真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
戦端は開かれた。
国会議事堂におけるヤクザの暴走から始まった一連の暴動は永田町から千代田区へと広がり、さらにその規模は全国にまで膨れ上がっている。
ある場所ではヤクザと自衛隊・警察との銃撃戦
ある場所では秘神とデビルバスター達による死闘
ある場所では戦いにもならずヤクザが蹂躙されて
ある場所では戦いに巻き込まれた一般住民達が虐殺されている。
この世界にある闇は深く、暗がりは至る所に存在している。故に逃げ場はなく、全ての者達に平等に遍く危機は訪れた。
外道は狂笑して暴れまわり、悪鬼は吼え猛り被害を拡大させている。黒幕共はこの戦いを制するべく約束の地へと赴き、その時間は迫っている。この地に集った戦士達はそれを察知し、戦場となったこの地を駆け抜けた。
それを押し留める様に現れた外道が三つ。鬼、河童、天狗。三大妖怪改め三大化骸。各々の目的は違えど、
それらはさながら地獄の門番のように怨嗟と殺戮と恐怖をこの地にばら撒き続けた。
―――丸の内ビル街
平時はその高いビル群と数多くの娯楽施設。並びに緑豊かな景色が人々の心を和ませて、多くの要素で人を惹き付けるその場所は阿鼻叫喚の地獄と化していた。
\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/
| Lv56(+30) | 邪鬼 | ウェンディゴ |
| Lv50(+30) | 凶鳥 | フリアイ |
| Lv74(+30) | 邪神 | ミジャグジ様 |
| Lv57(+30) | 妖獣 | アツユ |
| Lv48(+30) | 屍鬼 | コープス |
| Lv65(+30) | 幽鬼 | ベイコク |
| Lv59(+30) | 悪霊 | ファントム |
| Lv62(+30) | 外道 | ブラックウーズ |
| Lv65(+30) | 邪龍 | タラスク |
| Lv49(+30) | 妖鬼 | ハンニャ |
| Lv44(+30) | 妖樹 | サンショウ |
悪霊、邪鬼、凶鳥、邪神、外道。即ち悪鬼羅刹、魑魅魍魎の群れが狂乱と共に丸の内に出現。千代田区に現れたヤクザにより多くの一般市民は家に引き篭もるか或いは区外に出てはいたが、この丸の内は日本有数のオフィス街である。多くの企業が本社を置き、故に昼間であるならばどんな時であれ人が集ってしまう場所だった。
\カカカッ/
| Lv68 | コマンダー | 白河 大輔 |
「悪魔の掃討と住民の救助を並行で行え!弾幕を張り続けろ!」
\カカカッ/
| Lv72 | 警察官 | 斎藤 一 |
「どんだけ斬っても先が見えないんだけど!?」
\カカカッ/
| Lv72 | 警察官 | 杉本 佐一 |
「横浜を思い出すな、この量は!状況はあの時よりさらに悪いが!」
故に現れた悪魔共にとってこの丸の内という地は餌箱でしかない。表に居る人間から順に喰われるか弄ばされ、それらは徐々に建物内にまで浸透していく。その場に居た悪対や自衛隊666部隊が悪魔の掃討を開始するが
これには絡繰りがある。まずこの地に敷かれた徳川曼荼羅、それの反転によって秩序は衰え、混沌の力は高まっている。阿修羅会並びにそれに所属する
そして、問題なのが
| 隠形舞天 | 誕生篇(タオ)出典 |
| 龍脈のある場所に陣取り、遁甲陣を描いて、其処に異界への門を開く。ゲートパワーが威力分(タオ技能値)だけ上昇して、強力な悪魔を召喚する事が出来るし、異界に飛び込んで逃げる事も出来る。 |
| 追記:基本システムにおいてこの術は魔界に移動する術として扱われる。これを利用して異界を魔界に置き換えてこの術を発動している |
| 奇門遁甲符 | 誕生篇(符術)出典 |
| この符を8枚作成し、敵を包囲する位置に張る事で心霊や悪魔の通過することのできない結界を作る。威力(符術技能値)以下の悪魔はその結界を通過できず、その場所に封印されてしまう。尚、既に異界への門が開きかけてる場所で符の向きを逆転させて使用すると、封印する代わりに人間が通過できる魔界への門を開く。有効期間は威力×1ターンまでだが隠形舞天によってそれは維持され続ける |
この地に敷かれた隠形舞天及び逆向きの奇門遁甲符の結界により、魔界・異界より悪魔が大量の流出している。この陣を敷いた者の仕掛けにより召喚される悪魔はより邪悪で混沌に近しい物に限定。強さは補えるが故に質ではなく数を重視。
本来低級である悪魔達が雪崩となって溢れ出し、この地を埋め尽くさんとしている。
\カカカッ/
| Lv69 | ガンスリンガー | 藤堂 晴香 |
「駄目、全然追いつかないよこれ!」
\カカカッ/
| Lv65 | ガンスリンガー | 茂木 冴子 |
「あの悪魔達、なんでこれだけ撃ってるのに止まらないの!?」
\カカカッ/
