真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
その昔、寺に坊主の男が居た。男は僧侶として特筆すべき物は何もなく、霊的な才能も一切存在しなかった。唯一あったのは僧侶としては必要ない筈の剣の才能であり、周囲の人間は男に憐れんでいたが男はただ無心に剣を磨き続けた。そうして身に着けた自身の剣を振り抜き、相手の剣を弾き飛ばして、鋭く速く相手の急所を貫く我流の剣術。暇を見つけては剣士に勝負を挑み、勝っては負け、それを繰り返して男は己の剣を研ぎ澄ませていった。その過程で家族から絶交を言い渡され、寺から破門を言い渡されようと男はそれでよかった。剣があれば己は満足だと、そう言い聞かせて
ある日、あまりに呆気なく己は負けて、剣と心が叩き折られた。
男が磨いた剣は飽く迄、人を想定したもの。悪魔やそれに準じる者達には通用しない。それでもと剣を磨いた。しかし
男に霊的才能はなく、剣が多少上手いだけの
どうあがいても届かない者を知っても尚、男には剣しかなくどれだけ死にかけても覚醒する事はやはりなかった。徐々に精彩を欠く剣と衰える自分の肉体、錆びつき腐る心、男は今までにない絶対な恐怖を感じて一度は剣を棄てようとした。
『否、違う。違う……このような末路は認めない。己は剣を棄ててはならない、それ以外何もないのだから』
恐怖に慄いた心と錆びつき果てた剣、それら全てを炉にくべてやり直す。
方法はあった。遠い昔、寺から追放された魔に染まった者達……天魔衆と呼ばれる者達が居た。曰く彼らは人の身を鬼に変える術があり、それには特別な素養は必要ないと。猿の手を掴む様に魔が差した思考で、己はその者達に接触した。
『お前には素質がある。何かを喰らって満たされても尚満足せずに飢え続ける事が出来てしまう
『だがそれだけでは足りぬ。我らは対価を要求する。力は与えよう、だがそれ以外の全てを棄てろ』
己はそれを受諾した。己に必要なのは剣を高める、ただ純粋なる力。それ以外は必要なし、総じて不要である。
『宜しい。今この時よりお前は我らと同じ羅刹天だ』
取引は成立し、己は彼らと同じ存在になった。湧き上がる力に全能感にそれ以上の飢餓感。男は心のままに古巣である寺に向かった。かつての同僚達を切り伏せて、その身を喰らった。両親の首を刎ねて、丸呑みにした。兄弟を殺した、食べた。後は……後は……誰だっただろうか。己を夫と呼びながら縋って来た女を喰らって、最後に涙を流す子供を喰らった。何故か涙が零れたが、まぁそれも最早どうでもいい。
『清々しい。ようやく己には剣しか残らない……自由だ』
鬼になって以後、己に不足を感じた事はない。剣の腕は人の身では考えられない程に上達し、湧き上がる力に衰えは見られない。天魔衆の言う事さえ聞いてさえいれば、他の面倒な事は彼らがやってくれる。それでも満たされない物もあるが、それを求めたのはそもそも己である。飢えがなければ強くはなれない、強くなければ己が存在する価値はない。
――己は剣に準じる、ただその身を羅刹が如く
「……目的は挟撃でしょうかね。もうバレてますから、出てきてください」
由奈の声が寂れた大通りに響き渡る。エリヤもまた由奈程ではないが、何かが居るという気配だけは感じ取ってレールガン*1を構えた。
『気配は消していたが、同族には通用しないか。仕方あるまい』
崩れ落ちた建物の屋上から現れる3つの朧げな人影。全員が鬼面を被り、ローブのような衣服で全身を隠している。微かにだがローブの切れ目から悪魔の物と思われる異形の四肢が見えて、鬼面の奥から黄金の瞳が由奈とエリヤを見つめている。
