真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
依然として喇叭は鳴り響く
第二の獣は南北より暴威を振り撒きながら迫っている
第四の獣は深き底から地球を揺らし、激しく波打つ海水にて全てを呑み込もうとしている
第六の獣は分裂と増殖を繰り返し、世界を満たしながら行進を続けている
終わらない。終わりはしない。世界を滅ぼし続けた怪物達は容易に倒れる事はなく、人類は総力を以て対処を続ける。そして、便乗するように動き出した勢力もまた多数
滅びを加速させる為に暗躍する
今はまだその時ではないと一時的な共闘を選んだ
各々の思惑を抱えたまま個々で介入を始めた
あらゆる業を集約させながら出現した
賽子は振られた。誰も止めようがない程に加速し、世界は変わっていく
過去と同様に変わらぬ終わりを迎えるか、まだ見ぬ未来への地平を切り開くか
結果は文字通り、全ての人間の手に委ねられた
「津波、また来るぞー!」
急造で作られた防波堤に波が衝突する。太平洋側において海と面する場所の多い千葉では既に幾度となく津波が押し寄せてきている
「壊れた傍から地変と氷結で減退させろ! 壊れても消えっから障害物にはならねぇ!」
「地変使える奴、もっと集めてこい! 氷結だけじゃ強度的に無理だ!」
留まり、流され、また波が留まる。高さ数mに及ぶ海の奔流が凍てつかされながら何重にも張り巡らされた防波堤を打ち壊して、勢いを弱めていく
「がああああっ! 止まらん!」
「どんだけ来るのよ、マジで!!!」
それでも津波は止まらない。通常の波は長さも量も桁違いで、急増の防波堤も一時凌ぎにすらならない。
政府によって設置された防波堤も存在しているが高さには限度がある。当然のように数十m以上に膨れ上がった波は受け止めきれない。津波同士が合流する前に、押し寄せる津波を可能な限り減衰して対処できる範囲に抑え続ける必要があった
「相殺、水撃班!」
\カカカッ/\カカカッ/
| 警察官 | 杉本 佐一 | Lv76(+4) | 物理・銃撃に強く、精神・破魔・呪殺無効 |
| 幻魔 | シトナイ | Lv73(+3) | 火炎・氷結耐性・破魔無効・呪殺耐性 |
「アシリパさん!」
『即席連携は難易度中々高いぞ……!』【精霊召喚】*1
急増ではない鋼鉄とコンクリートで構築された防波堤の上に陣取りながら
| ウンディーネ | P2罪出典 |
| 水撃系魔法+精霊召喚によって発動する合体魔法 敵全体に術者のLVを加算した水撃属性のダメージを与える |
無色が水色に染まり、自然現象の表れとして出現したウンディーネが津波そのものを操作。同時に他の水撃魔法も後押しするように津波と相殺させていき、防波堤の許容範囲にまで勢いを弱めていく
「アシリパさんはそのまま津波の対処を頼む!」
『後ろは任せたぞ、杉本!』
一度堰き止めても本体を打倒するまで津波は止まらない。そして、海岸線に迫る物は津波だけではない。背後より襲来する影に相対する様に杉本はDB達と共に反転する
\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/
| 武曲星 | ミザール | Lv45 |
| 武曲星 | ミザール | Lv45 |
| 貪狼星 | ドゥベ | Lv20 |
| 武曲星 | ミザール | Lv45 |
| 武曲星 | ミザール | Lv45 |
| 貪狼星 | ドゥベ | Lv20 |
「蹴散らすぞ!」
市街地より漏れ出たセプテントリオンが無作為に破壊を振り撒く。波に紛れて出現するミザールも含め、大混戦の中で津波の迎撃は行われていた
「お、らァッ!!」
押し寄せる攻撃を真正面から受けながら
