真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
「そろそろ研究区画か」
東堂が言葉を零す。二手に分かれてから凡そ数分が経過し、彼らもまた最深部への突入を続けていた。此処まで来るまでに防衛システムとの戦闘や専用の鍵がなければ開ける事の出来ない複数の扉等にぶつかってはいたもののフェイから送信されたMAPデータによって戦闘を可能な限り回避するように迂回、扉に関してもその都度対応するアクセスキーを使用する事で難く突破している。
他のメンバーの状態も良い。四神の戦闘によってアイテムの消耗や疲れはあるもののそれ以上の
\カカカッ/
| ガンスリンガー | 藤堂 晴香 | Lv62(+6) | 耐性:破魔・呪殺無効 |
かつて<組織>に所属していた元構成員にして、藤堂 奈津子の養子だった女。此方から何かを察するにはあまりある過去を持っているのだろう。まぁ悪魔業界に居る人間なんてものは大抵はそんなものではあるが。
「Ms.晴香、少し先行し過ぎだ。足並みを揃えろ」
「っ、ご、ごめん……!」
何かに迫られているかのような勢いで一人先行して襲い掛かる生物兵器を彼女は銃で撃ち抜き、ナイフで確実に致命傷を負わせて倒している。明確に抱えている焦りとは反比例に生物兵器への対処は非常に鮮やかだ。悪魔に相手に対しては特筆する事のない彼女だがどうにも生物兵器を倒す際は動きの機敏さや迷いのなさが段違いになる。
組織に居た時にある程度生物兵器と戦った事があるとは本人は言っていたが初見の敵であろう生物兵器に対しても動きに慣れが見える。ともすれば、彼女の養親であり今回の騒動の元凶とも言える藤堂 奈津子が彼女に目を掛けていたのもそれが理由かもしれないと東堂は考えていた。
「見つけた!」
晴香の声が響く。視線の先には件の藤堂 奈津子に柄の悪そうなチンピラの男が一人。その二人を複数のアートマ兵が囲んでいる。
「ふふっ、待っていたわよ晴香」
「……ッ!」
此方に、厳密に言えば晴香に対して親愛の笑みすら浮かべる奈津子と険しい表情で銃を奈津子に向ける晴香。義理とは言え親子関係だった両者の様子は何処までも対照的だった。
「藤堂 奈津子だな。此処で大人しく拘束されるのであれば危害は加えん。ここまで来た以上、貴様は詰みだ。神妙にして貰えると助かるのだがな」
「……東堂 葵。また厄介なのが来たわね。映像では来てたけど他にも上位クラスのバスターが複数来ている。これじゃ正攻法じゃとてもじゃないけど勝ち目はなさそう」
だけど、そう付け足して奈津子は銃を構える。柄の悪そうな男は肉体に刻まれたアートマによって大きな口を開けた緑色の悪魔、アバドンへと変貌した。
「私も研究はまだまだ続けたいから抵抗はさせて貰うわよ」
「そうか。ならば無理矢理にでも拘束する」
此方もまた臨戦態勢を整える。花山は誰よりも前に出てその巨体にて後衛への壁となり、アナンタやベネットもまた晴香をサポートする様にフォーメーションを整える。メティスが回復役としてその中央に立って、東堂・晴香もまたそれを守るかのように前に出た。
晴香もまた聞きたい事は山ほどあった。だがそれ以上に晴香を含むその場に居る者達が感じていたのは此処で時間を掛け過ぎれば取り返しのつかない事になるという一種の予感。
故に語るべき言葉は存在せず、降伏もしない以上はただ眼前の敵を撃滅するしかない。
\カカカッ/
| 研究者 | 藤堂 奈津子 | Lv0 | なし |
\カカカッ/
| 夜叉鬼 | アバドン | Lv72 | 物理・銃撃・地変・破魔・呪殺・バッドステータス無効。 衝撃に弱い*1 |
\カカカッ/
| 龍族 | ニーズホッグ | Lv56 | 呪殺反射、氷結吸収。バッドステータス無効*2 |
\カカカッ/
| 飛天族 | ホルス | Lv64 | 電撃・破魔反射、地変無効。物理に強い。銃撃・呪殺に弱い*3 |
\カカカッ/
| 神族 | パールヴァティ | Lv60 | 魔法全般反射。破魔・呪殺・バッドステータス無効*4 |
\カカカッ/
| 鬼神族 | トール | Lv57 | 電撃吸収、破魔無効。猛毒・魔封・神経に弱い*5 |
\カカカッ/
| 導師 | 東堂 葵 | Lv77 | 全てに強く、破魔・呪殺無効 |
\カカカッ/
| ファイター | アナンタ | Lv67(+4) | 耐性:物理・魔封・破魔・呪殺無効 |
\カカカッ/
| トリックスター | ベネット | Lv63(+6) | 疾風・破魔・呪殺無効 |
\カカカッ/
| ヤクザ | 花山 薫 | Lv73(+4) | 物理・銃撃に強く、破魔・呪殺無効 |
\カカカッ/
| シャドウ使い? | ヴァイオレット・メティス | Lv76 |
| 愚者 | オルフェウス | 雷・闇弱点*6 |
・各配置
| 前衛 | ニーズホッグ | アバドン | トール |
| 後衛 | パールヴァティ | 奈津子 | ホルス |
| 前衛 | 東堂 | 花山 | アナンタ |
| 後衛 | メティス | 晴香 | ベネット |
そうして戦端は開かれた。
「ふぅっ……!」
先陣を切るのはこの中で最もレベルが高い東堂。戦いの流れは
この異界に出現する悪魔化ウィルスによって変貌した者或いはアートマによって変貌した者は耐性が優秀な傾向にあった。レベルが高くなる程その傾向は強まり、あのパールヴァティやニーズホッグに関してはほぼボス級の耐性を保持してすらいる。故に此方の攻撃がそれらの耐性によって無効化されるリスクを抱えていたがスピードバトルならそのプレスターン特有の呼吸の乱れも消える。
後は敵の数と配置。悪魔が5体に人間が一人という構成、うちアバドンは雰囲気からして恐らくボス級で一部の悪魔もレベル以上の強さを持っている。最大の懸念点はやはり藤堂 奈津子であり、Lv0という未覚醒状態に
何かしらあの女の存在自体が罠なのは間違いなく、あれに攻撃を当てても左程意味はないのではないかという推測は立てられた。あの女の性格を読むにあまり博打に出るような性質ではない。何かしら切り札を持ってそれが動くのを待っているか或いは此方の動きを待っているのか、何にせよ油断は禁物。それを警戒しながら敵を叩いていくしかない。
「まずは敵の頭数を減らす!」
| 真空投げ | 真2出典。敵1体を戦線離脱させる。万能相性でボスには効かない。 東堂の用いるこの特技は東堂が持つ性質により <デサマン>*7と同等の処理にする事が出来る。 |
ニーズホッグに東堂が近づき、その身体に触れて投げ飛ばす。それと同時に起きた手を叩く音と共にニーズホッグの姿は消失する。東堂が用いるトラフーリ、厳密に言えば転移系の術の応用でありニーズホッグは悪魔の身体ごと魔界へと強制的に送還させられたのだ。
味方にとっては東堂より事前に説明があったその事象は敵にとって未知なる物。何より自らの仲魔が突如として消えたその現実に無意識に身体が強張った。その隙に他のデビルバスター達も続くように動き出す。
「私の本気はタメが必要だからこれでいこっか!」【タルカジャ】*8
「これ結構入手大変だったけど使うしかない……!」【力向上の札】*9→ 【花山 薫】
「回復待機……いえ、此処はこうするべきですね」【カデンツァ】*10
アナンタが攻撃力を増強し、晴香が花山のその剛力を一時的にブースト、ヴァイオレットが速度を向上させる。
「ノックついでだけど、その魔法反射に
それらの後押しを受けながらベネットが敵陣に向けて疾風を吹き荒らす。疾風属性、これも分類としてはかなりマイナーな属性に入る。何故そうであるかは判明してはいないがペルソナ、シャドウを用いる者の多くは
「これは……ちょっとまずいわね」【カバー(手番放棄)】【ホルス→藤堂 奈津子】
