真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
ヨヨギ公園における戦いはついに佳境と呼べる領域に入った。
悪魔の軍勢は徐々に数を減らし、ジリ貧に。混成軍もまたアイテム、マグネタイトの消耗によって大半の者の動きに疲労が見える。それでも、増援の存在によって戦線は確実に混成軍が押し込んでいる
三体の悪魔将もまた時間経過に伴い、特性を抜かれて、対抗する部隊の動きは洗練されていく。対策を取られて、行動を絞られて、最善手を繰り返しながらも擦り減った生命力を叩かれ続ける
ギリメカラも同様に、他の戦線が押し込まれた分だけ集中砲火を受けていた
偶神クスィ・アンバーは損傷が激しいものの、崩壊までには至っていない。耐久維持の為に他のDBが支援に入り続けたのもその要因だろう
そして、この戦いの趨勢を決定づけたのがレベル90以上の、いわゆる特級戦力の複数参戦。キリギリスにおいても名の知れた強者、キリギリスでも知り得ない因果の裏側で限界を超え続けた者達
知名度があるかないか、そんな事はどうでもよく。彼らの参戦によって戦線の安定度は段違いに上昇した。ギリメカラ側も何度か状況を打開に動いたが、あまりに開いた戦力差は埋められない。策でどうにかなる段階は過ぎ去っている
ギリメカラは再び“詰み”の盤面に入りつつあった
『(想定はしていたとは言え、こうも抑え込まれると悔しい物だな)』
決死の交戦を続けながらも、ギリメカラは歯痒く思う
自分達が最善手を繰り出しても、ギリギリの所で相手も対応する。幾つも浮かんだ勝機をその度に掴み損ねて、ズルズルと戦いを引き延ばされた結果がこれだ
最初から特級戦力が複数到来という状況に比べれば、まだマシな展開なのは疑いようもないだろう。少なくとも現時点でギリメカラは凡その役割を熟している
既にオベロンはエデンのエターナルとの交戦に入っている。ギリメカラの役割は現地勢力の介入の遅延であり、仮に今此処で全軍を退却させたとしてヤヒロノヒモロギの行方は三大勢力のいずれかに渡る可能性が高い
そうなった場合、凡そ高い確率でオベロンが勝つだろう。
レベル100以上が派遣されていたなら話は別だが、他勢力が其処までの本腰を入れて介入してくる可能性は低い。まだ全ての勢力が様子見の段階、この戦いは後に巻き起こるであろう大戦の為の前哨戦に過ぎない
『(後は、俺とお前達の納得の問題だな)』
偶神に一撃、さらに一撃。壊れつつある鋼はそれでも砕けない
反撃に
ギリメカラ単体の話で言うなら、もう幾分か猶予はある。しかし、他の者達は消耗し切っている。劣勢という名の均衡が崩されたとしたなら全て討ち取られるまでそう遅くはない
それでも悪魔達は退かなかった。ギリメカラと同様に踏み止まったまま、死兵となって戦い抜いている
『(今ここで死ぬか、或いはもっと先で死ぬか。どちらにせよ我々の死はこの周回で訪れる、そのような気がする)』
悪魔としての力、合一神としての権能を使わない人としての漠然とした勘が確信と共にそう告げていた
『(戦いの最中にこのような事に思い耽っている。走馬灯のようにかつての世界が思い浮かぶ。俺も来る所まで来てしまった訳だ)』
戦いの手を止めないまま、自らの記憶が逡巡する
子供に心はなく、大人に未来はなく、世界は荒廃しきった
きっかけは
人も、悪魔も逃げ惑った。<救世主>は最早居らず、化物達に対抗するだけの
求められていた、打破の可能性が。故にある人間とある悪魔が契約の元に合一を果たす
邪鬼という種族、それに反した人と魔の守護という願いを掲げて合一神ギリメカラは王として君臨した。残存する勢力を纏め、デヴァローガの侵攻へと反抗する
幾度も<禍の団>を撃退し、後を託せると信じた者達は時を渡れるという装置を用いて世界より脱出を果たした
明確に時は稼がれ、多くの仲間達を生存させた。だが、順調だったのは其処まで
