真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
「はぁーっ」
寒々とした冬のある日、私はその寒さに耐えきれず両手を包んで息を吹きかけた。身に纏う巫女装束はその寒気に対してあまりに無防備で、カイロや防寒具を付ける事も許されていない。石畳に積もっていく枯れ葉を竹箒で払っても時折吹きかける冷風が集めた葉を散らしてしまって、私の身体すら凍てつかせていく。
「いたっ」
また飛んで行ってしまった葉を集めようと竹箒を握れば、指に幾つも残ったあかぎれが痛くて涙が出そうになった。そんな私を嘲笑うかのように何度も風は吹いて、石畳に枯れ葉が敷き詰められる。掃除を始めたのはもう数時間前なのにどれだけ頑張ってもこれでは意味がなく、かといって無理だと言ってまた父に暴力を振るわれるのも嫌だった。
でもその鍛錬の成果とやらを見た事は私はない。
其処まで見て、外の世界を見たことない私でもこの環境が歪で、男たちの空虚なプライドを満たすだけの場所だという事も分かった。外の人が帰った夜、父達はその鬱憤を晴らすかのように私達女に暴力を加えた。子供だからと、私は夜に気絶する様に眠ったけれどそれは朝日が昇るまで続いていたらしい。
衣を引き剥がし、獣のように覆い被さって、抵抗するようなら殴りつけて。男たちの下卑た笑いと女たちの苦悶の叫びが丑三つ時に響き渡って、その身を貪り喰われる。
私も将来、ああなるんだろうか。こんな狭い世界で、ただ良いように使われるままに塵のように死んでいく。そんな閉じた未来しかないのなら、いっそ死んだ方がいいのではないかとそう思い込んで
「真澄」
後ろから声を掛けられた。私と同じ巫女装束を着た母さんが其処には居た。おかっぱに切り揃えられた髪を風で揺らしながら、微動だにしない微笑みを浮かべている。
「母さん……」
「社務所に戻りなさい。こんな風の強い日に掃除なんて出来る訳ないわ」
「でも、やらないとお父様が」
そう言おうとして、両手が母さんの両手で包まれた。母さんの手にはハンドクリームが塗られていたのか、あかぎれに染み渡る様に私の手にもそれが纏われていく。
「あの人の事は気にしなくていいの。この掃除も、貴女に対する嫌がらせに過ぎないんだから。戻って、御茶の用意でもしてなさい」
「ぅ、うん、ありがとう母さん」
ぎこちなく笑みを浮かべて、精一杯の感謝の言葉を伝える。いつも変わらない母さんの笑みが少しだけ柔らかくなったような、そんな勘違いかもしれない思いを抱いて私は母さんの手を繋いだ。
私と同じ、ひび割れたあかぎれだらけの手。それでも私を家族として大事にしてくれる人の手だった。この人が居たからこそ、全てを諦められずに生きてこれた。全部その笑みで隠してしまう母さんの思いは分からないけど、それでも母さんだけは守りたい。
だから、男達にも父にも負けない力が欲しかった。父が使う骨法という技は
力さえあればこんな所に居る必要もない。父が私にしたように暴力で黙らせて、母さんを連れて出て行けば良い。外の世界がどんな所かは分からないが、少なくともこんな場所よりは良いと確信はしている。
「母さん」
「ん?」
「私、頑張るね」
「もう十分頑張ってるでしょう。これからもっと寒くなってくるんだから、無理をしない事だけ、今を乗り切る事だけ考えなさい」
「うん!」
母さんの言葉に私は強く頷いた。思えば、母さんは常々言っていた。頑張る必要はないと、今を乗り越える事だけ考えなさいと。なのに私は母さんも私と同じ思いを抱えていたと勘違いをしていた。
未来に夢見て行動する私と未来に目を向けずに何もしなかった母さん。二人の思いが交差することなぞ、有り得る筈もなかったのだ。
私が強くなればなる程に、母さんとの距離はあらゆる意味合いで離れていった。同情と慈愛が籠った視線はいつ日か劣等感と嫉妬と憎悪に塗れた物に変わって、私はそれに気づく事すらできなかった。
母と別離し、故郷を捨てた今ではあまりに遅すぎる後悔だが、その自分の愚かしさを何より私は憎んでいた。
\カカカッ/
