真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
かくして戦いは終わった。
大地より太陽に羽ばたかんとした悪魔を従える剣士も天空を翔けて己の宿痾を超えようとした鋼鉄の大天使も、その翼はついぞ空には届かなかった。ハイエナ目的でやってきたガイア再生機構のエージェント達も一部を除いて離脱に成功し、後に残ったのは戦闘によってさらに壊され尽くした伽藍洞の廃墟と雲一つない青空のみ。
そうして空での戦いを終えたフェイ達が地上へと帰還し、由奈や真澄との合流を果たす。互いの状況と二人の残された時間を踏まえて会話は最小限に済ませ、仲魔の回復を以てウリックとアンナの延命を図る。
「よぉ、どうにも前とは立場が入れ替わったな。今はこっちが達磨になっちまった」
「あの時は実質そっちの勝ちみたいなもんだったからね。リベンジが果たせて、まぁ良かったと答えるべきなのかな。今回も幾つかズルをしてしまったけれど」
アンナとウリックとの戦いの為にフェイが用意した物は数えきれない程にある。数々の装備やアイテム、一回限りのブーストによる仲魔の強化、来るかもしれない増援に対応する為の伏兵用意。
過剰とまで言えるそれらの準備は全てが功を奏したがウリック達との戦闘が対等であったとはとてもじゃないがフェイは言えなかった。
「だが猶予があったというなら其処の条件は同じだった。再戦に何か用意出来なかったこっちが悪い。というかそっちに迷惑はかけっぱなしだからな。迷惑料でアイテムと武器COMPは久遠 由奈に渡しておいた。好きに使え」
「君の事を疑ってる訳じゃないんだけど、細工とかしてないよね?」
「あの武器COMPはシステムも含めて俺が作ったもんだから心配は要らねぇよ。それでも必要なければ質屋にでも売っちまえばいい」
「じゃ、本当に好きに使わせて貰うね。あんまり此処で時間を使うべきじゃない。もう限界も近いんでしょ?」
「お陰様で……と、言いたい所だが自業自得だな。命投げ出して得られた結果がこれじゃ、世話ねぇが」
乾いた笑いと共に身動きも取れずにウリックは空を仰ぐ。アンナを助ける為に命を燃やして、その末に敗北したウリックに残ったのは四肢もない黒焦げの身体だった。それはエリヤに抱き抱えられてるアンナも同様で、経過した時間も踏まえれば残された時間は消えかけの蝋燭程度だろう。
「それでも、アンナの顔が死に際に見れたのは良かった。死ぬ時は二度と見れないだろうと思っていたから」
「……君はそれでいいの?」
「まぁ、な」
言い淀むようにウリックは声を震わせた。本音を言うのであればこんなボロボロのアンナは見たくなかったし、そもそも戦っても欲しくなかったという言葉すら浮かんでしまう。
アンナを助ける為にこうまで無理を重ねたのに、結局アンナも同じような事を考えて命を燃やして、行きついた姿は互いに黒焦げの焼死体間際の残骸でしかない。ウリックはまだ五感が機能して声も発する事の出来るが、アンナは超能力の喪失によって五感は完全に消失。声も発せず、何も感じず、数分で死ぬだけの存在にすぎない。
「俺達は世界を滅ぼす行為に加担し続けた。それが組織の命令で、頷かなければ死が待っていたとしてもその罪を消す事は出来ない。許されてはならないし、言い訳はできねぇ」
自分より悲惨な者達などこれまでの世界に幾らでもいた。それこそ吐いて捨てる程に多く、満ち溢れ、そのどれもが目を背けたくなるような苦しみばかりだった。その報いがこれだというのであれば、死による離別が罰なのだとしたらそれは正しいとウリックは思った。
「僕はそれに対して何も言う事は出来ない。まだ何も失おうとしてない奴があれこれ言うのは烏滸がましすぎる」
そして、失う物を必死に繋ぎ止めようとしていたウリックに対してフェイは何も言葉が思いつかない。由奈や真澄、エリヤを失うという事すら考えたくないし、失ってしまえばきっと自身の心はその痛みに耐え切れないだろうから。
生きる事を選択したとしてもやっぱりその死が記憶にへばり付いて、二度と消す事の出来ない疵が生まれる。失った物を焦がれて蘇らせるか、失った物に一生思いを馳せて後悔しながら生きていくか、失った物に追い付く為に自死を選び取るか。
どちらにせよ其処に幸福はなく、未来はない。だったら今ある物を必死に守ろうとするウリックは今の自分と同じで、その行為と罪を糾弾する事はフェイには出来なかった。
「だから、必死に生きようとした君とアンナの事を忘れずに記憶に留めるだけにするよ。罪を糾弾する人達は多分他にも一杯いるだろうし、それは正しい事だけれど僕までそれに倣わなきゃいけない理由はないからね」
