真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
寂れた風が吹いている。
鉄鋼を剝き出しにしたコンクリートが散りばめられ、割れた硝子が日の光を乱反射している。
人の気配はなく、悪魔の気配すら感じられないその場所はかつて阿修羅会が牛耳っていた非合法レルムだった。東京より離れているが故にヤタガラスの手は届き難く、行政も干渉しづらい立地に異界を築き上げて其処で行われたのは多くの悪行。
麻薬の製造に人身売買、悪魔を用いた殺し合いギャンブル。この世界では有り触れて、それでも人道を外れた者達が群れ集いながら嗤っていた。
しかしそれもまた最悪の内戦、<混沌の奇禍>で脆くも壊れた。高電圧電磁波により善悪問わず全てのレルムの住民が皆殺しにされて、その末に呼び出された秘神や悪魔達もこの地を守るべく駆け付けた猛者達の手により討ち取られた。
人間も悪魔も滅んでは破壊の痕跡がその場に残り、後処理も儘ならないままに壊れ切った街だった物だけがこの場所には残っている。
「やぁ」
「よっ」
そんな空虚な場所にフェイとウリックは仲間を連れながら約束を果たす為にやってきていた。
「約束を申し出た手前ではあるが……本当に来てくれるとは思わなかった」
「色々あった後だったけど君達に時間がないのは明白で、僕達にもきっと猶予は残されていない。早く決着をつけたかったのは一緒だよ」
「悪い……ありがとう」
確かな感謝と罪悪感を抱えながらウリックはフェイに言葉を返す。
阿修羅会との戦いより1週間前後しか経っていない現状においてウリック達との決戦はあまり性急ではあった。日本全国に刻まれた傷跡はそのままに復興作業に先は見えず、フェイ達も本来であるならばこの混乱を少しでも鎮めるべく行動していくべきだった。
それを蹴って客観的に見れば何のメリットもない決戦に踏み込んだのにはアンナの寿命の問題もあるし、フェイ自身が感じた嫌な予感のせいでもあった。
その予感に根拠はなく虫の知らせのような文字通りの勘ではあるものの何か大きな脅威が再び近づいてきているという確信をフェイは抱いていた。オベロンとの約束もまた答えを出さなければならず、その脅威もいつ来るかは分からない。
積み重なっていく因縁に世界は待ってはくれない。故にその因縁の一つと決着をつけるべく、フェイは日を置かずに戦いを行う事を選んだ。
「僕が今更伝える事はない。これからやるのも殺し合いだしね。ただ、最後に当事者同士で話はしておくべきだろう。それ位の時間はあるでしょ?」
フェイの視線が横にずれ、アンナへと向けられた。それと対面する様にエリヤはじっとアンナだけを見ている。
「話、話ね……私も兄さんに今更言う事ないのだけれど。殺すか、殺されるか。それだけよ」
「俺は、そうは思っていない。お前も本当はそう思っていない筈だ、アンナ」
「なんで?私にはもう殺し合いしかやる事ないわよ? だってほら、見てよ」
不快感や憤懣を隠そうともせずにアンナの視線がエリヤへと向けられた。
最早自身の全てを知られた現状でアンナは自分の機械仕掛けの身体を隠そうともせずに曝け出している。首から下に生体部品はなく、悪魔技術が混ぜ込まれた合金によって構成された外骨格に圧縮された
「身体はこんなで頭もぐっちゃぐちゃ。顔だって訳わからない位に切り刻まれて、五感じゃなぁんにも感じられない!」
「……」
「でも、でも、でも! それも兄さんの身体があれば全て治せるの! あんたの肉体を生体部品に加工して、私は本来の私を取り戻す事が出来るの! ねぇ、だから死んでよ!?」
「もういいよ、アンナ……お前が死にたがってるのは分かってる」
狂気を燃やしながら機械音声を垂れ流すアンナを見透かしたようにエリヤは言い切った。
「お前が無理して偽悪的な態度を取ってるのも分かってる。そうじゃないと俺に銃を向けれないのも、戦っていられないのも全部。それが苦しいんだよな?」
