真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
フェイの仲魔であるテスカトリポカには幾つかの儀式的な強化が施されている。
それは邪教の館の主、ブラックカオスが魔道を用いて行われた物で様々な制約と誓約によってその
元々持っていた
一つはこのテスカトリポカは悪魔全書にも記されない、二度と再現できないテスカトリポカである事。二つ目は強大すぎる力故にただの1度の戦いにてテスカトリポカの姿は崩壊するという事。3つ目はケツァルコアトルとの戦いでなければその強大な力も発揮できないという事。それでいて
それらのリスクを全て受け入れ、フェイはテスカトリポカと契約を交わしたのである。テスカトリポカもまたケツァルコアトルと再度戦う事を確信しているかのように迷いなく頷いた。双方とも互いの敵を見据え、戦う事を確信して今それは現実の物となっている。テスカトリポカがフェイより由奈に託されたとしてもそれは変わらない。
今ここにテスカトリポカは宿敵と相対し、小規模ながら世界を捻じ曲げて異界すら発生させた。砂が飛び、太陽の座を求め争うアステカの地。それを今ここに具現化しながら―――
\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/
| Lv92 | 半羅刹/剣士 | 久遠 由奈 | 耐性:凡そ全てに強く、物理吸収。火炎・氷結・ 破魔・呪殺・精神・神経・魔力・緊縛反射*1 |
| Lv90 | 巫女 | 神城 真澄 | 耐性:凡そ全てに強く、火炎・氷結・ 破魔・呪殺・精神・神経・魔力・緊縛反射*2 |
| Lv92 | 狂神 | テスカトリポカ | 技・打撃反射。破魔・呪殺無効。精神・神経・魔力耐性*3 |
\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/
| Lv93(+5) | 剣士/サマナー | ウリック・ヤード | 全ての攻撃に強く、破魔・呪殺無効。BSに強い |
| デジタライズ*4<ヤクシャ>状態 |
| Lv85 | 堕天使 | 流出のゴモリー | 火炎吸収。精神反射。破魔・氷結耐性 突撃・打撃・電撃・衝撃・呪殺・神経無効*5 |
| Lv85 | 熾天使 | 創造のフラウロス・ハレル | 氷結無効・電撃無効・破魔反射・呪殺無効*6 |
| Lv85 | 龍神 | 創造のケツァルコアトル | 物理反射。火炎耐性。衝撃・破魔・呪殺無効*7 |
「テスカトリポカ!」【スピードスター】*8
『ゥORぇnI指図すRuなA!』
羅刹の力である
この戦いを仕掛けたのがテスカトリポカであり、尚且つテスカトリポカはケツァルコアトルと賭けている物が違い過ぎる。転生を繰り返した末に創造の位階にまで達したケツァルコアトル、それを課せられた縛りと自身の存在を消費してのブーストでテスカトリポカは上回っている。
『逃ガSiハしnaいッ!』
「成程、ガチンコでやろうってのかよ」
テスカトリポカの叫びと共に砂塵が舞う。戦場を狭める様に、視界を阻害する様に展開されたそれは隊列の構築を乱す。同時に相対する敵と味方の距離さえも縮めさせるそれは
展開された
かつてフェイ相手に仲魔をすり減らす事を強要した布陣は崩しずらく、火力も高い。
『関係Naい!ShIネ!』【闇夜の瘴煙】*12【二の葦の生贄】*13【呪い】*14【思念融合】*15
だが此方もまた以前とは違うと吼え猛るようにテスカトリポカは手にした力を放った。万物を呪い尽くす漆黒の煙がウリック達を捉え、持ち得る耐性を貫通しながら
「さらに面倒になってんな、てめぇ」【神片結晶】*16