<禍の団>の侵攻は止まらないままに、襲撃に来た喰奴ではない羅刹なる者達。敗北はせずとも数え切れない人々と仲魔を失い、自らも傷を負って。其処から、間もなくして世界が先に木っ端微塵に砕け散った
要因は
世界亡き王が放浪した先に辿り着いたのがテオゴニア。無限に紡がれる黄金期が続く理想郷を望む神々
この身が合一神であるから、神々が言った
其処で知る世界の真実。繰り返される世界の終焉、試練のように襲い来る数多の災厄、この螺旋の中で暗躍する勢力
終わらない戦火の渦にギリメカラも身を投じる。戦って、戦って、戦って、果てにその世界の分霊とはいえ
勝利の栄光を得た。宙の星々を自らの領土として人々と悪魔に安寧を与えた。自らもまた一時は十二神の座に付き、かつて出来なかった事の全てを手にしていた
しかし、世界を救った訳ではない。数多の周回を渡り、勝ち続けたとして世界は悲劇のままに終焉する
勝利を得たとして、それは世界の侵略ありきの物。いずれ世界のコトワリを塗り替える為と定義したとして、守りたかった世界を滅ぼす側に立つ罪から目を逸らせない。大義があれば許される事ではないのだ
時を経て、安寧を与えた領土も太陽の熱で溶け落ちた。星々に永遠はなく、残骸は今も太陽に呑まれ消えているだろう
結局、テオゴニアで得た全ては仮初だった。世界そのもの救わなければ意味はなく、その為に多くの時が経ち過ぎた
勝ち、奪い、負けて、奪い返され、また勝って。テオゴニアを含む三大勢力はずっと繰り返し続ける
この果てに世界は本当に救われるのか?
奪った物と奪われた物に対する成果を俺達は示せるのだろうか?
合一神すらも矛盾と摩耗には耐えられない。ギリメカラは虚無を得て、十二神より失墜した。最後に残ったのは己と未だに王と信じる悪魔達だけだった
『(この徒労のような螺旋の果てに救いがあるのか。我々が最初に欲しかった願いが手に入るのか。周回の中で多くの神や人が惑い、最終的に虚無へ至る。俺がそう遠からず辿り着く未来。だが、その前にやるべき事を果たす)』
叶えたかった願いはあった
この世の不条理・理不尽が無くならなくとも、多くの存在が生を望めるような未来を望んだ。己を信じてくれた全ての者を安息ある世界へ連れて行く為に
叶わなかった現実だけが残った
仲間は死に、故郷は消え、造り上げた星は燃え尽きて、願いすらも虚無に沈む
それでも残った微かな何かがギリメカラの魂を動かしている。このままでは終われないと、足掻いている
テオゴニアの神世界を今でも目指したいが故か
オベロンとの盟約、この戦争の果てへの興味か
殺してしまった、死んでいった者達の為か
はたまた、この世界の守護者たちの熱にあてられたのか
理由は複数、されど願望は合一される
『果てに虚無が待ち受けようとも、俺は勝利を望む』
現地勢力に対する時間稼ぎという戦闘目的は果たされた。後は自ら達をどのように退避させるかという点である。各戦線は既に半包囲の状態にある。もう間もなくそれは完全なる包囲へと変わり、じきに命脈は尽きる
生存には明確な突破口を開かなければならない。ギリメカラも消耗し、リソースは僅か。しかし、
「ッ! 高濃度のマガツヒが空を舞っている!?」
「悪魔どもの死体からだ! 残存したマガツヒが、全部ギリメカラに集まってやがる!」
戦場の至る所から巻き上がる真紅の粒子。その全てはギリメカラに集約されていく。文字通りの<仇討ち>*1を行うべく、集ったマガツヒはギリメカラを真っ赤に染め上げる
ギリメカラは死者の無念を重要視する合一神だったが故に、それを可能としていた
| 貫く神気*2 | 次に行う全ての攻撃のダメージが著しく上昇し、 相性を無視する貫通を付与するチャージ効果を得る ギリメカラは邪神として扱われる事も多い |
『お前達の最期を、我が全力にくべよう!』
「……此処が正念場だな、我がクスィ・アンバーよ」
発動される邪神の禍津の業。同時に
『オオオオオオオオッ!!!』
幾度となく放たれた魔槍がクスィ・アンバーの胴を貫く