\カカカッ/
| Lv85 | 半喰奴 | 法華 参郎 | 耐性:不明 |
\カカカッ/
| Lv75 | 喰奴 | 羅刹天 | 耐性:不明 |
\カカカッ/
| Lv75 | 喰奴 | 羅刹天 | 耐性:不明 |
『であれば名乗らなければならぬ。己は天魔衆残党、法華 参郎。お前達の命、喰らわせて貰う』
「……貴方達が今更天魔衆を名乗って良いものかと思いますが、それはまぁいい。何が目的ですか?」
『我ら羅刹に、人喰いの理由を問うか。久遠 由奈』
法華の言葉に由奈は顔を歪めて睨みつけ、エリヤは何かあれば射撃を行う態勢のままその会話を見届けている。
『お前の事はよく知っているぞ。
「生きていれば色々あるものでしょう。貴方も随分様変わりした……新しい飼い主でも見つかりましたか?」
『ふん、お互い隠し立ては出来んか。だが……』
法華はローブを脱ぎ捨て、他の羅刹天と比べやや人間味がある腕から刀を抜き立つ。他の羅刹天も同様にローブを脱ぎ捨て、異形の両腕を解き放つ。
『どうやら己の飼い主はお前の飼い主に興味津々らしい。ここで時間はあまり掛けない方がいいぞ、あれは化物だ』
「……貴様」
『やる気になったか?好い事だ。さっさと殺し合おう……お前を喰らえば己はさらなる高みに行けるだろうしな』
由奈は確かな苛立ちと焦りを抱きながら、冷静に相手の戦力を確認する。lv83が一人に、lv75が二人。あれの特性はよく知っている。物理特化に
| 羅刹モード | 羅刹である証であり、呪い。飢えによって攻撃性能が大幅に強化されるが、防御性能が大幅に下がる。以下の効果を強制的に得る。 ・物理貫通(D2式)を取得し、魔法を一切使えなくなる (物理スキル・アイテムは使用可能) ・物理攻撃時に通常の2倍のダメージを与える。 但し、敵から物理攻撃を受けると通常の2.3倍のダメージを受ける。 ・クリティカル率が大幅に上昇する(+90%)が、 敵からの攻撃のクリティカル率も大幅に上昇する(+60%) ・回避率が大きく上昇するが、命中率が大きく下がる。 |
すなわち、その不安定な姿こそが羅刹の正体である。加えてラクシャーサの末裔であるのなら<豪傑の転心>*2も持っている。最低2倍、最高8倍*3の物理貫通の攻撃、それが奴らの最大の武器だ。加えてネックとなる物理の対策もしているだろうし、反撃の類も持っているだろう。故に物理属性は見え透いた地雷。
「エリヤ、あれの対処方法は覚えてますね?」
「ここに来る前に散々言われたから大丈夫だ……後はまぁ色々気になる事もあるが後回しにしておく」
「すみません……では、始めましょう」
由奈と法華、黄金の眼光が互いを射抜いて辺りに沈黙が満ちる。羅刹天達は今にも腰を落とし、獣のような態勢に、エリヤはそれを撃ち落とす狩人のようにレールガンを向けて牽制の構えを見せる。
『いざ尋常に』
「勝負」
その言葉を互いに謳い、静かに戦端は開かれる。
| スピードスター | D2出典。悪魔のバトルスピードへの影響が50%増加する。 |
| 涅哩底王 | D2出典。物理命中率が10%増加し、1ターン目開始時、自身にリベリオンが発動する。 リベリオン※D2:自身を会心状態にし、次の攻撃をクリティカルにする。 |
| 血祭り | DDSAT1出典。敵全体に物理属性の中ダメージを与える。クリティカル率が高い。 |