本音を言えば避難誘導に加わりたかったが、精霊召喚を持つアシリパが居たからこそ杉本は此処に居る。関東圏において最も海に面する千葉は津波の被害を受けやすい。だからこそ、この海岸線には特に人員配置が優先され、他県からの増員が続いている
(安心はできねぇ。波はどんどん強まってるし、一度呑み込まれれば終わりだ)
地震大国である日本は津波がどういう物であるか身を以て知っている者も多い。一度流れ込んでしまえば目に映る全てが海に沈む。日常を過ごした都市が呑み込まれ、波が引くその時まで乱れ狂う海へと変貌する
あまりに強大な自然現象に人間は対抗する事が出来ない。超常的な力を持っているからこそ現状は抗えているが時間の問題なのは明白。数百mにまで至った津波に対してはハッキリ言ってどうしようもない
沖合でどれだけ津波を減退できるか、そもそも津波の発生を止められるか。迎撃には限度がある以上、信じられる他者に委ねるしかない。何処かがしくじれば途端に跡形も波に流されてしまうのだから、条件は一緒だ
「まだ来るよ、なぁ!」
背後で荒れ狂う波の音を聞きながら、只管に化物を屠っていく。無尽蔵の怪物が相手というのは横浜のマザーにて経験済みであるものの、厄介の度合いで言うなら此方が数段上。複数の脅威が絶え間なく襲い掛かってくるというプレッシャーは今までにない感覚でもある。歴戦の戦士でも隙が生じてしまう程に
「ッ、囲まれた!?」
眼前の敵に対処する最中で迫る多数の影。背後に逃げようとしても其処に行けば、津波迎撃組を巻き込んでしまう。後退はできない
複数の触腕が杉本の捉えた。杉本もまた留まり、反撃の構えを見せ―――
「頭上注意や、お巡りさん」
| 旋空弧月 | デビルサマナー虚空斬波相当 |
| 敵1列に剣技属性の大ダメージ。術者のHPが高い程、威力が上昇する |
そう呟いたのは自身ではない何者か、即ち援軍。言葉と共に抜き放たれた光刃が周囲のミザールを一息で切り刻んだ
\カカカッ/
| 自衛官 | 生駒 達人 | Lv■■ | 耐性不明 |
「マジで背水の陣って感じやな。加勢するで」
「666部隊か!」
特徴的なゴーグルを揺らし、生駒は杉本と背中合わせになって居合の構えを取る
「避難は終わったのか?」
「一応な。ただ、こういう状況じゃそれも何処まで持つか分からん。化物はまだぶった切れるが、自然災害はそうもいかんし」
この日の為に作られたシェルター並びに避難所は万全を期した物である。しかし地震によって地盤そのものを揺るがされたらどうしようもなく、波に流されたとしても同様にアウトだ
例え生き延びれたとしても文明が破壊され尽くしていれば復興は絶望的。三大勢力やまだ見ぬ脅威がある以上、最大限踏み止まる必要がある
「津波の侵入は許されねぇ。地震を起こす
「加えて、北と南から来てる奴。えらい吹雪撒き散らしながら近づいてきとるわ」
「北の奴は最悪ここまで来るか」
「最悪は東京に来る事や。そうなればなーんか不味い事になるって想像は出来るやろ?」
「余裕ねぇなぁ、ほんと!」
「援軍は送っとる。民間からもヤバいと感じた奴らがどんどん行っとるくらいや」
状況把握の軽口の最中で怪物達を殲滅する手は止まらない。怪物達もまた止まらない
「守らなきゃいけない場所の優先順位は多少ある。けど、何処が潰れてもドミノ倒しで日本は終わってまう。当然、此処もや」
「あんまでけぇ事は出来ないが精々最後まで戦うさ。俺は不死身の杉本だからな」
「ははっ! えらい気合いの入ったお巡りさんや」
「自衛隊にばっか良い恰好はさせられねぇからなぁ!」
並び立つ
「逃げろおおおおおおおおっ!」
増殖を続ける怪物によって占拠された市街地より、息を切らしながら走り出す集団があった。女子供も入り交じりながら、最後尾を走る男は後悔と恐怖の面を浮かべている
(くそっ! くそっ! 怪獣なんて嘘じゃなかったのか!? 全ては政府の陰謀で、何もかも俺達を貶める為の陰謀じゃぁなかったのかよ!!!)