数え切れない程の攻防の果てに、これ以上ない程の防御力を誇る偶神の鋼は脆く崩れかけていた。穂先が引き抜かれ、こじ開けられた穴からは向こう側が見える
| 武器の心得*3 | 通常攻撃の威力が50%上昇する |
| 吸収攻撃*4 | 通常攻撃で与えたダメージの一部をHPとして回復する |
| 双手*5 | 通常攻撃に小威力+通常の2回攻撃となる |
「まだだ! まだ折れはしない! 我が信念は!」
軋む鋼が悲鳴のように響きながら、剣は折れずに振るわれる
徹底的な耐久性は防御力のみによって支えられる物ではない。偶神が持つ刃もまた英雄と悪魔の力によって磨き上げられている
攻撃による
「(マガツヒは使わせた! 次は
ラスキンの想定ではクスィ・アンバーが耐えれるのはこの
しかし、この攻勢さえ耐え切れば他戦線の包囲は完了し、ギリメカラへの戦力集中が望める。其処からの戦いも厳しいものになるだろうがギリメカラの消耗度から踏まえて、終結にそう長くは掛からない
偶神が保つかどうか、全ては其処に委ねられていた
『非礼を詫びよう、偶神よ。貴様の鋼は俺が知り得る中で最も強固であった』
先程と同様の必殺の突き。クスィ・アンバーは八つの剣を交差させ、最大限の防御態勢にてこれを阻む。衝突した互いの獲物から夥しい火花が散り、周囲を閃光で満たす
『だが、討ち取らせて貰う。そのように宣言したのでな』
「馬鹿、な……!」
光の中、偶神の八つの剣、鋼の鎧が明確に貫き砕かれた。核を穿たれたクスィ・アンバーを構成するMAGは急速に消失し、ラスキンが驚愕と共に落下する
勝因はなにか? ラスキン達は一つ見落としていた。
| 禍時:溜力*6 | ターン中、味方全体に付与されたチャージ効果が行動後も解除されない 魔神固有のマガツヒスキル |
ギリメカラは<仇討ち>によってマガツヒを収集する以前に
二つのマガツヒスキルは両方とも噛み合った物。
「……おい、あれ耐えられそうか?」
「絶対無理だろう」
そして、ギリメカラの手番は終わっていない。偶神が止められたのは二撃まで。三撃目は文字通り戦場全域へと振り下ろされた
「先程とは物が違うか」
「相殺にも至らねぇ程に差があるかよ……!」
少なからずの備えてきた者達も対処に動く。しかし、分は悪い。先程と違って、偶神という抑えが居ない状況。何よりこの一撃に乗せられたマガツヒが、威力を3倍以上に底上げしている
威力を軽減させようと、止まりはしない。最早、止めれる者は砕け散った。攻撃到達までの刹那の時の遅延、その程度にしかならず
「ああくそっ! これ、本当に使いたくなかったんだけど!」
「切り札があるなら使え! 後の事は生き残ってからだ!」
「取り敢えずなるべくを俺の周囲へ人を集めてください! 諸々フォローも頼みます!」
生じた刹那の時で、他の者が動く。その微か後に破砕の衝撃音が妖精郷へ到達した。人も、大地も全てが脆くも弾け飛ぶ。混成軍の包囲を無惨に叩き潰しながら、合一神は再度状況を覆した
王の一撃に、悪魔共の歓声が響き渡る。土煙の中に垣間見えた多くの戦士達は瀕死か、それに近い状態。自ら達もまた、多くの手傷を負いながらも反抗を開始する
『何?』
攻撃を終えたギリメカラは状況の確認をし、疑問を浮かべた。想定より混成軍の被害が少ない
多くは
微かに聞こえた、アナウンス音声。突如として現れた光り輝く白銀を流動させる仮面戦士をギリメカラは注視する
「いっツゥ……システム起動を装甲展開より優先して正解だったな、こりゃ」
| Lv97 | 比企谷 八幡 | デルタ装着形態 |
「でもって、後からだけど言わせて貰うぞ……変身、ってな」
仮面の内側より響く声はあの淀んだ目をした学生の物。その身を特撮のヒーロー、そのままに変えながら彼は大勢の生存の為の一手を打っていた
| バイトザバレット*8 | 味方全体に1回だけHP1で復活する効果を付与する クールタイムではなく戦闘中再利用できなくなる代わりに より広域に効果を展開した(特殊裁定) |