| Lv85 | 巫女 | 神城 真澄 | 耐性:凡そ全てに強く、火炎・氷結・ 破魔・呪殺・精神・神経・魔力・緊縛反射*1 |
\カカカッ/
| Lv75 | ガンスリンガー | 久遠 エリヤ | 耐性:凡そ全てに強く、火炎・氷結・ 破魔・呪殺・精神・神経・魔力・緊縛反射*2 |
「……不味いわね、この状況」
<マッスルドリンコ>を飲みながら真澄は周囲を見て、ぼやいた。異界内部より発生した濃霧により分断された真澄は付近に居たエリヤと合流する事にまず成功した。自分一人では対応しきれるか怪しかった羅刹も感覚に優れ、銃を持ったエリヤが居るのであればその撃破はそう難しい事ではなかった。
とはいえデビルサマナーとして羅刹の集団を完膚出来る戦力を自前で用意できるフェイや羅刹の攻撃自体を無効化できる由奈と比べれば、戦力の強度はやや落ちる。なるべく交戦は避け、その二人や他のDBチームとの合流を目指す、それを指標として二人は異界の潜入を開始したのだが此処で異変が生じた。
複数の羅刹の奇襲とその迎撃、その後に百を優に超えるシャドウの群れが二人の前に現れた。動く壁のように通路全体を覆い尽くすそれらは逃げ道を塞いだ上に執拗に今も二人を追い続けた。
シャドウ達の速度は非常に遅くはあったものの散発的に羅刹と遭遇しては戦闘となり、シャドウ達がその間に追いついて振り切る事は敵わない。徐々に消耗を強いられながらシャドウ達の反対方向に逃げる事しか出来ず、その先は異界最奥だった。
「振り切るのには成功したが、どうにもな。これ絶対俺達を誘い込んでるし」
周囲を警戒し、銃を構えながらエリヤが言葉を返す。最奥付近まで二人が進んだ所でシャドウ達の動きはさらに緩慢となり、羅刹も姿を見せていない。向かうべき道は最奥一つに絞られ、合流も不可能となった。
COMPによる探知は此処が最深部だからなのか全くの当てにならず、此処で立ち止まっていてもいずれシャドウ達に追いつかれるのみだ。最奥に潜んでいるであろうこの
「それでも行くしかないわね」
「そう、だな。行くか」
短くそう交わして、真澄とエリヤは最奥へと進む。灯り一つもない暗い木の廊下が続く中で霧が漂っている。不思議な程に静かで、真澄は先に進むたびに胸を搔きむしるような感触を受けて、嫌な予感だけが脳裏に刻まれていく。程なくして、最深部へと二人は辿り着いた。
「此処は……」
辺り一面に敷き詰められた木の床が血によって真っ赤に染まり、人間の骨や肉片が転がっている。その奥に存在する階段と祭壇。それは丁度、真澄が一度だけ見たことある神社の本殿内部とそっくりで其処が拡張されたかのような様相だった。
『来たか。待ち兼ねたぞ』
その祭壇に無造作に腰掛けた異形の男が言葉を発する。赤黒く染まった袴に異常に膨れ上がり、巨大化した腕が四本。顔に鬼面を付けた、アクシャと呼ばれる男が其処に居た。
「その声……羅刹に堕ちたか、神城 久作!」
『堕ちた、堕ちたか。お前がそれを言うとはな』
神城 久作。それは真澄にとって自分と母親を散々に嬲った怨敵でもあり、同時に自らの父親でもあった。久作より真澄に与えられた物は苦痛のみで、負の感情しか抱いていない。そして久作もまた真澄の事を心底憎く思っている。何せ奴隷としか思っていない女であるのに自分以上の才能を持ち、挙句の果てに自身を殴り飛ばして一族より出奔したのだから。
心も体も砕かれたその絶望と憎悪は察して余りある物があり、だからこそ両者が互いに向ける感情に親が子に、子が親に向けるべきものは何も存在していない。
「何故一族を天魔衆に売ったの。市井に下る事や東京ヤタガラスに従う事だって出来た筈でしょ。なのに、どうして!」
『最早そんな問答に意味はない、生まれるべきでなかった忌々しい我が娘よ。ただお前が此処で殺されるだけだ。私達の手によって』
\カカカッ/
| Lv90 | 喰奴 | アクシャ | 不明 |
仮面越しにアクシャの口が三日月に歪んで、立ち上がる。その大きな腕の全てを振り上げて、真澄とエリヤに向ける。
『四肢を捥がれ、臓腑を撒き散らし、自身の存在そのものを否定しながらお前は喰われて死ぬのだ。
「……ッ!」
| 格闘威力強化(体)Ⅲ | 200X出典。武器を用いない格闘攻撃の威力に「体能力値×3」する。 |