男は
政府は信用できない。かつての世界は政府の暴走が原因で滅びたから
悪魔を信用できない。世界に満ちた彼らは男の家族を貪り喰らったから
人間も信用できない。我先にと逃げ出し、誰も抗おうとしなかったから
例え、今が昔と違ったとしてもその認識は簡単に変わる物ではない。日本政府が災いに対する具体案を提示し、実績を重ねたとしても。人々が滅びに抗い続け、今の世界が存続しているという事実を知ったとしても
男は信じられなかった。この場で逃げている者達もそうだ。政府がヤクザをまるで害虫のように駆除した事も疑念を後押しした。何故そうなったかという事からも目を逸らして、耳障りの良い言葉を信じてしまった
政府が次に駆除するのは漂流者。世界を埋め尽くす怪物なんて嘘っぱちで、シェルターに逃げ込んだ俺達を殺処分するつもりなんだ。ソースは不確かだが、俺は経験がある。
共感はあった。だから、皆を連れて逃げ出した。さながらソドムとゴモラより脱出する様に
だが、男はロトではない。逃亡にも正当性はなく、真実より目を逸らした結果である。振り向かずに駆け抜けたとしても何も変わらない。逃亡の罪には死の罰を。処刑の鎌は男を捉え――
| ガンマンの心意気 | SH2出典 |
| 敵が物理・銃撃属性の攻撃した場合に確率で発動し、相手の行動を無効化する |
「た、たすか……ヒィッ!?」
銃声と共に鎌が遠ざけられる。一命を取り留めたという安堵は長くは続かない。既に男の背後には無数の怪物達が迫っている。視界一面を埋め尽くすそれに引きつるような悲鳴が漏れた
「多いな、こりゃ。殲滅にも時間かかるぜ」
「此方で火力を上げます。其方で堰き止めてください」
「あいよ」
男や集団を守るように二人の男が前に出た。片やカウボーイのガンマン、片や神父服を纏った陰気な男。時代錯誤な姿に男は困惑し、同時に驚愕する
\カカカッ/\カカカッ/
| マインド使い | リシュアン | Lv74 | 破魔・呪殺・精神・魔力・神経・緊縛無効 |
| ガンスリンガー | ビリー | Lv69 | 全てに強く、破魔吸収・呪殺無効。技反射 |
「レベル、70……!?」
「この世界じゃいう程、高くねぇだろ。後、下がってろよ」
「行きます」
| 開放:ハーケナイ | デスピリア出典 |
| 怨属性Lv13ハーケナイの開放効果。リシュアンが発動 敵全体に怨属性のダメージを与え、味方全体の攻撃力を大幅に上昇させる(3段階裁定) |
| 開放:ダークエッグ | デスピリア出典 |
| 死属性Lv11ダークエッグの開放効果。ビリーが発動 敵全体に死属性のダメージを与え、マインド(悪魔)に石化を与える ビリーの用いる開放は射撃攻撃として扱う(裁定) |
| 石化状態 | デスピリア出典。数ターンの間、行動不能状態になる |
リシュアンの手、ビリーの銃撃によって死と怨の思念が解き放たれる。人の技でもなく、悪魔の能力でもない精神の異能は攻撃力を格段に高め、ミザール達の動きを静止させていく
「化物共の動きが止まったぞ! 殺せ、殺せ、殺せぇーっ!」
「しゃあっ! 追撃のメギドラオン!」
「あの石化、見た感じ確定なんだけどエグくない? 見たことないスキルだし」
「バフもばら撒けるとは。検証の必要がありそうですね」
「マインド使いとか久し振りに見たわ。漂流してたんだな」
「マインド使いって?」
「ああ!」
隙を見逃さず、いつの間にかに集結していたDB達が怪物達へ一斉攻撃を行う。一瞬の間に起きた出来事に男は尻餅をつき、茫然とする
「立てますか?」
「あ、あ……」
リシュアンは手を差し伸べ、男は立ち上がる