「……うるさい!」
「ウリックと一緒に生きてもいたくて、それでも痛くて死にたいんだよな」
「うるさい! うるさい! あんたに何が分かんの!? 私の痛みが! ウリックの痛みが! この世界に逃げ延びて、庇護されてきた兄さんに!」
\カカカッ/
| 魔人 | サンダルフォン | Lv99 |
その身を機械天使の魔人へと変貌させてアンナは苦悶に叫んだ。
外骨格に奔る黒いラインに青白い光が眩き、その背に絡繰仕掛けの翼をはためかせる。零れる吐息と苦痛に悶える様な表情から変身を維持するのがやっとで、その指先は震えている。
「……分かって上げたいんだ。お前の痛みを、少しでも」
「傲慢ね! 兄さんは昔からそう! 力も知恵も何もない私に構ったり話したり! 親を知らないのに親気取りでいつも気にくわなかった!」
「かもしれない。ごめんな」
エリヤにとっては十年程、アンナにとっては最早あまりに遠い過去の記憶が脳裏を過った。エリヤとアンナ、ウリックが共に過ごしたあの日々は二人にとっても宝物で、失ってしまったそれが思い起こされる度に苦しかった。
崩れた教会で聖書を読んだ日も花畑で穏やかに過ごした日も過酷な世界で少しでも生き抜こうと互いに努力を重ねた日もその全てがもう元には戻らない。記憶は掠れ、残響にすらならず苦痛の記憶に塗り潰されていく。一緒に声に出して呼び上げた聖書の一節すらもう思い出せない。
「私にはもう話す意味なんてないの! 殺し合いしたくなかったら引き篭もっていてば良かったじゃない! 此処に来たなら私を殺すって事なんでしょ! じゃあ今直ぐ死ぬか殺すかしなさいよ! ねぇ!?」
「お前を死なせたくない。俺も生きたい。その中で俺は自分の生存を選んで、此処に居る」
「なら!」
「それでも、俺はもっとお前と話をしたい。最後だからこそ」
アンナを殺す事に迷いはある。自身と比較してもあまりに悲惨な過去に、心は押し潰されそうで逃げ出したい気持ちもある。それでも逃げ出したいのなら引き篭もっていれば良かったのだ。その為の選択肢をウリックは用意していたし、断るに値するだけの理由は幾らでもあったのだから。
それでもエリヤはフェイ達と生きる明日を望み、アンナと相対する事を選んだ。
「もしかしたら話をする事はただお前を傷つけるだけかもしれない。でも嫌なんだよ! お前の気持ちもちゃんと理解しないで戦うのは!」
「兄、さん」
「だから、ちゃんと伝えてくれ! 言いたい事があるなら全部受け止める! どれだけ痛くても苦しくても!」
愛する人と共にこれからも生きていたい。双方の思う事は同じで、だからこそもう譲る事は出来ない。
片方しか生き残れず、片方は絶対に死ぬ。それでもエリヤもアンナも憎み合っている訳では決してない。しがらみが何もなければ今直ぐにでも抱き締めたいし、慰め合いたかった。傷を舐めて、分かち合って、また一緒に生きていく。そんな未来もあったかもしれないがそれも幻の様な可能性に過ぎない。
突き付けられた銃口は既にお互いの命を狙っている。其処から逸脱する事はもうできないのだから、出来るのはもう言葉で語り合う事だけ。
死ねばどれだけ思っても話す事はできないから、お互いの思いを取りこぼさない様にエリヤは必死に声を上げた。アンナもまたその真意を汲み取って、俯きながらも想いを吐き出していく。
「生きててくれて、嬉しかった」
「ああ」
「でも、助けて欲しかった」
「ごめんな」
「痛くて、苦しくて……でもウリックと一緒に生きて死にたかった……!」
「分かってる」
「でも殺したくないよ、兄さん……なんでこんな事しなくちゃいけないの? 生きるってこんなに苦しい事なの? どれだけ苦しんだら生きていいの?」
「……分からない。だけど俺もお前ももう決めたんだ」
「兄さんを殺して、私は幸福を目指してもいいの?」
「俺はいつどんな時でもお前の幸せを願っている。それは今も昔も、これからも変わらない」