先手を取ったのは2体の羅刹天。瞬間的に音速にも及ぶ速度で跳び上がり、当たれば由奈とエリヤの両者を絶命に至らしめる事が出来る程の爪撃を交差に振るい
「オーム・スリ・マハ・ラクシュミイェー・ナマハ」
| カバー | 誕生篇出典。割込行動。集団スポーツで他者カバーに入る臨機応変の能力を示す。 他者が失敗した時に何らかのカバーに入る能力である。 チェックに成功すれば、他のPCの行動に割り込んで自分の行動を行える。 代わりにダメージを受けるのはオーケー。この場合は回避は出来ずに防御は可能。 |
| 吉祥天咒法 | 覚醒篇・マントラ出典。防御行動の際に使用できる。自分に与えられた敵の物理攻撃1回を副次効果も含めて無効化する |
エリヤを庇った由奈はそれを、何ら損傷もなく腕甲と太刀で受け止める。マントラ、カルトマジックとして割り当てられた仏教系密教における秘術。印を刻み、真言を唱え、仏門及びディーヴァ神族より加護を得る。由奈の唱えたマントラは物理攻撃を一律無効化する物。
『マントラ……ラクシュミーの加護か…!』
「御名答。では2回は2回、やり返させて頂く」
| 引き | 誕生篇出典。補助行動。相手が防御した時或いは自分が相手の攻撃を防御した時に後方に跳び上がって、 間合いを取り、攻撃につなげる技。判定に成功すればペナルティ修正なしで1回、攻撃できる。 この攻撃の対象の回避/防御は威力分(剛剣技能値参照。値は60)のペナルティ修正を受ける。 |
| 雲耀の剣 | 200X出典。敵前列に万能相性物理ダメージを与える。消費MP・HPは存在しない |
2体の羅刹天を弾き飛ばし、続け様に雲耀の速度に達した太刀が法華諸共に振り抜かれる。羅刹天が持っている<反撃>*4では万能物理に対抗する事は出来ずに反応する暇もなくその身を切り落とされるが<食いしばり>にてそれを耐え切った。
『物理無効化からのカウンター。聞いていた通りだ……しかし!』
法華にも迫る万物を断ち切る刃。それに対して静かに片手で刀を構え
| 無行の位 | 覚醒篇・速剣出典。相手の格闘攻撃に対する反撃技。この特技を使用すると相手の格闘攻撃が反射される。 |
| 冴えたやり方<速剣> | 200X出典。亜種特技。自身が次に行う行動の判定に+60%する。この効果は集中・チャージ等のアクションを行うか、戦闘またはシーン終了まで持続する。 本来は味方にも適用可能だが自身&速剣限定にしている為にスキル効果が上昇しており、1シナリオに5回まで使用可能。 |
刹那の瞬く間に片手で太刀の方向を反転させて、その刃を由奈に引き当てる。
「ォオオオッ!」
刃は通ったが、致命傷ではない。反転させた刃を再び音もなく振るうが
『悪いが己はこれしか出来んのだ。故に負けられん!』
| 見切り | 誕生篇・速剣出典。回避の代わりに使用。成功した場合、相手に1回攻撃をする事が出来る。 相手は回避や防御に威力分のペナルティ修正を受ける。威力は速剣技能値を参照。 |
| 冴えたやり方<速剣> | 200X出典。亜種特技。自身が次に行う行動の判定に+60%する。 この効果は集中・チャージ等のアクションを行うか、戦闘またはシーン終了まで持続する。 本来は味方にも適用可能だが自身&速剣限定にしている為にスキル効果が上昇しており、1シナリオに5回まで使用可能。 |
| 涅哩底王 | D2出典。物理命中率が10%増加し、1ターン目開始時、自身にリベリオンが発動する。 |
| 狂乱の間 | NINE出典。敵・味方とも、物理攻撃で与えるダメージが1.5倍になる |