「此処から東南にまだ空きがあるシェルターがあります。自衛隊が付近のセプテントリオンを掃討し続けていますので彼らの指示に従って避難してください」
「……し、信じていいのか?」
「外に居てもあれに殺されるだけなのは分かっているでしょう。他に逃げ場などありませんから」
男の疑念にリシュアンは涼やかに返す
海岸線並びに北南に戦力を送っている関係で地方内陸部では手が足りていない。優先度が相対的に低く、それ故にミザールが増えやすい状況が整っていた。これからまだ参戦戦力は増える見込みはあるものの要所以外を守る余裕はなく、一般人が彷徨った場合の生存率は皆無だろう
「政府はシェルターに入れた漂流者を殺す。そういう噂がある。それは……」
「貴方もそれが全くの嘘であると理解している筈。いい加減、目を覚ましなさい。我々は……この世界は今、滅びに真っ向から抗っている」
石化が解け、進もうとする怪物達をDB達が必死に押し留める。まだ避難が完了していない者達から距離を離す様にセプテントリオンを攻撃し、跳ね飛ばす。誰がそう言った訳でもなく、戦火は遠のいていく。男もそれを見ていた
「……悪かった。避難するよ。東南だったな?」
「あのビルが目印です。大通りの道路沿いに進んでください。比較的安全ですので」
「分かった。その、頑張ってくれ」
「ええ」
男は集団を連れて、シェルターがある方向に進んでゆく。リシュアンが安堵の息を零し、前線で攻勢に入っていたビリーが後退し、並び立つ
「良かったな。説得できて」
「少し、彼の精神は弄りました。不信もありましたが、パニックになっていたようなので」
「流石、お手の物か……ま、気持ちもわからんでもないがね。俺達もあの男と境遇はそう変わらん」
ビリーとリシュアンは漂流者であった。“教会”と呼ばれる組織に支配された世界にて抗うように生き、仲間を募った物の打倒する事は遂には叶わなかった。最終的に全てを人食いの化物共に喰い散らされ、“救世主”や数え切れない仲間を犠牲にしながら彼らは生き延びていた
とどのつまり、本質は同じなのだ。秩序に虐げられ、混沌に蹂躙され、中道にて惑いながら全てに対して不信を抱いてしまっている。覆すのは容易な事ではない
「しかし、この世界は以前とは違う。我々に対しても報いてくれている。なら、変わらなければならないでしょう」
この場に行きつくまでに多くの苦難を仲間と共に乗り越えた。今と昔とのギャップ、インフレする戦い、自分達が何をしていくべきなのか。生存の為に切り捨てた物、託された物を無駄にしない為に何が出来るのか
現実からの逃避ではなく、未来へ進む事を。ただ生き延びるだけじゃなく、生き抜いていく為に。漂流者だからこそ戦わなければならない。リシュアンはそう思っている
「それを理解した者達は既に立ち上がっている。弱くとも、まだ理解が追い付かなくても、必死に」
視線の先にはまだレベルの低い覚醒者達が奮戦していた。セプテントリオン相手に必死の表情で喰らいつく彼らの多くは漂流者で――
「えっ!? 今日は高レベ勢にキャリーして貰いながらあいつら殴っていいのか!!」
「ああ、しっかり殴れ」
「おかわりもいいぞ! 結界式もばら撒いてやったからな!」
「遠慮するな。レベル差の分、殴れ……」
「うめ……うめ……うめ……」
「レギオンマラソン開始の宣言をしろ、磯野!」
「マラソン開始~~~!!!」
「パワーレベリングの時間だぁ↑~~~!」
この世界に染まっていた。少なくとも必死の意味が違った。気まずそうにリシュアンは目線を逸らした
「あれは……違くね?」
「まぁ、その、あの方々が漂流者なのは間違いないですから」