| アドバイス | P5R出典。クリティカルを与える確率が2倍に上昇する。 |
| 震脚Ⅲ | 200X出典。補助効果。 このターン、使用者が次に行う素手に格闘攻撃1回の威力に【力能力値×2】を、 素手以外の場合なら【力能力値】を加える。 ランクⅢの効果によりこのターンにおける全ての格闘攻撃に効果が及び、 格闘攻撃の判定値の1/5でクリティカルが発生する。 この効果においてクリティカルが発生した場合、 200Xにおけるルールを参照してクリティカルは2倍として扱う。 |
| 舞踏 | 誕生篇・骨法出典。補助効果。 骨法の基本動作で、足捌きを中心とした身体の動きを指す。 すり足の迅速な移動とコンパクトな方向回転によって、 直後の格闘攻撃のダメージに+威力(骨法技能値参照)する。 |
| 徹し | 覚醒篇・骨法出典。 敵前列1体に相性:-(万能相性裁定)で防御点を一切無効した格闘攻撃を行う。 この攻撃は拡散して、敵前列の他の対象には相性・防御点無視は同様に ダメージ事態は半減した物を与える。威力は骨法の技能値×4を参照。 真澄は60以上の技能値を持っている為に威力は240程度(特大ダメージ)となる |
挑発に乗るかのように真澄は床を震わし、アクシャに向けて跳ぶ。
掌打による浸透撃、それを極限まで引き出す<徹し>は
『くくっ』【バイオレンス】*3
「うそ、っ!」
真澄の<徹し>と合わせるように放たれたのはアクシャの<徹し>。真澄と同等或いはそれ以上にまで練り上げられた技巧を以て放たれたそれは拳同士がぶつかりあって
『死ね』【羅刹モード】*4【獣の反応】*5【涅哩底王】*6【徹し】
弾き飛ばされた真澄の身体は浮き上がり、無防備になった其処に加速したアクシャの拳が迫る。空中という回避挙動が行えない状況に、アクシャが用いた骨法の練度の高さ、それによる動揺が重なって真澄の挙動が遅れる。その拳が完全に真澄を捉え、振り下ろされようとして
| 煌天の幻視 | 200X出典。自分を除く、味方一人の判定の失敗またはファンブルを成功に変更する。1シナリオ1回まで |
エリヤより放たれた弾丸が振り落とされるアクシャの拳に命中し、その軌道を逸らす。
| 回転打ち | 覚醒篇(骨法)出典。 敵の格闘攻撃を回避した後で行う反撃技。剣相性。 威力は骨法技能値×3となり、特大ダメージ(180程度)。 掌打である為にこの攻撃は物理防御点を半分として扱う。 |
| 霊活符 | 誕生篇(符術)出典。 武器または所持者に張り、その武器や拳を霊的な武器に変えて威力を上昇させる。 相性特性により半減・無効・反射する悪魔にもダメージを与えられる事が出来る (本家同様、準物理貫通として処理) |
「そこ!」
『聞いてはいたが面妖な!』
軌道を逸らしたアクシャの拳を頬を擦らせるようにして捌いて、霊活符を張った掌で腕を弾き飛ばす。霊活符による貫通は乗っているが、
『だが消耗はさせた。やれ』
\カカカッ/
| Lv74 | 喰奴 | 羅刹天 | 打撃・斬撃反射・呪殺無効・破魔耐性 |
\カカカッ/
| Lv54 | 喰奴 | 羅刹天 | 打撃・斬撃反射・呪殺無効・破魔耐性 |
\カカカッ/
| Lv67 | 喰奴 | 羅刹天 | 打撃・斬撃反射・呪殺無効・破魔耐性 |
\カカカッ/
| Lv59 | 喰奴 | 羅刹天 | 打撃・斬撃反射・呪殺無効・破魔耐性 |
アクシャの叫びと共に影に紛れて現れた4体の羅刹の姿。真澄とエリヤを視界に収めて、その刃を振りかざす。
「させるかよ!」【レールガン】*7
周囲を警戒していたエリヤが羅刹達より一手早く、羅刹とアクシャを連射で薙ぎ払う。2体の羅刹がそれぞれもう2体の羅刹を
| 血祭り | DDSAT1出典。敵全体に物理属性の中ダメージを与える。クリティカル率が高い |
| 血祭り | DDSAT1出典。敵全体に物理属性の中ダメージを与える。クリティカル率が高い |
「ええ!」
弾丸の雨を潜り抜けた2体の羅刹が迫る。一撃目をエリヤは見切って回避をした上で<援護射撃>*10にて真澄の回避を援護する。其処から射撃援護を受けた真澄が何とか回避に成功し、<回転打ち>を喰らわせて1体目の羅刹を仕留めた。