逆説的に言えば疾風属性を用いる者はそれ以外には限られて、耐性を持つ者も多くない。この異界にて相対した悪魔達の多くも疾風に関しては此処まで来るまで全てが通常耐性であり、今この場に居る悪魔も変わらないと判断したベネットはいつもの妨害ではなく敢えて攻撃役に回る事を選択した。結果的にその判断は正しくそれぞれの悪魔に想定内のダメージを与える事に成功する。
「じゃ、行くか」【武の赤】*13
そして本命である花山薫がその拳を握り締めて、その巨体に力を籠める。
「ぶっ飛べ!」
| 山津波 | 200X出典。敵全体に万能相性のダメージを与える。 |
『おいおい、悪魔共はこれで全滅かぁ?』【カバー(手番放棄)】【トール→アバドン】
「みたいね。全く大したものだわ」【カバー(手番放棄)】【パールヴァティ→藤堂 奈津子】
悪魔達をそれぞれ盾にしながらアバドンと奈津子は生き残る。それ以外の悪魔は一撃にて振り払われて消滅するか破裂した骸をその場に晒すのみとなった。
「でも彼らは役目を果たしたわ。此方も始めましょう」
増援の悪魔の姿は見えない。また生物兵器の姿も確認できず、残ったのはやはりあの
「取り敢えずレベルが低いのから片付けなさい」
瞬間、
「何……ッ!?」
重力に従って落下していく身体、下を見ても見えるのは暗い深淵だけで横を見渡しても地面の瓦礫と思わしき物は存在せず、飽く迄落ちていっているのは自分達と敵である奈津子とアバドンのみ。
「アグ!」
\カカカッ/
| 生物兵器 | 壁面を埋め尽くすアグ | Lv60 |
落下の最中に確認した真っ黒な壁面、それが突如として肉々しい臓腑のような真っ赤な色へと変貌して其処から浮き出す様に出現したのは生々しい人間のような緑色の瞳。
| アグの | 敵単体に対してガン属性の小ダメージを与える。これを十数回行う。 |
壁面を埋め尽くす程に現れたそれらから発射された瞳の色と同様の投射物。それらが無数に降り注がれて落下中の東堂達に降り注がれる。速度向上によって回避力は上がっているものの投射物の多さと空中という機動を取れない状況から幾つか避け切れずに手傷を負ってしまう。
「この……ぉっ!!!」【MISS】【MISS】【MISS】
それらを全て回避できたのは
| 制圧射撃 | 200X出典。敵全体に銃器による攻撃を行い、ガン相性のダメージを与える。さらに20%の確率でPANIC状態にする。弾数を1消費する |
「………」【WEEK】【CRITICAL】【DEAD】
その生物兵器全てを銃器による制圧射撃で薙ぎ払って、その全てを一撃で絶命させた。
「ああ……やっぱり直で見るまで確信は出来なかったけどやっぱり貴方は生物兵器に対する
奈津子はその異常極まる光景を見ながらも一種の既知感を抱いていた。
何かしら才能がある訳でもなく、特筆頭が良い訳でもない。強いて言うのであれば銃とナイフによる戦闘術に関しては巧かったが、それだけで悪魔や他の覚醒者に対して戦える訳もない。才能を何も持たず埋もれて消えるだけの凡人、その評価は奈津子も同様に晴香抱いていたものだ。だがそれらを覆す物を彼女だけが持っていた。それこそが
| 寄生ジョーカー | オリジナル |
| このスキルの所有者は生物兵器を打ち倒す因果を持つ。一種のル■プ補正。 種族が生物兵器である対象或いは生物兵器が混じった存在に対して以下の効果を発揮する。 ・このキャラクターが生物兵器に対して行う攻撃は全て対象の属性に関わらず弱点攻撃となる ・生物兵器に攻撃する場合、その攻撃をターン中1度だけ即時効果によって行う事が出来る。 ・命中率、回避率、ダメージ、クリティカル率が大幅に上昇する。 |
悪魔を打倒する場合、まずは
晴香はそんな邪道の中でも異質極まる戦い方を生物兵器に対して展開している。<組織>での実験でもそれは確認されて、初見の生物兵器にまるで今まで戦い慣れたかのような動きを見せて十秒以内にその生物兵器は晴香の手によって射殺或いは斬殺されていた。これを見た上層部は悪魔・覚醒者に対しても戦闘実験を行ったがその力は発揮されずに平均以下の結果しか出せなかった。
だからこそ<組織>の上層部もそれがまぐれだと判断して特に注目もせず、既知感を抱いていた奈津子だけが晴香を警戒して身内に引き込もうとした。結果として言えばそれはファントムソサリティの崩壊によって失敗して、晴香は自由の身となった。そして今に至り、彼女は自身の目の前に相対している。全ては過ぎ去った物であり、抱いた既知感も最早意味はない。ならば必要なのはその力も踏まえた上で彼女を打倒するその手段のみ。
「アビス!」
\カカカッ/
| 生物兵器 | アビス | Lv60+20 |
響き渡る奈津子の叫び。それによって底無しの深淵より伸びた巨大な甲殻類ような形をした二双の爪。
| 狂乱の剛爪 | DSJ出典。敵全体に物理属性の大ダメージを与える。 |
| 狂気の粉砕 | DSJ出典。敵全体ランダムに1~4回の物理属性の大ダメージを与える。 |
| 吸収追加 | デビサバ出典。物理属性での攻撃で与えたダメージの25%、自分のHPを回復する。 |
| マヒ追加 | デビサバ出典。通常攻撃・物理系スキル使用時、中確率で対象をPALYZE状態にする。 |
まずは一つの異形の爪が此方の全てを薙ぎ払った。今だ底は見えないまま落下し続けている彼らの多くはその薙ぎ払いに直撃。続け様に放たれた異形の爪による三連撃、それがヴァイオレット・東堂・ベネットに直撃して吹き飛ばされる。
「何とか耐えれてはいますがっ」【PALYZE】*14
「最初からこれが狙いか…!」【精神耐性】*15
「うわ、っ……!」【PALYZE】
東堂は状態異常に耐える事が出来たが他の二名は
『嬲り殺しにしてやるよ!』
| パワーウェイブ | DDSAT2出典。敵全体に物理属性の中ダメージを与える。 |
| アソビスの穴 | DDSAT2出典。敵単体を呑み込み、行動不能にする。アバドン専用 |
| 唸り | DDSAT2出典。性質(スキルと相性)が変化する。アバドン専用 |
其処から圧し掛かる様に身体を押し付けたアバドンは落下する東堂達をさらに散らす様に押し潰して、その中でもヴァイオレットをその大きな口で喰らった。
「ヴァイオレットさん!?」
「余所見しないで、ベネット!」
落下は永遠には続かない。変貌した壁面と同様の真っ赤でピンク色の内臓のような大地が迫ってきており、ベネットの真下に存在するそれに気づいた晴香は叫んだ。
\カカカッ/
| 生物兵器 | トラップシェル | Lv50 |
| トラップシェルの | 自身の体内に踏み込んだ敵に対してのみ使用可能。物理属性で対象とトラップシェルを即死させる。この即死は肉体をそれこそミンチ状にする為に蘇生が非常に難しい。物理耐性持ちなら最大HPの50%のダメージ、無効以上なら無効化される。 |
トラバサミのように開いた状態で動かず、体内に踏み込んだ者を容赦なく挟み込むそれは名前の通りの罠として設置される貝状の生物兵器。透明でもなく、見辛い訳でもないそれもまた罠で使うには欠陥があるとしか言えないがこの現状においてはそうとは言えない。
ベネットの真下に設置されたそれはベネットの間近に迫っており、彼女が着地すると同時に起動する一種の着地狩りと言っても良い。猶予があったのなら彼女の用いる疾風にて強引に軌道を逸らす事は出来ただろうがそれもこの畳み掛ける猛攻の中では難しく、無情にも着地してしまい堕とされたギロチンのように貝が閉じられた。
「これで一人。アバドンが取り込んだもう一人も数十秒で片がつく。さ、て……?」
その様子に奈津子が嘲るように呟きかけて、その動きを止める。
「い、いてぇ。死に掛けたわ」【トラップシェルのATTACK】→【アナンタ】*16
起動したトラップシェルの残骸、その中に居たのはベネットではなくアナンタ。混乱した奈津子はベネットの姿を追って、周囲を見渡す。
「あ、ありがとうございます、東堂さん」
「俺に惚れるならもっとケツとタッパを大きくすることだな!」