「趣旨としてはあってるから、よしとするか。んじゃ」
ビリーが空を見上げ、銃を向けた
\カカカッ/
| 文曲星 | メグレズ | Lv40 |
「小休憩は終わりだ」
一発の銃弾が流星のように堕ちる怪物を貫き、屠る。くるくると自らのピストルを廻しながら、カウボーイハットが風で揺れる
「仕事の時間だな」
「ええ」
リシュアンが空気に色を塗るように、手を広げる。空間が歪むように滲み、ギチりと侵食する様に何かが出現した
\カカカッ/\カカカッ/
| 絶属性 | フィロトーマ | Lv13 |
| 愛属性 | ナハトレイス | Lv13 |
具現化したのはマインド、記憶生命体。本来であれば物質世界において干渉する事が出来ない存在は確かな実体を伴っている
| マニフェスト | 覚醒篇(チャネリング) |
| 守護霊(マインド)を自身に憑依させる。1時間経過か、戦闘終了まで継続 守護霊以外の物理攻撃以外の特殊能力を使用可能。特技等で支払いMPは術者が支払う |
| ウィッチズ・ブレス | 誕生篇(チャネリング) |
| 口からエクトプラズムを吐き、威力以下レベルの悪霊・幽鬼・スライムのいずれかを召喚する。リシュアンは代わりにマインドを実体化させて召喚する(独自裁定) |
| マインドの実体化 | オリジナル |
| マインドを実体化させた際、アストラル体がマニフェスト体(実体)へと移行させる物として裁定。実体化したマインドは能力値が大幅に上昇する(アストラル体は実体の1/5の能力値であり、その逆を行っている) |
それはチャネリングを利用したエクトプラズムの発生。其処からの派生によるマインドを憑依、実体化。行える筈のない高度な異能の行使を類いまれなる才能によってリシュアンは可能としていた
「此処を抜けられればシェルターに向かった彼らが危険です。時間を稼がなければ」
「どれだけ続くか分かったもんじゃないがな。ま、付き合えるだけ付き合うさ」
迫りくる敵を見据える。さながらデビルサマナーのようにマインドを従えながら
「背中は任せましたよ、ビリー」
「暴れてやるか、リシュアン」
特徴的な大看板、煌びやかな電灯、巨大な道頓堀。大阪ミナミとも呼称される日本最大規模の歓楽街は見るも無残な状態へと成り果てていた
時間経過で増え、突き進む怪物達が人工物なぞ無視して打ち壊す。人々の営みとも言える何もかもが無造作に崩れ消える
それら理不尽に抵抗する者もいた。今も尚、これ以上の暴虐を許さぬと逆襲を繰り返している
\カカカッ/\カカカッ/
| 導師 | アーノルド・ラスキン | Lv84 | 全てに強く、破魔・呪殺・魔力・緊縛無効 |
| 剣士/■戦士 | ロラン | Lv83 | 全てに強く、破魔吸収。即死無効 |
「避難が遅れた者達もシェルターに到達した頃合いだろう。問題は……」
「この状況を如何脱するかだな。もう少し早く避難して貰いたかったもんだけど」
「過ぎた話は後だ」
ラスキンが刀を振るう。ロランは西洋剣にて怪物の一体を一文字に裂く。この場に残るのは二人と少数のDBのみ。じわじわと増えるミザールに包囲されるように戦闘を継続している
大阪の象徴とも言えるミナミに執着する人々は多かった。政府からの警報があっても逃げ出さないまま縋る様に街に残った。そうして異形の怪物達が現れてから現実を理解し、命からがら逃げ出した
彼らを助ける為にラスキン達は殿として残った。そして、危機に陥っている。戦力が足りていない。此処だけではなく、関西全域において人員は不足していた
原因として挙げられるのは京都ヤタガラスの大幅な弱体化。
