真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
ドラゴンとは人の御し得ぬ滅びの力。とある世界における滅亡戦争の兵器である。潰滅竜はその中でも人の営み、文明の破壊に特化したドラゴンだった
人間を殺す。人造物を破壊し、踏み潰す。其処に人が、人が居た証がある限り止まりはしない。放浪の果てにデヴァローガに回収され、魔改造が施されたとて本質は変わらない
殺しの取りこぼしがないように瞳を改良されても、肉体に他のドラゴンの要素を取り込んでも、意図的に現存周回の文明破壊・人類惨殺を第一に行う様に本能を調整されたとしても
潰滅竜は滅んだ世界の人々の
マントラシステムを駆使して人間だった誰かを
二体の
幾多の世界で繰り返された行為はこの周回においても行われ、それは阻まれようとしている
海龍も潰滅竜も有り余る力を振うものの戦士達は耐え抜き、逆襲を繰り返している。竜殺しは最早届かぬ夢ではなかった
『だが、それでは
介入したのは暗黒たる千貌の化身。潰滅竜の
決戦までの暇つぶし
城を駆け上がる歴戦の英雄達は遠からず自身の元へと到達する。それぞれが相応の運命と対峙するのを決定付けながら、化身は時を待つ
『名は、サービスとして付けておいてやろう。果たして、お前達は望んだ滅びへと至れるかな』
「やっと、終わりが見えてきたかな」
ラハブとの交戦よりかなりの時間が経過した
大怪獣と言わんばかりの巨体から降り注ぐ氷塊と高圧水流はフェイ達に多大なダメージを与えるが、やはりギリギリの所で崩壊には至らない
可能な限りの力で耐久を行い、余力で攻撃を延々と繰り返す。決して安くはないアイテムを惜しみなく消費し、今や底も見え始めた
だが海龍とてそれは同じ。蓄積したダメージはラハブを瀕死に近い状態にまで追い込んでいる
「最後の最後まで気ぃぬくんじゃねぇぞ!」
「言われるまでもない!」
「残弾も少ない。決着をつけよう」
総員、疲労はあるものの戦意に衰えはない
ムラカミが高速でアイテムを消費して、リンゴォは感電の弾丸を打ち込み続ける。フェイが補助を回し、カナエの核熱がラハブを焼く
『A゛a……o……』
真っ黒に焦げた鱗は剥がれ落ち、ラハブが上げる雄叫びも最早うめき声でしかない。誰が見たとしても、戦いの趨勢は定まっている
「(本当にこのまま終わればいいけど……いや、そう考えるのが良くないかな?)」
フェイの脳裏に過ぎったのはイレギュラーの発生
対ラハブ戦は長期戦への移行に成功したからこその優勢であり、少しでもラハブ側に有利な事象が起こった場合は容易に均衡は破られてしまう。足元を掬われる可能性は無数に存在し、それに対する備えもあるにはあるが一切の油断は許されない
「空気が変わった。少し出方を伺った方が……」
「いや、もう
そんな不安が的中する様にムラカミとリンゴォは察知した
同時に紅色の暗雲が切り裂かれ、空間そのものがが激しく揺らぐ。視界の端でラハブへと飛来し、閃光が視界を埋め尽くした
『AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!』
『オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!!!』
轟く二つの咆哮。一つはラハブ、もう一つはこの場に居ない筈の
自壊し兼ねない速度で到来した潰滅竜がラハブと衝突、其処までは感知できた。しかし、光は依然として維持され現状を把握できていない
「僕の仲魔は維持されて、こっちに向かって来てる。奴を追い詰めて、動きが変わった?」
「……猶予はなさそうだぜ。ありゃ、今までの比じゃない位にヤバい」
徐々に薄くなる光の膜。その隙間より垣間見えたのは
流れ出す真っ黒なタール状の液体。噴き出した赤黒い粒子
それらが織り交ぜ、徐々に二対の竜が新たな一つの形を形成していく
「簡潔に指示を出す。リンゴォは備えて、残りの面子で対処する。奴は恐らく合体擬きをしようとしている。二体の出力を踏まえたら僕達だけでどうこうするのは難しいかもしれない。けど、やれる事はやっておこう」