| 雷光突き | 覚醒篇・速剣出典。敵単体に剣相性の物理ダメージを与える。ダメージを与える際に物理防御を半分として扱う |
太刀を見切られたように弾き飛ばされ、その隙に縫うように差し込まれた絶死の突き*5。防具を容易に貫いたそれは腹部すら貫通して、血を溢れさせた。その一撃に崩れ落ちる直前に<不屈の闘志>*6を発動し、由奈はギリギリの所で持ち直す。その間に法華は<宝玉輪>*7を使用し、態勢を整えた。
「由奈!」
「問題ありません……ただ、一筋縄でいかないのは分かりました」
由奈と法華の性質の差。由奈が物理無効化からの防御軸のカウンターなら、あちらは回避と剣捌きによる回避軸のカウンター。カウンターはその性質上、普通に攻撃を受けるよりも防御・回避が難しくなる*8。しかし法華はそのマイナスを打ち消せる程の反射神経、それによる刹那の見切りで反撃に対してさらに斬り返す事が出来た。加えて言うなら由奈の剣術、法華の剣術。由奈が用いるのが剛剣、法華が用いるのが速剣という差はあるが法華の方が剣に関しては2枚ほど上手*9。エリヤの<援護射撃>*10を用いてもその差は埋まらず、これをどうにかするには何かしら策を講じる必要がある。
「防御重視で、援護は任せましたよ」
「了解。そっちも頼んだ」
| 金剛の札 | P5R出典。消費アイテム。3ターンの間、味方全体の防御力上昇。エリヤが使用 |
| 摩利支天咒法 | 誕生篇・マントラ出典。摩利支天の加護を受けて、神速の動きを得る。 2倍の行動ができるようになる(ラウンド毎に2回分のアクションが可能に)。移動力や回避値は変わらない。 効果ターン数はマントラ技能値-10により、10ターン継続する物とする。由奈が発動 |
スクカジャによる防御力上昇。マリシテンのマントラによる手数増加。これで次のラウンドに備える選択をし、
「先手を!」
| 先手 | 誕生篇_剛剣。反射神経を鍛え上げ、反応する。イニシアティブで振れるダイスを1ターンだけ2個増やす。由奈が発動 |
『悪いが、己の方が速い』
| 先の先 | 誕生篇・速剣出典。相手の先手を取って戦いを有利に進める知略である。 イニシアティブの前に宣言して判定に成功すると必ず先手で行動できる。 |
先手を取り合う戦い。羅刹天より速く飛び出した由奈だが、その先を取られ法華が動く。
『一度手札は見せてしまったからな。落としやすい方から墜とさせて貰う』
羅刹の弱点、それは命中の低さである。確率にして約6割、幾ら威力が高かろうと当たらなければ意味はない。羅刹天は<涅哩底王>*11、そして思■融■*12にて命中を補強しているがそれでもやや心許ない。
| 揺らし | 覚醒篇・速剣出典。相手の心理を攪乱する補助技。相手は精神力チェックを行い、失敗時に攻撃に対する回避/防御の判定に-20%のペナルティを受ける。 |
| 狂乱の間 | NINE出典。敵・味方とも、物理攻撃で与えるダメージが1.5倍になる |
| 籠手打ち | 誕生篇・速剣出典。手首から指を切る。相手は激痛で手に持った武器を落とし、手を使った攻撃が出来なくなる 腕の防具以外は無効(腕防具以外は防具相性として適用されない物として裁定)。命中に速剣技能値を加算する。 |
だが法華が用いる剣は飽く迄、理を用いた剣である。極度に鍛え上げられた己の剣を用いれば当てる事は容易*13であり、威力はそれこそ羅刹の力を頼ればよい。だがこの女、久遠 由奈もまた羅刹であり己と同様の剣士。己と比較すれば己の方が相性が多少良いだけで総合的な力量に差は殆どなく、レベル自体はあちらの方がやや格上。落ち着いて油断はせず、まず剣士の命である両腕に向けて疾風が如く刀を振るう。