| Lv67 | ガンスリンガー | 葉山 弘司 |
「奴ら、様子がおかしい。そういう風に術か何かを掛けられている!」
悪対と自衛隊666部隊による一斉掃射。消耗を度外視した確実に通る相性無視の弾丸による掃射でも悪魔の勢いは止まらない。自らの身体が欠けても、撃ち殺されようとも狂ったように弱者である市民目掛けて喰らいついている。
スーツを着た男が全身を千切られて妖鬼に喰われている。
悪霊が子供に憑き、悪魔となった子供が母親を嬲り殺している。
歪に嗤う邪神が老若男女問わずに人々の身体を犯して、冒している。
「前に出て、私が囮になれば……!」
「やめとけ!お前もさっきの見ただろうが!」
喰われる住民を見て、前に踏み出そうとする晴香を葉山が止める。レベルは上がり、その凶悪さも増大しているが今の環境を踏まえれば雑魚に等しい能力と耐性しか保持していないそれらは集団であっても脅威度はやや下がる。故に自らを囮に救助を優先しようと奔走する者もいた。
『良いぞ!やれるものなら踏み出せばいい!我らが相手になろうぞ!』
\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/
| Lv35(+30) | 軍勢 | 恨みの群れ |
| Lv35(+30) | 軍勢 | 恨みの群れ |
| Lv46(+30) | 軍勢 | 悪霊の群れ |
| Lv46(+30) | 軍勢 | 悪霊の群れ |
| Lv43(+30) | 軍勢 | 野火の群れ |
| Lv43(+30) | 軍勢 | 野火の群れ |
| Lv80(+30) | 軍勢 | 天狗の群れ |
| Lv80(+30) | 軍勢 | 天狗の群れ |
空から甲高い、耳障りな老人の声が響く。見上げれば浮遊する多くの悪魔と鴉のような化物の群れ。囮になった者を突け狙うかのように妨害・攻撃して、消耗したそれを悪魔に喰わせる畜生共。その被害はある意味地に群がる悪魔より甚大であり、無視できない数の戦える者が喰われて犯されて
地には這う蟲のように、天には蠢く羽虫のように。動物の死肉を貪るかの如く、悪魔達は丸の内という町そのものを喰らいかけている。それを作り出した者が宙に浮かぶ群れの中でせせら笑う。
\カカカッ/
| Lv92(機械式Lv99) | 魔王/合一神 | ダイテング |
赤鼻を揺らし、空を統べる王者のように傲慢にその情景を眺めながら魔の者達を統率している。
『カカカッ!我こそは三大化骸!!魔王ダイテングなり!!』
ダイテングの目的ひいては三大化骸という存在の目的は単なる足止め。霞が関という要地にて起こるであろう決戦。その不確定要素を一つでも削る為に各々の戦場に配置されている。
ダイテングの主である
足止めの為に一番必要な要素はそれから目を離せず、動く事もできずにただ対処させるしかない現状に追い込む事。だから数は少なくとも強く凶悪な悪魔ではなく、弱くとも数は多く賢しい悪魔を呼び出した。その上で命じたのは
キリギリスもヤタガラスも警察も自衛隊も本質を言えば守りし者。ならばそんな者を無視して、何としてでも先に守るべき者達を潰すべきだとダイテングは判断した。とはいえダイテングは悪魔を呼び出せてもその方向性を暗示できるだけで使役している訳ではない。故に呼び出した悪魔達の行動もまたそれぞれの本能のままに異なり、それもまたダイテングに有利に働いた。
腕だけ食い千切られて泣き叫ぶ者やどうあがいても助からない状態なのに助けを懇願する者。面白半分に壁に縫い付けられて無傷な者も居れば、骸を玩具代わりに扱われて原型を留めていない者もいる。
その差異が戦う者達の心を軋ませた。手を伸ばせば助けられそうな者と助けられない者が周囲に点在して、乱戦である為にその区別がつきにくい。
戦況は人間側のジリ貧という形でダイテング側に傾き、その最中にダイテングは現状を整理した。
『(現状は此方の優勢。だが思ったよりも住民を見境なしに悪魔を殺しに来ている。住民を狙うという制御を外して、制御分のリソースを召喚数に当てるとしよう。プランB自体は問題なく、全国の秘神と魔丞は問題なく稼働している。大勢で言うのであれば凡そ目論み通りだろう)』
各地の仕掛けや罠は凡そ全て作動している。だからこそダイテングもまたこの地の龍脈を一時的に奪取し、不完全な形とは言え魔界の門を開いて悪魔を流出できている。とはいえ其処までして自分達はやっと勝負の土俵に上がれている事も分かっている。
阿修羅会の本隊は決して弱い訳ではないが、この世界の強者を相手取るには些か力不足が過ぎる。様々なズルをして現状イーブンかやや劣勢の状況に持ち込めてはいるが、時間を掛ければかける程に不利になるのは明白だった。
特に問題なのが丸の内へ移動する最中に此方に銃撃をしてきた
『(奴らは要注意人物に載っていなかった。漂流者?いや、それであのレベルは有り得ん。儂ですら正確なレベルが分からなかった)』
