真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
1日のルビコン強行軍を経て、リフレッシュもした僕達は襲撃者の調査及び撃破の為に動き出す事になった。作戦メンバーは僕と由奈、それにエリヤの3人に同様に調査を行っているデビバスチームが複数。狙われた覚醒者の多くが足切りライン、つまり50レベル以上であり音もなく殺されている事と3人の襲撃者と戦ったとされるデビルバスターの証言によれば二人は60レベル以上、リーダーと思われる者は70レベル以上に感じられたらしい。アナライズする隙もなかった為に主観的な物だが指標にはなるし、そのレベル帯なら僕達に依頼が回ってきたのも頷ける。
| 妖精の輪 | 200X出典。情報を1つ得る事が出来る。1シナリオ1回まで |
| 大地の声 | 200X出典。精霊、地霊、妖精と会話し、情報一つかアイテム1つ入手する。 1シナリオ1回まで |
| コンピュータ操作 | コンピュータを使いこなし、簡単なプログラムを使用できる。 情報技能として使用する場合、インターネット・サーフィンだけではなく 軽度の侵入によって情報を得る。判定は運で行われる。 |
情報に関してはネットにおける情報や襲撃地点付近に存在する妖精や地霊、精霊等から入手してある程度だが襲撃者が潜伏してそうなポイントを幾つか割り出した。例によって罠である可能性も高く、各チームはそれぞれ警戒しつつ担当ポイントへ向かう事となり、僕達もまた同様に動いている。
「ただ、ここは外れっぽいかな。警戒は続けるけど、そういう雰囲気じゃない」
「こっちも違和感なんかは感じられない。雰囲気はあるが、気配自体は全くだ」
現在居る地点は天魔衆が拠点に使っていたとされる寺……に存在する隠し洞窟。異界化はされているようだが最低限のものであり、出てくる悪魔もそう強い物ではない。飽く迄、一時的な拠点で存在していたとされる痕跡こそ残っているが概ねそれだけでもぬけの殻だった。
「私としては一番可能性がある場所を選んだつもりだったんですが……すみません、当てが外れました」
「いいよ、僕も反対しなかったんだしさ。それより他が心配だね、この異界も完全に確保できたし合流するか他の地点に行くか相談でも……」
次の行動指標を定めようとしたその瞬間、COMPに通信が入った。文章はなく場所だけが記された救難信号。発信地点は此処から約5km程離れたレルムの郊外であり、信号は依頼に参加しているチーム全体に送信されているようで僕達が場所としては一番近い。
「次の行き先は決まりですね。飛びますか?」
「うん。飛ばないと間に合わないかもだから……御願い、エルフ」
徒歩で向かってもいいがそれでは聊か時間がかかり過ぎる。緑髪の白いワンピースを着た妖精……エルフを召喚*1して同時に魔力を用いて一種の門を構築する。
『……相変わらず妖精遣いが荒い人ですね。対価はしっかり頂きますから』
「時間ある時にまた埋め合わせはするよ。案内宜しくね」
『はいはい、分かってますよ』
| 妖精の輪 | 誕生篇記載のウィッカ・カルトマジック。 妖精の輪と呼ばれる門を開き、予め用意しておいた避難所にテレポートする。 避難所を用意してない場合でも妖精を呼んでいれば妖精の導きで1キロ以内の空き地にテレポートする |
召喚したエルフにやや悪態をつかれながらも展開した妖精の輪を潜って1km近づき、さらに妖精の輪を潜って距離を詰めていく。1km先でそれなりに広い場所という事以外はランダムである為、目撃されるリスクもあるが背に腹は代えられない。救難信号を発したチームのレベルは60後半から70後半程度。キリギリスの中でも上位層に達する人達であり、そんな彼らが最低限の情報も送る事もなく救難信号を発しているという事はそのレベルでも全く相手にならない強さか何かしら封殺する事が出来る手札を持っているという事に他ならない。
「最低でも80。最悪は90オーバーを想定しておくべきでしょうね。他のチームは?」
