるその前に、仲魔達に指示を出す。
| サマリカーム | 女神2出典。味方単体を死亡から復活させ、HPを全回復する。 |
| 精神向上の札 | P5R出典。魔法攻撃力を1度だけ2.5倍にする |
| 生玉 | 真4出典。味方全体のHPとMPを全回復 |
ケルプに<サマリカーム>を発動させてカルティケーヤを蘇生。<道具の知恵・癒>を持ったフレスベルグに<精神向上の札>をテスカトリポカに対して使用させる。同様のスキルを持つテスカトリポカに<生玉>を使用させて、此方の陣営の回復を行う。いざという時の切り札として持っていたが、ここ以外に使う場面もない。出血も一時的に止まり、意識も覚醒した。痛みも同時に復活したが、もうこの際口と片腕だけ動かせれば問題ない。フレスベルグの背を掴んで、這い乗って何とか最低限の機動性を確保しておく。
「こんなに真っ赤になるなら、髪も赤く染めた方がいいかな。それは、由奈にも真澄にも怒られるか」
「……」
残ったセトには次の
| 剣士/サマナー | ウリック・ヤード | Lv85 | 全ての攻撃に強く、破魔無効・呪殺無効。BSに強い |
| 堕天使 | 流出のゴモリー | Lv83 | 火炎吸収。精神反射。 突撃・打撃・電撃・衝撃・呪殺・神経・破魔・氷結無効*31 |
| 熾天使 | 創造のフラウロス・ハレル | Lv82 | 氷結無効・電撃無効・破魔反射・呪殺無効*32 |
| 龍神 | 創造のケツァルコアトル | Lv81 | 物理反射。火炎耐性。衝撃・破魔・呪殺無効*33 |
そして、相手の耐性も全て割れた。これで後顧の憂いもない。
| 前衛 | ケルプ | カルティケーヤ | セト |
| 後衛 | フェイ | フレスベルグ | テスカトリポカ |
| 死亡 | ラクシュミ(復活不可)・バロン・マダ・ランダ・アラハバキ |
| ウリック陣営 | フラウロス・ハレル【ディアジャマ(回復阻害)】 |
| フェイ陣営 | テスカトリポカ【コンセントレイト状態】 |
『サマナー、これは……』【貴婦人の加護】
「嫌な予感ってのは当たるもんだ。次に覚悟しなきゃならんのは俺達の方かもな」
『コレヲヒックリカエス!』【外法のいざない】*34
『駄目押し!』【ラスタキャンディ】
| ウリック陣営 | 全強化+1。フラウロス・ハレル【ディアジャマ(回復阻害)】 |
| フェイ陣営 | 全強化-1→全強化+1→全強化+2。テスカトリポカ【コンセントレイト状態】 |
此方に掛けられた弱体効果を前ターンにて行動待機していたセトの<外法のいざない>によってひっくり返し、其処にさらにカルティケーヤを<ラスタキャンディ>を差し込む。
『いい加減消えて頂く!』【マハンマダイン】【破魔ハイブースタ】【洗礼を受けし者】
既に何度も降り注いでるフラウロス・ハレルによる破魔の極光。素の状態でも耐えること自体は出来ていた以上、強化が二段階入った今ならある程度余裕を持って耐えることができる。
「デッドリー「させない!」ッ!?」
続け様に剣を振ろうとするウリックを牽制するかのようにフレスベルグに片腕だけでしがみつく僕が動く。
「もうそれは届かせない!」【宝玉輪】*35
『カジャヲケス!』【道具の知恵・癒】【デカジャストーン】*36
破魔の光に焼かれた此方の陣営を回復して、フレスベルグに<道具の知恵・癒><デカジャの石>にて敵のカジャを解除させる。
「……これはまさか」*37
「流石に勘づいちゃったか」
| マカカジャ | ソルハカ1出典。味方全体の魔法攻撃力を上昇させる。 倍率は150%→250%→350%→450%まで変化する。 |
| ウリック陣営 | フラウロス・ハレル【ディアジャマ(回復阻害)】 |