フェイの指示に全員が無言で頷いた。最早言葉を交わす時間もなく、“ソレ”の出現は秒読みに至っていた
二つから一つとなった竜が哭く
赤と黒で彩られた空が漂白され、代わりに現れたのは透き通るような銀世界。視界を満たしていた光は七色のオーロラへと変貌して、眼下に映るソレの姿をはっきりと映し出している
ソレには狂おしき憎悪も殺意ももう存在し得なかった
銀一色に包まれた竜の身体は神々しさすら秘めている。両翼をはためかせれば空間が凍ったようにギチりと音を立てた
その影響は海にも及んでいる。あれほど荒れていた波は今は酷く穏やかだ
「二人は衝撃と火炎を!」
「
「奴はもうラハブではない! もっと別のナニカだ!」
「手遅れになる前に急いだ方が良い」
あまりに異質すぎる変化に困惑しながらフェイ達も現状の把握と行動を開始する
ラハブと潰滅竜が融合した事による新たな竜の出現。レベルも三桁を超え、“マツヤ”という名が与えられた存在は
「
一時的に平坦となった海は急速に形を変えつつあった。荒れ狂い波打つのではなく真っ直ぐに海面は隆起し、予兆もなく巨大津波は作られようとしていた
マツヤとは
厳密に言えば滅びを齎す存在ではないものの、与えられたその名は津波を引き起こす原動力となっている。二体のドラゴンの力がある事を踏まえれば、形成された津波は対処しきれる範疇を優に超えるだろう。その最悪は必ず避けなければならない
「ハイライン! 」
「わかってるよ!」
各々の最大火力がマツヤへ放たれる。銀世界へ混ざった異物はマツヤに届き、確かなダメージを与えた。火炎と衝撃の弱点を突かれ、微かにマツヤの表情が歪む。弱点軽減、それによる連動効果は発生しない
「火炎・衝撃弱点。銃撃は通常。けど、ラハブのスキルは発動しねぇな」
「思ったよりダメージは与えられるけど倒すには足りない。此処からは防御に切り替える。ムラカミさんの残りの動きは……」
「いちいち言わなくていい。出来る事はもう一つしかないだろう」
「分かった。御願いね」
攻勢からの徹底的な防御の構え。臆病なまでの守勢はラハブと潰滅竜の戦法を知っているが故である。片や回避困難の超火力。片や徹底的な連続攻撃。双方が合体した危険性は想像を絶する。その中で生き残るだけの可能な限りの処置をフェイ達は行った
『…………………』
銀世界とせり上がる海面を背後に展開しながらマツヤの瞳が開かれる。自らの本懐を邪魔する人類を排除する為に速やかな殲滅行動を開始した
| デカジャ*1 | 敵味方全ての能力上昇・減少効果ならびに結界を破壊する |
| 大逆鱗*2 | 3ターンの間、自身の攻撃力を3段階上昇させる |
| 咆哮*3 | 3ターンの間、敵全体の全能力を2段階低下させる |
| 極竜の大絶叫*4 | 自身のプレスアイコンを6つ増加する 発動制限は存在しない |
叫びはないまま空間が歪み、凍り付いていく。空間全域に氷晶が出来る程の超低温がマツヤを包み、攻撃性を極限まで高めながら静寂と共に終焉が訪れる
| ブラフマーストラ*5 | 敵全体に万能属性の特大ダメージを与える |
| 破壊神のゆえつ*6 | 自身の全てのダメージを1.5倍にする 世界を破壊へと導く化身である証 |
| 命中の極意+*7 | 命中率を+100%する 世界を呑み込む大洪水の所以。回避の余地はない |
先んじて放たれたのは潰滅竜も用いた万滅光線。純粋なまでの高エネルギーを叩きつける強力な攻撃は明らかに規模が異なっている。ラハブの権能そのものではないものの純粋な能力が果てしなく高い。放たれた極光のブレスは戦場全域を焼き尽くす。その出力は二体の竜の物より数段上回っている
「アトロポスとコウリュウが一撃か。化物め」
「クソッ、これ互いの竜の強い所だけ集めて再構成した奴だな! わりぃが次で俺は落ちるぞ!」