「他のチームも救難信号を目指してる。彼らが到着するまでの間に何とか仕立人と交戦或いは救難信号を発したメンバー達と合流したい所かな」
―――そう上手くいくかは分からないけど
心の中でそう呟きながら、僕達は強い敵4回目の妖精の輪を通り抜けて救難信号付近のポイントであるレルム郊外のスラム街に到着した。ここのレルムは非公式のレルムで通常のレルムでは居られないような人間が存在しており、その郊外であるスラム街はそんなレルムでも許されないような商売やならず者の在住区になっているらしい。ヤタガラスも近々対処すると噂はされていたが……
「嫌な空気です。荒廃してる街特有の匂いではない、これは……」
「半分くらい異界化してるね。COMPじゃなきゃ通信も難しい」
崩れかけた建物が連なる灰色の景色に煙っぽい淀んだ空気、其処に混じる薄い赤色の霧。霧には認識阻害の術が施されているのか、救難信号を発した場所も発信ポイントがズレているようで姿が見当たらない。加えて周囲の人の気配も薄く寂れたスラム街とはいえここまで人影一つすら見ていないのは異常で、消えた痕跡すらまともに残っていない。
「由奈、ここの住民は?」
「居ません……いえ、先程まで居たといった方が正しいですね。残留MAGから判断するに喰われてます、戦闘痕や血痕すら残さずに」
「……駄目元だけど急がないと不味いな。」
エルフは退去、フレスベルグ・バロン・ラクシュミを召喚して改めて捜査を行う。残留したMAGの痕跡とフレスベルグとエリヤの眼を頼りに捜索ポイントを絞っていき、居る一番可能性が高いと判断した郊外奥の薄暗い路地裏へと入っていく。異界化の影響で路地裏も拡張されているのか、迷路のような入り組んだ道を疾走しながら度々COMPの探知に引っ掛からないか確認を行う。
「フレスベルグ、エリヤ」
『徐々ニダガ見エテキタ。チカイゾ』
「こっちも同じだ。この辺りなのは間違いない」
「よし、このまま先に……由奈?」
由奈が太刀を抜き、振り向いて立ち止まった。フレスベルグもエリヤも何かしら違和感を感じた様子は見られない。見られないが……
「……居るんだね?」
「ええ、先に進んでください。ここは私が」
「エリヤも残らせる。僕より君の方が相性良いし、片付いてもし合流できそうなら御願い」
「「了解しました(分かった)」」
殿をエリヤと由奈に任せて、先を急ぐ。フレスベルグの探知にも引っ掛かっており正確な場所は割れているが霧の濃度が上がって視界は不明瞭になっている、通路も狭い。そして、その先に
「間に合わなかった……いや、ギリギリかな」
打ち捨てられた幾多の真っ赤な骸。下半身がないものや内臓が零れ落ちているもの、救難信号を発したデビルバスターも紛れているが数が多く、このスラム街の住民も混ざっている。即座にラクシュミに回復を命じ、他の仲魔達と共に周囲を見渡しながらCOMPに現在位置を最大電波で飛ばし続けるよう設定を行う。
「あそこまで綺麗に住民を喰らってるんだ。これは釣り餌なんだろう?」
僕達を見下ろしている何者かに問う。周囲の視界は霧でぼやけ、場所も狭い。彼らを回復蘇生させた上で逃げる事を選択した場合、その隙を付いてくるだろう。そして、もうすぐラクシュミの回復が終わる。辺りを満たすMAGが荒ぶり揺れ、丑三つ時のように静かで
| 殺神 | DDSAT2出典。敵単体に物理属性の超特大ダメージを与える。超高確率でクリティカルが発生し、命中率が非常に低い。 |
| 殺神 | DDSAT2出典。敵単体に物理属性の超特大ダメージを与える。超高確率でクリティカルが発生し、命中率が非常に低い。 |
――
「ッ……不意打ちじゃないのか」
バロンは<食いしばり>*2にて耐え、フレスベルグには<電気ショック>*3で耐えさせた。ラクシュミの回復も回したいが、その隙は恐らくない。襲撃者の姿が、まるで見えない。見えない程高速で動いているのか或いはドロンパのような透明化かの2択で、事前情報から察するに恐らく透明化。最大の問題は<タリ報>*4も<百太郎>*5も反応しておらず、フレスベルグが恐らくその姿を眼で追えなかった事。
「なら」