続け様に放たれた2体目の羅刹の攻撃をエリヤは幻視を応用した<幸運>*11にて捌いて、再び<援護射撃>。先程と同様に攻撃を避けた真澄が<回転打ち>にて2体目の羅刹を殴り飛ばす。
『これだから、化物共は』
「っ、はぁ……鏡見て言ってくれるか?」
アクシャは一撃も当てれなかった事に嘆息し、エリヤは息を上げながらもアクシャに銃を向けた。アクシャの攻撃及び羅刹の攻撃こそ何とか凌いだもののその攻防だけでエリヤの能力は大分消耗されてしまっている。羅刹の攻撃が通常のそれより狙いが悪くても、エリヤの射撃がなければ回避する事は難しい。エリヤの集中力を鑑みるなら正確な援護は残り1回、自分の攻撃は捌けて2回といった所だろう。長期戦は危うい状況だった。
それに加え、アクシャの先程の<徹し>の事もある。真澄が知っている
だというのに真澄の一撃にアクシャはほぼ同等かそれ以上の一撃を返していた。羅刹の力も物理攻撃に対しては相互に働く*13物であるから相殺させるに至ってはプラスに働く物ではない。詰まる所、真澄の一撃に素でアクシャは拮抗していたという結論に至る。
剛剣を振う由奈や速剣を扱ったとされる法華 参郎*14の存在から羅刹であっても武術を扱える事は疑いようがない。しかしアクシャの振う骨法は何処か歪に感じられて、それと似たような存在と相対した経験が真澄にはあった。
「その
三業会の石 亜南*15が用いた蟷螂拳と相対した感覚としてはそっくりだった。思考と肉体が一致せず、肉体・精神に刻まれたイマージュによって振われる拳をアクシャは振っていた。
『墓暴きは流石に心が痛んだが、一族再興の為だ。彼らもまた本望だろう』
「お前は一族その物も、受け継いだ力も愚弄している!」
『私はそう思っていない。大事なのは力で、其処に至るまでの過程や経緯はどうでもいい。そう教えてくれたのはお前だ、真澄。何せ、お前はその才能だけで我々の全てを凌駕したのだから』
アクシャが取引した三業会によって得た物は二つ。一つは骨法の練達者のイマージュで、2つ目は祭神の力を強化する為の呪物。イマージュ元は神城一族の全盛期とも言える先祖達の骸であり、それを三業会に提供する事でアクシャもまたイマージュを三業会より提供され、その身に注入した。2つ目の呪物により、祭神の性質こそ変わったものの
その2つを得るのに京都ヤタガラスより奪取した四神結界の技術や遺産等を三業会に渡す事になったが、そんなことはアクシャにとってどうでも良かった。
『羅刹の力に骨法のイマージュ。これらを手にした時、震えたよ。まるで神にもなったような気持ちだった。最もそれを遥かに超える存在もこの世には山程居る事も分かったが……それも、どうでもいい』
アクシャの顔につけられた鬼面が取れる。其処には何もないのっぺりとした顔のような物だけがあり、それから発せられる感情は虚ろな真澄に対する悪意のみ。それと同時にアクシャの後方よりどろりとした真っ赤な霧が溢れ出した。真澄とエリヤを取り囲むように顕現したそれ自体から視線を感じる。
「気を付けろ。この霧自体がシャドウだ!」
\カカカッ/
| Lv80 | シャドウ | アメノサギリ | 不明 |
霧に紛れる人影のようなシャドウを目視し、エリヤは声を上げる。アクシャ同様にのっぺりとした何もない顔に、境目が分からない透けて通る赤い身体。それらの集合体が霧となって、
『我が一族よ。過去の悔恨あれど、我らは最早一つだ。怨敵を、あの女を討つべき時だ』
「私は何もしていない!」
『いいや、違う。お前は逃げた』
のっぺりとしたアクシャの顔が咎めるように真澄の顔を向く。真澄は無意識に、後退りしてそれと視線を交わして睨みつける。
『お前は唯一人、我ら神城一族の破滅の末路より逃げた。お前の縋っていた母すら置いてな』
「違うッ!」
『その上でお前が我々に与えたのは絶望だった。隔絶した才能、届かぬ力という名の絶望をな』
アクシャが、久作がどれだけ手を伸ばしても自力では得られなかった物を真澄は持っていた。