苦しみはそのままに剥き出しの感情をぶつけ合う。伝えたかった事も伝えたくなかった事もダイレクトに叩き付けて、エリヤもアンナも互いの事を少しばかり理解できた。
「なら……やっぱり私は兄さんを殺すわ。だから、兄さんも」
「ああ、この手でお前を撃つ」
確かに分かり合えた事で心は満たされながらもやるべき事は変わらない。それを指し示すかのように告げるアンナの言葉にエリヤは応える。
「システム、起動」【マシン搭乗】*1
自身の背後に控えた武骨な機械。機能性も何もない正方形の鉄塊にしか見えないそれはアンナと相対する為だけにフェイが用意した専用装備*2だ。エリヤの言葉によって本来の形を取り戻すべく駆動を始める。
「来い、サンダルフォン!」【アーマーモード】*3
空中に拡散したマシンパーツが装甲としてエリヤの身体に纏われて装着されていく。それはアンナの様に最適化されてはいないものの確かにそれと似通った設計をしており、ブースターと共に機械翼が背負われている。
「そっ、準備は十分って事ね」
「俺一人で用意出来たもんじゃないがな」
機械にその身を置換された天使とその身に機械を纏う事で天使へと至った者が相対する。語るべき事も語り、想いも伝え終えた。
どのような結果になろうともう止める事は出来ず、止まる気もない。ウリックやフェイもまた互いに仲魔を召喚し、由奈と真澄も戦闘態勢へと移行している。
「ケリをつけるわ、兄さん!」
「望むところ……ッ!?」
エリヤの
\カカカッ/ \カカカッ/ \カカカッ/
| Lv69 | 外道 | ダークサマナー |
| Lv74 | ガイアーズ | デビルバスター |
| Lv75 | 超人 | アクセラス・エクィテス |
| Lv82 | アブラクサス |
| Lv73 | 天使 | オセ・ハレル |
| Lv70 | 夜魔 | 非凡なロア |
音もなく周囲に集い始めていたのは種族もアライメントもバラバラな悪魔と覚醒者達。目に映るだけで数体、まだ視認していない者や配下の悪魔も含めれば数十体の何かが迫って来ていた。それらは自らの立場を明示するようにフェイや由奈達にのみ敵意と殺意をぶつけている。
「あいつら……!」
「監視の類は振り切ったつもりなんだがな」
ウリックとアンナはそれらの想定外の味方の出現に困惑し、憤る。自ら達と同様の
青銅の鎧のようなパワードスーツを装着するエターナルがウリックとアンナを見下しながら高らかに公言する。
『聞け。相殺現象を起こした魔女とそれに侍る雌共の身柄を上は欲している。そのついでに貴様に手を貸してやろう』
「誰もてめぇらにそんな事は頼んじゃいねぇよ。消え失せろ」
『エターナルにも本来至れないロートル風情が吼えるな。貴様が大事にしているイノセント未満のペナンガラン擬き*4がどうなってもいいのか?』
ウリックの苦言をエターナルは嘲笑って跳ね除けた。交渉の余地など鼻からないかのように各々の獲物をフェイ達に向けている。
「……これは俺の不始末だ。奴らを排除してからお前達と戦う」
「いや、それ。僕達に勝ったとしても帰る場所なくなるでしょ。意味ないって」
「だが」
「大丈夫、手は予め打ってある」
自らが誘い招いた因縁を昇華する為の戦い。故意的にではないにしろ其処に現れてしまった自らの味方を名乗る敵共にウリックは先に倒すべき者達に優先順位を切り替えた。そんな彼をフェイは押し留める。まるで最初からそう想定していたかのように
『拍手の音?…ッぅ! なんだ貴様ら!』
響き渡る拍手と共に二つの人影がアクセラスを捉え、襲い掛かる。青銅の装甲を銃弾が貫き、間髪入れずにその身体が投げ飛ばされる。
\カカカッ/\カカカッ/
| Lv74 | ガンスリンガー | 藤堂 晴香 | 破魔・呪殺無効 |
| Lv80 | 導師 | 東堂 葵 | 全てに強く、破魔・呪殺無効 |
「助けに来たよ!フェイちゃん!」
「俺達のコンビネーションを再び見せる時が来たな! 行くぞ!