身体にMAGを迸らせ、魔力を回す。周囲の状況、異界化による濃霧に狭い路地裏で遮蔽物多数……まずはこれを何とかしないといけない。他のデビルバスター達の安全は最低限だが確保できた。
| ラスタキャンディ | 真5出典。3ターンの間、味方全体の全能力を1段階上昇させる |
| ワイルドハント | 覚醒篇:ウィッカ。敵全体に相性:-(万能相性処理)のダメージを与える。 威力は加護(運)×2となり、ステ振りが運魔特化の為にメギドラオン以上の特大ダメージを与える。 |
ラクシュミの加護を乗せ、周囲の建物諸共に万物に通じるの嵐を吹き荒らす。路地裏を囲む建物は吹き飛ばされて遮蔽はなくなり、濃霧もある程度マシになったが
「ドロンパとは仕様が違うか……当たってない」
襲撃者に当たった感触がまるでない。回避したというのも、勘が違うと告げている。
「フレスベルグ」
『オソラク
「分かった。指示を出す」
そして、
| 殺神 | DDSAT2出典。敵単体に物理属性の超特大ダメージを与える。超高確率でクリティカルが発生し、命中率が非常に低い。 |
| 殺神 | DDSAT2出典。敵単体に物理属性の超特大ダメージを与える。超高確率でクリティカルが発生し、命中率が非常に低い。 |
尋常ではないプレッシャーと殺気が僕に向けられ、その二振りの凶刃に身体を削がれる風景が脳裏に映るが僕に回避は出来ない。
「ごめん、頼んだ」
見えない刃をまずバロンが<カバー(手番放棄)>で受け止め死亡。それで現在の、奴の位置をある程度割り出して
『ミエタゾ!』
| ガルダイン | DSJ出典。敵単体に疾風属性の大ダメージを与える。 |
僕と透明な襲撃者、その合間に身体を滑り込ませたフレスベルグはその身が引き裂かれ絶命する事と引き換えに疾風の魔界魔法をそれに叩き込んで
| 高速詠唱 | 200X出典。補助スキル。手番中、使用者は追加で1アクション分の魔法攻撃か支援魔法を行う事が出来る。 但し、HPを回復する効果のあるスキルは使用できない。 1シナリオ(一連のダンジョンクリアやボス撃破等を指標にする)に3回まで使用可能。 使用する度にコストとして現在HPの半分を消費する。 このスキルは本来1つの手番に複数回使用できるが、不完全な習得である為にそれは封じられている。 |
| サバトマ | 真1出典。マッカを消費せずに仲魔を1体召喚する |
| サバトマ | 真1出典。マッカを消費せずに仲魔を1体召喚する |
\カカカッ/
| 邪龍 | セト | Lv79 | 銃・投具・氷結・電撃に強く、破魔・呪殺・精神・神経・魔力無効*6 |
\カカカッ/
| 邪神 | マダ | Lv77 | 火炎吸収、破魔・呪殺無効。精神・神経・魔力耐性*7 |
倒れた仲魔をCOMPに戻しながら即座に翼を広げた黒い邪龍と四つの腕を持つ炎を纏った邪神を呼び出し、ラクシュミに<女神の恩寵>*8を唱えさせて高速詠唱で失ったHPを補填する。
「何とか状況は好転させたけど……最近どうにもババを引いてばっかりな気がするな。生きて帰れたらお祓いにでも行かないとね」
フレスベルグの犠牲と共に吹き飛ばした襲撃者。透明化は解けたのか、その姿を垣間見た。
『随分と余裕だな?』
しがれた女の声。痛んだ長い茶髪に黒に近い褐色の肌、ぎらぎらと黄金に輝く瞳、異形の物と化した悪魔の四肢。そして、何より
\カカカッ/
| Lv99 | 喰奴 | ラーヴァナ | 耐性:不明 |
「まさか……虚勢に決まってるでしょ。こんな所に居ていいレベルじゃないんだよ、君は」
・キャラ紹介
<久遠 フェイ>
また単独で化物級と戦わされる可哀そうな人。大体サマナーで頭数が稼げているのが悪い。お祓いは真面目に検討している。
<久遠 由奈&久遠 エリヤ>
殿組。由奈は何かしらの気配に気付き、エリヤと共にその足止め及び撃滅を行う事に。肝心のフェイが大変なのに絡まれているのには気づいていない模様。此方の視点に関してはまた次回。
<喰奴ラーヴァナ>
透明化しながら奇襲仕掛けてくるタイプのLv99。絶対性格悪いよ。その真価は恐らく後編で