『だからこそ、お前だけは赦さん』
「真澄!」
「っ、分かって、る……!」
「先手を!」【瞬間増強の経】*16→ 真澄
エリヤが先手を取り、
| デカジャ | P4G出典。敵全体の能力上昇効果を解除する。 |
| マハスクンダ | P4G出典。3ターンの間、敵全体の命中・低下させる。 |
真っ赤な霧として漂うアメノサギリが動く。
『では、今度こそ死ね』【徹し】【舞踏】【羅刹モード】【獣の反応】【涅哩底王】【豪傑の転心】*17【バイオレンス】
アクシャが踏み込む。速度低下によってエリヤの援護があっても真澄の回避は難しく、これを捌いたとしても二撃目が来る。されどこの一撃の鋭さは
「だったら、受けて立つわ!」【掌握】*18
一か八か、伸るか反るかの場面で真澄もまた踏み込んだ。回避運動は行わず、防御によって攻撃を受け止めるという自殺行為に等しい行動。アクシャの掌打が真澄の掌に突きつけられ、その絶死の衝撃が真澄の肉体に壊していく。
一撃で骨を肉をバラバラに、臓腑を破裂させる衝撃をその強靭な五体と耐性を持つ防具*21にて抑え込み、
『浅い!しかし、物理ならば!』【二連掌】*22
「撃たせる物か!」【二連掌】*23
アクシャの放った二発の打撃は同様に放たれた真澄の技により相殺される。掌打の衝突によって衝撃こそ相殺されるものの、二度巻き起こる風圧と甲高い音が周囲の赤い霧を吹き飛ばす。
\カカカッ/
| Lv85 | 軍勢 | 羅刹天の軍勢 | 打撃・斬撃反射・呪殺無効・破魔耐性 |
その中で垣間見た、羅刹の軍勢を真澄は視認する。
「其処ね!」【徹し】【震脚Ⅲ】【舞踏】【手合い】*24
奇襲を仕掛けようとした羅刹に対する逆奇襲。その刃を振われる前に懐にまで潜り込んだ真澄には
直に喰らう打撃に比べれば
「来て!」【式神召喚】*25
\カカカッ/
| Lv8 | 妖鬼 | シキガミ | 耐性:火炎耐性・電撃反射・魔力耐性*26 |
| 道具の知恵・癒 | 真4出典。戦闘中に回復・補助アイテムが使用可能になる。御魂合体で取得 |
| 宝玉 | シリーズ共通。味方1体のHPを全回復させる |
殴り抜く直前に召喚したシキガミにアイテムを使わせて、回復。例え召喚に成功したとしてもシキガミは低級悪魔であり、
真澄の腕も宝玉によって再生し、エリヤを後方にシキガミを傍らに携えて真澄は態勢を整える。羅刹は見える範囲ではこれで排除した。エリヤもこれ以上の存在を感知している様子は見られない。アクシャにはダメージを与えられていないが、下手に攻撃を加えれば自身と同様に骨法による反撃が待っている。安易な攻撃は出来ず、アメノサギリの排除に動こうとしても
| 混迷の霧 | P4G出典。自身に対するあらゆる攻撃を無効化する。 P4G本編ではこの状態の時は攻撃を行わず、補助行動のみ行う為に 補助行動のみ行える物とする |
霧に透かされたかのように何もダメージが入らない。此方に対して攻撃行動を取れる状態にも見えないが、アメノサギリはアクシャと同じ
アクシャと真澄の骨法の技巧自体は凡そ互角。威力も同様であり、唯一違うのは手数のみ。1手か2手か、その差がじわじわと真澄とエリヤを追い詰めていた。時間を掛ければ掛ける程にその差は大きくなり、それを覆すには真澄の<徹し>をアクシャに到達させるしかない。
そうして
| スクカジャ | P4G出典。3ターンの間、味方1体の命中・回避率が上昇させる。 アクシャに適用。 |
| コンセントレイト | P4G出典。次の魔法攻撃のダメージを2倍以上にする。 |
アメノサギリの補助から行動は始まる。アクシャに対する
「
| 真澄陣営 | 速度低下(P3R仕様。真澄・エリヤ) |
| アクシャ陣営 | 攻撃・防御低下(P3R仕様。アクシャ) コンセントレイト(アメノサギリ) |
続け様にエリヤが動く。アイテムによる
「必ず、私の拳を届かせる」
『いいや、お前は此処で何もできずに朽ちる。私がそうさせる』
そして、二人の骨法拳士が同時に駆ける。