「いや純粋な感謝なんで、そういうのはいいです。はい」
「(´・ω・`)」
そう話し掛けているベネットは東堂の隣に並ぶように立っていた。着地の間際まで東堂の傍に居たのはアナンタであったと奈津子は記憶している。其処から東堂の用いていた術の傾向と着地直後に紛れてなった手を叩く音、それらから何が起こったかを奈津子はその頭脳を以て導き出す。
「位置替えね。発動条件は手を叩く事って所かしら。他の魔法もそうだけど随分便利な術を持ってるのね貴方。研究のし甲斐がありそう」
「悪いが貴様は
東堂葵が用いる移動・転移の術はある気功によって成り立っている。
| 搬運功 | 基本システム(外気功)出典。テレポーテーションを発動する。超人になるとMPをさらに消費する事で全体に掛けられる。 |
悪魔業界においてはほぼ廃れた
| 不義遊戯 | デビサバ&オリジナル出典 | 神獣固有特技<瞬転の舞>の効果改変 |
| 東堂葵のみが用いる事が出来る搬運功を用いた奥義。射程6(距離6)の中から効果に同意する対象1体或いは1チームを2つ選び、その互いの対象の位置を入れ替える。発動条件が手を叩くという簡易的な動作の為にこの効果は1ターンに1回まで即時効果として扱う。即時効果として利用或いは1チームを対象にこのスキルを使う場合、消費MPが倍増する(両方の効果を適用する場合は4倍となる) |
神獣が用いるとされる<瞬転の舞>、それを模倣して自らの術として東堂は昇華した。対象を自身ともう一人の他者だけではなく他者間も転移できるようにし、抵抗があれば必ず
「人間でも悪魔でもこの技を拒否しない相手同士を入れ替える、それが俺の奥義だ。無論、負担は大きいがな。そう乱発できるもんじゃない」
「どこまで本当なのかしらね。その発言」
詮索するような視線を向ける奈津子と相対しながらも東堂葵は思考を重ねる。まずは奴が行ったとされる床消失、それはこの異界に落ちてきた四神相応と似たような現象ではあるが奴が何者かを察するに大きく違う手段を取っている。
四神相応による通路、厳密に言えば経路の消失は四神を起点としておいた魔術的な防衛術に近い。だが今回の消失は飽く迄この部屋のみで魔術的な発動は確認されていない。壁面の色が変わり其処から生物兵器が湧き出していた事、自分達が今いる落下地点が何者かの胃袋の中のような様相になっている事を鑑みれば落ちる前の場所も含めてあそこは何らかの悪魔、生物兵器の体内であったのだろうと東堂葵は確信に近い結論を導き出した。
その上でLv0であるのに今に至るまで無傷を保つ
落下の際もあの女は凡そその衝撃をまるで存在しないかのように軽やかに着地したし、アビスやアバドンの攻撃の余波によってその身体に穴が開いて吹き飛ぶ姿も見た。だが今の彼女は何のダメージも喰らってもいないかのように立っている。
「Ms.晴香、あの女が生きている理由或いはこの空間について心当たりは?」
「何で生きてるかは分からない。だけどこの空間には心当たりが……ちょっとだけある。<組織>から逃げる前に見た写真にこの空間はそっくり。確か……」
「マザー、でしょう?そこまで割れてるなら何れそこの男が辿り着いちゃうでしょうし、話しておきましょうか」
奈津子が再び口を開く。その身体を緩やかに何の予兆もなく浮遊させて、晴香を見下ろす様にして両手を広げた。
\カカカッ/
| 生物兵器 | マザー | Lv70 | 備考:藤堂奈津子はマザーが作り出した量産可能な端末に過ぎない |
「私が作り上げた生物兵器、その現状の最高傑作こそがマザー。その名の通り、生物兵器を生み出す母なる存在……そして、今の私自身よ」
「マザーに自分を取り込ませたという解釈でいいのか?」
「そういう事ね。理由は概ね自衛の為。生物兵器も悪魔も覚醒者も操るには限界があったし、私も覚醒者にはなれなかった。亜南の元に行けば首輪を付けられると分かり切っていた以上はこうするしかなかったのよ」
あっけらかんと奈津子は語った。生物兵器マザーに自身の肉体・精神データを転写して融合。自身の核となるデータはマザーに保存されて、今この場にある身体はそのデータによってマザーに作られた
「そこまでしなくても生きる道は幾らでもあった筈でしょ、貴女には!なんでそこまでするの!?」
「私が他に生き残る道は精々警察に出頭する位でしょう?でも私の行っている研究は悪魔を含む生物の改造実験が主で、そんな事を日本政府が許す筈がない。裏や海外にはあるんでしょうけど伝手が此処以外になかった。どの道、自分だけで身を守る術は必要だったしね」
「そんなことを聞きたいんじゃない!今いる貴方は貴方じゃないんでしょう!本物じゃなくて飽く迄クローン!そうまでして……なんで研究を続けるのよ!?」
「マザーによって生み出された私が完全に私自身であるという結論が出たからよ。それなら本物の私が居る必要もないじゃない?それに研究をしない私なんて私じゃないしね。それが答えよ、納得できたかしら晴香」
「……私には分からないッ!」
藤堂 奈津子とは生来よりそういう人間だった。学生時代も研究の為の勉強を重ね、研究員として働き出した時期も同様に研究の為だけに生きてきた。彼女の出す成果は素晴らしいものばかりだったがその過激さ故に表社会にて存在する事が許されず、研究に研究を重ねて今に至っている。
彼女には研究を継続していく為に必要なあらゆる力が備わっており、それ以外の何もかもがなかった。故にこの破滅に近い現状は定まっていたのだろう。
「これ以上の問答は不要だ、Ms.晴香」
「けど……!」
「お前は自らの過去に決着をつける為に悪対に協力していると俺は聞いている。お前の気になっていた藤堂奈津子、彼女についてもまた知れた。そこに話し合いの余地がない事もな」
「……」
「人間は生きている限り、過去を背負う。どんな人間にも払拭できないようなへばりついたヘドロのようにそれは今や未来にも付き纏ってくる」
晴香にとっての過去は凡そ組織の構成員としての物しか存在しない。その中で関わった一番関わった人物は義母である藤堂 奈津子である事も疑いようはないだろう。その上で彼女と過ごした日々は決して良い物ではない。構成員としての訓練にそれこそ死に物狂いで励み、何度か死んだこともある。<組織>の作った生物兵器と戦って命からがらそれを何度も倒していった事もある。
そんな晴香に奈津子は興味深い実験体を見るかのように視線を向けて、白々しい称賛や労いの言葉を送っていた。実際問題奈津子にとって晴香は興味深い対象以上の物はなく、晴香も奈津子の事を一度でも母親だと思った事はない。
それでも晴香が持ち得る過去は彼女との日々だけだった。それ以外の人間は自分の事を劣等、雑魚、役立たずと見做して触れもしなかったのだから。
だからだろうか、良い感情もない筈の彼女にせめて生きてほしかった。忌々しい過去でもそれが自身がそこに居たという証明になるのだとしたらと晴香は過去を払拭しようとしつつもそれと決別できずにいた。
「過去を思い出すのはいいだろう。過去を今を生きる決意に変えて生きる、それもいいだろう。だが過去に縋ってはいけない。過去に取り残されたままでは人間は……お前は前に進む事はできない。」
しかしもう奈津子はマザーによって取り込まれ、そのマザーも生物兵器としてその存在がこの世に許される筈もない。此処で確実にマザーと彼女を葬らなければならない。
「分かった……ありがとう、東堂「さんは要らん」えっ?」
「偶然か何か知らないが
「あ、うん。ありがとう?」
「熱量に差を感じるなァ!まぁいい!行くぞ、
「わかっ……今、変な事言わなかった?」
・各配置
| 前衛 | アビス | アバドン(メティス吸収) |
| 後衛 | 奈津子 |
| 前衛 | 東堂 | 花山 | アナンタ |
| 後衛 | 晴香 | ベネット |
・補助状況
| 奈津子陣営 | なし |