| 吉祥天咒法 | 覚醒篇・マントラ出典。防御行動の際に使用できる。自分に与えられた敵の物理攻撃1回を副次効果も含めて無効化する。由奈が発動 |
| 援護射撃Ⅲ | 200X出典。即時効果。銃器を装備中に使用者以外の味方一人が攻撃を受けた時に使用可能 対象は回避・防御・反撃の判定に+40%の修正を得る。この効果は1シナリオに3回まで使用可能。エリヤが発動 |
先程と同様に展開される物理無効化のマントラにそれを補助するエリヤの射撃。無言の連携により、その攻撃は防がれ
| 引き | 誕生篇出典。補助行動。相手が防御した時或いは自分が相手の攻撃を防御した時に後方に跳び上がって、 間合いを取り、攻撃につなげる技。判定に成功すればペナルティ修正なしで1回、攻撃できる。 この攻撃の対象の回避/防御は威力分(剛剣技能値参照。値は60)のペナルティ修正を受ける。 |
| 雲耀の剣 | 200X出典。敵前列に万能相性物理ダメージを与える。消費MP・HPは存在しない |
先程と同じ動き、同じ太刀筋で斬り返す。
『それはもう見たぞ』
| 見切り | 誕生篇・速剣出典。回避の代わりに使用。成功した場合、相手に1回攻撃をする事が出来る。 相手は回避や防御に威力分のペナルティ修正を受ける。威力は速剣技能値を参照。 |
| 冴えたやり方<速剣> | 200X出典。亜種特技。自身が次に行う行動の判定に+60%する。 この効果は集中・チャージ等のアクションを行うか、戦闘またはシーン終了まで持続する。 本来は味方にも適用可能だが自身&速剣限定にしている為にスキル効果が上昇しており、1シナリオに5回まで使用可能。 |
| 狂乱の間 | NINE出典。敵・味方とも、物理攻撃で与えるダメージが1.5倍になる |
| 籠手打ち | 誕生篇・速剣出典。手首から指を切る。相手は激痛で手に持った武器を落とし、手を使った攻撃が出来なくなる 腕の防具以外は無効(腕防具以外は防具相性として適用されない物として裁定)。命中に速剣技能値を加算する。 |
『はぁッ!』
どれだけ速度があろうと来ることが分かって尚且つ一度見た技に対応できない程、愚かではない。流れるままにそれを見切り、由奈の腕を穿った。
『両腕狙い、殺すつもりで放ったが成程。そういう事も出来る訳だ』
| 防御 | 女神転生出典。手番を消費する事でターン中の攻撃を半減。クリティカルを無効化。1アクションを使用し、由奈が発動 |
由奈の片腕は斬り飛ばされたものの、もう一つの手で太刀は握り続けており、ダメージにも耐えている。先んじて受ける事前提で振る舞い、防御を固めて尚且つ先程の<金剛の札>によって防御力が上昇した由奈を一撃で倒すには至らなかった。
『だが最低限の目的は果たした。後ろの女を殺せ!』
法華は片腕で太刀を構える由奈に鍔迫り合いを仕掛け、<カバー>をさせないように留めながら羅刹天にエリヤの殺害を指示する。
| 脳天割り | DDSAT1出典。敵単体に物理属性の大ダメージを与える。術者の残りHPによって威力が増大。 |
| 脳天割り | DDSAT1出典。敵単体に物理属性の大ダメージを与える。術者の残りHPによって威力が増大。 |
法華の剣とは対照的な獣その物の乱雑な。されど凶悪極まる一撃が2発、エリヤに迫る。
「こっちもそれなりに修業はしてきたつもりなんでな。足手纏いにはなれない…!」