| フェイ陣営 | 全強化-1→全強化+1→全強化+2(魔法攻撃力のみ+3で350%)。 テスカトリポカ【コンセントレイト状態】 |
ケルプが持つ最高倍率の<マカカジャ>によってさらに魔法攻撃力を強化し、打点は増強完了。
「テスカトリポカ、状況は整った。ぜんぶ呪い殺せ」
『ハッハーッ!!!』
| 呪殺バッデス | D2出典。 呪殺属性で与えるダメージが15%増加し、状態異常にする確率が15%増加する。 |
| 二の葦の生贄 | D2出典(劣化)。テスカトリポカ専用。 呪殺貫通(真4式)を取得。呪い状態の敵に対して与えるダメージが50%増加。 以下効果秘匿。 |
| 闇夜の瘴煙 | D2出典(劣化)。テスカトリポカ専用 敵全体に呪殺属性の特大ダメージを与え、 ヒットした敵を基礎確率50%で呪い状態にする。 ダメージ量はメギドラオンと同等。 代償:連動効果が消失&状態異常確率減少&3ターンに1回しか使用できない。 |
| マカカジャ+3(350%)×精神向上の札(2.5倍)×呪殺バッデス(115%) | 合計:約1000% |
莫大なまでに積み上げられた強化と呪殺耐性を貫く呪殺貫通。そこからテスカトリポカより敵陣にぶつけられた光も通さない闇の色をした瘴煙の渦。
『力及ばず……ッ!』【DEAD】
『悍ましい…!』【DEAD】
「-ッ!」【カバー(手番放棄)】【DEAD】
ゴモリーとフラウロス・ハレルをまず呪い殺し、続け様にケツァルコアトルが闇に触れる直前にウリックがそれをカバー。剣でケツァルコアトルに降り掛かる闇を切り払ったものの自身も闇に呑み込まれて、ウリックもまた絶命する……その間際に奴は叫んだ。
「やれ、ケツァル、コアトル……!」
『オオオオオオッ!』
| セアカトルの再臨 | 死亡している味方全体を完全回復状態で復活させた後、3ターンの間、味方全体の攻撃力・防御力・回避と命中を20%増加させる。思念融合によってこのスキルは戦闘中3回まで使用可能 |
その瞬間に発動したのはケツァアルコアトルの2つ目の権能。それは
「これで再び形勢は……ッ!」
「
| 二の葦の生贄 | D2出典(劣化)。テスカトリポカ専用。 呪殺貫通(真4式)を取得。呪い状態の敵に対して与えるダメージが50%増加。 敵がスキルによって復活したとき、連動効果が発動。 「敵全体に現在HPの50%の割合ダメージ(最大2000ダメージ)を与え、 敵全体を基礎確率80%で呪い状態にする。」 (この効果はターン中1回まで、戦闘中3回まで発動する物とする) 代償:スキル枠2つ消費&呪殺貫通が弱体化&効果が一部消失&制限 |
そして、蘇生した彼らに対して発動したのはテスカトリポカの劣化した
「何にせよ、やっとここまで追い詰められた」
「……ここまで全部計算ずくか?」
「まさか、手探りだよ。その力を持ったテスカトリポカだって合体事故で偶然生まれたもんだし、君の伏せ札が蘇生だと確信していた訳じゃなかった。けど君の悪魔達は最適解を突き詰めしすぎていたから、動きの想定自体はある程度出来た。伏せ札を警戒しながら推測された想定を元に幾つかのパターンを作った上で君の攻撃に対応して、隙が出来たから攻めた。それだけ」
「なるほど、な」
全員の
そして、次の
「なぁ」
「何かな」
「提案だ。この場は停戦しよう」
「は?」
ウリックから飛び出した言葉は此方が思いもしなかった言葉だ。彼の仲魔も身構えてはいるが、此方がアクションを起こさない限りは能動的に仕掛けてくる様子には見えない。彼の言葉も嘘を言っているようには僕には見えない。
「理由を聞こうか」
「俺の任務はお前を倒して人質にする事だ。それはさっき言ったが、それよりも優先されるのは俺達の生存。詰まる所、生きていなければ任務達成も意味がない」
「で?」
「このまま戦い続ければどっちかが絶対に死ぬ。その確率も今じゃ五分五分って所だ。そんな賭けに出る場面じゃないんだよ、俺達にとっては」