『(デモニカのコマンダースキルを広域展開させたのか……いや、それよりもあれがデモニカだと? あのレベルに、機械鎧への既知感。よもやトール騎士団のそれと同質か?)』
其処まで考え、ギリメカラは深読みを止めた。あれが何にせよ最大級に警戒すべき敵に変わりなく、どんな切り札を持っていようともギリメカラ側に出来る事は最早限られている
攻勢を維持しなければ、後がない。全てを出し尽くした以上、走り抜ける他はなく。次なる
「うぉー! デルタじゃん! マジモンかよ! すげぇな!」
「変身バンクまで完全一致とは恐れ入る」
「あ、うっす……製作者の奴が凝り性なだけなんで」
「さえずるな、特撮ファン共。現状は最悪だぞ」
比企谷のコマンダースキル、実質的な食いしばりの広域付与によって少なからずの戦士達が生存した。逆を言えば範囲外に居たそれ以上の多くの者達は耐え切れずに倒れている
ギリメカラの一撃によって倒れた者は合計で半数以上。包囲は完全に瓦解し、悪魔の軍勢は瀕死に近いまま最後の攻勢に出ようとしている。悪魔将もまた半死半生のまま権能をばら撒き、混成軍の立て直しを許さない
『此方、シロエ! 全員傾聴! 次のギリメカラの攻撃を許せば、ほぼ全滅に近い状況になるだろう! 次の奴の攻勢までにギリメカラへ攻撃を集中させて撃破するしかない!』
『猶予はあまりに少ないが、敵も僕達以上に消耗している! 数も上回っている! 頭の悪い作戦で申し訳ないが、戦列をこじ開けて突貫しかない!』
テレパシーを用いた生存者に対するシロエからのメッセージ。状況を把握し、全ての戦士が行動を開始する
「軍勢がギリメカラへの進路を塞いでるか。後続に道を作んねぇとな」
「またこういう役回りか。是非もない」
「よく無事だったな、ラスキン老」
「最後に彼女……クスィ・アンバーが庇ってくれただけだ。だが、その借りは返さねばなるまいよ」
「あれに決定打を与えるなら接近戦じゃないと駄目ね。ついてくわ」
「本命は俺に任せな。とっておきがある」
「……お前の作戦、賭けてみる価値はありそうだな」
「つっても不確定な博打になっちゃいますけどね。リソース全ツッパで発動するんで、デルタも維持できませんし」
「それの確率を底上げするのが俺達の役割だ。君の言う通りに状況が嵌れば、勝利はかなり近づく」
「そういえば突っ込まなかったんですけど俺口調なんすね」
「俺は元々男だから。名残だな」
「あぁ、そういう……」
「作戦前に雑念を混ぜるのはやめろ。行くぞ」
既に状況は変わっている。押し寄せる混成軍を、悪魔将と軍勢が押し留めて後一歩が届いていない。ギリメカラへ攻撃は届いているが、少なくともこの
ギリメカラに手番を回してしまえば、今度こそ戦線の立て直しは不可能となる。今回の一連の戦いはギリメカラの挙動によって状況が大きく変動していたが、今の状況はその極みといっても良い
そして、互いにやる事がシンプルで分かり切ってるからこそ戦いの苛烈さは青天井に上がっている。傷つき、疲弊し尽くしながら手段を問わずに全ての戦闘者は勝利を諦めてはいなかった
混成軍の猛攻に、悪魔将の一部が倒れて軍勢は殆どが機能不全へと陥っている。ギリメカラへの火力集中は叶う盤面に至ったが、ギリメカラが動き出す猶予もまた存在せず
『終わりだ……!』
空を覆う巨体が血に塗れながら槍が大きく振り上げられる。突き刺さる数多の攻撃も意に返さないまま、最速でそれを振い、薙ぎ払う
「
『なッ!?』
その微か、直前。今にも消えそうな
しかし、行えたのは其処まで。発動は出来ないと判断したギリメカラの予測に間違いはなく、二回目の能力発動の反動に耐え切れずにリンゴォは倒れた。巻き戻ろうとした時間は6秒を満たずに、精々1秒に届くか届かないか
何を目的とした行いなのか、思考する意味も時間はない。ギリメカラは逆巻いた猶予の時を変わらず最速の攻勢へと力を注ぐ
「させるかよ!」