ムラカミ、リンゴォは全対応防具の万能耐性にて攻撃を半減。フェイは<バルーンシード>によってダメージを無効化。それを持たない者は落ちるか、食いしばりを使わざるを得ない程の威力
しかし、これは始まりでしかない。
| 大瀑撃*9 | 敵全体に氷結属性の力依存大ダメージを与える(極めてクリティカル率が高い) このスキルによるダメージは、反撃効果・食いしばり効果を無視する |
| 氷結貫通*10 | 敵の氷結耐性・無効・吸収・反射を貫通する(反射結界も含む) |
次いで、銀世界が激しく瞬き罅割れた。空が落ちる様に降り注いだのは有り得ない量の氷塊。海水を凍てつかせて制御し、空すら氷で覆えるからこその御業はその規模故に避けれない。追い打ちとばかりにマツヤの前方に展開された氷杭が弾幕となって襲い掛かる
「うおー! 死体、回収!」
「機動性が落ちるぞ」
「二人を海にドボンは嫌だし、攻撃はどうせ避けられないよ」
怒涛の攻勢に二人の戦士が倒れ伏す。死体を回収し、箒に宿った<飛翔の術>に巻き込む様に浮遊させながらフェイとリンゴォはマツヤと対峙している。攻勢はまだまだ終わらない
「これで三回。次が正念場だね」
「ぐっぅ……だが!」
戦場にある全てを閃光が全てを焼き尽くし、無数の氷杭が射抜いた。一撃だけでも致命的な攻撃の数々が連撃として繰り返される狂気。事実としてラハブ相手に耐え凌いでいた盤面が呆気なく崩壊した
マツヤの異常なまでの強さはこの世界における洪水神話の認知性に由来している
何時までも訪れる大津波による滅亡、そして生存して漂流する人々。円環のように続く、終わりのない滅亡の螺旋構造。マツヤの名を冠するドラゴンは大洪水の象徴として、負の後押しを受けていた
打ち砕けない人類と文明の終焉。人々が生き残ったとしても、結果は同じ。どうあれ世界は終わるのだと、無謀な敵対者をマツヤは見下ろしている
「あまり見縊ってくれるなよ、ドラゴン」
「諦めるのは死んでからで間に合うさ!」
| 心頭滅却*11 | HP10%未満でターン終了まで自身への攻撃を無効化する |
| 明王神符*12 | 自身への氷結ダメージを1回半減して、FRIEZEを防ぐ 真澄から託された符であり、唯一つの切り札 |
直撃すれば死が待つ四方八方からの氷塊による爆撃、弾幕。フェイは符を用いてダメージを軽減し、リンゴォは尋常ならざる意志を以て喰いしばりを継続する
「耐え……たぁ! 次は来ない!?」
「奴の動きは止まった。猶予はある」
残りの攻撃を適切に捌きながら、二人はギリギリの所で耐え抜く。生存こそ叶ったものの盤面は絶望的で、マツヤ側の消耗は一切ない。それでも覆せる方法は一つだけある
「マンダムによる時間逆行……だが、戻ったとてこれを打倒できるか?」
「変えてみせるよ。奴の事は分かったし、プランは練ったしね。通らなかったら本当に打つ手なしだけど」
「ならば」
リンゴォが腕時計のツマミに触れる。
「共に乗り越えよう。これが『試練』なら『克服』しなければならない」
世界は再び塗り替えられる。遡る時の中で盤面は蘇り、そしてマツヤの降臨は避けられない。銀世界は依然として展開されていた
「あれを耐え切ったか、流石だぜ!」
「本番は此処からだがな。またアレは受け切れん」
『くぅっ、回復役なのに耐久低くて申し訳ないです』
『死ニ戻リ、モウ勘弁。駄目ゼッタイ』
カナエが、ムラカミが、アトロポスやコウリュウが復帰する。マツヤもまた万全の状態で相対し、今にも先程の連撃を繰り出そうとしている
「攻撃は受け切れないから、奴に攻撃させる前に倒すしかない。アトロポスとコウリュウは回復、補助。リンゴォはヴァイパー。二人は初手で最大火力叩き込んで!」
「私達だけは手が足りんぞ!」
「俺達だけなら、だろ。あいつらが来れば可能性はあるぜ」
「間に合うのか?」
「現座標、エネミーデータは送った。<疾風>*13しながら<空間転移>*14連打できるようにMAGも送った。後はそれ待ちで祈らなきゃならないけど……まずは僕達が時間を稼がなくっちゃね」