神通力を利用した千里眼を以て確認できたのは上限を確認できないレベルの三人組が居た事のみ。異様なまでの命中精度で天狗の軍団の一つは半壊し、前情報なしに相手取るのはあまりに危険と即座にダイテングは退避を選択して情報を即座に味方に拡散した。
『(あの三人組自体からそれ以外の情報はほぼ取得できなかった。しかし、微かに残った貴様の気は感じたぞ
石鎚山法起坊ひいては役小角。修験道の開祖にして最初の山伏。ある意味ダイテングが目指すべき存在であり、魔王であるが故に決して届かぬ存在。それにまつわる者であれば、ああ、納得はできる。ならば差し詰め、あれらは奴の切り札なのだと当たりをつけて
『む?』
ダイテングが思考を余所へとやり、場を改めて俯瞰した。悪魔共の動きに変わりはなく、戦況は依然として此方が有利。ならばと異変の正体を確かめようとして、一迅の風が吹くのを察知した
\カカカッ/
| Lv83 | 警察官/シャドウ使い | 劉鳳 |
| 法皇 | ナントセイクン | 物理に強く、魔法に弱い*1 |
「オオオオオオオオッ!!!」
| 旋風陣 | P2罰出典。敵全体に疾風属性で大ダメージを与える |
空を駆る
『しかし、それだけではな!』
軍勢に穴はこじ開けられて、隊列は乱れた物のその数はやはり圧倒的だった。風はダンテングに到達する事はなく止んで、ギロリと羽虫のような悪魔達は劉鳳に目を向ける
「頼んだぞ!」
それから逃れるように機動する劉鳳は合図するかのように叫び
\カカカッ/
| 巫蠱衆 | 葦名弦一郎 | Lv81 |
\カカカッ/
| 雷電属 | アスタロト | Lv74*2 |
「承知した!これ以上、踏みにじらせはせぬぞ!」
ビルの屋上、時代錯誤の鎧武者のような恰好をした戦士が大弓を番える。狙うは大将、大天狗の首のみ。劉鳳の吹き荒らした疾風によって通った射線を掻い潜る様にして、その矢に雷撃を宿した。
| タルカジャ | SH1出典 |
| 味方全体の物理攻撃力を1段階上昇させる。事前に他の仲間により4段階付与済み |
| 電撃高揚 | IMAGINE(特徴)出典 |
| 雷の扱いに長けた悪魔。電撃相性のスキル使用時、威力が50%上昇する。アスタロトが習得 |
| 紫電のネックレス | P5R(アクセサリー)出典 |
| 電撃ハイブースタ(電撃属性1.5倍)を習得する。弦一郎が装備。 |
「貫けッ!」
| 極雷電忠義突 | ライドウ対アバドン王(合体)出典 |
| 敵全体に電撃属性の超特大ダメージを与える。雷電属アスタロトが習得する。本来はライドウの刀区分における槍でしか発動が行えないが弦一郎は己の収めるその弓術の応用でそれを大弓による槍状の矢の発射で行っている |
天から放たれる稲妻はそれに逆らうように天を穿ち、瞬く間に拡散した電撃が空に火花を撒き散らしながら悪魔を浄滅させていく。されど
『惜しいな!
| 風神符 | 誕生篇(符術) |
| 風神の力を借りて、符が対象の周囲を飛び回り、射撃武器・銃弾・投擲武器を叩き落とす。威力と同じ回数だけ防御してくれるが、戦闘が終わると符は無効化される |
肝心の矢はダイテングに到達する寸前に符によって叩き落された。無傷のダイテングはその現状に嗤いながら、空の軍勢の四分の1を失った事により思わず歯噛みした。
「今のは……」
「真澄殿が使う符術、それと同タイプの物だろう。加えてタオに神通力を奴は扱う」
『ご名答!しかし、それが分かったとてこの現状を如何する!』
軍勢へのダメージは大きいが地上での状況は依然として優勢。空に届き得る戦力は現状この二人のみであり、まだ地上に届き得る敵が居たとしても空に手を伸ばせる状況ではない。優先事項を二人の殺害へと切り替えたダイテングは悪魔達へと指示を出し、自らもまた術を唱える。
『貴様達が守ろうとした大衆はその多くが既に息絶えた!悪魔はさらに増え続け、この地を骸にした後にさらに広がり、拡散するだろう!』
宙に浮かぶ悪魔が急速なスピードで再展開されている。開かれた魔界の門は徐々にだが地上と魔界との距離を縮ませて、それに応じて悪魔の出現スピードも速まっている。不完全な形の開門と半端にだが残った徳川曼荼羅の影響で
『選択をくれてやろう!民を見捨てて、門を閉じる為に儂を全力で討つか!それとも民を守る事を優先して、門を閉じられず我らの増大を止められぬか!何も為せずに全てを失って死ぬか!』
ダイテングは叫ぶ。味方を鼓舞する為と敵の士気を下げる為という単純な理由にて、自身を完全無欠の魔王である事を主張する。今ある現状程自身には余裕はないが、抜かりはない。いずれ敗れるとしても最後に嗤う為に外道は大袈裟に声を上げて
「なら、其処にお前自身が無残に死ぬ選択肢も付け加えるんだね」
『何……?』
付近に散布された高密度のMAGと自身と同様の
\カカカッ/
| Lv88 | ウィッチ(♂) | 久遠 フェイ | 全てに強く破魔吸収。技・火炎・氷結・呪殺反射。BS無効*3 |