想定していた妨害がギリメカラの巨腕に突き刺さる。レベルで言えば同格に近く、出力も大幅に上昇した上での狙撃は多少なりとも効果量に影響を及ぼしている。攻勢は微かに弱まるが、やはりその程度
<貫く神気>は依然として維持されている。上昇量が減少量が上回っているのなら、何ら問題はない。気にせず、
大半の者より先手を取れる状況で自らが遅れ、逆にイニシアチブを握られている。そんな事が出来るスキルは数少なく、それを為したであろう比企谷の装備を踏まえれば答えは一つに絞られた
| 速攻戦型*9 | 発動ターンは味方全体が敵より速く行動できる デモニカに搭載されたオートコマンダースキル 毎ターン開始時に確率で発動する |
| 運命の支配者Ⅱ*10 | 味方ひとりの判定またはダイスロールを1回を振り直す 判定・ダイスロールをスキル発動確率として拡大解釈して発動 1シナリオ2回まで使用可能 比企谷が使用 |
「あっ……ぶねぇー! 此処までやって発動ミスりそうとか、運なさすぎだろ!」
「自前で成功したか! なら、俺は攻勢のフォローに回る!」
速攻戦型、PT単位での先制奪取のコマンダースキル。基本的に速さとは正義であり、特に早撃ち勝負に近いこの状況であれば実質的な特攻として機能する
ネックはその発動確率が確率に左右される事。複数のオートコマンダースキルがあればそれらが競合し、単体でも必ず発動する訳ではない。それを踏まえての一か八かの時間逆行。逆行なしで成功すればよし、逆行後に成功すればそれでもよし
それらが駄目でも<運命の支配者>で押し込み、それでも駄目ならエリヤに……という風にすれば発動はほぼ確実となる
より広範囲へ効果をばら撒く為にデルタのリソースを全消費、尋常ではない肉体疲労で気絶寸前ではあるものの此処に至ってはあまり問題ではない。最後のチャンスを戦士達へと巡らせ、比企谷は地面へと倒れる
「やることやったんで、後は御願いしますよ……」
「「「「「任せろ!」」」」」
再び、攻守がガラリと入れ替わる。文字通りの
「学生くんが頑張ってくれたんだからチャンスをフイには出来ないよな!」
「しれっと90超えてたアレを学生扱いしていいか分かんねぇけど!」
「どのみち、此処で終わらせなきゃなんねぇんだ! つべこべ言わずにぶちかませ!」
コマンダースキルの恩恵を受けた者達が我先にと突貫を始める
各々の連携で補助を最大限に上昇。遠距離からの銃撃・魔法による釣瓶撃ちでギリメカラ、悪魔達へのダメージを稼ぐ
| プルガトリウム*11 | 敵全体に相性を貫通する火炎属性の特大ダメージを与える 失楽園の堕天使の如き煉獄の焔で敵を焼き尽くす 死力を尽くす事による一時的な制限解除 |
| 貫く風の闘気*12 | 味方全体に衝撃貫通を付与する |
| マハザンダイン*13 | 敵全体に衝撃属性の大ダメージを与える <獣の眼光><アクセラレート>によってこれを三回行う |
「しぶといのはお互い様だが、俺達も後がないんでな!」
「進路をこじ開ける!」
それでも尚悪魔達はギリメカラへの攻撃を防ごうとして立ち塞がり、吹き荒れる炎熱と暴風がそれらを薙ぎ払う。道を阻む者はなく、モーセの海割りの如く開かれた突破口に戦士達が飛び込んだ
| タルカジャ*14 | 味方全体の物理攻撃力を上昇させる 現在:最高倍率の450%(4段階) |
| 獣皇矛刃*15 | 敵1体に対して武器依存属性のダメージを6回与える さらに3ターンの間、被近接ダメージが100%上昇する状態変化を付与 この効果は、対象がノックバックした場合にも消失する |
| 徹し*16 | 敵前列1体に万能相性の特大ダメージ(防御力無視) 前列の他の敵に拡散し、本来の半分のダメージを与える |
「
「その巨体ならば
「これ、でぇ!!!」
生存する戦士達、その殆どによる決死の集中砲火がギリメカラへと浴びせられる