「そうだね、僕もきついのは事実だ。君に三肢捥がれちゃったし……けど君にはもう一枚位切札があるんじゃないかな」
「……確実性のない物を今は使う事は出来ない。で、どうだ。受けるかこの提案」
正直僕にとってもこの提案はメリットの方が大きい。これ以上戦えば本気で死ぬのは間違いなく、勝率は僕の方が低い。それに僕の本来の目的はこのヨコハマレルムの制圧であってウリックを倒す事じゃない。よしんばここでウリックを打倒しても確実に僕は再起不応になるだろう、それじゃ意味がない。ウリック側も概ねそんな感じなのだろうが幾つか隠している事があると感じられた、嘘は言っていないようだが
「幾つか条件を加えたい」
「何だ?」
「ここから君が此処から離脱した場合にエリヤ・由奈……他のメンバーに対しても一切の危害を加えずにこの事件から手を引く事。それが条件だ」
「じゃ、こっちからも付け足しておくか。お前さんが離脱した場合、其処からアンナに一切の危害を加える事を禁止しよう。任務は最低限果たした以上、もう俺が此処にいる理由もない。アンナ回収できたらさっさと帰りたいのが本望って奴さ。それとアンナが既にエリヤを確保していた場合はそのまま連れ帰らせて貰う。構わないな?」
「其処に関しては僕は二人を信じてるからいいよ。それにそれ拒否したら戦闘続行にになっちゃいそうだし」
「まぁな。じゃ、停戦は締結って事で」
口頭ではあるがこれも契約の一種だ。ウリック側からも此方側からも守らねばならない
「あー後、これも渡しておく」
「今度はいったい何を……ってこれは」
| マドラ | IMAGINE出典(アイテム)。 自分のHPを全快まで回復させ、さらに30分間、力と体力を5アップする。 |
投げ渡されたのは見た事がない回復アイテム、COMPに送信されたこの異界の地図と各ブロックに存在する扉のアクセスキー。
「此処までしてもらう義理はないと思うんだけど」
「俺の任務はもう終わっている。詰まる所、もう取り繕う必要もない訳だ。任務で外道働きばかりしてるんだ。偶には気も抜かなきゃやってられん。俺も此処は潰れてくれた方が嬉しいし、上の意向もそれと同様だからデータを渡しておくのさ。
「全然釣り合ってないけどね。まぁ、ありがとう。後は……エリヤに残していく言葉とかある?」
「今更言えるような事はないが……俺達の事は気兼ねなく殺しに来てくれと伝えてくれ。こっちもそのつもりだからな」
「分かった。また会う事になるだろうけど、その時は恨みっこなしで」
「ああ、恨みっこなしだ。エリヤさんの事、宜しく頼む」
手をひらひらと大雑把に振りながらウリックは此方をもう見る事もなく、そのままその場を仲魔と共に離脱していった。
「フレスベルグ、周囲の状況を」
『敵影ハナイ。サッサト召喚ヲ解除シロ。オマエ死ヌゾ』
「ありがとう。テスカトリポカ、カルティケーヤ送還」
2体の悪魔を送還して、3体召喚に戻す。それと共にどっと身体から力が抜けて、地面に倒れ伏す。
「ちょっと、やすもっかな……フレスベルグは周囲警戒、セトは僕の護衛、ケルプはCOMP内の仲魔の蘇生を御願い」
口から溜まっていた血反吐を吐いて、斬り飛ばされた両足と片腕を回収しながら傷跡を見る。両足は太ももの上部分が消失しており、繋ぎ直して治す事は此処では難しい。片腕も骨が何本も欠損して手に関しては最早原型をとどめていない事から同様に繋ぎ直しは不可。此処を出て、専用の施設なりにいかないと無理な段階だった。
残った片腕で止血と傷跡の最低限の処置は完了している。<妖精の祝福>で魔力も直に回復するだろう。後はウリックから貰ったマドラと呼ばれる林檎のような果実。毒はないし、データ的な検証も終わった。本来はこれを持ち帰って検証をしたい所だが、それ所ではないので弱弱しく果実を齧る。