迸る闇の煙、其処から漏れ出す
「(多段攻撃は単体集中せず、被害は最小限。配置も良くない。攻撃してもリソースを切らなければ落とすのは難しい。なら)」【摩利支天】*19
「(何か狙ってんのは分かってんだがな……!)」【アクセラレート】*20【ブレイブハート】*21
互いの行動を探る様にして剣を向き合い、睨み合う二人の剣士。動きを加速させながらウリックは弱体・BS封じを展開し、そのまま一直線に前に踏み出す。
「なら削るのはお前からだ!」【忽の剣】*28【追撃の悟り・近接】*29
「それは剛剣の……ッ!」【吉祥天咒法:失敗】*30
振り抜かれる最速の剣が由奈のマントラを透かして、その身を斬り払う。それは由奈が修める剛剣と同様の剣であり、だからこそ防御が困難。その術の厄介さを良く知っているからこそ防ぐ事は出来ずに、しかしその後の追撃も含めて【マッスルドリンコ】*31の効能によって命までにはその一撃は至っていない。
攻勢は終わり、続け様に補助が展開されていく。ゴモリーは権能を用いて全強化・全弱体を、真澄は破邪を防ぐ結界を発動して次へと繋げた。
『テトラジャナラバ!』【マハンマダイン】*33
テトラジャを見て、既知の展開であるとケツァルコアトルが動く。それはかつてフェイとの戦いでも起きた攻防であり、テトラジャを剥がす為に全体破魔を以て結界を穿った。
フラウロス・ハレルの持つ火力は強大であり、同様のマハンマダインだとしても威力は2倍以上*34異なり其処に貫通も付与されている。
現状の由奈を叩き潰せる火力を持ち、それ以外の真澄やテスカトリポカに対しても当然有効。物理を用いた攻撃は由奈や真澄によるカウンターという問題があるが故にウリック側の攻撃の軸は自然とフラウロス・ハレルの破魔に偏る形となり
| テトラジャ | 基本システム出典 |
| 味方全体への破魔・呪系(呪殺)の攻撃を一切防ぐ。この魔法は結界魔法に分類され、戦闘が終了するか結界破魔法(結界破壊)によって解除される。 |
「フラウロス、回復だ。再生だけじゃ今は間に合わねぇ」
『ハッ!』【道具の知恵・癒】【宝玉輪】
それは属性一極が故の弱点。貫通であろうと防ぐ結界を突破する術をウリック側が保持しておらず、フラウロス・ハレルも破魔に攻撃性能を全振りしていた。そして結界を突破できない以上、もうフラウロス・ハレルの火力は通じずに補助に徹するしかなくなる。
| 由奈陣営 | 防御・命中回避低下+1(D2仕様。20%。1段階上限。残り3ターン持続) テトラジャ(結界魔法。破魔・呪殺を一切防ぐ) |
| ウリック陣営 | 攻撃・命中回避上昇(D2仕様。20%。1段階上限。残り3ターン持続) リディア:味方全体(行動する前に15%回復。これを3回まで) |
「(テスカトリポカの出力は厄介だがまだ対処できる範囲だった……が、これはいよいよヤバいな)」
それでも始まった戦いは止まらない。それを示すように
「行きます!」【デクンダの石】*35
ウリックにとって何度も目にした雲耀の絶技が再びその身に襲い掛かった。発生する斬撃は確定会心であり、一瞬で距離を詰める足運びによって回避は難しい。故に約2倍に膨れ上がった一撃が隊列を構成できないウリック達全員へと振り抜かれた。
その身に纏う
迸る闇のブレスがウリック達にまた降り注ぐ。威力は変わらず呪いももう通じない。しかし蓄積したダメージは深刻で、多段攻撃も集中してしまったゴモリーを絶命させる。
「戻ってこい!ゴモリー」【招来石】*40
『HAハはッ!!呪ワれRO!』【二の葦の生贄】*41
『好キ勝手ハサセナイ!』【メシアライザー】*42