「ははっ、お前とは殺し合いしかした事ないのにな。でも、ありがとう」
その言葉を最後にフェイは口を閉じる。後方に居るアンナを抱えたエリヤと入れ替わるように立ち位置を変えながらその様子を見守る。
「エリヤさんも、本当に迷惑かけちまったな」
「そんな事もういいんだよ。今はお前達二人で、話をするべきだ」
既に欠け落ちて片手で抱えられるようになってしまったウリックの身体をアンナと同様にエリヤは抱き留める。その胸の中で痛みが和らぐようにフェイと共に
『にぃ、さん……ウリック?』
「アンナ!?」
「使った事はなかったが、うまくいったな」
口は動かないままにアンナより発せられた声はエリヤとウリック以外には響いていない。五感が死んでいる以上、何も感じられないアンナが二人の存在を感知できた理由はエリヤのESP能力にある。
<リーディング>*1、<テレパシー>*2、<セカンドヴィジョン>*3等を複合させての疑似的な魂を繋ぎ合わせての対話。五感を無視したその行いは呼吸もやっとなアンナの声すら一時的に引き出す事に成功している。
『そ、っか。ウリックもまけちゃったんだ。そんなに無茶して、あたしなんて見捨てれば良かったのに。馬鹿な人』
「見捨てる様な奴ならそもそも此処まで付き合わねぇよ。バーカ」
『ふふっ、馬鹿なのはお互い様か……ねぇ、ウリック』
「分かってるさ。話をつけてこいよ。俺の事は気にせずにな」
『ごめんなさいね。でも手は繋いでて欲しいわ』
「お前が嫌って言ってももう離すもんかよ」
互いの肉体を認識しないまま、二人は心だけを認識して繋ぎ合わせていく。それまで感じた痛みも苦しみも緩やかに停滞しながらも、確実な終わりは刻々と近づいてきている。
内側に残った炎熱が壊れかけた身体を完全に壊し切り、ウリックもまた周囲を認識できていない。声も出せず、呼吸も上擦って、心臓は生命を最期まで燃やし尽くすかのように脈打っている。
両者の黒ずんだ身体は端から灰へ、塵へと還り始めている。尋常ならざる覚醒をした過負荷は罰のように肉体に降り掛かって、最後には何も残らないであろう事は明白だった。
『にぃさん』
「俺の事は良い。ウリックと話を……」
『おねがい、聞いて』
肉体は消失する定めで何も残りはしない。その上でこれからも生きる人にせめて何かを残す為にアンナは想いを零す。
『酷い事ばっかり言って、ごめんなさい。言い訳になっちゃうけど、強い言葉を使わないと貴方と戦う事すら出来なかったから』
「だから、もうそんな事はいいんだよ! これが最後なんだぞ!?」
『ウリックとはもう一杯話したわ。辛い事も嬉しかった事も全部ね。だから今は兄さんに伝えたいの』
肉体も魂も摩耗の果てに朽ち果てながら言葉は心のままに吐き出されていく。
互いに戦いたくなかったという悲哀と躊躇も大切な人と生きる為に殺す事を選んだという覚悟も遠い過去の日常で大切にしていた愛情も全てが織り交ぜ合う。肉体面においても似通い過ぎる両者は心情もまた似ていて、そうであるが故に酷く穏やかに二つの心は融和していた。
『不思議、ね。あれだけ抱えていた痛みが今は何も感じないの。兄さんとウリックだけが此処に居るからなのかな。こうして戦ったお陰かも』
「俺はこんな事したくなかったよ。戦わないのもお前から目を背けるようで嫌だった」
『私と同じで我儘なんだから。でも其処が一緒なのはちょっと嬉しいかも』
「ああ、俺もだよ」
交わす言葉は軽やかで纏っていた敵意や殺意は其処には存在していなかった。因縁を昇華し、結末もついたが故に訪れたただの兄妹の会話はあまりにも懐かしくてエリヤの瞳から自然と涙が流れ出す。
『それと兄さん』
「なんだ」
『好きな人が出来たなら、ちゃんとしなきゃ駄目よ? 兄さん、昔からそういうのあまり言わないじゃない』
「そうか? そうかもな。気を付けるよ」
『何か伝えようとしてあれこれ困って無言でハグとかしてない?』
「……」
『はぁっ、困ったら無言になる癖も良くないわよ。言葉でちゃんと伝えなさいって』
「わ、分かったよ。善処する、なるべく」
『期待はしないでおくわ』
拡張された精神による会話は実際の速度より緩く、数十秒という時間でも永く言葉を伝えられた。言い合う言葉の比重はどうしてもネガティブに偏ってしまうが通じ合える事が何より嬉しくて何度も何度も何度も何度も話して、笑い合って
『兄さん、そろそろ時間みたい』
「いくのか」
『ええ、でもウリックも一緒だから寂しくないわ』
そして、当たり前のように終わる。どれだけ望んでも永遠には手が届かない。