| 回避強化 | 200X出典。回避率が上昇する。 |
| 速度向上Ⅲ | 200X出典。イニシアティブ基本値と回避判定値に+15%する。 |
| 幸運Ⅲ | 200X出典。即時効果。自分に対する攻撃のダメージと追加効果を完全に打ち消す。1シナリオ3回まで使用可能。 |
脳天に振るわれようとした両腕をまず一撃、すり抜けるようにして身を躱し、それでも当たる2発目の一撃は<幸運Ⅲ>にて無効化する。
「2発、何とか避けたかったが俺もまだまだという事か」
『あれを捌き切るか。だがそう何回も…ッ!』
鍔迫り合った剣が由奈の片手で払われる。それと同時にエリヤが<宝玉>*14を使用して由奈を回復。
「片手だと、油断しましたね」
| 踏み込み | 誕生篇・剛剣出典。一瞬の踏み込みにより威力値×1m踏み込み、移動のペナルティを受けずに攻撃できる。 敵は直後の攻撃に対して回避や防御の判定値が威力分、低下する。 威力は剛剣技能値を参照する。 |
| エレメンタル・スラッシュ | 200X出典。このターン、使用者が次に行う格闘攻撃の1回の対象を前列1体から1体に変更し、 判定値に+30%の補正を与える(後列に居る対象にも格闘攻撃が可能に)。 ランクⅢである為に前列2体を2体に対象変更。対象:前列を1列に変更する事が出来る。 |
| 煌天の会心Ⅲ | 補助効果。格闘攻撃をクリティカルに変更する。200Xにおいてクリティカルはダメージ2倍である為にそのように裁定 1シナリオ3回まで使用可能。 |
| 雲耀の剣 | 200X出典。敵前列に万能相性物理ダメージを与える。消費MP・HPは存在しない |
マリシテンの加護により防御を行いながらも振るわれた雲耀の剣。踏み込みにより防御や回避の可能性を極限まで落とされたそれの狙いは
『やってくれたな…!』
「これで残るはお前だけです」
そして、
法華は思考する。此処から己が勝つにはどうすれば良いか、と。まず最大の敵は久遠 由奈。これは間違いない。<不屈の闘志>は早々に切らせた。<宝玉>で傷は治されたもののそれは織り込み済みで片腕はより遠くに斬り飛ばした影響で奴は片手で両手用の太刀を振るう不安定な状態であるのは間違いない。その仲間であるあの銃使いも厄介だが、タイマンでやれば時間は掛かるが間違いなく己が勝つ。まだ勝機は十分に残っている、あの羅刹女さえ葬れば。勝てる、勝てるのだ。
『決着を付けよう』
「ええ」
互いに太刀を、刀を向ける。時が止まったかのような静謐な空気に、迸る緊張感と殺気。両者には永遠にも刹那にも近い、時が流れ
『ォォッ…!』
「…ッ!」
| 先の先 | 誕生篇・速剣出典。相手の先手を取って戦いを有利に進める知略である。 イニシアティブの前に宣言して判定に成功すると必ず先手で行動できる。 |
先手は法華。後手は由奈。唸るような静かな雄叫びを上げて法華は刀を構える。
| 揺らし | 覚醒篇・速剣出典。相手の心理を攪乱する補助技。相手は精神力チェックを行い、失敗時に攻撃に対する回避/防御の判定に-20%のペナルティを受ける。 |
| 狂乱の間 | NINE出典。敵・味方とも、物理攻撃で与えるダメージが1.5倍になる |
| 籠手打ち | 誕生篇・速剣出典。手首から指を切る。相手は激痛で手に持った武器を落とし、手を使った攻撃が出来なくなる 腕の防具以外は無効(腕防具以外は防具相性として適用されない物として裁定)。命中に速剣技能値を加算する。 |