如何に強靭な肉体を持つ合一神であろうとも、補助を最大限乗せた上での総攻撃は堪えきれる物ではない。これまでの蓄積ダメージも踏まえれば尚の事で、ギリメカラは<速攻戦型>によって後手に回らざるを得ない
近接からの斬撃、殴打。遠隔からの銃撃、魔法。巨体が抉れ、血飛沫が舞う。槍を振りかざしたまま、ギリメカラはついに死へと追い込まれつつあった
| デスカウンター | 真3出典。物理型攻撃を受けた際に50%の確率で発動。 3倍の威力で通常攻撃を行う(回避・無効等でも発動) |
『だが、まだァ!』
視界を埋める攻撃の数々、その最中にギリメカラの拳が戦士達へと墜とされた
双方ともに形振り構わないまま、足掻きと抗いが繰り返される。戦士達の殆どは反撃で吹き飛び、悪魔の軍勢もまた疲弊の果てに動くことすら出来ない
「ハッ! ご自慢の怪力も随分衰えたな!」
『抜かせぇッ! 貴様以外は吹き飛ばしてやったわ!』
唯一人、生存してながら
長き渡る戦いの終焉の全ては互いの一撃に委ねられた
| アカシャアーツ+9*19 | 敵単体に物理属性の特大ダメージを与える ニヤリ時に貫通付与 適性の増加によって威力が大幅に増加している |
| アカシャアーツ+9*20 | 敵単体敵全体に物理属性の特大ダメージを与える クリティカルの際は威力が増加する 適性の増加によって威力が大幅に増加している |
『「うおおおおおおおおおおおッ!!!」』
両者ともに渾身の覇気で放ったのは最も信頼する技、アカシャアーツ。細かな違いはあるとはいえ本質は同じ、物理における最強の攻撃を以て一撃必殺による決着を二人して望んでいた
<速攻戦型>によって先手を取るのはロラン側。後手に回るギリメカラは多大な補助を受けたロランの一撃を耐えなければならない
「……ッ!」
『お前達の、負けだ……!』
想定通りにロランの剣が、ギリメカラの巨体を捉えた。同時にロランは悟る、これは届かないと
強靭極まりない合一神の装甲を柔肌のように切り裂いて、肉を削いで骨まで到達する。しかし、命までは奪えない。ギリメカラの執念、合一神としての耐久力、積み上げてきた
「いいやッ!」
止まらせない。止まらせてなるものか、ロランの魂が奮起に燃える
戦いの中で眼前の合一神にも相応の覚悟を以てこの戦いに望んでいるのは見て取れた
異質なまでに統率され、士気が高い悪魔の軍勢。開戦より常に集中砲火を浴びせられながら、立ち塞がりつつ続ける三体の悪魔将。最大の脅威として幾度となく戦況を覆し、逆襲を繰り返すギリメカラ
今までにない敵だった。まるで世界の脅威に抗うかのように、強さ以上に想いが、熱量の格が違った
だが、それで? 自分達の世界を脅かす敵だというのに変わりはない。僕達にも守らなくてはいけない日常がある
話し合いのテーブルに着いたならまだしも、悪魔達はとうに一線を越えている。どういう経緯であれ、戦いを選んだのなら此方もそれを以て返さなければならない
命を懸けても維持しなければならない日々の為に。より言えば某少年コミックが週1で見られる世界の為に
キリギリスの一員としての“覚悟”を示す
| 覚悟の一撃*21 | コストとして現在HPの半分を消費する 次に行う攻撃は防御点無視&クリティカルダメージが3倍に変更される このターンが終わるか死亡するまで、使用者はHPを回復できない 戦闘中1回まで使用可能 それは一握りのガ■アの兆し |
| リベンジャー*22 | 前列にいる場合、HPが減少している程スキルのダメージが上昇する |
「僕達の勝ちだ!」
込められた一度限りの捨て身の渾身。肉体より過剰に力を引き出し、発生する生命力の損失さえ力に変えて全てを剣へ注ぎ込んだ。留まっていた刃が駆動して合一神の力を、体を、心を一息で切り裂いた。ギリメカラの手より三又槍が零れ落ちて、消えていく
『そう、か……其処まで行きついていたなら。致し方ない、が』
ギリメカラの巨体が横一文字に両断される。傷の断面より赤黒いマガツヒが迸り、宙に撒き散らされた。急速に形を失う心体をそのままに、届かなかった自らの一撃に口惜しさだけが残る