「俺はお前達に幸せであってほしかったよ。これからもこの先も、ずっと」
エリヤが抱えた二人の肉体は最早黒い塊となり、ひび割れて潰れている。力を少しでも籠めれば砕け、脆くも欠けて二人だった残骸は壊れていく。
『じゃあ、そうね。御守り代わりに渡しておくわ』
視覚化された魂は朧げに揺れながら空へと昇る。その最中にアンナよりエリヤへと魂の欠片が日の光と共に降り注ぐ。
「これ、は」
『私が魂で、兄さんが体。私が兄さんの肉体を求めたなら、逆も出来るって事よ。中途半端だけどね』
兄妹で別たれた魂と肉体。それらを一つとしようと魂であるアンナは肉体であるエリヤを求めた。それは詰まる所、アンナの魂の欠片をエリヤに与える事も可能であるという事に他ならない。
魂を与えれば人は死ぬがアンナはもう死に逝く人であり、その行為に躊躇はない。エリヤはその名の如く、サンダルフォンの力を引き継いでいく。天使化してから金に染まった髪をアンナの茶髪へと変えながら、空を見上げた。
「髪か、大事にしてたもんな」
『大事にして頂戴ね。今の兄さんならきっと似合うわ』
「ああ……!」
無我夢中で抱き締めた二人だった塊が急速に消失していく。どれだけ手繰り寄せても小さくか細く、二人の全てに手が届かない。
「じゃ、俺達はこっちで元気にやるからさ。こっちは心配しないで頑張れよ、エリヤさん」
『苦しかったけど私達は幸せだったわ。だから貴方も幸せになってね、兄さん』
アンナとウリックの最期の言葉。それにエリヤが声を出す間もなく、一瞬で何もかもが消え去った。両腕に圧し掛かった命の重さは初めから何もなかったように感じられず、どれだけ超視覚で存在を探しても二人が完全消失した事実だけを鮮明に突き付けてくるばかりだった。
「嘘が下手だよ、アンナ。幸せになんて、なれなかっただろ。奪われてばかりだっただろ。くそっ、クソッ……!」
どれだけ言葉を交わしても、結末はこれだ。肉体を弄られて、戦って戦って、大切な人も全てを失って死んでいく。その痛みと苦しみに報いる結末だった訳じゃない。
「エリヤ」
「……なんだ」
蹲り、涙を垂れ流したぼやけた視界のままエリヤは顔を上げる。戦いで汚れても絹糸のように輝く金の髪を揺れて、屈んだフェイの青い瞳と向かい合う。
「僕が、君に出来る事は何かあるかな?」
自身が感じている痛みとエリヤが感じている痛みは同じではない。それを訳知り顔で同情する事はフェイには出来なかった。ただ、その痛みを和らげたいとフェイは願ってエリヤはそれに両手を差し出した。
「抱き締めて、くれ」
「うん」
「辛くなったら、思い出してしまったら。何度でも」
「うん」
「これからも一緒に、居てくれ」
「うん、ずっと一緒だよ」
力なくフェイに縋るエリヤは弱々しく今にも消えてしまいそうで、それを離さないようにフェイは優しく抱き締めた。流れ出る涙が止まり、嗚咽が止まらない喉が枯れ果てるまでフェイは受け止め続けた。
・
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・
エリヤとアンナ、それに纏わる因果は片割れの死という結末により昇華された。
キリギリスのDBやガイア再生機構側からの刺客の参戦もあり、戦いの内容はキリギリス内でそれなりに広まったが飽く迄これは個人間の争いで世のあれこれに影響を与える物ではなく、早々にこの戦いに関する事柄は関係者のみが記憶に残すのみとなった。
また、この戦いに数日間は集中しなければならなかった為に決戦直後からフェイ達は世の情勢変化に追いついていかなければならなかった。
「まだ<混沌の奇禍>からそんなに経ってないのにこうも忙しいとはな」
「ヤクザの残党も富士山で集結*4しているらしいしね。その対処にかなりの面子が行ったとは小耳に挟んだし、何処もそんなもんよ多分」
「フェイと由奈も戦い終わって一日後にはもう色々駆けずり回ってるし、仕方ない事なのは分かるんだが」
拠点にて装備やアイテムの整備、事務作業をしながらエリヤと真澄は言葉を交わす。
フェイは諸々の依頼を熟している為に不在で由奈もそれに同行している。他にも仲魔の見直しの為に邪教の館へ向かったり、空中戦やその他検証データの提出をしていたりといつになく忙しない。結果的にヤタガラス以外には顔が広くない真澄とドリフター故にコネクションは皆無のエリヤが裏方で雑務を引き受けているというのがフェイ達の現状だった。
「色々考えると本当は四人行動したいんだけどそうも言ってられないから二手に分かれるしかないのよね。何処かの組織所属してればこういう事務作業だったりも軽減できるけど、フェイはコネあっても完全なフリーだし、私はヤタガラス所属してても今はただの協力者みたいなもんだしで」