先程と同様の腕狙いの一撃。されど回避する手立ては由奈にはなく、当たれば自身は戦力として使い物にならなくなる。
| 吉祥天咒法 | 覚醒篇・マントラ出典。防御行動の際に使用できる。自分に与えられた敵の物理攻撃1回を副次効果も含めて無効化する。由奈が発動 |
| 援護射撃Ⅲ | 200X出典。即時効果。銃器を装備中に使用者以外の味方一人が攻撃を受けた時に使用可能 対象は回避・防御・反撃の判定に+40%の修正を得る。この効果は1シナリオに3回まで使用可能。エリヤが発動 |
であれば先程と同様に防ぐしかない。そうする他に方法はないのだから
| 引き | 誕生篇出典。補助行動。相手が防御した時或いは自分が相手の攻撃を防御した時に後方に跳び上がって、 間合いを取り、攻撃につなげる技。判定に成功すればペナルティ修正なしで1回、攻撃できる。 この攻撃の対象の回避/防御は威力分(剛剣技能値参照。値は60)のペナルティ修正を受ける。 |
| 雲耀の剣 | 200X出典。敵前列に万能相性物理ダメージを与える。消費MP・HPは存在しない |
放たれるは最早見慣れた、稲妻が如き速度の絶技。
| 見切り | 誕生篇・速剣出典。回避の代わりに使用。成功した場合、相手に1回攻撃をする事が出来る。 相手は回避や防御に威力分のペナルティ修正を受ける。威力は速剣技能値を参照。 |
| 冴えたやり方<速剣> | 200X出典。亜種特技。自身が次に行う行動の判定に+60%する。 この効果は集中・チャージ等のアクションを行うか、戦闘またはシーン終了まで持続する。 本来は味方にも適用可能だが自身&速剣限定にしている為にスキル効果が上昇しており、1シナリオに5回まで使用可能。 |
| 狂乱の間 | NINE出典。敵・味方とも、物理攻撃で与えるダメージが1.5倍になる |
| 籠手打ち | 誕生篇・速剣出典。手首から指を切る。相手は激痛で手に持った武器を落とし、手を使った攻撃が出来なくなる 腕の防具以外は無効(腕防具以外は防具相性として適用されない物として裁定)。命中に速剣技能値を加算する。 |
言葉を発する合間もなく、呼吸を合わせてそれを見切って放たれるは腕堕とし。当たれば殺せて、万が一由奈が生き残っても腕は削がれる確実な一手。
| 吉祥天咒法 | 覚醒篇・マントラ出典。防御行動の際に使用できる。自分に与えられた敵の物理攻撃1回を副次効果も含めて無効化する。由奈が発動 |
対する由奈は再び、マントラを唱えた。法華は馬鹿な、と心の中でも失望した。これには回避や防御は出来ない、あの銃使いの射撃があっても無駄な事だ。それしか出来ぬとしても無駄、無謀、これは詰みなのだと。そう思いながらも
――この女はそんな無駄な事をする女だろうか?
そんな違和を抱いたが、最早己は止まれずに刀を振り抜こうとして
| 煌天の幻視 | 200X出典。自分を除く、味方一人の判定の失敗またはファンブルを成功に変更する。1シナリオ1回まで |
「ハァッ!」
| 引き | 誕生篇出典。補助行動。相手が防御した時或いは自分が相手の攻撃を防御した時に後方に跳び上がって、 間合いを取り、攻撃につなげる技。判定に成功すればペナルティ修正なしで1回、攻撃できる。 この攻撃の対象の回避/防御は威力分(剛剣技能値参照。値は60)のペナルティ修正を受ける。 |
| 雲耀の剣 | 200X出典。敵前列に万能相性物理ダメージを与える。消費MP・HPは存在しない |
弾丸によってマントラが間に合い、防がれた一撃の隙を縫って放たれる太刀。だが、これだけならばまだ…!