ウリックが蘇生と召喚を行い、それに伴い発動するテスカトリポカの権能。命を直接削ぎ落すそれを受け止めながら、瞬時にケツァルコアトルが全てを癒し尽くした。
残存したゴモリーは死亡して蘇生しているから行動できず、真澄もフラウロスも共に
| 由奈陣営 | 攻撃強化(P3R仕様。50%固定。1段階のみ) テトラジャ(結界魔法。破魔・呪殺を一切防ぐ) |
| ウリック陣営 | 攻撃・防御・命中回避上昇(D2仕様。20%。1段階上限。残り3ターン持続)。 物理攻撃力+2(真4仕様) リディア:味方全体(行動する前に15%回復。これを3回まで) |
「随分とまぁ対策してくれたもんだな」
「お互いの種は割れてますからね……ああ、無駄話に付き合う気はないですよ」
「そんなんじゃねぇよ。ただ、押し込まれっぱなしもジリ貧だからな」
「そうなる前に片をつけるってだけだ!」【速攻戦型】*45
吹き荒れる砂塵が晴れ、その場の領域を塗り替えられるようにウリック達は加速する。
「逃げ場はない。消し飛べ!」【タルカジャ】*47【デッドリーブレイク】*48
砂嵐を発生させる程のMAGの奔流。その中心部より赤く煌めくMAGと共に大剣を振りかざし、一直線上の全てを一掃しながら薙ぎ払った。
フラウロス・ハレルというアタッカーが封じられ、他の悪魔を出そうにもその隙を由奈達は許してくれない。立て直しの時間を考えれば火力を集中されてジリ貧になり、かといってこのまま行っても同様の結末。ならばその中で発生したチャンスを掴み取り、最高火力を叩き込んで形勢を立て直す。
互いに蘇生や食いしばりという耐える手段がある為にこの戦いは互いの攻撃を処理できなくなった方が負けていく。そうなる前に敵を叩くそういう方針で両者共に戦い続けてウリックが行ったのはその為の最善だった。
「……武器COMPの貫通には一つ弱点があります」【カバー】*49【吉祥天咒法】【ガード】*50
由奈がテスカトリポカを【カバー】しつつ、爆発する赤黒い極光をマントラを以て受け止める。攻撃後に発生する
「貴方のそれは反射まで貫通可能ですが、凡そそれまで」
「てめ、まさか……ぁ゛アあァ゛ッ!?」
| 神明鏡符 | 誕生篇(符術)。この符を貼った人物は1回だけ格闘攻撃を反射する力を得る。 <テトラカーン>と同性質だと裁定。真澄が使用 |
「その台詞吐くべきなの私の方なんだけど……まぁいいわ」
武器COMP式貫通は
「まだ、だ……!」【食いしばり】*51
「でしょうね。ですから最後まで詰め切ります」【引き】*52【雲耀の剣】
ウリック達の攻勢は打ち止めで、最悪の状況から反撃の狼煙が上がる。振り抜かれる雲耀をゴモリーの【友愛の加護】*53によって凌ぎ、即座にケツァルコアトルによる【メシアライザー】による回復が入る。
「は、ははっ……クソッ」
その回復を押し潰すかのように由奈達は各々の最大火力で畳み掛ける。回復も妨害もなく、この三連撃によってケツァルコアトルは【食いしばり】*55を切らされた。
他の仲魔や自分もほぼ瀕死でとてもじゃないが【大地の祝福】による回復では追いつかない。次の
ウリックに打開する策はなく、今の由奈達を凌駕できる程の力はなかった。そんなものがあれば早々に使っているし、そもそもアンナだって助けられたのかもしれないのだから。
「(だが)」
この敗北は自分の判断ミスが引き起こしてしまった事だ。由奈の雲耀*56を警戒しすぎて攻めるべきタイミングで【ブレイブハート】を使ってしまった事やテスカトリポカの出力にずっと押され続けてしまった事、何より神城 真澄という巫女の多芸さを過小評価してしまった事。
相性の悪さと見当違い、その全てが重なり合って結果としては惨敗で……そうだとしてもウリックは終われない。立ち止まれない。