「ブラザーじゃない!」
包囲を固める他のガイア再生機構或いはエデンの戦士や悪魔もまた突如として現れた襲撃者による奇襲を受けている。純粋な平均レベルは同等で、数で言うのであればガイア再生機構側よりやや上回る。数の優位を活かしながらレルム内部における混戦が開始された。
「増援呼んでたのかよお前。おっかねぇ」
「勝負に水差されたくなかっただけだよ。何もなかったら僕がただ無駄にアイテムや金消費しただけだしね。何より
決戦開始前よりフェイはウリックからそれとなく忠告はされていた。もし自分達とぶつかる事になった際に組織からの介入があるかもしれないと。
ウリックとアンナだけでフェイ達に挑むというのは飽く迄二人の自己満足の為であり、確実に行くのであれば其処に何名かのエターナルを追加するだけで順当に勝利を掴む事が出来る。また二人の肉体はほぼエデン製の機械によって構築されており、そうであるが故に監視の目を完全に振り切るのは不可能に近い。
今回の襲撃者が上による指示なのか或いは彼らの独断なのかは分からないがその話を聞いたフェイは介入の可能性は極めて高いと判断した。それまでの戦いにおいても襲撃者によって分断された上に各個撃破されるような事態が度々あったのも大きいだろう。
それらを避ける為に話を聞いてからフェイは信頼できる一部の者達にこの事を話し、決戦時における予備戦力にした。ガイア再生機構に恨みがある者やフェイに対して借りがある者、マッカやアイテムの取引によって協力に応じた者や単純に強者と戦いたい者まで含めて戦力を得る事に成功したフェイは想定の通りにやってきたエターナル達に彼らをぶつけた訳である。
「ただ、ちょっと此処は騒がしくなりすぎたね」
崩壊した街で繰り広げられる高位覚醒者同士の戦いは文字通り災害に等しい。複数個所で行われる激突により建物は崩れ、この地に流れる龍脈も不安定になりつつあった。
そしてエターナルの一人が放ったと思われる音を超えた波動が一帯を包み込む。砕けたコンクリートと硝子が散弾のように飛び散り、その場に居る全ての者達を吹き飛ばす。
そのエターナルも注目を集めたが故に直ぐにヘイトが集中し、排除の為にフェイ側のDB達が動き始めてはいるものの相対すべき敵が決まっているフェイやウリックはそうはいかない。
「散開!プランC路線に各自行動!」【ワイルドハント】*6
「逃がすかよ!」【デッドリーブレイク】*7
目標を定めながら衝撃波を互いに回避すると共に合図もなく戦いは始まった。フェイの両手より放たれた白く燃え上がる光輝が空中で拡散し、ウリックの大剣から赤黒い斬撃破が振り払われる。
「ウリック、そっちは御願い! 兄さんと魔女っこを追うわ!」
炸裂する二つの光が視界を潰し、それが晴れた先にはフェイとその仲魔並びにエリヤとアンナの姿も其処にはなかった。ウリックがアンナの声に従い、空を見上げれば飛行する悪魔と魔女、機械天使の姿がある。その背をレールガンを撃ち放ちながらアンナが追う。次第にその姿は黒い点となって、雲に呑み込まれて消えていった。
「空、空か……成程ね。でもって俺の相手は」
フェイとウリック、両者の一撃によって視界内には既に敵味方の姿はない。周囲から戦闘音は鳴り響いていはいるものの各々の戦場で決着をつける事をエターナル達は選んだ。
「私と
「お前さんとは共闘したばっかで恰好つかねぇけどな」
そうしてウリックを相手取るのに残ったのは
「だが良いのか? ビビサナの時に一度全力は出したと思うがお前達二人なら俺が普通に勝つぞ」