「それでもフリーの中では恵まれてる方なのは間違いないだろう。今回に限って言えば行政も安定してないし、その上でコレが来てしまう」
エリヤは持っていた資料を見た。セプテントリオン、ドゥベ、フェグダという名が記載され、写真には巨大な怪獣の姿が写し出されている。
「エヴァは見たでしょ? 大体あれの使徒よ」
「肝心のエヴァンゲリオンはない*5ってのにな。生身で大怪獣バトルは勘弁願いたいよ、マジで」
「私も本当は御免よ。一次は有効打なかったから私達、ほぼ裏方で動いてたしね。第二次の時は高火力万能持ちだからって滅茶苦茶ぶん殴らされたけど」
真澄の脳裏に浮かぶ
フェイが仲魔に指示を出しながら<ワイルドハント>をかまして、MP尽きたら<妖精の祝福>で回復待ちながら<ワンスモア>。真澄は<徹し>をしながら状況を見てカーン系を張っていた。特に負担が大きかったのは由奈であり<雲耀の剣>が消耗なしでダメージを確立で2倍に跳ね上がる<豪力の転心>もあったという事でほぼほぼ無限に雲耀を放っていた。それこそ泣きたくなるレベルで。
「暫くしたら本体倒されたみたいだけど、アイテム大量消費したのに経験値は雀の涙。マジであれは怪獣というか害獣よ」
「マザー=アバドン*6の時に妙に対処に慣れてたのはそれが原因か」
「何事も経験よねー。経験したくなかったんだけどねー。わははー」
死んだ瞳のまま真澄の乾いた笑いが響く。何だかんだ逃げずに戦い続けていたからこそ様々な強敵と相対しても生き残れているという自覚はあるものの地獄である事には違いないのだと、その表情が告げていた。
「第三次の細かい情報はまだ公開されてないから、細かい対策の用意はそれが間に合えばになるか」
「でも三体って聞いたし、絶対前回よりアホ程きつくなるわよー。わははーっ」
「その為の準備を今してるんだろうが。正気に戻れ」
「ま、私達の想定より厳しくなりそうなのは確かかもね。あらゆる意味で」
「それはどういう……って、これは」
何処となく憂いを感じさせる表情のまま真澄は首を傾げるエリヤにPCの画面を見せた。
「掲示板? 例によってセプテンの話のようだが」
「私が話したいのはその後の事ね、ほら」
「キリギリス最強……フェイの名前も出ているのか。というか
画面に映されていたDDCにおけるスレの一つ*7だった。書かれている内容はセプテンの話から始まり、其処から何故かキリギリスの最強の話に脱線している。
「それでこれを見せた理由は? 何となく察しはついたが」
「フェイが客観的に見て、どういう風に見られているかって話よ。あの子はそういうのあんまり気にしない……というより分かんない所があるからちょくちょく確認してるのよ」
書かれている内容をマウスでスクロールしながら確認して真澄とエリヤは読み進める。
「このスレの内容自体は身内ネタに過ぎないのよ。実際、最強なんだかんだって言い出すと人はムキになるし荒れるじゃない? ただ、此処に名を連ねているDBはどれも歴戦の猛者といって良い面子ばかりなのよ。そして、その中でフェイや私達の話が出てくるという事はそれらに並ぶ程に力をつけている事の証明でもある」
「実際、最強云々はとてもじゃないが言えないが俺達四人はいつの間にかにLV90という地点にまで到達してしまった訳だしな。それだけの実績も抱えてしまっている」
フェイ達がキリギリス内部におけるトップクラスのDBチームである事は既に自他共に疑いようもない事実だ。1年前程であるなら由奈や真澄でもLv60前後で、フェイはLv40程度であったがこの世界のインフレに伴う激戦によって各々の力はLv90という神話の領域にまで達してしまっていた。
個人個人の話で言うのであればフェイはウィッカと呼ばれる強力な
その相棒である由奈は天魔衆でかつて存在していたマントラと剛剣を主体とした強固な守りを持つ魔法剣士であり、羅刹という特殊な出自故に凄まじい物理火力すら発揮していた。
ヤタガラスの巫女の真澄は悪魔との混ざり物ではないものの鍛え上げた拳と身体に極まった骨法術を乗せた強力な近接格闘術に多数の符術と結界術すら扱う事が出来る。
しかしそれでも最強と呼ぶには実力が足りていないのがこの世界の現状であり、フェイ達もまたラーヴァナやウリック、アンナ等の戦いによってそれを深く理解している。
「フェイは確かに強いけどどうしても自分の力を軸に戦ってるから単純なサマナーの技量だとシロエ*8さんにくぅん*9さん、鉄仮面*10、クズノハキョウジ*11、アイバ*12さん辺りには確実に負けてるでしょうね。経験不足を仲魔との信頼関係の構築による連携と魔法によるバックアップで補ってる形だから」