目に映ったのはこの情景に対してあまりに浮いた少女だった。金髪の髪を揺らしながら、肌を露出したワンピースを纏い、箒に乗って浮いている。それは童話の魔女のように見えて、しかしそのレベルとその存在感。何より
『待て、貴様……ッ!』
「出し惜しみはなしだ。領域展開」【高速詠唱Ⅲ】【デトラ】【■■の輪】
同時刻、北の丸公園付近。
丸の内と同様にこの地においても異変は発生していた。北の丸公園より突如として溢れ出した水が付近の堀や武道館すら冠水させながら拡大し、それは皇居にまで迫りつつある。
そして、この溢れ出した水は幾つかの性質を持ち合わせていた。
\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/
| Lv52(+30) | 妖獣 | スイコ |
| Lv52(+30) | 妖獣 | スイコ |
| Lv52(+30) | 妖獣 | スイコ |
| Lv52(+30) | 妖獣 | スイコ |
| Lv52(+30) | 妖獣 | スイコ |
| Lv52(+30) | 妖獣 | スイコ |
| Lv52(+30) | 妖獣 | スイコ |
| Lv52(+30) | 妖獣 | スイコ |
| Lv52(+30) | 妖獣 | スイコ |
| Lv52(+30) | 妖獣 | スイコ |
| Lv52(+30) | 妖獣 | スイコ |
| Lv52(+30) | 妖獣 | スイコ |
一つ目が溢れ出した水の表面より発生する妖獣の群れ。水虎とも評されるその妖獣は河童とも混同される伝承を持つ水魔であり、それが凡そ無尽蔵に止めどなく水の中から這い出てきている。
妖獣である為に
\カカカッ/
| Lv70 | ファイター | アナンタ | 耐性:物理・魔封・破魔・呪殺無効 |
「こんにゃろーっ!」【大車輪】*4【タルカジャ】*5【ラクカジャ】*6
\カカカッ/
| Lv68 | トリックスター | ベネット | 疾風・破魔・呪殺無効 |
「風よ!」【マハガルダイン】*7
その場に居るDB並びに自衛隊・ヤタガラスが各々一斉に攻撃を仕掛ける。北の丸公園付近の現在の水深は30cm程。外へと波が流出している以上、本来さらにあっても可笑しくない水量は不気味な程に少ない。
水面の色は深い海のように青暗く染まっており、揺れ動く水面から倒した筈のスイコ達が何度も現れる。どれだけスイコを倒そうとも溢れ出す水は浸水30cmをキープしつつ外へと流れていって、波となったそれからスイコが現れて侵略を開始する。
皇居に到達しつつあるスイコや波は近衛の一人、夏油傑によって抑えつけられているが他の地域では徐々にだが確実に影響が出始めていた。それらの水はまるで一つの生物のように、確かな意志を以て動いている。
「んもーっ!何こいつら!斬れるには斬れるけど倒したら水にぼちゃんって落ちて消えてなくなるし!かと思ったらまた出てくるし!」
「核がある場所は分かってるんだけど、いたちごっこね。これじゃ」
何故水が溢れ出したのか。その答えを指し示す存在は北の丸公園の中心部にて今も顕現している。
\カカカッ/
| Lv89 | 秘神/?? | カッパ |
其処の見えない真っ黒な水面に浮かぶ5m程の巨体。一つ目の体毛を生やした緑色の河童のような何かだった。瞳は虚ろにだらりと垂れ落ちた長い舌べらが時折動いて、その度に付近の水面から夥しい数のスイコが現れている。
| 200X(神威)出典。改変スキル |
| シーンまたは戦闘終了まで使用者は火炎無効を得る。また、氷結相性の攻撃がクリティカルした場合、2倍ではなく3倍のダメージを与える。使用者が格闘攻撃を行う場合、相性を氷結に変更してもよい。この効果は強化系スキル或いはシーンBGMの変更で解除されず、このエネミーの消失を以てのみ解除される |
放出される水は全て秘神カッパと定義された悪魔によって作り出された物だ。通常の水とは違う、多量のMAGの籠ったそれらは未覚醒者が触れれば瞬く間に発狂。そのまま水に呑み込まれてしまえばそれはスイコとなってしまう。
そして、北の丸公園に存在していた住民の多くはこの水に呑み込まれてスイコの仲間入りを果たしてしまっていた。何とか救助された人々も河童に憑かれて、精神を保てていない。その面倒極まりない特性故に多くの覚醒者はこの対処をする為に足止めを喰らっている。
「でも、何とかあいつらの近くまで行けば……うわぁっ!」
「アナンタ!?」
前に踏み出そうとしたアナンタの片足がずぷりと水の中に沈んだ。下を見れば、脚に取りつく数匹のスイコ。そのさらに下に数十体のスイコの瞳がアナンタを捉えている。
「っぅっ……!」【BIND】
藻掻き振り払おうとするアナンタの動きを止めたのはスイコ達より付与された
本来は十二分に対処可能であるそれらはスイコのあまりに多い数によって無理矢理覆されている。アナンタに掛けられたスクンダは最大まで。シバブーに至っては十数回は優に掛けられている。数を撃てばいつかは当たる物であり、無効以上でなければそれを防ぐのは至難の業だ