関東と比べれば自前の公的戦力が著しく低く、絶対に対処しなければいけない脅威が間近に迫っている。故に他の地域と比べて、より負荷が掛かっていた
「道を切り開くとしよう。幸いといって良いか分からんが、此処にミザールは集中している。可能な限り、引きつけて殲滅するぞ」
「応!」
四面楚歌な現状を打破する為、二人が動く
| 自然の助け | 覚醒篇(ウィッカ)出典 |
| 戦闘終了まで格闘武器に火炎・電撃・氷結・銃撃・衝撃のいずれかの相性を与える 重ね掛けした場合、新たに選択された相性を与える フェイから教わったエンチャントの技法。火炎相性を付与している |
| メイルシュトローム | IMAGINE出典 |
| 周囲の敵全てに武器依存(火炎相性)の物理ダメージを与える 低確率でディスガード(被ダメ+100%)の効果を付与する |
大渦を描くように振われた刀剣の軌跡が火炎の嵐となり、セプテントリオンを焼き尽くす
| 会心 | 200X出典 |
| 自身のクリティカル率を上昇。防具による付与効果 |
| シャドウラン | PQ2出典 |
| 敵全体に万能属性の力依存の大ダメージを与える。HP消費:64 |
ロランが縦横無尽に駆け巡り、切り裂く。補助は展開済みな上の超火力は大半のセプテントリオンを打ち破るが、まだ足りない
\カカカッ/\カカカッ/\カカカッ/
| 武曲星 | ミザール | Lv45 |
| 武曲星 | ミザール | Lv45 |
| 貪狼星 | ドゥベ | Lv20 |
| 武曲星 | ミザール | Lv45 |
| 武曲星 | ミザール | Lv45 |
| 武曲星 | ミザール | Lv45 |
| 武曲星 | ミザール | Lv45 |
| 貪狼星 | ドゥベ | Lv20 |
攻撃を受ければ、プラナリアのように身が割けて分裂。放置すれば塵を排出するように分裂。どれが本体でもなく、どれもが本体。時間経過で分裂体は巨大化し、同様の怪物が量産される
倒せるが止められない。倒しても増え続ける。際限なく、無限に何処までも。地球を満たしたとしても、きっとそれは終わらない
「ラスキン老! あの巨大ロボ出せないのか?」
「偶神は長くは保てない。持久戦には悪いが不向きだ。此処は障害物が多すぎるしな」
「まぁ定年のお爺ちゃんに頼り切るのはあれか……」
「ほざいたな、小僧!」
「はいはい、敵意はどうぞあっちにな」
無限の軍勢とも言える怪物の性質を知っても戦意に衰えはない。多くの試練と絶望を超えた戦士達に揺るぎはなく、現実も変わらない
この場を切り抜け、突破口を切り開くか。増え続ける怪物に圧殺されるか。道は二つ、選ぶべきは一つのみ
「攻撃はなるべく僕の方で引きつけますよ。例のアレも付与してくれたんでいい感じに無限反撃できると……っ!?」
「――何だ、このプレッシャーは」
二人の動きが止まる。感じたのは形容しがたい威圧感。人というには禍々しく、悪魔というには邪気が足りない。敵意もなく、だが決して油断はできない何かの到来を予期し
\カカカッ/
| ■■神 | ギリメカラ | Lv100 | 耐性不明 |
「潰す」
一瞬の間に現れた
| 反逆の魔象 | D2出典。自身にチャージと会心状態を付与 |
| 全体攻撃 | 真3出典。通常攻撃が全体攻撃となる |
| 吸収追加 | デビサバ出典。通常攻撃・物理系スキルで与ダメージの25%を回復 |
| 近接ハイブースタ | IMAGINE出典。与近接ダメ+50% |
| 打撃の神片結晶 | D2出典。与近接ダメ+7%。これを3つ装備 サブ効果で命中・ダメージ等が上昇 |
| 貫通 | 真3出典。自身の物理攻撃は耐性・無効・吸収を貫通する |