フェイが生存する事で戦場外より此方に駆けつけてきているであろう由奈達に情報を送り、MAGの繋がりを維持していた。時間逆行によりどれ程、その行為に意味があったかは分からないものの
後はマツヤの攻撃をどれだけ先に引き延ばせるかに趨勢はかかっている。大規模な攻撃を複数の補助も織り交ぜて連撃するには多少のタメが必要だ。海水を攻撃として用いている以上、隙は必ず生じる。其処を突く事でしか勝利は得られない
「じゃ、全力全開でぶちかますか!」
「是非もなし」
赤翼を翻し、ムラカミが加速する。カナエは外骨格諸共に全身を燃え上がらせている
狙いはマツヤを含む銀世界全て。氷を砕く衝撃と氷を溶かす火炎の特性を利用して、遅滞の為に出来る最大火力を構えた
「プルガトリウムウゥゥッ、フレアアアアアッッ!!!」
「吹き飛べ、マハザンダイン! トリニティ!」
| プルガトリウム*15 | 敵全体に相性を貫通する火炎属性の特大ダメージを与える 失楽園の堕天使の如き煉獄の焔で敵を焼き尽くす 死力を尽くす事による一時的な制限解除 |
| マハザンダイン*16 | 敵全体に衝撃属性の大ダメージを与える <獣の眼光><アクセラレート>によってこれを三回行う |
煉獄の炎が銀世界を焼き払い、三奏に重ねられた風圧が氷塊を粉砕する。
| ヴァイパースコープ*17 | 武器依存属性(銃撃)で4回攻撃する 銃撃属性の耐性を1段階低下(1T持続) |
追撃にリンゴォによる銃撃乱射がマツヤを射抜く。耐性もなく、銃撃弱点を植え付けられながらマツヤは不愉快そうに両翼を広げた
「ダメージは通っているが、まだ浅い。奴は止まり切らないぞ」
「僕も此処で動くしか……いや、なんだ?」
攻撃の挙動に入ったマツヤに対応する様にフェイは動こうとし、止まった。何かの予感して、それに意識を向けた
| 派遣指令*18 | 日常GP以下のレベルのキャラクター自身の仲魔を派遣して 戦闘に参加或いは情報収集や護衛等の任務を与える事が出来る |
マツヤ側でもフェイ側でもない第三者の新たな介入。その存在をフェイはよく知っている
オベロン=ティターニア、かつての世界における自らの両親。異世界の妖精王にしてテオゴニアの合一神。今は敵である筈のオベロンはフェイを手助けするように仲魔を差し向けた
\カカカッ/
| Lv96 | 妖精 | クーフーリン | 物理・銃撃・火炎・氷結・電撃耐性。 衝撃・破魔・呪殺反射。猛毒・神経弱点*19 |
「セタンタ……?」
脳裏に過ぎった過去の自分の記憶、それによる自身でも分からない呟き。二対の赤槍を持つ見知らないのに知っている妖精をフェイは目で追った
『デヴァローガの竜よ。我が魔槍を馳走してやる』
| 妖精王の宴*20 | 3ターンの間、味方全体の全能力を最大まで上昇させる オベロンを通しての発動 |
| クランの猛犬*21 | 物理・衝撃貫通を得る。クリティカル率+50% 自ターン終了時、次の連動効果が発動。「自身をチャージ状態にする」 自身が生存中、味方全体は次の効果を発揮 「物理・衝撃属性で与ダメージが10%増加」 「全体及びランダム攻撃でダメージが10%増加」 |
| ゲイボルグ+9*22 | 敵単体に力依存衝撃属性の中ダメージを与える 相性貫通が付与。必ず命中しクリティカルが発生する クーフーリンしか持ち得る事のない絶技 適性の上昇によって大ダメージ規模となっている |
妖精王による
| クーフーリン思念融合4*23 | 自身含む味方が弱点をついた時、連動効果が発動 「味方のプレスアイコンを1つ増やす」 今回はフェイの行動回数を1つ増やすという独自裁定 |
『後は任せました。御武運を』
そして、連動して発動した権能をフェイへと委ねた。一瞬だけ目配せをしながらクーフーリンは役割を終えたかのように消え去っていく。唐突過ぎる乱入劇は敵味方共に動きを止め、フェイ達に与する形でマツヤを止めながら終了した
「奴は何だったんだ?」
「今は何でもいいよ。状況は好転した。これで、由奈達が間に合う」