此処で敗北するという事はアンナの死を許容するという事に繋がる。フェイがアンナの方へ行ったという事はウリックと同様に対策を重ねて対応している事に他ならず、其処で負ければその死は確定する。
走馬灯のように刹那の時を重ねて、ウリックは思索する。そうして辿り着いた一つの答えに手を伸ばす。
「オオオオオオオッ!!!」【イグナイター】*57
全てを懸けて、狂える神よりも羅刹の剣士よりも先を行く。発動した超人化ドラッグは本来此処まで霊格を高めたウリックには意味のないもの。デメリットだけが齎されるそれを服用は自殺にも等しく、その力で
「何を……!?」
瞠目し、目の前で起きつつある事象を観測して、由奈達の動きが微かに遅れる。瞬殺した仲魔達を、COMPの仲魔達を或いはウリック自身すらも全てのMAGを捧げて、それを焔へと変えて燃やし尽くす。
全身を燃やし、炭へと還す中で引き起こした
「だが今なら違う。
太陽の座を求める二柱、その争いの伝承は今この場に刻まれている。それは至■天の玉座を追い求める神々が如く、世界の滅亡と創造のサイクルさえ繰り返す。テスカトリポカはケツァルコアトルに敗れ、ケツァルコアトルはテスカトリポカに打ち勝ち、その果てにケツァルコアトルはアステカより追いやられた。
それは勝者と敗者が明確に分けられた事に繋がるが、話は其処で終わらない。ケツァルコアトルは人類に火を齎した創造と文化の神、例えその身を砕かれようとも約束の刻にかの神は太陽と共に再臨を果たす。
雲耀が首を撥ね、瘴煙が肉体を溶かし尽くしても、徹しが肉体を貫こうとも。
もう、止まらない。
「何度だって言ってやるぜ……まだだ」【一の葦の刻】*58
一の葦を超え、ケツァルコアトルはアステカにて蘇る。ウリックという依代に宿った蛇神は羽毛を広げ、不死なる炎熱が熱風すら吹かせている。
\カカカッ/
| Lv100 | 剣士/龍神 | ウリック・ヤード | 物理反射。火炎耐性。衝撃・破魔・呪殺無効。 BSに強い*59 |
| デジタライズ*60<ケツァルコアトル>状態 |
「ケツァルコアトル!今はお前が此処の王だ!力を示せぇッ!」
ウリックの叫びにケツァルコアトルがその身を燃やし、権能を発揮する。その身を犠牲に力を増大させたテスカトリポカを伝承と犠牲の量を以て凌駕し、それは神威を宿すに至っている。
「神話再現による本来の力ですか……!」【STONE状態】*63
それは周期する運命をなぞるかのような呪いであり、瞬時に呪縛に囚われた全てを石へと変えた。アステカ神話の創造神としての力の具現化はこの戦場に限り、行動を阻害しない。それはナホビノと呼ばれる存在が用いる
「あいつの元に辿り着く為に俺は勝ってみせる。だから、お前から死ね!」【トリニティレイダー】*67【トリニティレイダー】
『GAがッAぁアッ!』【DEAD】【復活禁止】*68
続いて振り払われたのは真空の刃の嵐。増大した身体能力のまま培った技量に曇りはなく、石となって動けない三人を切り刻む。憎き狂う神は石となったまま細切れになって、宿敵に圧倒されたという事実により復活する事はもう二度とない。肉体の大半をMAGへと変換させて、残骸だけがその場に残って砂粒に塗れて消えていく。
「だからといって!」【不屈の闘志】*69【バイパースマッシュ】*70【バイパースマッシュ】
「こっちも負けられないのよ!」【不屈の闘志】【徹し】
それでも羅刹の剣士と拳士たる巫女は耐え抜き、抗う。石となり、焼かれ、両断されても闘志を宿しながら攻撃を繰り返す。
「が、ぐっ……でも、そっちも後がないのは分かってる!」【メシアライザー】【アステカの鼓動】【残滓:発動】*71《/center》【マハラギダイン】*72