| 東堂陣営 | 攻撃強化+1(DSJ仕様)。命中回避強化(P5R仕様):残り2ターン。 ベネット【PALYZE状態(デビサバ仕様)】 |
・
敵味方全てが生物兵器:マザーの体内に居る。毎ターンの度に敵には妨害や攻撃を、味方には支援や補助をマザーは行う。また藤堂奈津子は最早コミュニケーション接触及び自己改良・研究端末にしか過ぎない為に倒した所でマザーの手より復活する。彼女の完全破壊にはマザーを破壊する必要がある。
現状ははっきり言って此方が不利だ。補助は此方に掛かっているもののメティスはアバドンに取り込まれ、ベネットはマヒ状態。さらに言うならば今いる場全てが生物兵器マザーであり、床解除の事を踏まえれば他にも地形を用いて分断或いは生物兵器を生産して攻撃等を此方の配置関係なくしてくる可能性が高い。その操り手である藤堂奈津子を殺しても意味がなくマザー本体を殺さなければこの戦場のイニシアチブはずっとあちらが握ったままになるだろう。
「(
東堂は気功を用いた透視にて状況の再確認を行う。まず生物兵器マザーに関しては特に何かしらエネルギーがなくとも場を侵食して生物兵器を生み出すというイカれた特性があり、恐らくこの部屋だけではなくこの異界の大半はマザーの支配下にあるものとして想定した方がいいだろう。其処まで想定した場合、まず火力でマザーを吹き飛ばすというのは現実的ではなく、何かしらの弱点を探すのが必須となってくる。
そこでマザー唯一の弱点であるとされるのがマザーの核。その核はマザーの支配領域内で流動的に動き続けており、奈津子がここに居てマザーを意のままに操っているのであればそう遠い場所には居ないと晴香は言っていた。透視にて確認した所、現在はこの部屋の肉壁を高速で周回し続けているようで壁の中に潜み、時折透視でも視認できない状態がある事を鑑みれば当てるのは非常に困難だろう。当てられるのは生物兵器になんかよく分からんけど特攻を持つ晴香のみと仮定して、マザーの撃破は彼女を主軸に行うべきだとそう結論づけた。
次なる問題はアバドンに喰われたヴァイオレットの安否。透視で確認した所、どうやら無事……というか体内から腰の入ったボディブローを喰らわせているようで度々アバドンが痛がっている。恐らく強酸等で溶かすタイプではなく飽く迄体内に取り込んだ上で弱体化、その上でMAG諸々を抜き出してそのエネルギーを戦闘に転用するつもりなのだろう。猶予は恐らく数十秒程で脱出方法はやはり内側と外側からのツインインパクト、それによって吐き出しを誘発させる位だろう。酷く単純な方法だが、時間が限られた今ではそれが一番有効なのは間違いない。*18
後残る敵のアビスだがあれもどうやら通常のこれまで相対した大型生物兵器とは大きく異なっている。通常、生物兵器はスキルを使用できない。生物を利用できる点と悪魔由来ではない為に悪魔用の対策のすり抜けが行えるというマシンにも似たメリットはあるがそれ以上に行えるのが精々単一の
だがあのアビスは特別性なのかスキルを使用でき、レベルも80と生物兵器にしては規格外と言える程に高い。それ以外に特殊な点が見受けられない事から単純にデビルソースなりをたらふく埋め込んだ上に不必要な悪魔達を喰わせた結果、ああいう風になったと考えるのが適切だろうか。だがかなりの無理があるようで身体の動きがぎこちなく、腐った匂いがアビスからしている。吸収追加による生命力奪取で何とか生き延びているようだがそれも果たしてどこまで続くか不明。現状はやはりLv80クラスのボス悪魔として相手し続けるしかない。
そして此方の他の面子だが先の
「さて」
東堂の思考の整理も済んだ。ここまで約0.01秒、時間ロスはなく呼吸も安定している。敵の誰かを落とせれば戦況は大きく覆る。それは此方も同様の為に手数を減らした中で特別攻勢に出れるわけでもないが隙を晒せば其処を突く柔軟性が求められる。
そして、
「先手奪取!」【宝玉輪】
状況を一番把握している東堂が先手を取る。即座に
『……』【狂気の粉砕】【狂気の粉砕】【吸収追加】【マヒ追加】
そしてアビスの射程内に東堂は到達した。アビスの脳裏に刻まれた
よってアビスの狙いは己の射程内にわざわざ踏み込んできた東堂の撃滅であり、この距離であれば他の前衛に分散してしまう殴打をこの男一人に集中させた上で攻撃する事が出来る。
「頼んだぞ!」【東堂葵】→【花山薫】
「オオオオオッ!!!」【山津波】
だがそれは東堂葵が用いる
まず最初に敵陣に襲い掛かったのは花山薫の山を削る程の剛力のみによる空間破壊の一撃。津波のように襲い掛かるその衝撃にアビスの肉体はひしゃげ、アバドンは揺れ、奈津子はその肉体を破裂させるものの即座にマザーの力によって再生を行う。
其処から遅れて発せられたのはアビスの6連打。左が2発、右が4発の合計6発の異形の爪による乱打が花山を襲う。
「全部返すぞ」
【物理に強い】*20【超反撃】*21【物理激化】*22【仁王立ち】*23【五分の活泉】*24【地獄のマスク】*25
襲い掛かる巨大な爪による殴打に合わせるように2発の
『好き勝手しやがって!くたばれ!』
| マハラギダイン | DDSAT1出典。敵全体に火炎属性の大ダメージを与える。 |
| マハザンダイン | DDSAT1出典。敵全体に衝撃属性の大ダメージを与える。 |
| マハテラダイン | DDSAT1出典。敵全体に地変属性の大ダメージを与える。 |
麻痺状態のベネットには全てが命中し、凡そ半死半生の状態に。それ以外の花山以外の面子は1回か2回か回避に成功して重症には至っていない。
「さて、私も行きましょうか」
\カカカッ/
| 生物兵器 | アグ(射撃)の群れ | Lv60 |
\カカカッ/
| 生物兵器 | アグ(近接)の群れ | Lv60 |
マザーが蠢く。奈津子の傍に出現したのは夥しい数の緑目の生物兵器と真っ赤な血を纏った口だけが存在している生物兵器。
「ベネット、これで回復!私はあっちに行く!」【ソーマ】*26→【ベネット】
「ありがとう!こっちは相手の動きの妨害!」【両足封じ(フォッグブレス)】*27
「私は次に備える!」【スマイルチャージ】*28
晴香が回復アイテムにてベネットのマヒ状態とHPを回復して奈津子に向けて駆ける。ベネットが得意の妨害で相手の動きを阻害して、アナンタは次なる攻撃の為にニヤリと笑った。
「随分やる気ね……折角だから最後に貴女の力、存分に見せて貰いましょう」
「貴方は……あんたは此処で終わらせる!」
マザーより生産された生物兵器に囲まれながら奈津子が銃とナイフを構えた晴香と相対する。
| アグの | 敵単体に対してガン属性の小ダメージを与える。これを複数回行う。 |
| アグの | 敵単体に対して斬撃属性の中ダメージを与える。これを複数回行う。 |
「当たるもんか!」【MISS】【MISS】【MISS】
晴香に迫り来る大量の緑色の飛来物と赤い斬撃の嵐。補助・弱体の効果もあるがそれ以上に既にアグの動きの全てを見切っているかのようにその全てを回避して疾走を続ける。
「これで!」【制圧射撃】
全てのアグと奈津子、そして壁面に存在しているマザーの核すら巻き込んだ銃乱射。極度の集中状態による機械染みた精密射撃で全てのアグを仕留めて、奈津子の肉体もまた貫いていく。
「……駄目、マザーに届いてない!」
唯一届かなかったのは瞬間的に透明化した上で掻き消えたマザーの核のみ。気配こそ追う事はできるもののアグを巻き込んででの射撃では撃ち抜くことが出来なかった。
「恐らく全体攻撃は透かしてくるタイプの透化だろう。そういう物があると覚えがある*29。単体攻撃で攻めろ、
「気のせいじゃなかった!この人おかしい!」
「私が言うのもおかしな話だけど変な奴に目を付けられたわね、晴香」
「うるさい!」
・補助状況
| 奈津子陣営 | 命中回避強化-2(DSJ仕様) |
| 東堂陣営 | 攻撃強化+1(DSJ仕様)。命中回避強化(P5R仕様):残り1ターン。 アナンタ【ニヤリ状態(真4F仕様)】 |