ウリックもまた凡庸で魔法すら使えない物のエデンでよく用いられる凡その剣術に精通した一流の戦士である。
其処に武器COMPによる<物理貫通>*8と<デジタライズ>による自己強化、<デビルリユニオン>と度重なる強化によって
「まぁ、そうですね。剣士としてなら貴方に勝てますがサマナーとしての貴方も含めるのであれば真澄と組んでも勝ちの目はない」
剣術とマントラ、双方をウリック自身が突破する事が出来なくとも仲魔を用いる事で付け入る隙は多くある。何より互いに一度戦っている事や同様の戦闘スタイルを用いるビビサナを突破している。剛剣による防御・反撃不可の一撃もマントラによる物理攻撃に対する絶対防御も完璧ではない事をウリックも由奈もその身を以て示していた。
ウリックのデジタライズ先であるヤクシャにも由奈のスタイルをメタるような反撃&耐久構築がされており、まだ幾つか切り札があってもおかしくはない。真澄も無視はできないもののそれを言うのであればウリックの仲魔が立ち塞がり、
故に由奈と真澄であろうともウリックの打倒は極めて難しい。実力が拮抗していても手数の差で押し潰され、順当に負ける組み合わせだった。
「とはいえフェイと組んで貴方を打倒するにもアンナが居ればそれも難しくなる。彼女の本領は
ヨコハマにおけるアンナとの戦い*9異界という密閉空間に押し込まれていたからあの程度で済んだものの彼女の本領は高速飛行による遊撃にある。
仮にウリックとアンナと同時に戦う場合、地上はウリックが固めながら空からアンナの攻撃が降り注ぐ事になるだろう。メギドラオンや貫通を持った高威力銃撃の数々、それが概ね4回飛んでくるのだから溜まった物ではない。
アンナを先に倒そうとしてもPKを用いた高出力バリアと純粋にまで高められた総合力によって削り切るのは困難で、ウリックを先に倒そうとしても防御に徹した彼らは非常に堅い。
長期戦という範疇で両者を共に相手取るのは勝機が薄く、だからこそアンナの戦意を煽るようにエリヤに機械天使へと至る装備を与えて仲魔と自身も飛べるフェイはそれに追従した。
「だからこそ分けたのです。天にはエリヤとフェイを、地には私と真澄を。其処までやって私達は貴方達に対して勝機を得られる」
「だが増援は封じた。お前達が呼んだ援軍も此処にはもう入ってこられない」【ゲートキーパー】*10
「ええ、ですので手は打っておきました」
その言葉と共に周囲に黒く瞬くMAGが満ちた。
「召喚? いや、これは……!」
「私はサマナーではありませんし、悪魔の使役だとかそういう器用な真似を当然行えません。ですが条件が整えばこの通りという訳です」
その腕に装着されたCOMPを構えながら由奈は答えた。それはかつて魔道を専門とする悪魔合体士にフェイが取引で入手した物*11で、その中に秘められた悪魔には儀式による改造を受けていた。COMPそのものはその悪魔を召喚する為のMAGの貯蔵庫でしかなく、由奈がやっているのも召喚というよりは悪魔の解放に近い。
「貴方の仲魔はとても強力だ。
悪魔がCOMPから発せられたMAGを吸い、その形容を露わにした。青肌の巨体に蛇が巻き付き、その顔は髑髏の仮面で覆われている。片手に心臓を握り締め、片足が黒光りする鏡でソレは構築されていた。
\カカカッ/
| Lv92 | 狂神 | テスカトリポカ | 技・打撃反射。破魔・呪殺無効。精神・神経・魔力耐性*12 |
『テスカトリポカ……!』
『ヒ、Hiッ! TaI陽wo堕とSu時ダ!』