| 徹し | 誕生篇(骨法)出典。 肉体の螺旋運動を拳に集めて撃つ骨法最大の奥義。一切の防御点は無視される。剣相性。 ダメージを受けた対象は耐久力チェックを行い、失敗したらそのまま瀕死状態に。 成功しても大成功でない限りは転倒し、ショック状態で次のターンは一切動けない。 この技はエーテル・アストラル体でも無効となる事はない。 威力は骨法技能値×3で真澄もアクシャも特大ダメージとなっている |
両者の振うその拳に宿るそれは拡散ではなく収束、
拳と拳が衝突し、其処から生じた轟音が鳴り響く。アクシャの<豪傑の転心>は発動せず、その身に降りかかった
『おの、れぇ!』
『いい加減、潰れろ!』【バイオレンス】【徹し】
そして、振われるアクシャの二撃目。アクシャだからこそ耐え切れたが真澄が受ければ死か
「これが最後だ!」【援護射撃】
ならばと、エリヤの銃口がアクシャを捉える。真澄に掛けられた
「そこ、ぉ!」【回転打ち】
其処から身を屈ませた真澄がアクシャに向けて掌によるアッパーカットを振う。霊活符による物理貫通は無効以上の対象に対しては大幅に威力が減衰される。しかし、羅刹相手ならば話は別で当たりさえすれば確実にダメージは与えられ、致命傷に至る可能性も十分にあった。それを狙ってのカウンター戦法は確かに有効で、アクシャの攻撃を防ぎつつ真澄が勝ちを目指すのであればそうする事が必要だった。
『図に乗るなよ。貴様を殺す為に私はあらゆる全てを用意してきた!』【MISS】
しかし、その攻撃をアクシャは肉体を半回転させて躱す。羅刹と呼ばれる存在が持つ力の一つである速度の大幅強化。それはその速度故に命中率が大幅に落ちるが、回避もまた大幅に上昇させる代物だった。
其処に加えてアクシャが得た
繰り返される攻撃と反撃。それによって消耗する両者だが、消耗しているのは明らかに真澄の方だった。エリヤの援護も最早期待できず符も此処まで来るまでのシャドウと羅刹との戦闘で枯渇し掛けて、アクシャにダメージこそ与えてはいるものの後一歩が届かない。目の前に迫るアクシャの一撃を凌いだとしても差は開いていくばかりで、勝負を決めるには前に、さらに前へと進んでいくしかない。
「ならっ!」【掌握】
螺旋を描きながら心の臓を抉る様に放たれたアクシャの拳を再びその手で受け止める。<豪傑の転心>も
『死ね!』
「まだよ!」【不屈の闘志】*29
攻撃は避け切れず、受け切れない。ならばもう命を燃やして、それに逆襲するのみ。胴体に突きつけられたアクシャの拳は胸部よりややズれて肩部に命中。真澄の左腕を一撃で打ち砕き、その振動と威力で左腕だったものが肉片と骨片になってぶち撒けられようとも真澄はまだ生きている。
「シキガミ!」【瞬間増強の経】
白兵戦による一瞬の攻防でもそれが重なり続ければ時間は確実に経過する。シキガミが
「堕ちろッ!」【徹し】*30
『ォォオォ!』【掌握】→ 失敗
ついに到達した真澄の<徹し>は想定外の事で
「これで……!」
『まだだァッ!』
| 展開スキル | 200X出典。即時効果。 BOSSのBSを解除し、HPとMPを全快する。 以降の戦闘で即死・HPを直接変更する効果を受けず、 STONE・FLY・PALYZE・POISON・CLOSEにならず、全てのBS%を半分にする。 |
| 即時デクンダ | 200X出典。展開スキルと同時に使用。BOSSに掛けれた低下系効果を解除する。 |
| 即時デカジャ | 200X出典。展開スキルと同時に使用。 敵全体に掛けられた強化系スキルが解除される。 |
『忌まわしい!悍ましい!何故お前のような屑がそれ程の力を持った!私が、俺がその力を得ていたなら一族の再興は叶っていたというのに!』
執念か妄執か、闘志ではない負の思いをくべてアクシャもまた立ち上がる。
「私が、知った事か!」
『知らぬのなら此処で死ぬがいい!貴様の存在ごとその全てを消し潰す!』
潰し合い、殴り合い、罵り合い、再び
『呪え!アメノサギリ!お前達も奴の事は許せん筈だ!』
| 混迷の霧 | P4G出典。再使用する事で攻撃無効化状態を解除する |
真っ赤に染まった霧がアクシャの言葉によりその存在を顕現させていく。霧は実体を得て、スライムのような粘液状のように。それらが絡み合い、群体のように密集しながら至る所に見受けられたのが人間の巨大な瞳。不揃いなそれらは焦点が合わないままに揺れ動いている。