戦況は膠着状態。それぞれ花山がアビス、アナンタとベネットがアバドンを、晴香がマザーを抑えて東堂はフリーの状態。とはいえマザーは事実上地形その物に干渉できる以上、それに対抗する位置替えを持つ東堂もまたマザーを抑える為に動かねばならない。その上で誰が先に動けるかが鍵を握っている。
「速特化舐めんな!」【メディラマ】*30【速度強化Ⅲ】*31【韋駄天の覚え】*32
ベネットがその素早さを生かして動く。ばら撒かれた全体回復は全回復させるものではないにせよ、自身はソーマによって全快状態で全回復が必要な程の味方は存在していない。故にそれによって凡そ東堂達は万全の状態にまで回復した。
「松山、アビス」
『てめぇに言われなくとも分かってんだよ!』【唸り】【スクンダ】*33【タルカジャ】*34
『……』【フォッグブレス】*35【フォッグブレス】
奈津子の指示の元、アバドンとアビスが強化・弱体を重ねる。攻撃力の強化もしているが飽く迄重視したのは
当然それを黙って見ている東堂達ではない。東堂と晴香がそれらの解除の為にアイテムを使用として
\カカカッ/
| 生物兵器 | ドレインの群れ | Lv45 |
| ドレインの | 敵単体に対して打撃属性の中ダメージを与える。これを複数回行う |
「邪魔!」【MISS】
「此処に来てピンポイントの妨害か!どうやら本気で決めに来るぞ!」【PROTECTION】
地面より突如として出現したイソギンチャク状の生物兵器、ドレインの触手が東堂と晴香に襲い掛かる。東堂は耐性とレベル差もあってほぼダメージは削れず、晴香に至っては此処まで速度を下げられても回避に成功している。だがそこで生まれてしまった防御に要する時間によって稼がれてしまった一瞬の時。
「さぁ、終わらせなさいマザー」
| 終わる世界 | DDSAT2出典。敵全体に万能物理の大ダメージを与え、防御力を1段階低下させる。幾多の悪魔やアートマ兵を捕食して手に入れた阿■羅の業 |
| 終わる世界 | DDSAT2出典。敵全体に万能物理の大ダメージを与え、防御力を1段階低下させる。幾多の悪魔やアートマ兵を捕食して手に入れた阿■羅の業 |
空間全てに侵食し切ったマザーの真っ赤な壁面が激しく振動する。其処から発現したのは
二撃にて全てを破壊するコウリュウの
「だから、こうするの晴香。貴方さえいなければ私は勝てるんだもの」
「……ッ!」
\カカカッ/
| 生物兵器 | アグ(肉壁)の群れ | Lv70 |
\カカカッ/
| 生物兵器 | アグ(肉壁)の群れ | Lv70 |
\カカカッ/
| 生物兵器 | アグ(肉壁)の群れ | Lv70 |
\カカカッ/
| 生物兵器 | アグ(肉壁)の群れ | Lv70 |
\カカカッ/
| 生物兵器 | アグ(肉壁)の群れ | Lv70 |
濁流が潮のように引いて、後に残ったのは晴香を包囲する夥しい数の真っ赤な肉壁。東堂・アナンタ・花山は生存してはいるものの警戒すべきは東堂の位置替えのみ。その位置替えも物量によって凡そ対応が出来る。晴香はこの群れから逃げる事もましてや倒して突破する事は出来ない。切り払った所で撃ち貫いた所でまた次の肉壁が立ち塞がる。其処から徐々に晴香を包囲し、他のバスター達を妨害し続ければ最終的に晴香の圧殺に成功する。
晴香さえいなければマザーを倒せる者は事実上此処に存在しなくなる。その時点で勝利が決まる。位置替えには驚いたが晴香の性能も他のメンバーの能力も想定通り。この戦いは既に詰みに入った。そう確信した奈津子は少しだけ表情を曇らせて
「見えました。あそこです!」【幸運な助言Ⅱ】*37
瞬間、この場に居る者は全員動けないと判断して無防備にしていたマザーの核を何者かに撃ち抜かれた。
「Mr.花山!」【デクンダの石】*40
「消し飛ばす!」【山津波】
その間隙を突いて東堂が
「馬鹿な」
奈津子は確かな焦りを浮かべながら言葉を零す。今ここに居る者でマザーの核を撃てる者はいなかった。東堂達は論外、晴香も肉壁で包囲して封殺していた。であればこれを成せるのは新手しか居ない。
\カカカッ/
| ガンスリンガー | 葉山 弘司 | Lv61 | 耐性:銃・破魔・呪殺無効 |
「晴香、大丈夫か?」
\カカカッ/
| ガンスリンガー | 茂木 冴子 | Lv58 | 耐性:破魔・呪殺無効 |
「見ててヒヤヒヤしましたが、何とか介入する事が出来ましたね」
晴香の傍に前兆もなく現れた
「何故お前達が此処に……!一体どこから……!」
「あんたのそんな余裕のない表情を見るのは初めてだな。それを見れただけでも来た甲斐はあった」
「晴香さん、今のうちに立て直しを」【道反玉】*41→【ベネット】
「わ、わかった。冴子」【宝玉輪】
ベネットは冴子が使用したアイテムによって蘇生、其処からの宝玉輪によって晴香達のHPは全快。弱体化も東堂によって解消されて奈津子が作り出そうとした状況は完全にリセットされたと言ってもいいだろう。
奈津子は弘司と冴子と相対しながらもあの時何があったのかと思考を回す。少なくともマザーの範囲内に何かしら入れば大抵は感知できる。それがマザーの核に最も近いこの部屋ともなれば例え
晴香やアナンタ、花山等の様子を見るにどうも冴子や弘司の出現は想定外ではあるようだ。ならばこれを想定した上で何かしらのアクションを起こせるのは一人しかいない。
「東堂葵……!」
「おっと、説明する必要はないよな?此処まで情報が揃えばお前の頭脳だ。ある程度推察はつくだろう」
まずは葉山 弘司と茂木 冴子、この両名に関してはリーダー格等の一部メンバー以外に突入する事が自体が知らされていなかった
そんな彼らの役割は隠密行動による敵の研究資料の奪取。冴子・弘司の両名は【隠し身】*42と【暗殺者の歩行】*43を習得しており、葉山はさらに【エストマ】*44を冴子は【ドロンパ】*45を用いることが出来る。これらは<組織>に所属していた際に構成員として動く為に習得させられた者だが皮肉にもそれが<組織>を潰す為に今は使われていた。
そんな隠密行動こそ得意な二人だが直接戦闘能力はバスター達と比べて劣る為に資料諸々奪取した後は情報を伝達後に異界から離脱する予定だった。しかしフェイが先んじて情報を入手して離脱した事によって行動方針を変更。四神打倒後に東堂や真澄、劉鳳達と通信を取りながらまだ敵に存在を悟られていない隠密奇襲兵として文字通りの
其処から彼らが追随したのは奈津子が居ると思われる研究区画であり、本来の資料奪取も可能であれば行う予定であった。だが其処に待ち構えていたのは奈津子と自身達と同様に<組織>の構成員をしていた松山という男*46。東堂の指示により奇襲を行うそのタイミングまで部屋外で待機。其処からは東堂の情報端末による指示を頼りに状況を伺っていた訳である。
此処までは冴子・弘司に関しては<組織>でもそれなりに優秀なエージェントだったという事もあり、想像の域ではあるが可能な限りどういう形で動いていたかの推測を奈津子は行う事が出来た。
ついでに言えば東堂が用いる
だからこそ問題となるのは彼ら二人が何を入れ替わったのかという事。位置替えも警戒して、この場に居る面子全ての配置は把握している。だからこそ肉壁を晴香の周囲に重点的に配置した。例え晴香と誰かが入れ替わったとしてもその誰かを押し潰すだけの物量は用意していた。唯一花山と入れ替わった際は突破が不可能ではなかった為にその場合は花山を封じる事に重点を押しつつ他のメンバーをアビスとアバドンで押し潰す予定だった。
それらと同様に二人が誰かと入れ替わった際にも対応は出来ていた筈なのだ。なのに東堂達の誰もが転移されずに健在。さらに言えば肉壁を配置した範囲外からマザーの核は撃ち貫かれた。それが奈津子には理解できない。
「どうやら理解できんようだな。特大ヒントをやろう。NARUTOの飛雷神は知ってるか?」
「は?