視界を満たすあらゆる怪物が一撃にて打ち砕かれる。武曲星の分裂も貪狼星の爆発も戒める様に発生しないまま、辺り一帯が静寂と緊張感で満ちた
「想定より火力が乗った。補助がこの場に残っている……これが結界式という奴か。覚えておこう」
暗い青緑の肌。タトゥーのように刻まれた紫の線。巌のような人間の肉体。三又の黒槍を持ち、額には三つ目の瞳が浮かんでいた
瞬間的な
「言葉が分かるなら答えろ。お前は敵か、味方か、どっちだ?」
「今は部分的な味方。明日は分からない。そんな所か」
「なんでセプテンを叩く? お前の目的はなんだ?」
「行動で示した。これ以上、語る必要はない。お前達も此処に留まっている理由はないのではないか?」
眉間に皺を寄せながらロランが問い、淡々とギリメカラが問い返す
ロラン達にとっての最悪は第三勢力による強襲。既にそれらしき影が関東圏で見られている。眼前に居る超越者もまたそれ目的と考えるのが一番妥当ではあった。否定されたとしても疑惑は覆らない
だが、無為に時間を消費している訳にもいかない。信頼はできないがセプテントリオンを食い止めてくれるのには変わらず、戦力を欲している場所は関西圏においては幾らでもある
「本当にそれだけが目的なのか、お前」
「対価がなければ不安か? なら俺が更地にしていい場所の提示し、<集魔の笛>*10系統のアイテムを寄越せ。奴らを引きつけ、蹂躙し続ければよいのだろう。お前達は他へ行け」
「いや、質問に答えろよ」
「……俺が此処の生まれだからだ」
「インド象が大阪生まれは嘘過ぎるだろ」
「おい、こいつを黙らせてくれ。そろそろ手が出る」
「はぁ……代われ、ロラン」
疑念を向けるロランをラスキンが遮り、要求されたアイテムをギリメカラに対して投げ渡した
「数㎞西の方に崩壊した非合法レルム跡地がある。其処に行け」
「賢明だな。対価の分は期待していい」
「いいのか、ラスキン老」
「今は何処の誰でも構わんという事だ。奴らと戦ってくれるのであればな」
ギリメカラの所属が何処か、概ねの検討はついている。だが、ラスキンは言及しない。今はあまりに意味がなく、時間の無駄でしかない。他の言葉も返さないままにラスキンはその場を立ち去り、ロランと他のDBも後を追う。ギリメカラもまた目的地へと駆け始めた
「故郷というのは本当だったんだが」
黒槍を片手に跳び、通りすがりに飛来する
記憶にも微かにしか残らない故郷の景色。荒み切った世紀末、閉塞的で混沌とした
壊滅したとして大して心は動かない。此処に居るのも本来の計画まで手持ち無沙汰だったというのが大きい。“共犯者”もまた動き、遠からずギリメカラはこの世界の敵となる。相対した二人の戦士の疑いは、何ら間違っていない
「見渡す限りに何もなし。成程、此処なら問題もあるまい」
焼け焦げた瓦礫を踏みしめ、<集魔の笛>を発動する。大阪市内部へと侵入するセプテントリオンを引き込むように
「此度の世界は随分と強大だ。それに挑むというのであれば、準備体操は必要だろう」
時を置かず、空に地にセプテントリオンが満ちた。単騎であるなら絶望的とも言える数。それを三又槍と五体のみで潰し続ける
「故にこの試練を乗り越えてくれよ、人類よ。無意味な行いはしたくないからなぁ!」
怪物達を引き裂き、跳ね飛ばし、殴り返す。魔象は叫び、人類の可能性を信じて時を待つ。乗り越えた先で彼らに挑む為に
「シロエ、これで終わりか?」
「ええ、声掛けできる面子はこれで全員の筈。ありがとう、東堂。君が居なければ此処までスムーズには行かなかっただろう」
今より数十分前よりシロエは東堂との合流を果たし、各地を駆け巡っていた