「由奈もマントラ含むならともかく剣の技量ならスレに出ている一般剣士*13には勝てないとは言っていた。俺もガンナーとしてなら上はもっと居るしな」
「私で言うなら“凄拳の魔獣”*14には真っ向からじゃぜぇったい勝てないわ。ま、でもとどのつまりは私達はそれらと比較される位には客観的に強いって事よ。フェイも凡そ同年代で名前が上がるサマナーが野生児*15くん位しか居ないから其処も評価ポイントなんでしょうね」
よってフェイ達は最強候補に上がる程度の強者という位置づけになる。各々の組み合わせとしてチームとしての総合力も高く、リーダー格であるフェイの見た目が非常に目立つ為に名がよく挙がるのは間違いない。
「私達がこの段階まで強くなったのは四国で屍鬼共とやりあったり、ヨコハマの中華マフィアだったり天魔衆だったりとやり合ったからだし知名度が格段に上がったのも其処からよね。数年前から由奈とフェイはコンビで活動してたからその見た目も相まってそれなりに有名だったけど」
「今まで突っ込まなかったけどなんでフェイはいつもあの恰好なんだ? 見た目で知名度上がったのってあの服のせいだろ? しかも男で、露出も結構あるし」
金髪ロングのエルフ耳少女(男の娘)が魔女服を着てればもう強さ関係なく目立つし、もう界隈ではほぼほぼアイドル扱いである。そして、その元凶と言えば由奈と真澄という逆光源氏のような真似をしているショタコンなのかロリコンなのかも分からない性癖異常者だった。
「由奈と私の趣味って言ってしまえばそこまでだけど身体が華奢過ぎて身長合わせた男物着させてもぶかぶかで似合わないし、魔女同盟から貰った素材とか考えるともう魔女服作った方が速かったのと……」
「のと?」
「フェイがあれ着て恥ずかしがるの見るのが好きで……後、今は満更じゃないのとあれ着てないとむしろ落ち着かないみたいだから。私達はーもう悪くないというかー、ねぇ?」
「何をどう考えても10割お前達のせいだろ。性癖押し付けた挙句に染めてるじゃねぇか」
フェイ本人はと言えばかつては普通の男物も着ていた過去を持つが着ても女の子にしか見えない所か普通の男物だと全く似合わない域にまで達してしまっている。
だからもう似合わない男物着るより美少女服でばっちり決めて戦う方が一周回ってカッコいいんじゃないか?という妄言に近い主張すら真澄にはあるがフェイが納得していなければ普通に虐待で訴えられて負けるのでもう色々と駄目だった。
そんなどう考えても100%の非がおめぇにはあると突き付けてくるエリヤの言葉に真澄は反論した。概ね早口のゴリ押しで
「しょうがないじゃない! 私達だって色々試したけどウィッカとの魔術的相性も鑑みてあの魔女服が良いって判断したんだし! それこそあの服で防御力担保する為に色々してるんだから! それにあの子に魔女服渡したら凄い嬉しそうな顔で受け取って大事にするって言われたらもう引き返せないでしょ!? 量産もしてしまってるし!」
「お、落ち着け」
「貴方も今更フェイが男物着ても嫌でしょ!? というか目線であの子の肩とか太腿とか見てるのバレてるからね! そんなにお好きですか、肩出しと絶対領域が!? 私も大好きですよ!!!」
「わかった! わかったからこの話はやめよう! ハイ、やめやめ!」
あんまりにもあんまりな真澄の暴論にエリヤは切り返す事を止めた。これ以上話せば勢いに引っ張られて、自分の
「で、そんな見た目だからこそ逆に頼られるって事はあんまりなかったのよ。ただこうまで強くなって影響力もあるんじゃ話は違うわ。どれだけあの子が華奢な子供でも強いって事はどうしても人の目を引く。良い意味でも悪い意味でもね」
「知名度向上による周囲からの期待と敵対組織からの危険視か」
「実際それで何度も死にかけてるでしょ、私達」
キリギリスというコミュニティは所詮互助組織で其処に階級や決まりは存在しない。仮にフェイが戦う事を嫌ったとしても咎める権利がある者は存在しないのだ。だがその権利の有無は関係なくフェイはこれからも戦いに自ら赴かなければならない。
それはフェイ自身がそうしたいというのもあるし、そうしなければ自分や真澄達の安全を守る事が出来ないからである。ラーヴァナ、オベロン等の自分達を突け狙う超越者の存在や横浜の三合会潰し、アンナやウリックの撃破による敵対組織からの指名手配。それらは悪意に満ち、無数に居て、あまりに強大だった。