「知らんのか……ならばお前達は
東堂の用いる不義遊戯による位置替え。これは特技範囲内における一定以上の
東堂の
後は敵の動向に気を配りつつその落下地点からその状況に応じた小物と此方が指定した任意の存在を入れ替えれば良い。今回はマザーの核が存在すると思われる壁に最も近い場所にある小物と二人に位置替えを行い、冴子が射撃の補助をした上で弘司が核への攻撃を当てたという流れである。
当然ではあるがこれは万能の術ではない。不義遊戯はその効果の速度を重視する為に対象に
東堂もまたこの術を編み出してから実戦による運用によって練度を増して、能力の向上も励み続けた。東堂がその中でも重視したのは不義遊戯をより円滑に使う為の複数の悪魔を使役して操作するサマナーにも匹敵する情報処理速度だろう。それがなければこの位置替えも見え透いたものに変わり、円滑な位置替えが出来なければ逆に味方を危機に陥らせてしまう事もある。故に現状においては東堂にしか習得できず、また使い熟す事も出来ないそれがこの不義遊戯という術だった。
「それとだが……あまり戦闘中に物思いに耽るのは良くないとも言っておこう」
| ニヤリ状態 |
| 真4F出典。敵の弱点を突いたり、あるいは敵の攻撃を無効化したりすると発現する状態。この状態において攻撃を行うとその攻撃力が増大したり、クリティカル率が大幅に上昇したりする。また、この状態でダメージを受けた際に弱点でもプレスアイコンが点滅しなかったり、クリティカルも発生しなかったりする。スマイルチャージによる物なので仕様は真4F仕様 |
| 鋭気の権化 | D2出典。物理命中率が15%増加し、状態異常になる確率が45%減少する。 |
| アカシャアーツ | 真4F出典。敵単体に物理属性で特大威力の攻撃を1回行う。 ニヤリ時に貫通効果 |
「うおーっ!あかしゃ!アアアアアアツ!」
『なんだこい、おえ゛え゛え゛っ』【吐き出し】*47→【ヴァイオレット・メティス】
東堂が
「脱出、です!武器や防具が溶けるタイプじゃなくて助かりました。ありがとうございます、アナンタ」
「良いって事よ!」
これにてヴァイオレットも復活し、東堂達は冴子や弘司を加えた8人体制という戦闘開始時よりも万全な状態にて戦闘を続行。対して奈津子側はマザーが核を一度撃ち込まれた事でその能力を大幅に減衰。さらにアバドンやアビスも度重なるダメージによって疲弊している。戦況は凡そひっくり返ったと言っても良い。
・各配置
| 前衛 | アビス | アバドン |
| 後衛 | 奈津子 |
| 前衛 | 東堂 | 花山 | アナンタ | ヴァイオレット |
| 後衛 | 晴香 | 冴子 | 弘司 | ベネット |
・補助状況
| 奈津子陣営 | 攻撃強化+1(DDSAT2仕様)・命中回避強化-2(DSJ仕様) |
| 東堂陣営 | 攻撃強化+1(DSJ仕様) |
「さて、最終ラウンドと行くか」
「……正念場ね。いいわ。最後まで足掻いてやりましょう」
「最早お前達を殺すに手段は選んでいられない。これで捻り潰す……!」
奈津子の言葉と共に再び揺れ動く空間。マザーに侵食された壁面が膨張しながらも徐々に戦場自体を圧縮するかのように迫ってきている。
「えっ、ベネットこれって私達この空間ごと圧殺しようとしてる?」
「みたいね。どうしようかしら、東堂さん」
「……止めるには再びマザーの核を叩くしかないな。Mr.葉山、奴の弱点は?」
「電撃だ。此処の資料に書いてあっただけだが、さっきの射撃も電撃属性の弾丸を用いて効いたから間違いない」
「分かった。ならばMr.葉山とMs.茂木はマザーの核撃破に向かってくれ。それ以外はその障害の排除だ。それと
「ついにブラザー呼びしてきたよ、この人……何?」
「あの女も警戒はしているだろうがマザーの核を叩ける可能性が一番高いのはお前だ。だから共に核撃破に向かう二人を利用して核を壊せ。歩みを止めるな。俺達を信じろ!」
「……分かった。決着は必ずつける」
その場にいる全ての者に闘志が宿る。決着をつける時が来た。アビスやアバドンもまた不退転の構えを見せている。
「気張っていきなよ晴香!」【タルカジャ】
「私達が援護するから!」【マハガルダイン】
「うん!」【力向上の札】→【花山 薫】
続け様にアナンタが
『OOOOOOOOOO』【フォッグブレス】【フォッグブレス】
「くどい!」【デクンダの石】
アビスが妨害に先程と同様の
「マザー!!あの男を殺せ!!!」
\カカカッ/
| 生物兵器 | アグ(射撃)の群れ | Lv60 |
\カカカッ/
| 生物兵器 | アグ(近接)の群れ | Lv60 |
| アグの | 敵単体に対してガン属性の小ダメージを与える。これを複数回行う。 |
| アグの | 敵単体に対して斬撃属性の中ダメージを与える。これを複数回行う。 |
東堂がアイテムを使用したその瞬間に東堂を囲むように出現したマザーの下僕達。それらは各々の獲物を構え、一目散にこの中で一番厄介であろう男の排除に動く。
「……」
「ふっ」
奈津子が狙っていたのは東堂本人に集中砲火を喰らわせて強制的に位置替えを切らせる事。あれが即時に発動できるのは
「みたいな事考えてたんだろうが……俺がそれを考えていないと思ったか?俺の武器は飽く迄この五体だ。
東堂はそれをアナンタや花山に切り替えず、素の生命力で耐え切った。それだけならばまだ東堂に攻撃する前提で此処にアバドンによる攻撃を加えていただろう。だが東堂は手を叩いたのにも関わらず
「手を叩けば発動する。それを用いたブラフという訳だ。単純だけど引っ掛かり易いよなぁっ!」
| 山津波 | 200X出典。敵全体に万能相性のダメージを与える。 |
「ふき、とべぇっ!!!」【チャージ状態】*49【攻撃力上昇2段階】*50
そして振われたのは花山の山津波。攻撃力を高め、最初と同様に
「冴子!弘司!」
「ええ、行きましょう!」
「俺達の過去、そのケリをつける!」
三人の
『どいつもこいつも俺の邪魔をしやがる!特に裏切者のてめぇらは許さねぇ!俺が喰い殺す!!!』
緑色の肉体を震わせて大きな口を広げながら立ち塞がったのが三人と同様に
特に奈津子に対して信頼や忠誠心があった訳ではない。あったのは中国マフィアという自身の気質に合った組織における出世。少なくともそれは上手く行っていた。アートマを埋め込まれてアバドンになった事も力を得たと歓び、このヨコハマでも一定の権力を握ってゆくゆくは三業会の構成員となり、そこでさらなる高みを目指す。それが彼の野望だった。
だが現実はそう上手くはいかず、今はレルムそのものが崩壊して自身もまた死に掛けている。そして眼前に居るのが<組織>が崩壊した原因の一つであり、自らを追い詰めているかつての
「させません」
その松山、アバドンの眼前にヴァイオレットは滑り込んだ
『ならまずはてめぇからだ!回復か補助しか能がねぇのは割れてんだよ!』
松山もまたこれまでの突入メンバーの戦闘はカメラ越しに目撃している。その中でもヴァイオレットはオルフェウスというシャドウを用いてでの
「ええ、そうです。ですがこれは……