「それはお互い様でしょう」【バイパースマッシュ】【豪傑の転心】*73【宝玉輪】
「あんたのその状態、長く保つと思えないわ!」【徹し】
由奈と真澄側は二人という人数差と得意の物理攻撃で攻める事は出来るし、アイテムによる回復もまだ余裕がある。だがもう
そして、ウリック側は二人よりさらに悲惨な実情を抱えていた。神威の連続発動にケツァルコアトルの強大な力はかつてに凄まじい物だったがその勢いは既に消失していっている。
幾ら神話再現が可能な程に力を蓄えたケツァルコアトルが居ようとも、このデジタライズはあまりに不安定過ぎたのだ。
ケツァルコアトルが抱える炎の熱にウリックは耐え切れない。そもそもの器でないからこそ宿した炎はウリックの心臓を灰へと変換しながら内側で燃え続けている。サイボーグでなければただの自爆だけに終わった可能性もあり、断続的に続くそれはウリックの
例え翼を宿しても太陽に手を伸ばせば、燃え尽きるのみ。それでも自分に応えて燃料となった仲魔の為に、空に居るアンナの為に生きて戦わなければならない。
物理攻撃は由奈に返される為に使えないが炎による波状攻撃で由奈達の動きを止める事は出来る。一手回復二手攻撃を互いに強いる事でその均衡は暫く続いた。
注がれる炎撃で肉体が焼き爛れながら回復し、ひるまずに攻撃を続ける由奈と真澄。内側も外側も燃やされながらそれを攻撃に変換し続けるウリック。
目減りしていくアイテムと最大HPが互いの寿命であり
「!?」【バイパースマッシュ】【MISS】
「ツキはまだあるみたいだな……!」
その死に達する直前に一瞬の勝機をウリックは得た。二手で回復圏内の攻撃が一手外れればそれなりに無茶が出来る。最大HPは減っているがデジタライズと仲魔達のMAGで二人の攻防にはまだ耐え得る量だ。故にウリックは勝負に踏み出した。
何度も発現したケツァルコアトルの焔が由奈と真澄に向けられる。神威の残り香で由奈を炎で分断しながら、真澄の方へ剣を向ける。
「この炎の中じゃあの符がまだあっても使えんだろ!」【獣皇矛刃】*75
「期待してる所悪いけど、生憎あれは特注品よ」【徹し】
零距離にて繰り出される殴打と斬撃の嵐。ウリックを掌底が螺旋状に穿つが、それ以上の斬撃が真澄の身体を切り裂いていく。
「後は……!」【メシアライザー】
「ったく……外した責任は自分で取りなさい、よね」
崩れ落ちる真澄を確認しつつウリックは即座に回復を入れる。炎を超えて、太刀を振り上げる羅刹に目を向けた。
真澄の言葉に応える様に焼き焦げた身体のまま踏み込み、ウリックを刃が捉える。メシアライザーをしても減退した命は戻らない。その減少はウリックの想定よりも早かったが故に5倍にまで達した到達した由奈の一撃に耐える事が出来ずにウリックの身体は炎を撒き散らして真っ二つにされる。
「まだ、だァッ!」【一の葦の刻】*77
内臓を灰へと昇華して、ウリックは両断された肉体を炎で縫い生き返る。まるで不死身のように振舞いながら、また寿命を縮めてその身体は死と生を彷徨っていた。
「しぶとい、ですね。こっちもいい加減飽き飽きですよ」
「こっちは悪魔の力借りてんだ。そっちの方が異常だぜ」
「ですがお互いにもう次が限界ですか」
「ああ、決着をつけよう」
リソースはほぼ消費し尽くした。焦げた髪が炭化して、身体の至る所に火傷は絶えない。此処からウリックの攻撃に耐え切った末に勝たなければいけない由奈と減退が限界に来ているが故に其処で仕留めなければ終わりが近いウリック。共にもう後がなく、次の攻防に打ち勝った者がそのまま勝者となる。
そうして