「なに、これッ……!」
「来るぞ!」
| マハガルダイン | P4G出典。敵全体に疾風属性の大ダメージを与える |
実体化したアメノサギリより放たれたのはペルソナ使い以外では対策が難しい疾風による衝撃破。未だに
「しっかりしろ!真澄!」【幸運】*31
「ぐぅっ!」【五分の活泉】
今この場に存在するアメノサギリは一族の祭神、クニノサギリの成れの果てである。三業会との取引で得られた禍津の呪物を取り込み、其処に一族の女達を捧げてこの姿となっている。その歪な誕生過程において能力はともかくその姿までは神その物の姿を保つことができず、贄となった女達の肉体が実体に反映されてしまっていた。
『最初に言っただろう。お前の母は死んだとな。その結果、アメノサギリと同化しただけの事』
「何で!何で此処までするの!」
『同化はあれの本位に過ぎん!』【徹し】【手合い】【舞踏】
「嘘だッ!」【徹し】【震脚Ⅱ】【舞踏】
アクシャが動く。真澄へと一直線に踏み込んでの
「ぁ、っ」
真澄は見てしまった。アメノサギリの体表に浮かぶ瞳。その中で一つ、眼光が真澄に注がれている。その視線に宿る感情は嫉妬と憎悪と怒り、絶望。真澄が母に最後に向けられた、
一瞬だけ、身体が強張る。動けなくなる。その一瞬こそが命取りとなり、
「ぅ、ぇ゛っ」【DYING】
『ハハッ!く、キキキキキッ!』【徹し】
臓腑をもぎ取り、貫いて一撃を以て真澄は動けなくなる。続け様に頭を潰そうとしたアクシャの一撃は自動的にシキガミによって
「くそっ!」
『貴様も死ね!』
\カカカッ/
| Lv58 | 喰奴 | 羅刹天 | 打撃・斬撃反射・呪殺無効・破魔耐性 |
\カカカッ/
| Lv67 | 喰奴 | 羅刹天 | 打撃・斬撃反射・呪殺無効・破魔耐性 |
| 脳天割り | DDSAT1出典。敵単体に物理属性の大ダメージを与える。 術者の残りHPによって威力が増大。 |
| 脳天割り | DDSAT1出典。敵単体に物理属性の大ダメージを与える。 術者の残りHPによって威力が増大。 |
真澄の蘇生に動こうとするエリヤを死角から現れた2体の羅刹が奇襲する。回避と速度に特化したエリヤも
『終わったな』
感情の分からないのっぺらぼうの顔を振り上げて、片腕で真澄の頭を鷲掴みにして持ち上げる。貫かれたお腹から血が溢れ出して止まらずに血の気が引いた虚ろな視線を真澄はアクシャに向けていた。
「かあ、さん」
『安心しろ。直ぐには殺さん。宣言通り四肢を捥いで、羅刹共に凌辱させた後に生きながら喰われて貰う。私もお前の母だったあれもそれを望んでいる』
びちゃびちゃと粘液を撒き散らしながら漂うアメノサギリの瞳の一つは依然として真澄に向けられている。途絶えそうな意識が止血代わりに腹部に突きつけられたアクシャの腕で強引に繋ぎとめられる。
何が悪かったのかと、真澄は走馬灯のように加速する思考の中で考えた。母と一緒に居る為に父に虐げられるままに過ごすのが良かったのだろうか。或いは母の事などさっさと忘れるべきだったのだろうか。
最良は自分自身が一族その物を再興する事だったとは思っている。一族の再興を果たせば、父は少なくとも不承不承ながら自分の事を認めただろうし、母もまた同様だろう。一族の男や女もこんな末路を迎えなかったかもしれない。
ただ、真澄には一族に対する愛着は一切なかった。母と自分を苦しめた忌むべき場所と人達。それ以上の思いはなく、その選択こそ一番有り得なかった。だから母を救う事は恐らく自分には出来ない事なんだろうなと口から血を吐き出しつつ、思った。
「ごめんね」
零れ落ちていきそうなあまりに小さな呟き。それは果たして誰に、何に対する謝罪だったのだろうか。連れ出す事が出来なかった母に対してか、此処で死んでしまう事を悲しむであろう人達に対してだろうか。最早指一本動かす事の出来ない真澄にとってそんな思考は意味もなく、苦痛に満ちた意識の中でただその末路を受け入れようとして
「ワイルド、ハント」