「こんな時に……!」
そして、外部よりそれを妨害しようとするならば水面より現れたスイコ達によって文字通り波に流される。水撃属性は非常にマイナーな属性に該当し、
だからこそ、戦う者達は秘神にまで追いつけない。ただでさえ動き難い水面というフィールドに凡そ無限に現れるスイコ達。スイコ達を倒す事を優先すればその隙に外部に波が流れて其処から水面が広がってゆき、波自体を止めようとカッパの打倒を目指せばスイコ達の妨害を受ける。最悪の場合、スイコ達によって動きを止められて覚醒者ですら水の中に引きずり込まれる危険性があった。
一度引きずり込まれてしまえば浸水30cmという幅を遥かに超えた真っ黒な海しか見えなくなり、その周囲には無数のスイコが群がっている。
「アナンタ!!掴んで!!!」
水中という状況化でそうなってしまえばどうなるかは容易に想像がつき、アナンタもまたその末路を辿ろうと下半身が水中へと沈んでいく。ベネットは必死にそれに手を伸ばして
「マハジオダイン」
その間際に奔った雷撃がアナンタ諸共にスイコ達を薙ぎ払った。
「ぬわぁああああぁあっ!」
「ふんっ!!!」
電流を浴びて滅茶苦茶痛がりながら自由の身となったアナンタを黒スーツを着崩したホストのような長身な男が無理矢理水中から身体を引き上げて救出する。黒焦げになりつつも五体満足のまま助け出されたアナンタを見て、感謝を告げつつもベネットは三人の元に駆け寄った。
「痛い!痛いんですけど!助けてくれたのは嬉しいんだけど、もうちょっと助け方ってもんがあるんじゃないですかねぇ!?」
\カカカッ/
| Lv81 | 魔術師 |
「この水、電撃は通さないか……っと、すみません。でもあれ以外で間に合いそうにありませんでしたから」
\カカカッ/
| Lv82 | 八極拳士 | ジョンス・リー | 物理に強く、打撃・破魔・呪殺無効 |
「ぐちぐちうるせぇな。お前、物理無効なんだから良いだろ別に。後、ちゃんと感謝を言え」
「むきーっ!!あたい許せへん!!でもありがとう!!」
「情緒おかしくなってるわよ、あんた」【メディラマ】
引き上げたアナンタと共にジョンスが前に立ち、回復を行いながらベネットはシロエと共に後衛へと移る。一人の戦闘者の脱落こそ防いだとは言え、状況は好転してはいない。
「そんで
「何か含みがあるようですが……とにかく、今の僕達に出来るのはスイコを削り続けてこれ以上の波の浸食を防ぐ事になります」
「でも、それだけじゃ……っ!」
「そう慌てるもんじゃねぇ」
\カカカッ/
| Lv76 | ヤクザ | 花山 薫 | 物理・銃撃に強く、破魔・呪殺無効 |
「そいつも色々考えてんだ。話は最後まで聞いてやれ」
\カカカッ/
| Lv79 | サマナー | 新城直衛 |
| Lv74 | 天津神 | タケミカヅチ*8 |
「君達の奮戦によって我々も間に合った。それには意味がある」
「御二人共、準備は?」
「あいつらもスタンバイは完了した。いつでもいいぜ」
「タケミカヅチにバフは積んでいる。問題ないよ」
「では御願いします」
190cmを超える巨体に多くの傷を顔に刻んだ明らかにヤクザもんの男、花山はアナンタとシロエの言葉にそう返しながら、野球選手のように大きく振りかぶった。同様に新城もまたサマナーとしてタケミカヅチに指示を出す。
「狙いは分かってるな!」【S烈攻の秘法】*9【タルカジャ】*10
『応!水神の眷属なぞ我が雷撃の敵ではない!』【らいでん】*11【電撃高揚】*12【武神の威光】*13
「射線は通した!投げろ!」
「オぅっ、らァッ!!!」
されどもスイコ達が戦場に完全に現れるまでには幾分かの猶予があった。猛獣の雄叫びのような掛け声と共に花山が投げ飛ばしたのはMAGが込められた拳大の鉄球を。多大なまでの筋力及び
無論、この投擲を以て秘神を殺す事は不可能だ。召喚や波の展開を除いたとしてもそれの強さはレベル相応の
\カカカッ/
| 導師 | 東堂 葵 | Lv78 | 全てに強く、破魔・呪殺無効 |
「貴様に近づく為だ。秘神カッパ、
| 不義遊戯 | デビサバの神獣固有特技<瞬転の舞>の効果改変(オリジナル効果) |
| 東堂葵のみが用いる事が出来る搬運功を用いた奥義。 射程6(距離6)の中から効果に同意する対象1体或いは1チームを2つ選び、その互いの対象の位置を入れ替える。発動条件が手を叩くという簡易的な動作の為にこの効果は1ターンに1回まで即時効果として扱う。即時効果として利用或いは1チームを対象にこのスキルを使う場合、消費MPが倍増する(両方の効果を適用する場合は4倍となる) |
東堂葵による不義遊戯、それによる東堂葵と秘神に迫る鉄球との位置替え。周囲に群がるスイコ達を鉄球の勢いのまま跳ね除けながら、東堂葵と共に転移した
\カカカッ/