ケツァルコアトルの出力を最大限増幅させ、ウリックは全身を燃やしながら全てを射出した。逃げ場を無くすように全体を燃やして、比較的消耗は少なく威力は変わらない
「これでッ!」
由奈は
この肉体が保つうちにあの空で戦うアンナを助けるべくウリックは空を見上げかけて、そして炎の中から現れる彼女を見て止まった。
「っ……ぅっ……そう、これで」【ガード】
顔の半分は焼けて、片手は完全に使い物にならないものの由奈は生存していた。それは由奈の耐久がウリックの想定を上回っていた訳ではなく、
| テスカトリポカの呪われた鏡 | 200X出典。次のターン終了時まで万能属性以外の全ての攻撃は反射される。同時に全ての低下系の効果は解除される。アステカの鼓動の直後に発動 |
死に果て、砕け朽ちた筈のテスカトリポカ。その残骸である片足が、黒く輝きその神威を最後に発揮した。鼓動によって発動する
| 神符作成Ⅲ | 200X出典。即時効果。以下のいずれかの神符1枚を作成し、 対象のキャラクターに使用する。1シナリオ3回まで。 「火除神符、観音神符、聖明神符、天命神符、明王神符、天狗天符」 使用せずに温存してもよい。 |
| 火除神符 | 200X出典(アイテム)。即時効果。 自分への火炎相性の攻撃1回に対してダメージを半減する。これを3回使用 |
そして、ケツァルコアトルに変異してから最初に潰されるのが自分であるという事を悟った真澄より式神越しに託された三枚の火炎軽減の札。これと
「私達の、勝ちです」
「はは、っ……此処までやっても届かなかったか」
蛇神は狂神を打ち砕き、再臨した。されどその炎は人には過ぎたる物が故に蝋のように溶けていく。結末を指し示す刃は静かに振り下ろされた。
「貴方は馬鹿アホ間抜けですね」
「負けた直後に罵声はやめろよ」
地上における勝負は決した。テスカトリポカは討ち取られたものの由奈は健在で真澄も既に蘇生済み。ウリックは仲魔を全損した挙句に蘇生されても戦闘が出来る身体ではない。
DB達とエターナルとの戦いもその無意味さに嫌気が差したエターナル達が徐々に戦線離脱していき、最後に逃げ遅れたエターナルが袋叩きにされて終わるという如何ともしがたい結末を以て終結している。
「確かに貴方は勝たなければなりませんでした。ですがそれ以上に彼女の為に生きなければならなかった筈です」
由奈はウリックの残骸とも呼べる姿を見下ろし、言い放った。
宿した炎であるケツァルコアトルはウリックが倒れると同時に役目を果たしたかのように消えていった。その結果、炎によって繋ぎ止められた四肢や下半身は砕けて消失し、内臓もボロボロ。
文字通りの燃え滓となりながらもウリックの命はケツァルコアトルの権能によってギリギリの所で繋ぎ留められ、それでも残る時間は1時間未満といった所だった。
「ま、それでも良い方だと思うぜ。仲魔が負担を大分肩代わりしてくれたんだ。そうでなきゃとっくのとっくに身体は灰と化してる」
「話を逸らさないで」
「……あいつを生かしてやりたかったし、死ぬ時は傍に居たかった。それだけだよ」
異界化が溶けた青空、その中に浮かぶ太陽と雲を眩しそうにウリックは見上げた。馬鹿な事をやったという自覚はあった。自分が死ねばアンナがどうなるか位は容易に想像がつくし、常々アンナからは注意をされていた。
「あの雲の先に辿り着けば援護位は出来た筈だ」
「それでも貴方は死にますよ。アンナの生死に関わらず。そうなれば結局アンナも死にます」
「ならそれでも生きてほしいって
「ガチビンタしますよ」
「マジで死ぬからやめて」
それでも、それでも死ぬとしてもアンナを助けたかった。エリヤの命を奪ってでもアンナに生きてほしくて、最悪其処に自分が居なくても良かった。例え幸せになれないとしても生きてほしいというエゴを抱えて、ウリックは何処までも自分勝手に炎を宿してしまったから。