聞き馴染んだ少女のような少年の声と共に吹き荒れる万物を薙ぎ払う青緑の極光。それと共に発せられた機関銃のように何百発も射抜かれた矢の嵐が羅刹とアメノサギリを射抜いて吹き飛ばしていく。
『貴様、何故ここに!?』
衝撃と矢弾によってアクシャも後退り、その声の主が真澄の身体を受け止める。
\カカカッ/
| ウィッチ(♂) | 久遠 フェイ | Lv86 | 全てに強く破魔吸収。 技・火炎・氷結・呪殺反射。BS無効*32 |
「ぶっ潰す」
仲魔を引き連れ、戦場に現れたフェイはこの惨状を齎した敵を殺意を以て睨みつけていた。
<神城 真澄>
骨法ミラーマッチで相手は2回動くという割と上位互換なアクシャに意外と粘ったが、一族の中で唯一好きだった母がアメノサギリに取り込まれた上に決別されたトラウマを刺激されて一瞬の隙を突かれて撃沈した。
<久遠 エリヤ>
援護射撃やらで真澄の生存線を保ってた人。羅刹と殴り合って真澄がギリギリの所で生き残ってた原因。
問題は自前の火力が銃に依存していて、特大威力クラスではない事。
<久遠 フェイ>
現在進行形でぶちぎれてる。
<アクシャ(神城 久作)>
もっと狡い手なんかで勝とうと作者は考えていたが思った以上に肉弾戦してた人。
自前だとlv16がレベル限界な骨法を使う只の異能者だったが、京都ヤタガラスやら三業会やら天魔衆に擦り寄って骨法のイマージュと羅刹の力を手にした結果、バケモンになった。
強さへのハングリー精神だけは高いのとイマージュ元との相性及び羅刹の力という物理を扱う上で大分相性の良い力を手にしているのでそれなり以上に強い(大体通常羅刹+骨法+獣の反応な構成)
とはいえ力を手にする過程で大分人格が歪んでいる。
<アメノサギリ>
P4G本編と同様のデータだが実態は大分違うシャドウ。
一族の祭神クニノサギリ+三業会がくれた呪物(アメノサギリ)+一族の女(真澄の母親もin)を混ぜ込んだ結果として見た目がブラッドボーンのメンシスの脳みそみたいになっている。
<三業会の人>
アクシャこと久作と取引した人。主に四神関係の結界技術やイマージュ元の死体・遺産なんかを条件にあれこれ取引をしていた。いやぁ誰の事なんですかね。
<徹し>
多分誕生篇と覚醒篇のデータ作ってる人に骨法信者が居るのかなと思う位には強い。
体感雲耀と同等クラスに強い気がしている。
<シキガミ>
場違いな戦闘に出されるレベル一桁。最低スピードでもアイテム使えれば手数として動く事が出来る。問題は命の保証が一切ないって事。今日もシキガミは符にされて召喚されてアイテム使っては死んでいっている
・物理貫通(D2式)を取得し、魔法を一切使えなくなる(物理スキル・アイテムは使用可能)
・物理攻撃時に通常の2倍のダメージを与える。但し、敵から物理攻撃を受けると通常の2.3倍のダメージを受ける。
・クリティカル率が大幅に上昇する(+90%)が、敵からの攻撃のクリティカル率も大幅に上昇する(+60%)
・回避率が大きく上昇するが、命中率が大きく下がる。
リベリオン※D2:自身を会心状態にし、次の攻撃をクリティカルにする。
命中・回避率を上げる
相手の格闘攻撃に対する防御技。威力分(骨法技能値+5参照)だけ相手の格闘攻撃によるダメージを軽減する。この技に成功した場合、骨法の特技を使った攻撃を1回行う事が出来る。
この攻撃はそれぞれ別の対象を取ることが出来る。また、掌打である為にこの攻撃は物理防御点を半分として扱う。威力は骨法技能値×2を参照して、特大ダメージ程度
軽く曲げた両手が互いに触れ合うような骨法独特の間合い。
この効果を発動した場合、術者は<手合い>の距離に踏み込み、
相手の攻撃を封じ、骨法の力を最大限発揮する。
<手合い>の距離内に居る敵は命中・回避値を-威力(骨法技能値参照)。
<手合い>の距離から脱出するには<速さ>による競争チェックに勝つ必要がある。
補助スキル。消費したカードの悪魔を召喚する。真澄はこれを特殊な式神符によって発動する事ができ、他の符と同様に自力での製作が可能。但し、その制約によりこの式神召喚ではシキガミ或いはシキオウジしか召喚できず1体までしか使役できない。