「今の世界に真の意味での安全圏は何処にもない。フェイや私達がどれだけ強くなってもどうしようもない物もある。だから手を差し伸べられるなら他者も助けて、自分達がヤバい時は助けて貰う。そういう方針でフェイがやり続けたからこそ私達は今も生きられているの」
守りに徹しようとしても喰い破られる程でフェイ達だけではそれらにはとてもじゃないが対処する事は出来ない。だからこそ、これからも周りの信頼を勝ち取り、助けて助けられていく事こそ自衛に繋がるというのがフェイの意見だった。例えそれに終わりがないとしても、止まってしまった者から順番に死んでいく世界だと認識しているが故に。
「だからそれは正しいのよ。実際、自分の身の安全だけを優先してアリみたいに引き篭もってたらあの子もそれを守る由奈や私も高い確率でマンハントにあって終わっていたわ。それこそ後悔してもし切れない終わりを迎えていた事でしょう。そういうの、この1年で凄い見てきたから」
「……それはあまりにフェイの負担を度外視してるだろ」
「私もそう思う。けど、そうし続けるしか生きていく方法はないとあの子は言ってたわ。十年ちょっとしか生きてこなかった子供がそれしかないと進むしかなかった」
何処か懺悔するように顔を俯かせながら真澄はフェイの過去を順に語り始めた。
由奈がフェイをファントムより買い取ってから戦闘に関わる事まで教えたのは凡そ自衛が目的だった。目を引く容姿、目新しいスキルや才能の保有、デビルドーターとは思えない高い知性、3体召喚を通常で行える程の高いサマナー素養、鴻上博士の実験体、狙われる理由はそれこそ山のようにあった為である。
その自身という存在の危うさを正しく認識していたフェイはそれらの教えを異常なスピードで吸収し、力を開花させていった。
「あの子がファントムで実験体やってた期間は分からないけれど、由奈があの子にあれこれ教え始めたのは今から精々5年程前の話よ。それであの子は許しを乞う事しか出来ない子供からここまで至った」
「由奈がそこまで教育上手とは俺には思えないが」
「むしろ下手だったわよ? あの女、学歴真っ白で人食いと殺ししかやってこなかった狼少女みたいなもんだし。私もあの子に教えたりしてた事もあるけど……私も因習村出身の社会に出た事がない小娘だったから大した事は教えられなくてね。だから、ほぼコネを使いながらの独学よ」
戦闘面における動きは由奈より、カルトマジックの取り扱いに関しては真澄よりその技術の大枠をフェイは学んだ。其処から此処まで至るまでその技量を伸ばしたのはやはりオベロンの娘であったフェイが魂に混入していた事が大きい。
実質的な転生体として可能性を覚醒させるというより思い出すかのように記憶と力を引き出していって、誰に教わるまでもなく魔法的な技量は完成されて今も尚その出力を増していっている。
「オベロンの話を聞いた時はむしろ納得すらしたわ。あの異常な速度の才能の発露は前世を無意識に思い出していったから何だってね。でも、それ以外は全部あの子自身の努力で会得した物よ。此方が静止しないといけない程にかつてのフェイはあらゆる知識を求めて、その中で重要な技術を会得しようとしていた。じゃなきゃどれだけ才能があっても子供がこうも強くなった挙句、一つにコミュニティで顔役じみた真似するなんて有り得ない訳だし」
ではそれ以外のフェイの力はどうなのかと言えばコネクションありきではあるものの独力で築き上げた物だった。賢くはあったものの知識は何もなかった為に只管本やネットを見ては学んで、DBの活動において直ぐにそれを活かす様に行動。戦って、学んで、依頼でコネクションが出来ればそれも用いて貪欲にフェイは力を求め続けた。
共に依頼を熟した事があるシロエとラスキン老からはこの世界における複雑で法則が入り乱れた力の数々やそれを解き明かしていく事の大切さを。
ファントムの因縁によって知り合ったアイバとキョウジからは仲魔とはどうあるべきか、強いサマナーがどうあるべきかという事を。
物分かりが良い大人び過ぎた子供という仮面を被りながら、内面の切迫さと焦りを隠してフェイは此処まで至っている。
「何故其処までして力を求めたのかの正しい答えはあの子にしか言えないだろうけど……フェイを少なからず一緒に過ごした今の貴方なら何となく分かるんじゃない?」
「喪失への恐怖、か? その裏返しで力を求めたとすれば想像はつく」
「多分ね。あの子、頭良いのは勿論だけど勘も鋭いから何処かでどうしようもなく力が必要になる時が来るって分かってたのかもしれないわ。実際この数年で世界情勢は著しく悪化した。世界滅亡なんて、もういつ起こってもおかしくない程に」