フェイは状況確認の為にCOMPを見た。レーダーに映るのは此方に近づく三体の仲魔達。背に乗せている大切な人々も健在で、それにまず安堵の息が零れた
「だから後は僕が止める」
同時に意識を強く切り替える。オベロンの援護もあり、勝利への道筋は整った。後は由奈達が到着するまでの間、マツヤの妨害が出来るかどうかに全てが掛かっている
回復によって肉体が癒され、全能力強化によって補助は三段階。状況としては考え得る限りのベスト。最後の賭けにフェイは踏み込む
「君の土俵で戦ってやるよ。それが一番効くだろうからね」
| 諸惑星の加護*24 | 敵単体に中ダメージを与える 相性は万能・100%・相性無視・緊縛属性以外の中から自由に選択できる 水撃属性を選択 |
| 精霊召喚*25 | 敵全体に高確率で幻影状態を与える だが、その真価は合体魔法で発揮される |
妖精より水の加護を借り、精霊を召喚してこれを織り交ぜる。無色の精霊へ水のエレメントを付与する事で発揮される合体魔法、それを単独で行使した
| ウンディーネ*26 | 水撃系魔法+精霊召喚によって発動する合体魔法 敵全体に術者のLVを加算した水撃属性のダメージを与える (フェイの場合は92+65=157。メギドラオンを超える特大規模となる |
「ウンディーネ! いっけぇーっ!」
マツヤへと向けられた水撃の嵐はダメージ以上に動きを妨害する。巨大津波を制御、相殺しようとしたのと同様にマツヤとフェイの海水への干渉力が一時的に拮抗する
『…………………』
水撃に耐性がない為、ダメージこそ与えられる。だが、干渉力という面においては圧倒的にマツヤが有利。フェイとマツヤのレベル差もそうだが、何より適性に大きな差がある。Lv90代の
「そりゃ押し負けるよね。だから、こうする!」
拮抗してからコンマ秒の経過であっという間に相殺は出来なくなっている。後一息で完全に打ち負けるという土壇場、しかしフェイも無策ではない。オベロンの補助ありきではあるものの
| 高速詠唱Ⅲ*27 | 手番中、使用者は追加で1回の魔法攻撃か支援魔法を行える 但し、HPを回復する効果のあるスキルは使用できない 使用する度にコストとして現在HPの半分を消費する 1シナリオに3回まで使用できる 霊格の成長によって1度に2回までなら連続発動が可能 |
Lv90を超えた事によって連続発動が可能となった高速詠唱。自身の本来の処理速度を超えて詠唱された二つの魔法は<諸惑星の加護><精霊召喚>、双方を織り交ぜて再度の<ウンディーネ>。出力が足りないなら、さらに上から捻じ伏せるというごり押し極まりない方法でフェイは突破を図った
「僕の、勝ちだ!」
『……………!?』
二つの重ねられた<ウンディーネ>がこの刹那のみ、海水の制御権を完全に奪取する。今まで浴びせてきた傷に塩を塗る様に支配下においていた海水がマツヤに襲い掛かる
海水の掌握はそうして直ぐに終了する。攻撃中のみの限定的な乗っ取りはダメージついでに一瞬の時を稼ぐだけの物に過ぎない。それでフェイは良かった
全ては勝利のバトンを、次に繋ぐ為の物なのだから
「頼んだよ!!!」
単独による合体魔法の連続詠唱。その消耗は肉体を蝕み、血反吐が零れた。極度の疲労も圧し掛かりながらフェイは戦場へ飛来した三体の仲魔と三人の仲間を見届ける
| タルカジャ*28 | 味方全体の物理攻撃力を1段階上昇 4段階の際の倍率は450% |
| マハブフダイン*29 | 敵全体に氷結属性の大ダメージを与え、FRIEZEをを確率で付与 <準氷結貫通><氷結高揚>が適用されている |
「これで4段階!」
『凍テツケェ!』
先陣を切ったのはエリヤとフレスベルグ。三段階まで積み重なれた強化に
| ウアス*30 | 敵単体に極高クリティカル率の物理属性の特大ダメージを与える 与ダメージの半分を回復し、攻撃は吸収まで貫通する |
| 徹し*31 | 敵前列1体に万能相性の特大ダメージ(防御力無視)を与える 前列の他の敵に拡散し、本来の半分のダメージを与える |
『( `・Ⱉ ・´)!!』