「……ただ、お前達にも本当に迷惑をかけた。迷惑料でそいつはやるよ」
「大剣型武器COMP……これ、私専用にセッティングもしてあるんですね」
「あるシステムも外付けでデータを組み込んでる。一度フェイに渡して、どうするかはまたお前達で考えればいい。アンナ相手に生き残れたらの話だがな」
掛けた迷惑に比べればあんまりにもちっぽけだがなとウリックは笑って、自身の大剣を由奈へと託す。大剣を軽く振い、最終的に仕舞い込みながらも由奈は数秒沈黙してウリックを担ぐようにして持ち上げた。
「おい、何のつもりだ?」
「アンナとエリヤの方へ行きます。飛べないのでその地上付近ですが」
「は?」
「アンナの元へ行きたいといったのは貴方でしょう」
呆れたように周囲警戒をしながら歩く真澄を後目に由奈はウリックを担いで動き出す。
「俺の立場で言うのも何だがお前そんなに情深い性格だったか……?」
「おっと、手が滑りそう」
「性格は変わってねぇな!ごめんなさい!」
「まぁフェイならそうしましたからね。私達は勝ちに来ましたが、それはそれとしてきちんとした納得できる決着をつけなければならないんです。そうでなければ戦う意味がない」
そもそもの話、戦う必要性すらフェイ達にはなかった。エリヤの因縁の決着をつけるという精神的な道義が戦う理由であり、どんな形であれそれに沿う形の終わりを迎えるのがエリヤにもウリック達にもフェイ達にも必要だった。
「この戦いは私達の因縁以外は昇華しません。無意味、無駄、無価値と言われても仕方がないでしょう。でもだからこそ、最善は目指さなければならないんです。これは貴方とアンナとエリヤの為の物だから」
「……悪い。いや、ありがとう」
「どういたしまして。それにフェイがもし負けた時に人質としても使えますしね」
「話が大分変わってきたなぁ!」
「さ、その為に頑張って生きてくださいね。少なくとも決着がつくまでは」
強引に魔石や傷薬を使いながら由奈は無理矢理ウリックの延命をして、ふと空を見た。雲の上で恐らくまだフェイとエリヤは戦っている。勝機は幾つか用意し、通る可能性も高いがそれでも実際どうなるかと言えば由奈には想像がつかない。
空での戦闘はアンナの方が経験を積んでいるが故に其処を突かれて負ける可能性は十全にあり、其処に向かいたいと歯噛みしているのは由奈や真澄も同様だった。
「(私は勝ちましたよ。だから、其方もどうか無事で)」
だから勝つ事よりもまず生きる事。負けるとしても五体満足で生きて会う事を由奈は望み願って、歩みを続けた。
・リザルト
久遠 由奈:Lv92→Lv94
神城 真澄:Lv90→Lv92
ウリックの武器、アウトブレイクと■■■■■■システムのデータを入手。
<久遠 由奈>
物理メタな人。場持ちも良いし物理攻撃通じないし反撃もしてくるので大体ウリックの天敵。
ヤクシャを使って防御貫通はしたもののそれ軸で攻める余裕がなく終わった。ウリックに対しては自分と似たタイプだなぁと思ってるので比較的話す時に感情が乗っている。アウトブレイクが本投入されたら物理貫通★とデッドリーブレイクを噛ましてくるやべーやつになる。
<神城 真澄>
破魔メタな人。テトラジャに加え、神明鏡符も頑張って作って上手く使ったので実質的なMVP。敵面子とは面識がないので関係者の好きにやらせる方針で振舞っている。ちなみにテトラジャ・反射符に関してはそれぞれ破魔・呪殺無効裁定だったり物理反射裁定だったりとで大分判断が分かれる所ではあるんですがこうしないと勝てなかったのでお許しください!