世界の全てがおかしくなってから数カ月。世界がおかしくなりかけてから十数年。今に至るまで世界は多くの暗闘に塗れて、その時々に現れた英雄が世界を救ってきた。
救われた世界は救われたままではなく止めどなく破滅が押し寄せてきて、人心は無意識のままに乱れ続けて収まりがつかない。それを認識したフェイが感じたのはどうしようもない恐怖と焦燥感だった。
自分を生き地獄から救ってくれた大切な人達と安らかに生きていたかった。でも世界を見れば、調べてしまえば遍く破滅の影が忍び寄ってきている。
最初から何も持たずに傷つけられてきたフェイは救いと愛を得て、それを失う事を何より恐れた。自分が体験した蟲毒のような惨たらしい実験を大切な人が受ける事を想像した。
傷つき、犯され、混ぜられ、壊れて、また隣で誰かが死んでいく。そう考えるだけで心が壊れそうに発狂しそうになって目を逸らそうとしてもそれらの行いは最早この社会において遍在している。
来るべき冬に備えて蓄え、家族と共に冬が終わるのを待つアリに本当はフェイはなりたかった。痛いのは嫌だし、苦しいのはもっと嫌だ。今ある厳しい現実が壊れても、夢のように安楽のまま死んでいけたらきっと良いなとも思った。他ならぬ大切な人達がそれを望んでいたから。
「こんな状況下だから所謂アリになるって選択肢を由奈は提示したわ。私もそれに乗るつもりでいた。けどあの子は断ったの。絶対に何処かで破綻する、逃げきれないと言い切ってね」
だがフェイはアリにはなれなかった。コネによって大まかに得ていた情報からこの情勢がどれだけ深刻な物なのかをデータと共に示してきて、内に秘めた勘が強くならなければ死ぬと訴えてきた。
それらが一度足を止めてしまえば由奈や真澄がが惨たらしく死ぬという可能性を提示して、その失う恐怖から目を逸らす事が出来なかった。
「アリになりたくてもなれず、失う事が怖くて怖くて仕方なくてあの子は前だけ見て進むようになった。愚かでも傷ついても強くなって冬を真っ向から乗り越えられるように」
「そして、キリギリスの一員として活動するようになったか」
「シロエさんとか東堂経由で世界滅亡する関連の情報がちょうど来たからね。連携もしやすかったし、其処からコツコツ強くなっていったわ。由奈とはまた拗れたり京都ヤタガラスがアレ過ぎて西日本がヤバかったから貴方が此処に来るまでのはまた別行動してたけど」
「こうして聞くと別居してるけど子供が心配でくっついたり離れたりする倦怠期の夫婦みたいだな、お前達」
「うっさいわねぇ……ま、フェイのあれこれはそんな感じ。あの子の才能と力はそれこそ多くの人間が羨むほどにあるけど、ただがむしゃらに頑張って来ただけなのよ。だからせめて私達はその思いを理解して寄り添わなければならないわ。どれだけ功績を上げようとあの子がまともに生きられなかった子供なのに変わりはないんだから」
如何に才能があろうと力があろうとフェイの精神性は成熟している訳ではない。知性と力が求められていたからそれが先行してしまっただけで当たり前の世界の日常を一度たりとも経験したことはない。
あるのは自身に混ぜられて失われたデビルドーター達に対する悲哀と後悔と由奈達に対する愛情と喪失に対する激しい恐怖だけ。未熟な心はまともな感情を受け取ってきてないからこそ過敏で、一度壊れてしまえばもう元には戻れない。
恐怖と危機感をモチベーションに変えて強くなるという方法を子供が取っているだけ異常極まりない事で、異能者としての強さと反比例するように心は依然として脆いままだった。
「貴方が思っているよりあの子は弱いわ。いつ壊れても不思議じゃない位の心労はあるでしょう。なるべく私達も支えるけど限度はある」
「それでもしフェイが壊れてしまったら……」
「心中か、寄り添うか。死ぬまで一緒に居てあの子が少しでも楽になるように動くのに変わりないわね。どうせ私達もあの子なしで生きていけないですもの」
「……そうだな。俺も二度目は、耐え切れそうもない」
真澄は母と故郷を、エリヤは妹とその幼馴染を失っている。それは亡くしてはならなかった物ばかりであり、失ってしまった事で空いた心の穴を度重なる戦いとその準備の日々やフェイとのやり取りによって無理矢理な形で埋めていた。
由奈もまた同様にフェイに依存しており、心が弱いのも依存しているのもお互い様で歪ながらフェイと彼女達の関係は成り立っている。その上で支えはそれだけだから命を懸けて守り合う事に躊躇はない。たとえそれがどんな相手だったとしても。
「第三次セプテントリオンはそれこそ命を懸けた激戦になるわ。私達の誰かが死んでも、全滅してもおかしくはない。期待がある分、負担もまたこっちに圧し掛かるでしょうからその辺り踏まえて気張っていかないとね」