| Lv89 | 巫女 | 神城 真澄 | 耐性:凡そ全てに強く、火炎・氷結・ 破魔・呪殺・精神・神経・魔力・緊縛反射*14 |
「はあああああああああっ!!!」【徹し】*15【格闘威力強化(体)Ⅲ】*16【アドバイス】*17【震脚Ⅲ】*18【舞踏】*19
踏み込み、大地を震わせながら秘神に渾身の掌打が直撃した。秘神自体はよろけたものの健在で、徹しの衝撃破により吹き飛ばされたスイコを踏み台に東堂と真澄に大量のスイコが襲い掛かる。
「やはり、駄目か」【不義遊戯】*20
再び、拍手。鉄球と東堂・真澄の位置が入れ替わり、二人はアナンタや花山らと合流を果たした。シロエの傍にて着地した真澄は拳の感触を確かめながら、秘神を睨みつけている。
「ダメージ、通りましたか?」
「通ってはいるわ。でも無理ね。これを繰り返してもあれは倒せないし、日が暮れるわ」
確かなダメージを与えた感触はある。少なくとも万能への耐性はなく、特殊な装甲も持ち合わせていない。されども、唯々その命を屠るにはこの程度では遠すぎた。
| 始まりの一滴 | D2出典。アプスー固有(劣化) |
| 氷結貫通を得る。クリティカル率100%増加。自身のバトルスピードへの影響が50%増加。 1ターン目開始時、連動効果「味方全体をリディア状態にする。」 自身が生存中、味方全体は次の効果を発揮「MPの自然回復量が増加する。さらにリディア状態のとき、全ての状態異常にかからなくなり、受けるダメージが20%減少する。」自身を含む味方が悪魔を倒したとき、連動効果が発動「味方全体のステータス弱体化効果を解除し、味方のプレスターンアイコンを1つ増加させる。(1ターン中1回)」 |
| ナハルの裁き | D2出典。ヤム固有。2ターンごとの自分のターン開始時、 次の連動効果が発動。「敵全体に氷結属性の魔法型ダメージを威力120で与える。攻撃成功時、2ターンの間、敵全体の回避と命中を20%減少させる」 |
「アプスーにヤムを軸に海に纏わる化物や神格が混ぜられてる。それをカッパという存在伝承で袋のように包んでいるような感じかしら。フランケンシュタインみたいなもんね。ただ、それだけ詰め込めば普通は自壊するわ。カッパが秘神なんてのも可笑しいしね」
複数の神格を織り交ぜて、それを河童という形で纏め上げたのが秘神の正体である事は間違いない。しかし、それには幾つかの矛盾があるし何より有り得ない。そもそもとして多くの文化と織り交ぜ合い、妖怪としてもポピュラーな存在である河童は秘神に該当しない。
零落した水神単体をカッパと定義するならばそれも通るかもしれない。が、原初の海神という特大の異物を混ぜ込んだ眼前の存在は最早秘神であること自体が有り得ない話だ。
「それでも尚あれが秘神なのはあれが別の秘密を抱えているからに他ならないわ」
あれはなぜ秘神なのか。何をあれは隠しているのか。真澄は考えを巡らせた。
花鳥風月の作り出す秘神は合体を続けた悪魔人間の成れの果てであり、それはフェイと共に打ち倒したアメノサギリと同様の要素を含んでいる。秘神カッパの原材料も人間と捉えるのは間違いない。殴り抜けた感触は人を殴った時と同じだったから
「ならば暴かなければなるまい。あれは秘神で、怪物だ」
東堂が続くように言葉を重ねる。誰かが言った怪物の定義。
他の場所も余裕はなく、これ以上の増援は見込めない。現戦力にてあの神を打倒しなければならない。
「観測し、明らかにする。それを以て完全無欠の神をただのアクマに引き摺り落としましょう。僕が指揮を執ります」
シロエが発した言葉を共に戦士達は態勢を立て直し、浸水の最中に背水の陣を引く。相対する悍ましい秘神一柱と無尽の眷属が怨嗟の声を漏らす。その衝突は、誰が合図する必要もなく直ぐに訪れた。
同時刻、千代田。千代田区の中心部に位置する其処は宮内庁・皇居に位置する場所でもあり、国民として絶対に守らなければならない要地でもある。
それよりやや下の霞が関と永田町との隣接区域にて戦いは起きていた。きっかけは変貌した霞が関駅の異変を察知したデビルバスター達がこの区域に近づいた事。ヤクザの暴動や悪魔の暴走、其処に曼荼羅による強化・弱体はあったもののそれを突破した末に彼らは存在すべきではない者達を確認する。
\カカカッ/
| Lv85 | 軍勢 | 羅刹天の軍勢 | 打撃。斬撃反射。呪殺無効。破魔耐性*21 |
\カカカッ/
| Lv85 | 軍勢 | 羅刹天の軍勢 | 打撃。斬撃反射。呪殺無効。破魔耐性*22 |
\カカカッ/
| Lv85 | 軍勢 | 羅刹天の軍勢 | 打撃。斬撃反射。呪殺無効。破魔耐性*23 |
壊滅した天魔衆、大量の羅刹達が跋扈しているのを垣間見た。先の多くの事件により天魔衆の攻撃性・危険性は知れ渡っており、天魔衆の本部が壊滅した事も同様に既に拡散済みの情報だった。
そうである筈なのに其処には残党というには有り得ない数の羅刹が居た。奴らがその場で行っていたのは市民の虐殺や建物の解体による通行の封鎖。