<テスカトリポカ>
蘇生メタな人。どちらかというと火力の方が頼りにされていた気もする。
自己の保全を無視してケツァルコアトルにぶつかった結果、D2そのまんまの性能で暴れ散らかしては宿敵に砕かれておっちんだ。その後は最後まで好き勝手やらせるのは癪なので消失と同時に最後っ屁を決めた模様。
<ウリック・ヤード>
メタがぶっ刺さり続けて苦悶の声を上げながら戦った人。総合力では間違いなく勝ってるが賭けに負けたりしたので惨敗しかけた。その結果、神話再現を利用して某ハイペリオンみたいな挙動で戦い始めるが特に某灰と光の境界線な人とは無関係(すげー似てるぜって思いながら諸々描写パクってはいる)
<ケツァルコアトル>
今日は俺とお前でケツァルコアトルだからな!の神。他の仲魔も同様だが主であるウリックを慕っていたので薪になるのを受け入れたし、ケツァルコアトルも最後まで炎を振り絞った。
<DB組&エターナル>
エターナル側が目的達成できねぇなこれと萎えて離脱者が出てきて、逃げ遅れたエターナルが袋叩きにされた形で終結する。結果的にDB組もケイケンチーをあんまり稼げてないが死者も出てないのでヨシ!
破魔貫通を得る。自ターン開始時、連動効果「自身をリディア状態にする」が発動し、強化段階が1増加。※連動効果は、自ターン開始直前の強化段階に依存。
【強化段階:1】呪い無効を得る
【強化段階:2】リディアの対象が味方全体に変化
【強化段階:3】自ターン開始時に連動効果発動。
「1ターンの間、味方全体の攻撃力・防御力・回避と命中を20%ずつ増加」が追加。
代償:このスキルはスキル枠を3つ消費する(仲魔の強化により代償が緩和)。
リディア状態※D2:3回行動するまでの間、行動する前にHPを回復する(回復量は凡そ15%)
敵がスキルによって復活したとき、連動効果が発動。「敵全体に現在HPの50%の割合ダメージ(最大2000ダメージ)を与え、敵全体を基礎確率80%で呪い状態にする」
3,呪殺属性で与えるダメージが20%増加。最大HPが20%増加
物理貫通★:物理属性で攻撃時、耐性・無効・吸収・反射を無視してダメージを与えられる(テトラカーンは無視できない)
物理ブースターⅢ:アタックを除く物理属性で弱点を突いた時、ダメージが50%上昇する
モノノフⅢ:物理属性のクリティカル率がかなり上昇する
・近接攻撃力・必殺発生・必殺抑止が上昇する。
・ラッシュ・スピンの詠唱時間-10%、ガード・カウンターの詠唱時間-20%する
・全てのスキルのHPコスト-25%
・武器依存相性スキルの効果+25%
・アタック・スピン・ラッシュ・カウンターの威力+20%・クールタイム-25%。装填数+1。
斬撃相性のスキル使用時、威力が20%上昇する。デジタライズ中のヤクシャより取得
【強化段階:1】スキル効果に「1ターンの間、敵全体の攻撃力・防御力・回避と命中を20%減少」が追加
【強化段階:2】追加効果も含め、ターン数が3ターンに変化。発動前に既に2段階に到達済み
自ターン開始時、自身が死亡していた場合、次の連動効果が発動。
「自身をHP100%で復活させ、味方のプレスターンアイコンを1つ増加し、1ターンの間、味方全体の攻撃力・防御力・回避と命中を20%増加させる。」
この連動効果の発動は、バトル中2回まで。
自身が死亡したとき、連動効果が発動。「1ターンの間、味方全体はHP20%相当の防壁を得て、HPを30%回復し、復活禁止状態を解除する。」
【強化段階:1】威力が上昇し、【残滓】効果が追加
【強化段階:2】威力がさらに上昇し、死亡時に踏みとどまるスキル無視が追加
【強化段階:3】威力がさらに上昇する
1回使用する度に威力が上がる(最大8回)。最大まで使用されたバイパースマッシュの威力はメギドラオンを超える特大ダメージとなる。