「俺も此処まで世話になりっぱなしだしな。今度からは俺がフェイの助けてやらなくちゃ対等とは言え……」
不意にエリヤの動きがピタりと止まる。何かに気付いたかのように顔が強張り、物々しい雰囲気で真澄に問い掛けた。
「あんまり考えないようにしてたんだが俺達も依頼で随伴したりはしているとは言え、他の面倒なあれこれフェイがやってないか?」
「い、いや? 私はヤタガラスとの橋渡し役だし、由奈は昔ならともかく今はフェイの代行として動けるようになったし」
「他は?」
「大体あの子ね……」
深い沈黙が場を包みながら薄々気づきつつもあった自分達の現状にエリヤは目を向けた。
まずフェイが自身を保護してから今までエリヤ自身が能動的に何かをするという事はなく、常にフェイか由奈等と随伴して動いていた。漂流者としてまだこの世界に来てからエリヤは日が浅い為にそれは間違いではない。
しかし、それを鑑みてもあまりにフェイから与えられた物が多すぎた。アンナやウリックとの戦いへの参戦以外にも武器・防具・アイテム・日用品の用意からこの世界に関わる知識や戦い方の伝授。果てはメンタル・フィジカル面でのケアも滞りなく行っている。
「心情的な事を無視して能力面だけ考えるならあいつ全然一人で仕事回していけるよな? 今あるコネも殆どあいつが築き上げた物だし」
「自慢じゃないけどあの子は私達の三倍以上社会性あるし戦闘以外の仕事も出来るわ!」
「あいつがハイスペックなのか、俺達がならず者過ぎるのか。多分両方かなぁ」
戦闘においては彼女達が居なければ詰んでいた場面は多くあれど、事実を羅列すればする程にその現状は重くエリヤ達に圧し掛かっている。ぶっちゃけ表社会であれば未成年の少年が複数の成人女性を養っているというのは即刻通報物だった。
「あの子、自分が居ないと駄目なんだなみたいな人ほど気に掛けるし結果的に好きになっちゃうタイプだから……」
「俺を拾ったのもそういう事かぁ。元は男だからダメンズって言われても問題ないもんなぁ、俺はぁ」
「仕事はしてるのよ! 嘘じゃないの! でも大体の仕事はあの子がやった方が早いし、私達が補佐に回った方が効率的に良いってだけだから! だ、だからヒモではないのよ! 私達!!」
「言ってて虚しくならないか?」
エリヤが現実逃避気味に自虐しつつも真澄は言い訳染みた言葉を吐き出すが現状は変わらない。何かを言葉にする度に身体から力が抜けていき、最後には重苦しい沈黙だけが場に残った。
「……頑張ろうな、俺達」
「落ち着いたら私も何か資格取るわ……」
そうして二人はその二言を告げた後に無言で作業を行い続けた。少しでも会話してしまえばまたその事を思い出してしまうので次第に考える事も止めた。
・リザルト
久遠 エリヤ:アンナよりサンダルフォンの力を幾つか譲渡され、スキルにセット
<久遠 エリヤ>
色々ありつつも最後はアンナとウリックに別れを告げて終われた人。
その死は深く心に傷として残ってはいるものの間髪入れずに第三次セプテンが来るので落ち込んでる場合ではなかった。ダメ人間ヒロインズの中では世紀末系周回から来た漂流者でまともな生き方何一つ知らないのでダメ人間ヒロインズの中では一番言い訳が立つ。
<久遠 フェイ>
メンタル張りつめながら頑張るダメ人間製造機な人。
作品作った当時は其処まで考えていなかったものの過去や今に至るまでの動きを踏まえると天才だとしても有り得ない位のスペックの高さを持つ子供になったので喪失への恐怖で死ぬ程頑張って此処まで至った事になった。その結果として自分がダメ人間好きになったりヒロインズを強制的にダメ人間にしたりしたもののそれは概ね元からだったような気がする。
<神城 真澄>
何だかんだフェイの危うさを正しく認識して此処まで支えてきた人。
フェイが厄ネタハッピーセットであった為にヤタガラスの庇護を受ける事が出来ればなと思い続けていたら気づいたらフェイが此処まで強くなっていた。その強さも諸刃の剣のような物なのでフェイのメンタルは人一倍気に掛けながら日々を過ごしている。でもアラサーで好きな人の忘れ形見に発情している事実は覆らないので総合的に見て一番ダメ人間。
<久遠 由奈>
家主である事でギリギリを保っているようで全然保てていない人。
そもそも元はフェイの主人だったのに今は逆転してるのでその時点で色々ダメ。真澄とはガチで敵対していたりフェイを危険に晒したりでフェイの事があっても反目しあう事が多かったが今はもう世界がそれどころではなくなったのでお互いフェイの安全第一で行動している。