「トリは譲るわ!」
疾風を駆り、セトがマツヤの喉元を食い千切る。同時に真澄の渾身の掌底が顎を打ち上げる
『……グゥァァッ!!!』
マツヤが、終末の竜が苦悶の声を漏らす
幾多も与えられたダメージは決して低い物でもなく、何よりラハブと潰滅竜へ与えられた傷もまた合体によって帳消しに出来た訳ではない
過剰なまでの攻撃力も擦り減った自身の
故にマツヤに“次”はない。処刑人は直ぐ其処まで来ている
「駆け抜けろ、カルティケーヤ!」
『貫くさ、奴よりも速くな!!!』
凍てつく風を切り裂き、荒れ狂う波を振り払う。なりふり構わず殺意と憎悪を剝き出しにした
孔雀の羽を散らし、
その背に乗り、
| 天扇弓*40 | 敵全体に銃撃属性の大ダメージを与える <韋駄天><天覇の将><銃ギガプレロマ><獰猛>が適用 |
| デッドリーブレイク*41 | 直線状の敵全てにLVと能力値の全てを加算した 武器依存(物理)のダメージを与える 両手剣型武器COMP【アウトブレイク】に付加されたスキル 1ターン1回まで使用可能(裁定) <豪傑の転心><チャージ><モムノフⅡ><物理貫通Ⅲ>が適用 |
「『終わりだ、ドラゴン!!!』」
無数の氷晶が砕け、崩壊する銀世界。大いなる災い、隆起する巨大津波。超えられない滅びの化身、終末たるマツヤ。その悉くを貫いて、竜の命脈は断ち切られた
『ア゛ア゛ア゛ァ゛ア゛ァァアァァッ!!!』
かくして竜殺しは為された。噴き出す赤い粒子、真っ黒のタール。絶命の叫びに今度こそ“次”はなく、ドラゴンの骸は欠片も残らず消失した
「勝った……」
誰とも分からない呟き、その場にいる全員が確かにそれを実感する。そして、直ぐに意識を切り替えた。竜は打ち払われたがまだ何も終わっていない
確かにドラゴンは脅威であり、倒さなければならない敵だったが本命ではない。地平線の先より迫りくる
対処を行わなければ海岸線が崩壊する以上、選択肢は一つしかない。激戦の疲れをそのままに、太平洋における防衛戦は再開される
「さぁて、まだまだ頑張ろっか。津波がもし止まったら他の援軍にもいかなきゃだしね。まったく嫌になるけど」
戦いが続く。護国殺しの魔人を超えて、星を毒する竜が打倒され、世界を滅ぼす巨人が窮地に追い込まれようとも
決戦が始まる。運命の極点たるスマルにて、世界の命運を掛けたもう一つの戦いは幕開けた
喇叭が鳴り響く。全ての人類を巻き込みながら、その終わりは未だ見えない
・リザルト
久遠 フェイ:Lv92→Lv94
久遠 由奈:Lv94→Lv96
久遠 エリヤ:Lv90→Lv93
神城 真澄:Lv92→Lv94
フレスベルグ:Lv86→Lv89(ソウルリンク)
カルティケーヤ:Lv82→Lv86(ソウルリンク)
セト:Lv86→Lv89(ソウルリンク)
他のみんな:いっぱいあがった!(次出す時に考えておきます)
<久遠 フェイ>
合体した時、またかよ!って顔をしてた人
イレギュラーな事態に巻き込まれてばかりなので最近あまり動揺しなくなった
高速詠唱の連続発動ならびに合体魔法の単独詠唱は気合いでやってる
<沈界のマツヤ>
ヴィシュヌの化身であるマツヤの名を持つドラゴン
ラハブとアンジャリカストラの融合体であり、能力もこの二体を足して2で割らない力を持っている。真正面からではフェイ達でも打倒が不可能だったがHPの消耗も足して2で割らなかったので其処を突かれてワンキルされた(それでもアホみたいなタフネスだったので動きを妨害しながら火力を極限まで叩き込む必要があった)
<他の三次勢>
改めて、今回キャラを貸して頂き有難うございました
でもよくよく考えたら次章でもまたお借りするのでまだまだロスキリの戦いで頑張ってもらう事に
<オベロン>
本来は参入しない予定だったがこのモンペ野郎がフリーなら絶対こうするよな?という事で部分的に介入した。あらゆる意味でレベルの高いモンペ
「物理命中率が15%増加し、クリティカル率が20%増加する。」
人間7人・悪魔5体によって約150%の物理ダメージ上昇