『無念だ。やはり俺に勝利は程遠い……』
そうして、ギリメカラを構築する全ては消失した。悪魔の軍勢もまた、マガツヒに紛れて姿を消している。先程までの激戦が嘘のように、戦いの終わりはあまりに静寂に満ちて呆気なかった
「……軍勢の撤退が速過ぎる。悪魔共を逃がす為に最後に大立ち回りをしたのか」
「勝たされた感があって癪だな。ヤバかった場面、何度もあったし」
「結局、何が目的で此処まで暴れ散らかしたのか分かんねぇけど終わったんならよしとしようぜ」
戦うべき相手は消えたとなればその後の処理をしなければならない
死傷者の回復・蘇生、その他状況確認をしながら<黄金の花園>より協力要請を受けてある程度の事情を知る者達が情報の共有を行う
此処に出現した悪魔達は妖精郷の異変、それに関わる何かの為に襲撃を仕掛けたのだと伝達。<黄金の花園>の救出の為に先行した別動隊の支援を行うべく幾つかのチームが組まれて、即座に妖精郷奥地へと進んでゆく
「これで終わると思うか、シロエ」
「……終わらないでしょうね。対処している時はそれ所ではありませんでしたが、襲撃を仕掛けてきた悪魔達の挙動もおかしい。彼らは執拗に僕達のこれ以上の侵攻を阻んでいた。恐らくは彼らの手の者が既に内部へ侵入して、目的の何かを探しているのでしょう」
「異界内部の構造も大分歪んでいる。フェイとの連絡も取れんし、居場所も掴めん。何もない事を祈りたいが戦闘中の可能性は高いだろう。私も可能であれば別動隊の支援に動きたい所だったが……」
「偶神があのように破壊された以上、繋がりがある貴方の限界も近い。此処で留まって補佐を御願いします、ラスキン老」
「うむ……」
彼らの目に映る風景はぼやけるようにして歪み、時折空間そのものに傷跡すら見受けられる。ギリメカラとの戦いの影響、というのも一因に違いないが同時にそれが全てではなかった
戦いが始める以前、<黄金の花園>が最初に異変に気付いたその時より妖精郷は確実に歪み始めていた。完全に顕現したヤヒロノヒモロギ、大いなる災厄の種の影響によって異界が変質しつつある
しかし、それすら二次影響でしかなく本質はこれが抱え込む膨大なマガツヒと神への接続機能。三大勢力が幾度となく争奪を巡って戦うだけの力がヤヒロノヒモロギには存在していた
シロエもラスキンも其処まで詳細に感じ取っている訳ではないが、明確にこの騒動が此処では終わらないと理解している。だからこそ内部へ向かう彼らの背後を守って、新たな異変に即応できるように警戒態勢にて戦士達を待機させている
「おい……ありゃ傷跡が、亀裂に……!」
「割れる! 何かが来る!」
判断の正しさは皮肉にも直ぐに示された。
異界に刻まれた幾つもの傷跡が、ガラスに石を打ち立てたように亀裂へと変わってゆく。数秒を経て、歪みへこんだ亀裂が激しく砕かれ、虚無が広がる巨大な穴が形成
其処から、それらは雨のように降り注いだ
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
| 喰奴 |
空が砕かれて出来た空洞からは無数の、人とも悪魔とも言えない何かが蛆のように湧いてでた
人型のもの、獣のようなもの、神々しさを秘めたものすら居るが、瞳に宿る感情はあまりに単一。全てが飢えている、渇いている、求めている。なにを? 貪れる何かを。人間であれば良い、そうでなくとも喰えれば何でもいい。喰って、喰って、喰って……果てに満たされない
目撃した全ての戦士が、それらの本質を感情で理解した。これ等は存在してはならないのだと、嫌悪感と恐怖を抱いて
「<禍の
前線を張る
三大勢力の一つである、彼らが用いる最も印象的な滅び。眼前にソレがある事を告げ、周囲の戦士達も一斉に戦闘準備を整える
「レイド終わったらレイドとか、クソかよ!」
「防衛線を構築しろ。絶対に外に漏らすな。666部隊も動いている。此処なら数で負ける事は早々ない!」