其処まで確認したデビルバスター達は増援を集めながらも交戦を開始。近接戦では羅刹には圧倒的に分がある事からアウトレンジからの一斉射撃により掃討によって対処を行い、それ自体は概ねうまくいっていた。数が多い為に直ぐに殲滅とはいかないが、弱い所さえつけばその攻撃性能を発揮できずに死ぬのが羅刹である。
迫りくる羅刹を複数人による一斉射撃で射殺という工程を繰り返し、順当に制圧を続ける彼らの前に
\カカカッ/
| Lv96 | 羅刹/喰奴 | ビビサナ | 不明 |
『成程。コモンアートマ相応では相手にならんな』
羅刹の死体を無造作に踏みにじる巨体の鎧武者がデビルバスター達の眼前に立ち塞がった。明らかな雰囲気の違い、格の差。何より羅刹にあるべき獰猛な獣のような本能が薄いその存在に一時的な退却を選択しようとヤクザから強奪した【煙幕弾】*24を使用しようとして
『逃がす気はない。死ね』【諸天救勅】*25
逃げれずに虐殺は始まった。
ビビサナを名乗る羅刹が逃走禁止の魔法と思わしき物を発動した時点で死の予感はしていた。そして、その予感通りの結末がデビルバスター達に訪れた。
羅刹に通じた銃撃も何らかの障壁で防がれ、魔法による攻撃も難なく避けられた。近接攻撃を羅刹に仕掛ければ、それは当然対策なしならば無意味で
距離を取っていたとしても意味なく、数十mを瞬く暇もなく飛んで切り裂かれた。あまりに鋭い斬撃により発生したソニックブームが全身に伝わり即死した。ビルを盾に視線を振り切った者もまたビル諸共に両断されている。
羅刹に付け入るべき隙の多くを潰して、その力を制御しながらもそれは確かに羅刹を名乗る人喰いの鬼であった。殺した者達の死肉を喰らいながら、この地に訪れる者達を唯々斬り捨ててた。
時が経ち、初見ではない故にビビサナの情報は拡散されて踏み入る者も徐々に対策を講じてきている。それでもこの地は未だに突破されていない。単純に力の差がある点と他の羅刹の削りを侵入者は優先している。結果として訪れたのは膠着状態。
デビルバスター・自衛隊を含む突破側は安易にその地に踏み入れば二の舞を踏む事になるから、多くの者はビビサナに近づかずに羅刹に対する射殺を中心に展開。ビビサナもまた自らが能動的に動けば羅刹達が全滅し、なし崩し的に此処を突破される事を踏まえて動けない。羅刹が全滅したビビサナ単体で突破組を止めようとすれば死亡前提の足止め部隊さえ居れば過半数がすり抜ける為である。
ビビサナが乱入を懸念していた宮内庁もまた防衛・死守を目的とする為に動かずに、展開は足止めを果たすという意味合いでビビサナの想定通りに動いている。
『(問題は此処からだ)』
現状、残存した天魔衆は半数程。自らに消耗もなく突破側に自身を殺せる者は今はいない。時間稼ぎが目的ではあるが、ビビサナの死自体は時間が経つに連れて近まっていく。
この地に存在する特記戦力は不明だがいずれもビビサナと遜色ない力を持っている者も居る。それを踏み越えて勝利を掴めればいいが、負けて死ねば当然それまでだ。
それまでの間に阿修羅会が目的を果たせれば勝ち。果たせなければ自身の生存関係なく負け。自身が死ねば阿修羅会がどうなれど結局負け。肝心な未来を他者に委ねているという現状に歯噛みしながらも退く事は出来ない。
それは阿修羅会ならびにダイテングとその主と交わした契約が理由でもあるし、
『……来るか』
徐々に削られていく羅刹達。その殺害を行ったデビルバスター達に逆襲を仕掛けて殺して、殿として残った三人の剣士の身体が床に転がっている。両断されても息を保つ彼らにとどめを刺すべく、太刀を振りかざした時にビビサナは此方に向かう強者の気配に気づいた。
詳細は分からない恐らく自身より格上の三つの何か。そして、自らより格下だが自らを殺せる何かを持つ者が複数名迫っている事に直感で気付いた。
| イレイザー | IMAGINE出典。驚異的な集中力でより多くの射撃を繰り出す特技。 1度の詠唱で6発分の装填を行い、敵1体に対して、射撃攻撃力に依存した物理ダメージを与える |
何処からか発射された6つの弾丸がビビサナを狙う。射撃を行った者は見えず、踏み込んでも恐らく届かない位置に居る。射撃自体の精度も高く、物理回避で言うのであれば並みの羅刹程度しか避ける事が出来ないビビサナは“ソレ”を使った。
| 吉祥天咒法 | 覚醒篇(マントラ)出典。防御行動の際に使用できる。自分に与えられた敵の物理攻撃1回を副次効果も含めて無効化する |
属性ではなく物理攻撃というカテゴリを封殺する術。ビビサナが
『其処か』
\カカカッ/
| Lv80 | ガンスリンガー | 久遠 エリヤ | 耐性:凡そ全てに強く、火炎・氷結・ 破魔・呪殺・精神・神経・魔力・緊縛反射*26 |
瓦礫の山の上。其処に居る銃を構えた女をビビサナは目視した。10秒あれば接敵できる距離であり、まずそれを片付けようと前に出ようとして
『貴様は……!』