ヴァイオレットが背後に浮かべる
\カカカッ/
| 法王 | プシュケイ | 弱点なし*51 |
| ブレイブザッパー | P3出典。敵単体に斬撃属性の特大ダメージを与える。 |
ヴァイオレットが本来持ち得たシャドウ、プシュケイより放たれた斬撃は断末魔を上げる暇もなくアバドンを両断した。
「私が出来るのは此処までです。どうぞお先へ!」
こくりと傍を通り過ぎる三人は頷いてマザーの核を目指す。壁は風船のように膨らみ続けており、既に戦場は通常の半分程の広さしか保っていない。猶予はなく、チャンスは一度切り。
「最後に来るのはやっぱり貴方よね、晴香!」
「……」
マザーの核をそれぞれが射程内に収め、その最後の番人とも言える奈津子と銃とナイフを構えた晴香の視線が交差する。
\カカカッ/
| 生物兵器 | アグ(肉壁)の群れ | Lv70 |
\カカカッ/
| 生物兵器 | アグ(肉壁)の群れ | Lv70 |
マザーが最後の余力を用いて生産した肉壁。壁内に存在するマザーの核に対して明らかな<カバー>の姿勢を見せている。
「まずは俺が行く!」【ハッピートリガー】*52【雷神の弾丸】
「援護します!」【幸運な助言】
冴子の援護と共に弘司より発射された三発の弾丸がマザーに迫るが想定通り肉壁が
「続きます!」【トリプルタップ】*53【千発千中】*54【閃光弾】*55【グリモア】*56
続け様に冴子の拳銃より放たれた4つの弾丸がマザーの核を追って発射される。2つ目の肉壁によってその射撃は再び庇った。
『……!?』【BIND】
だがその弾丸が全命中した所で肉壁の
「いけ!晴香!」
「御願いします、晴香さん!」
「分かってる!」
硬直した肉壁に向かって跳躍してそれを飛び越えながらもマザーの位置を探る。そう遠くに行っていない筈と弾丸を電撃属性のそれに変えて、その位置を特定し
「それは届かない。これで、終わりよ」【カバー(手番放棄)】
「……ッ!」
壁面に露出したマザーの核、それをついに見つけた所で奈津子の肉体がそれを阻む。距離としては目と鼻の先で彼女さえいなければマザーの核を穿つ事は出来た。だがそれも後一歩の所で届かない。
「ならばもう一歩だ!決めろよ、
故にクローン体で
「はあああああああっ!!!」
| 急所打ち | 誕生篇(軍隊格闘技)出典 |
| 相手の急所を打つ技。この攻撃で1点でもダメージが入った場合、相手を瀕死にする。相手は回避に+20%のボーナスを得る。本来は使える対象に限りがあるこの特技(アンデッド・マシン・人間の形をしてない物には無効)だが晴香は全ての生物兵器に対してこれを使用する事が出来る。 |
東堂の言葉の通り迷いなく仲間を信じて踏み込んだ晴香はマザーの核にそのナイフを突きつけ、マザーの核は切り落とされる。
瞬間、膨張した壁内が破裂して拡散。マザーの断末魔のように部屋が崩壊していき、マザーの体内だった戦場は元の殺風景な空洞へと戻っていった。其処に居たのは生き残った東堂達にアバドンだった松山、アビス、マザーの残骸。そして項垂れた藤堂 奈津子だけであった。
「ふ、ふっ……ここまでやっても勝てないとはね。完敗だわ」
「これで本当の終わり。大人しく捕まって」
「それは無理よ晴香。見て、私の腕」
奈津子が晴香に向けてその腕を向ける。奈津子の腕はスライムのように骨も肉も溶け落ちかけており、溶けた肉片はマザーの残骸のように赤いケチャップのように変わっていた。
「私とマザーは一心同体。マザーが倒れれば私も同様に死ぬ。だからもう私は死んだも同然なのよ……その上で最後に一つ貴方に御願いがあるの」
「聞くだけ聞いてあげる」
何をしてもいいように銃口だけ奈津子に向けながら晴香は言葉を返す。他の仲間達は各々回復と周囲の警戒に当たっている。
「景気づけに私が死ぬ前に私を殺していきなさいな」
「あんたにしては往生際が良すぎる発言ね。今までが信じられない位」
「合理的に考えてもう私が打てる手はないわ。死が確定したなら目を付けていた貴女の気晴らしをして死んでもいいと思ってね」
「……ほんとにらしくない」
「かもね。で、どうするの?あまり残された時間はないわよ」
既に奈津子の両手両足は消失し、下半身も完全に溶けつつある。それでも彼女が平然としているのはマザーから作られたボディで痛覚を改造してあるからなのか、それともやせ我慢なのかそれは分からない。
「私は……貴方を撃たない」
晴香は銃口を降ろす。
「貴方にとっては人生の全てを滅茶苦茶にした張本人よ?」
「それでも、あんたは今日ここで終わる。捕まえて、警察の人達に突き出すのが理想だったけどそれが出来ないならやる理由もない。それに」
「それに?」
「私の気も、もう晴れた。いい加減、普通の生活を送りたいし、貴女の事も忘れたい。だからもう貴方にあげてやる物は一つもない。」
数秒の沈黙が続いて、奈津子が口を開く。
「そう。なら私が言う事は何もないわね……精々こっちには遅く来なさい、
「当然でしょ」
晴香は奈津子の顔を最後に見下ろしながら、その消え行く身体を見届けた。
「……さようなら、義母さん」
其処から十秒程、晴香は義母だったそれに対して黙祷を捧げた。
「
「ん、わかっ」
しがれた亡者の様な呟き。それと共にこの場に居る全ての者に今までにない戦慄を感じて、その場を飛び退いた。
「なに……あれ……」
誰の言葉だったかは分からないが、その言葉の通り理解不能な物が空洞の中心に存在していた。
| 冥界門 | 誕生篇&覚醒篇(魔道)出典。一部効果改変 |
| 異界と地上を繋ぐゲートを開く魔法。特定の日時や場所が整った場所でなければならない。一時的にGPを80(石■南の魔道技能分)、上昇させて直接悪魔のマニフェスト体(実体)を呼び出したり、術者が異界(魔界)を訪れたりする事が出来る。今回、石■南は冥界門を用いて魔界へと接続、龍脈と冥界門を一体化させて魔界のエネルギーを冥界門に注ぎ込んでいる |
冥界門とは魔界・異界への接続を果たす魔道の中でも禁術に当たる
\カカカッ/
| ホムンクルス | 石 亜南 | Lv80 |
| 備考:ホムンクルス体であり、石亜南の魂の欠片が埋め込まれている。その魂を燃やす事で本体の石 亜南の性能を数十秒だけ引き出す事が出来る。その後は死亡する。 |
石亜南は長年の研究により
『ここまで最悪の想定内といった所だな。だがまぁ丁度良かった、藤堂奈津子も死んだ事だし材料は揃っている。僕が死んだ後に運が向いてくるとはね』
「貴様が何をしでかすつもりだ、石亜南!」
『悪足搔きにきたのさ。全てご破算にするなら、派手な方が良い』
この中で唯一冥界門の知識がある東堂は石亜南に問うた。それ以外の殆どの者はその場に満たされた膨大なMAGによって動く事が出来ない。
「プシュ、ケイ!」【ブレイブザッパー】
「このやろぉ……!」【山津波】
唯一東堂以外に動けた二人。ヴァイオレットと花山が各々の最大出力を強引に石亜南にぶつける。
『庇え、ボルカノン』
\カカカッ/
| 生物兵器 | ボルカノン | Lv60 |
それらの攻撃も巨大な陸ガメのような大型生物兵器に防がれた。