最大で数百mに到達し、下手をすれば何度でも巨大津波が押し寄せてくるという政府からの情報。シロエは発狂しそうになりながら一つずつ迅速に今に至るまで手を打ち続けた
フェイ等の事実を知っても尚抗う気概があり、対処が可能な者達への連絡。各地への結界式カジャの展開。太平洋側海岸の防衛線の構築。沖合における津波の撃退メンバーの選出
移動の時短は東堂の<搬運功>*11で行えた。時間としてはギリギリといった所だが、対処の初動には何とか間に合うという塩梅だろう
「行動できる者は全て沖合へと行った。海岸線に到達する波も最初に比べればやや弱まっている。時間稼ぎにしかならんだろうが、最悪の事態は免れたな」
「……さっき、政府より新たな画像データとレーダー情報が送られてきた。
苦悶の表情を浮かべながらシロエは画像とレーダーを見比べる。セプテントリオン発生直後と今と比較して、津波の合体が明確なまでに進んでいる。波の頻度が増えたという訳でもなく、まるで制御されたかのように波は一つに纏まっていく。数十mから数百mへの到達も想定より早く訪れるという事でもあった
「波を発生させているセプテントリオンがそうしているのか?」
「いや、僕は別個体と考えている。あまりに挙動が不自然すぎる。セプテントリオンか、はたまた便乗する第三勢力かは分からないが」
「場所は……関東方面、丁度フェイが向かっている箇所だな。どうする?」
「先んじて援軍は向かわせているけど、本土も他海岸線も軽視できる状況じゃない。これが限度。後は、祈るしかない」
余剰人員はなく、そもそも沖合に向かえる戦力は多くない。何処の戦線もギリギリで、低レベルの漂流者を引っ張り出して尚現状多少の余裕を持つか拮抗している状態。シロエや東堂も沖合まで向かう事はあらゆる意味で出来なかった
「ま、それでもやれるだけの手は打ったさ。俺達もまだやらねばならん事は多くある。下を向いている暇はないぞ」
「分かってるよ。それにセプテンが終わったら結界式の検証して、wikiに書いて……後、レギオンマラソンも……」
「大丈夫そうだな! では行くぞ!」
別の意味で頭を抱えるシロエを余所に東堂は手を叩いて、転移を開始する
世界中の全てで戦いの火蓋は落とされた。世界を滅ぼす要因は数え切れない。そんな終わるか生き残るかの瀬戸際で人類は抗い続ける。その意志が消え果てない限り
<海岸線防衛組>
自衛隊やらも駆り出しながら水際防衛(迫真)している。今回杉本を出したのはアシリパさんが精霊召喚で合体魔法の土台になるから。生駒さんは趣味
<リシュアン&ビリー>
デスピリアにおけるリシュアンとビリーその人で漂流者。デスピリア本編よろしく教会に支配された世界にてあれこれ活動していた所、デヴァローガが襲来して生存者を募って漂流した。リシュアンはチャネリングを使えるマインド使い、ビリーはマインド能力(開放のみ)が使えるガンマン。大体そんな感じのコンビ
<ギリメカラ>
あんまり正体を隠す気がない大阪出身のインド象
相方に計画のあれこれを任せて暇なのでセプテンでも叩くかとふんわりした心持ちで参戦している
いざとなったら南のメラクに対して援軍に行こうかと思ったが、其処まで自身の存在を露出させると計画に支障が出るので瓦礫の山でリベラマしながら只管セプテン相手に無双乱舞している
<シロエ>
東堂を酷使無双しながら日本を駆け巡る男。初動は何とか間に合ったが、なんか津波の様子がおかしいので頭抱えてる。最終的にはフェイに全部投げる事にしたらしい。苦しみを分かち合ってこその友達!
<久遠 フェイ>
Q,まだ君も苦しんでくれ
A,死んでくれ