立ち塞がる様に自らの前へと出た全身をローブで隠す男と太刀を携えた女。特に女の方を見て、ビビサナは驚愕の感情を発露した。
\カカカッ/
| Lv90 | 半羅刹/剣士 | 久遠 由奈 | 耐性:凡そ全てに強く、物理吸収。火炎・氷結・ 破魔・呪殺・精神・神経・魔力・緊縛反射*27 |
180cmを優に超える長身な女。太刀を構えたその姿は自らの構えと似通っており、何よりその姿が憎き自らの主を思い起こさせた。
『久遠 由奈。この世界の
「止してください。所詮模造品みたいなもんですから」
涼やかに言葉を返す由奈もビビサナと同様に心中では疑問と混乱が生まれていた。再度滅ぼした筈の天魔衆、その羅刹達が百に迫る程にこの千代田に集っていた事。一番はラーヴァナに迫る程の羅刹が今目の前に居るという事実がはっきり言って信じられずにいた。
「おいおいおいおい、こんな奴が居るなんて俺聞いてないぜ?天魔衆はお前達が滅ぼした筈だし、そもそもこんなヤバそうな大幹部級が居るなんて有り得ないだろ?ちゃんと説明してくれよな」
「五月蠅いですね……私も訳わからないんですから黙っててください」
「俺は検討ついてるけどな」
「は?」
黒ローブで姿を隠す男がケラケラと笑いながら由奈に驚愕半分冗談半分の疑問を零している。その会話を見てもビビサナは攻撃を加えない。それは単純にこの男も久遠 由奈に比類する戦力であると判断し、隙もなかったからである。
「それとあの三人組をこっち呼ばなくて良かったのか?居れば絶対楽に勝てるだろ」
「残存した羅刹達は依然として脅威ですし、DB達が踏み込めない理由の一番はどちらかと言えばそっちです。なら先にそっちを削って貰った方がいいし、霞が関に行ってもらった方が良い」
「へいへいっと。そういう事ならまぁ、仕方ないな」
黒衣の男もまた機械仕掛けの大剣を背より抜き立つ。外でデビルバスター並びに自衛隊が戦い、交戦を始めている。だがこの場に居る者達はそれに手出しする事は最早出来ない。
「此処に来て、お前達に協力する。そう言ったのは俺でその対価もちゃんと果たして貰わなきゃいかん」
男がローブを脱ぎ捨てる。肉体に纏われた近接特化のデモニカスーツ。顔に至るまで装着された機械は彼がサイボーグである事も意味し、その背に召喚した三体の悪魔は彼がサマナーである事も示している。
「俺も此処で死ぬ訳にはいかないしな。本気を出させて貰う」
「行くぞ」
その手に備え付けられたガントレット式COMP。男の受諾の声と共に発現したのはこの世界では半端な形でしか存在しない筈のデジタライズ。悪魔の力が男に注がれ、デモニカスーツの上に新たな装甲が覆ってゆく。
「貴様……
「ノンノン」
顔に夜叉の仮面を付けながら、男は指を横に振った。本来此処に居るべきではない<ブラックフィエンド>でもないガイア再生機構の戦士。その男は自らの力を最大限に開放しながら、ビビサナに剣先を向けた。
\カカカッ/
| Lv90(+5) | 剣士/サマナー | ウリック・ヤード | 全ての攻撃に強く、破魔・呪殺無効。BSに強い |
| デジタライズ*28<ヤクシャ>状態 |
「今ここに居るのはただのウリックだ。今から死ぬお前さんには関係のない話だけどな」
・後書き
なんか登場人物であれこれ書いてると後書きではなくなちゃいそうなので今回は纏めてざっくり書かせて頂きます。今回、同時で三体のボスを攻略する事になったのでまた本編に出たキャラを幾つかというかかなりお借りしました。大体ヨコハマレルムの面子になっていますが、シャドウワーカー組は本編でもちらちら出てるので御休みです。本編に出たり或いは画面外で頑張っている物かと思われます。
以下はそれぞれの対戦表です
・ダイテング戦(丸の内にて大量の悪魔と天狗集団に対処)
フェイ・弦ちゃん・悪対面子とその関係者(P3勢除く)
・カッパ戦(無限湧きするスイコ・水の対処)
真澄・東堂・シロエさん・新城さん・アナンタ・ベネット・花山・ジョンス
・ビビサナ戦(大体由奈の上位互換であるボス級羅刹の対処)
由奈・エリヤ・ウリック+α
<防衛陣営(キリギリス・悪対等)>
丸の内は住民滅茶苦茶喰われてるし、皇居付近は波が押し寄せるか鬼が通行封鎖してくるわでもう滅茶苦茶。大量の悪魔を殺す経験値以上に取り返しのつかない物がどんどん壊されていってるので全員全力で対処中。
<攻撃陣営(三大化骸)>
止めてくる覚醒者ではなく住民の殺害やインフラの破壊を重点に行動を行っている。そっちの方が回り回って覚醒者を焦らせて、逸って浮いた奴を殺しやすくなるというのもある。とはいえ自分達の勝利条件が阿修羅会に委ねられてるのと特記戦力のせいで余裕は全くない。余裕がないので敵に死んだ奴が居たら率先してLOSTしにかかる。
骨法の基本動作で、足捌きを中心とした身体の動きを指す。すり足の迅速な移動とコンパクトな方向回転によって、直後の格闘攻撃のダメージに+威力(骨法技能値参照)する。