「駄目か。全員俺の周囲に集まれ!死ぬぞ!」
『勘が良いな。では始めるとしよう……一世一代の大博打を!』
魔道が用いる<三身合体>*58によってマザー、アバドンの死骸を冥界門に吸収・合体。それらによって出現する何かは
『高い確率で失敗には終わるだろう。だがしかし成功さえしてしまえば母なる深淵が生れ落ちる。さぁ、いざ!』
冥界門が歪む。石亜南、ボルガノンはそれに巻き込まれて絶命して、異界そのものが冥界門に呑み込まれるかのように喰われていく。
「全員射程距離内に収めた!耐えろ!」【トラエスト】*59
それに呑み込まれる寸前に東堂によって発動した転移の術。その寸前に彼らは石亜南が生み出してしまったその存在を目撃した。
\カカカッ/
| 悪魔兵器 | マザー=アバドン | Lv92 |
生物兵器と悪魔と冥界門の融合体、
・今回の戦い
寄生ジョーカーにおけるマザー&アビス戦。DDSAT2におけるアバドン戦。後なんか呪術のアニメであんまりにも東堂が暴れていたのでその要素も入り込んだメガテンバトルというより怪文書に近い産物。取り敢えず全員をいい感じに活躍させる事以外考えていませんでした。後は東堂が原作で出禁になる理由も分かりました。
・<石 亜南>
本体の魂が半分未満だったのがヒントと言えばヒント。魂をさらに名前を言ってはいけないあの人みたいに分割して、その魂をホムンクルスに格納。其処から前々からコツコツ作っていた冥界門をマザーと混ぜれば面白い事できるんじゃねぇか?計画(行き当たりばったりオリチャー)を実行。その場に相性が良さそうなアバドンの死体もあったので取り敢えず合体した。取り敢えず三業会に必要な情報は送り終えたので此処に居る三業会に仇なしそうな奴全員ぶっ殺して終わる事が出来れば最良だなと考えての実行。大体無敵の人。
・キャラ紹介
いつも通りのビルド公開です。オリジナルスキルもあるので参考程度に御願いします。
<ガンスリンガー>藤堂 晴香Lv66(+4)(破魔・呪殺無効)
三連射(200X)・クイックロードⅢ(200X)・制圧射撃(200X)
急所打ち(誕生篇・軍隊格闘技)・ブレイクスルー(基本システム・サバイバル)
ナイフ戦闘(誕生篇・軍隊格闘技)・スライディング(誕生篇・軍隊格闘技)・急反撃(基本システム・サバイバル)。他サバイバル・軍隊格闘技系習得
今回の編における主人公。主人公なのだが他のキャラの方が圧倒的にキャラが濃かったりするので影が薄かった。ビルドも地味というか軍隊格闘技・サバイバル・射撃で回避重視と軍人みたいなビルドしてる。唯一ループ補正によって固有スキル:寄生ジョーカーを獲得しており、それによって生物兵器に対しては鬼のように強い。キリギリスの出現が<組織>から離脱した理由なので過去周回ではファントムソサリティが存在してれば寄生ジョーカー本編が始まってそれぞれ12個位EDにいったりいかなかったりしていたのかもしれない。実質的に生物兵器に関わり、それを打倒し続けて唯一の人物でありだからこそそれらに対する天敵であれた、そういう存在。
<ガンスリンガー>葉山弘司Lv63(+2)(銃・破魔・呪殺無効)
腕部狙撃(IMAGINE)・ハッピートリガー(IMAGINE)・クイック&デッド(200X)・クイックロードⅢ(200X)
トラフーリ(シリーズ共通)・エストマ(真1)・暗殺者の歩調(SH2)・隠し身(IMAGINE)
パッシブ:トリックステップ(PQ)・回避強化(200X)・セーフティ(真5)
寄生ジョーカー勢の青髪短髪の男。年齢は晴香と同様。晴香と同様に<組織>の構成員であり、観察者。少なくとも寄生ジョーカー内における立ち回りは晴香より上手かった。晴香より射撃が上手いらしいので射撃メインの回避型、さらにそこにトラフーリ・エストマやら隠密用スキルを搭載している。寄生ジョーカーで生物兵器殆ど出すのにこいつ出さないの勿体ないなと思ったので本来突入メンバーにはいなかったが参戦した。ちなみに作戦会議ではちょろっと晴香と話す描写がある。
<ガンスリンガー>茂木冴子Lv61(+3)(BSに強く、破魔・呪殺無効)
トリプルタップ(覚醒篇・シューティング)・クイックロード(覚醒篇・シューティング)
ゴッドスピード(覚醒篇・シューティング)・幸運な助言(200X)・ケミストリーⅠ(200X)
ドロンパ(ペルソナ1)・暗殺者の歩調(SH2)・隠し身(IMAGINE)
パッシブ:食いしばり(P5R)・生還トリック(P5R)・千発千中(D2)・グリモア(デビサバ2)
寄生ジョーカー勢の青髪ロングの女。じゅうななさい。大体弘司と同様で元<組織>の構成員。ビルドは覚醒篇のシューティング系の射撃と使わなかったが2個のアイテムを使用できるケミストリー、判定補助の幸運の助言等で補助寄りの構成。其処にドロンパと隠密系が入る。食いしばりと生還トリックがあるのはなんか寄生ジョーカー本編で何回も死に掛けてもなんやかんや生きてる枠だから(明らかに死んでる場面あったよね?)。グリモアは状態異常ガンナーとして他と差別化したかったという理由だけで搭載している。
<シャドウ使い?>ヴァイオレット・メティスLv77(+1)
(オルフェウス、プシュケイの二種のペルソナを用いる。)
ビルドは本編通りのワイルド産の魔改造オルフェウス、そして本来のペルソナであるプシュケイである。ぶっちゃけプシュケイも弱点なしで物理メインのオールラウンダーなので困った時には全然投入できる。強い。
<導師>東堂葵Lv78(+1)(全てに強く、破魔・呪殺無効)
格闘技:地獄突き(200X)・アカシャアーツ(200X)・旋風脚/旋風拳Ⅲ(200X/闇のプロファイル)・真空投げ(200X・真2)。
搬運功(基本システム)を応用したトラフーリ・トラポート・トラエスト、そして不義遊戯。
後は基本システムの気功関連や複数の格闘技を習得。
パッシブ:格闘威力強化Ⅲ(体)(200X)・食いしばり・三分の活泉・大気功(P5R)・精神耐性(P5R)
一番の問題児。アニメの呪術が面白過ぎたのも良くなかったと思う(責任転嫁)(気になる人はアニメ呪術をチェックや)。不義遊戯はほびーさんに此方から提案をさせて頂き作成。大体神獣が使う瞬転の舞の上位互換。消費MPも大体同じ感じだが即時効果で使うと2倍。対象を拡大すると2倍。合わせて使えば4倍という構成なので他の転移系と比べて消費が非常に激しい。大気功で誤魔化してはいるが戦闘ではとてもMP消費技では戦えないので200X系の格闘技(消費HP10~50位なので負担が軽い)で対応しながら本人は殴り合う。しかもかなり硬い。東堂をメガテンで再現すると大体こんな感じになるんじゃないかビルド。そのまま戦わせると頼もしすぎるので偶然名字の呼び方が同じの晴香に因縁をつけて虎杖(隠語)になってもらう事でキモさを充填した。ちなみにMAG関連の物体を対象にしての不義遊戯は屁理屈捏ねてやってみたかっただけなので場合によっては普通に駄目かもしれないという事を報告申し上げておきます(駄目だった時の焼き鉄板を用意)