ウリックの仲魔であるケツァルコアトルが現れたソレが何であるか示し出すかのように名を吼えた。かつてヨコハマにおいて相対し、傾きかけた勝利の天秤を平行線に至らしめた憎き狂神*13。それとは確かに同じで、何かが決定的に変わった狂神は悪魔使役の制御下にも置かれていないままに宿敵の蛇神とその主を執拗に見つめていた。
「くっそ、あの呪殺滅茶苦茶痛かったから二度と見たくなかったってのによ。示し合わせたかのように面倒な奴ぶつけやがって……此処はメキシコじゃないんだぞ!」
「でも
「だからこう言ってんのが分かんねぇか!?」
アステカ神話に置いて互いに宿敵とも言える二柱、それも両者共に伝承に近しい権能を保持している。それは
空虚な砂漠を照らし出す太陽と青い空。かつての神話をなぞるかのように整えられた舞台にてそれぞれ神を従える者達は剣を掲げた。
「シナガワの時の決着をつけましょうか。全力で来てください、
「出し惜しみなんて今更するかよ。
相対する羅刹と夜叉の剣士。双方が望むべき物は羽ばたき、雲を突き抜け消えていった。その先にある太陽の元に行けるのはこの場で勝ち生き残った者のみ。砂漠にて対峙する神も人も悪魔も空を照らし出す太陽を追い求めながら、戦端を開いた。
<久遠 フェイ>
明確に此方を殺そうとしてくる二人だったのでちゃんと対策を用意してきた人。
対策してもアンナ&ウリックだと勝ち目薄いなぁと判断したので場の混乱に乗じてしれっと自分の望む流れにした。高速飛行が出来る悪魔が多いのと本人も飛べるのでエリヤの援護に向かった。
<久遠 由奈>
色々あってウリック担当になったので切り札のテスカトリポカを託された人。
儀式的に色々縛った上で強化したテスカトリポカをウリックが頑張って育成したケツァルコアトルにぶつける事で対抗するとか大体そんな流れ。
<久遠 エリヤ>
色々あったがアンナとの最後の会話を通じてやっと覚悟が決まった人。
悪魔のサンダルフォン混ぜ込んだり最新技術詰め込んだアホみたいに金使った特注マシン装備で一時的にアンナと並ぶ飛行能力を手にしながらドッグファイトをしている。
<アンナ>
口では色々言いつつも本心ではエリヤと同等以上に葛藤している人。
負の感情を抱えているのも事実であるけれど正の感情の方が遥かに大きいのでそれを撃ち消す為に憎悪を口にして何とか銃を向ける事が出来る。強さの割にエターナルに嘗められてるのは壊れかけなのと本体がペナンガランみたいなせいだと思われる。
<ウリック>
クソ無意味な戦いに誘った挙句にエターナルが乱入してきた時は生きた心地がしなかった人。
アホみたいに嘗めた態度取られたので最悪こいつら皆殺しにしてからフェイ達と戦う気もしていたが、何かあっちも伏兵用意して戦いの流れもぶんどられたのでもういっか!となって戦っている。ヨコハマの件でテスカトリポカの事が大嫌いになった。
<とうどうズ>
増援組でネームド一人もいないと描写しづらいので取り敢えず出した人達。
他にもネームドが居たり居なかったりすると思われる。今回は二人でエクィテス*14をボコってる。
<エターナルの方々>
独断で動いたのか上の指示で動いたのかは分からない。神のみぞしるだが多分独断寄り。
色々理由固めて動いてはいるもののやってる事は漁夫の利、ハイエナの所業そのもの。そんな事するだろうよとウリックからそれとなく言われたフェイが用意した戦力によって現在進行形で殴り合い中。尚フェイの財産は溶けた。
威力は加護(運)×2となり、ステ振りが運魔特化の為にメギドラオン以上の特大ダメージを与える。