「うぇ……食道も胃もヤバいな。血の味しかしない」
血のせいで味は全く分からないが食べた瞬間にアッパードラッグのような力の増幅が感じられて、筋力も体力も幾らか回復した。勿論一時的な物だろうから本当に暫くの間だけだろうが動けるうちに動いておかなければ本当に死ぬ。
斬られた腕がCOMPが存在しない方であったのは不幸中の幸いだった。ウリックより渡されたデータを確認しながら、頭を回して次の行動方針を定める。距離的に近いと思われるのが由奈とエリヤ。それ以外はセンサーの反応ですら捕まえる事ができず、距離の近い二人に関してもジャミングで居る方向をなんとなく掴む事しか出来ない。そして、彼女達がいるその道中に研究の資料室と思われる区画が存在している。
「資料室を目的地に定めて、エリヤと由奈との合流を目指すしかないな」
恐らくエリヤと由奈はアンナさんと戦っているだろう。その勝敗がどうなるかは分からないし、自分はそれに間に合う事はないだろう。現状自分のベストは尽くせた。後は彼女達の無事を祈りながら向かう事しか出来ない。
「セト・ケルプ送還。ラクシュミ・バロン召喚」
いつもの陣営に仲魔を整えて、バロンの背に片腕を伸ばしてはくっついて丈夫な紐でバロンの身体と自身の身体を括りつける。最低限といった感じだが落ちないように突発的な戦闘による保険は掛けておく。研究所のデータは他のメンバーにまだ遅れていない。何とか誰かとの合流を果たして、情報の共有を行いたい所だった。
「今回も今回でしんどいけど、まだ頑張んないとね」
ウリックが駆けていった通路の後を追うようにして僕達もまた先を急いだ。
・キャラ紹介
<久遠 フェイ> Lv83→80(レベル限界そのものは磨かれている)
両足と片腕吹っ飛ばした人。傷があんまりにも酷い為にこのヨコハマ事変中は片腕のみ使用可能という大きなデバフを背負う事となる。後はよく食いしばってるのでレベルが上がったり下がったり忙しい。他の仲魔の何名かもレベルが下がっている。明確な勝ち星(ネルガル戦は由奈の援軍が決め手。ラーヴァナ戦は不屈まできらせた所で包囲。でもって今回は三肢吹き飛ばして仲魔半壊状態でドロー)がない為に現環境に心底恐怖して、さらに強くなろうと色々考えている節がある。大体相手が悪い。使役している仲魔は今回出た悪魔10体と探索用スレイプニルで11体体制で此処から仲魔が変わる事は恐らくない
<ウリック・ヤード> Lv85
エデンの構成員でエリヤの妹、アンナの幼馴染。Lv85でデビルリユニオンは純粋な人間の為に使用していない。戦闘スキルはIMAGINE系で統一(武器だけ一部SH2)。それでも大分強いもんだからIMAGINEは凄い。仲魔はIMAGINEにも居るD2☆5の面子、代わりに育成リソースを全てこの仲魔達に注ぎ込んでいるので他に仲魔は居ない。デビルリユニオンによる実質的なレベル詐欺と共にD2スキルで解除・回復を行って、サマナーと共に全てを薙ぎ払ってくる。ウリックの弱点のテトラカーンにはテトラハンマー等のテトラコワース系で、フラウロス・ハレルの弱点である<テトラジャ>はその前に全体破魔をぶつける事で対応する。アンナの支えになり続けるという一つの軸がある為かエターナル特有の現地民に対する侮りもなく、それなりに善性や社会性も維持している。強さははっきりしてるがエデン内における立場はあんまりはっきりしていない。作者も知らない。
1シナリオ(一連のダンジョンクリアやボス撃破等を指標にする)に3回まで使用可能。使用する度にコストとして現在HPの半分を消費する。このスキルは本来1つの手番に複数回使用できるが、不完全な習得である為にそれは封じられている。消費HPは2倍まで膨れ上がったマッスルドリンコによる増加HPで支払って、実質フェイはHP満タン。