「ヘロヘロなんだよ、こっちはよぉ!」
| LV80 | 軍勢 | 餓鬼道の群れ |
| LV80 | 軍勢 | 餓鬼道の群れ |
| LV80 | 軍勢 | 餓鬼道の群れ |
| LV80 | 軍勢 | 餓鬼道の群れ |
| LV80 | 軍勢 | 餓鬼道の群れ |
| LV80 | 軍勢 | 餓鬼道の群れ |
| LV80 | 軍勢 | 餓鬼道の群れ |
| LV80 | 軍勢 | 餓鬼道の群れ |
| LV80 | 軍勢 | 餓鬼道の群れ |
| LV80 | 軍勢 | 餓鬼道の群れ |
| LV80 | 軍勢 | 餓鬼道の群れ |
| LV80 | 軍勢 | 餓鬼道の群れ |
「言った傍からだな! シロエ、指揮は任せる!」
「其方も補助魔法だけに専念してください。あの穴、早々埋まりそうにない。奴らの総数は不明ですが、ギリメカラ以上の持久戦になる!」
疲弊していても戦士達の士気は低くない。数の暴力には慣れている事と、この場が東京であるから増援は絶え間なく来るという事実。ギリメカラの統率する悪魔と比較し、明らかな知性の欠損も見て取れる以上は殲滅の継続は容易ではないが決して不可能ではない
しかし、これらが出続ける限りは戦士達もまた此処で戦闘を続けて抑え込まれ続けるという事でもある。発生し続けるイレギュラー、その全てに後手に回って対処せざるを得ない
「事態の解決は……最奥に向かった彼らに委ねるしかない。彼らの退路の為に、僕達は此処を死守しなければ!」
理不尽な現状への苛立ちを呑み込み、群がる喰奴共を戦士達は迎撃を開始する
――そして、同時刻。妖精郷の最奥が、激しく白く輝いた
白夜の如く、空すら光で染め上げるその光景に一部の者は目を奪われた
妖精郷の最奥にて何が起こったかと、また一部の者は考えるが喰奴共を無視は出来ない
混沌に囚われたまま、多くの者が出来るのは“戦う”事だけだった
<合一神ギリメカラ>
最後の最後で届かなかった。人生そのものがそんな感じ
元はデスピリア亜種周回の住民。悪魔も無限ポップ喰奴から逃げ出すドン詰まりに陥った為、同盟を結んでギリメカラの知恵として合一した経緯を持つ。ギリメカラの合一神としては邪悪に偏ってないのは合一神としての在り方がかなり人寄り(知恵)だった為。だからこそ、テオゴニアでの日々で摩耗し尽くしたとも言える。心中では現周回の在り方にかなり惹かれていたが、テオゴニアへの義理とある目的の為にオベロンとの共謀の上で今回の戦いに臨む。勝利は出来なかったが、満足できる結果は得られた
<比企谷 八幡>
本編クリア後の姿という事でコラボ勢の中でも実は一際やべー奴
あれこれ許可を貰いつつ描写は出していますがどのような経緯を経て、此処までなるかは二次本編のヒッキーの活躍をご期待ください。取り敢えず二度と一般学生を名乗ってはいけない
エイツ様、今回ヒッキーを貸して頂きありがとうございました!
<特級戦力>
一般通行ワイルドだったり、一般通行キョウジだったり、一般通行三馬鹿、一般通行キリギリスの強者だったりするかもしれない。つまり誰とは決めてないけどLv90以上の強くてやべー奴らが参戦していた
<他コラボ勢>
一部のキャラはまだまだ出番あったり(メアリとか)しますが、今回のレイドにて概ね出番は終了となります
オタクくんサマナー二次よりローグ5様、ジントニック123様、気力♪様
本家様からほびー様。今回の戦いでキャラを貸して頂きありがとうございました!
皆も本家様と他二次を宜しくな!(ぶっちゃけ後発寄りのロスキリ読んでくれてる方々がこれら読んでない訳なくね?というのは置いておきます)
<覚悟の一撃>
『これ使うと、クリティカルが新約LBと同じ仕様になるな?』という思い付きにより本作だとガイアパワーの兆しみたいな扱いになった。ぶっちゃけノリの産物なので真偽は不明
<禍の団>
レイド終わったら何が起こる。知らんのか、レイドが起こる