『己は、まだ……!』
| 見切り | 誕生篇・速剣出典。回避の代わりに使用。成功した場合、相手に1回攻撃をする事が出来る。 相手は回避や防御に威力分のペナルティ修正を受ける。威力は速剣技能値を参照。 |
| 冴えたやり方<速剣> | 200X出典。亜種特技。自身が次に行う行動の判定に+60%する。 この効果は集中・チャージ等のアクションを行うか、戦闘またはシーン終了まで持続する。 本来は味方にも適用可能だが自身&速剣限定にしている為にスキル効果が上昇しており、1シナリオに5回まで使用可能。 |
| 狂乱の間 | NINE出典。敵・味方とも、物理攻撃で与えるダメージが1.5倍になる |
| 籠手打ち | 誕生篇・速剣出典。手首から指を切る。相手は激痛で手に持った武器を落とし、手を使った攻撃が出来なくなる 腕の防具以外は無効(腕防具以外は防具相性として適用されない物として裁定)。命中に速剣技能値を加算する。 |
羅刹の体力を以てしても息が切れそうな攻防。それでも勝つ為に、己の剣を証明する為に意志は肉体を凌駕した。
『終わりだッ!』
もう奴に、銀の弾丸はない。これは必ず通る、通ってくれ。その執念を以て最後に剣は振われて
| クロスカウンターⅠ | 即時効果。使用者に対する反撃または反撃と行われる格闘攻撃1回を打ち消し、 その相手に対して1アクション分の格闘攻撃(マルチアクション不可)を行う。 ランクⅢの効果により、このスキルの判定は自動成功となり、 このスキルによる格闘攻撃は回避・防御・反撃不可となる。 本来は命運消費で発動する物だが、未完成である為に1シナリオ1回まで使用可能である物とする。 |
『……ぁあ、そうか』
| 雲耀の剣 | 200X出典。敵前列に万能相性物理ダメージを与える。消費MP・HPは存在しない |
『己は、届かなかったか』
この時を待っていたかのような、此方の剣そのものを封殺するような返し技。それを以て法華の身体は刀ごと切り捨てられた
| 食いしばり | シリーズ共通。自分のHPが0になると一度だけHP1で復活する |
勝負は決した。それでも己の身体は敗北を認めないかのように耐えてしまう。もう己に勝ち目などないのに
『己の負け、だ。とどめを刺せ』
「……エリヤが居なければ勝てませんでした。御見事です」
刹那に振るわれる、介錯の一太刀。不思議と満たされた、そんな気持ちのままに法華は目を閉じてそれを受け入れた。
「ほら、腕。宝玉使って早くくっ付けろよ」
「ええ、ありがとうございます」
結局、己は何をしたかったのだろうか。あの寺の連中を見返したかったのだろうか、それともただ剣の技術を高めたかったのだろうか。劣等感か上昇意欲か、自尊心か。剣と力以外を捨て去ってしまった己には、最早何も分からない。
「……さて、最後に話でもしましょうか。長くはないのでしょう、貴方は」
『ぁ、あ……』
羅刹は飢えによって強くなる不安定な存在だ。その分の力の強大さは保証されるものの、逆に弱まれば何にも脆い餓鬼でしかない。喰い続けば恐らくずっと強くなれるが、喰わずに弱まれば後は衰えていくのみ。他の羅刹天はMAG欠乏によって最早蘇生も出来ない状態で死んでいる。己も、遠からずそうなる。
『なにを、しりたい』
「貴方の飼い主と組織の内容の全てです。何を話すかは貴方に任せます。どうせ、拷問して吐かせるのも出来ませんからね」
『己は、あまりよくしらんぞ。己はただの剣に過ぎない。それで、いいと思っていた。それで、よかった。ただ』
「ただ?」
『己の……いや、ラーヴァナは突然天魔衆にやって、きた異物だ。力とその羅刹の王の名で天魔衆を乗っ取り、残った信者間で共食いと蟲毒を行った』
「……となると、そのラーヴァナは漂流者ですか」
『さて、な。だが、己以外の天魔衆はその果てに、羅刹天と呼ばれる存在に全員なってい、る。数は少数で強さに幅もある、が能力は同じだ。後は、何も知らん』
「そうですか。情報提供に感謝を……聞いた手前であれですが、よくここまで教えてくれましたね」
『あれに忠誠心など、もっていないからな。己もまだ勝てない故に、従っていた。それに、勝者には報いが必要、だろう…?』
己は負けた。全てを出し切って、その末に負けた。例えそれが尋常なる一騎打ちではないとしても己が勝てると踏み込んで戦った以上、それで言い訳は出来ない。それに己は、この戦いで確かに満たされてしまった。
『己の敗因は、結局、飢えがなくなってしまった、からなの、だろう。飢えが、なく、なった羅刹は、酷くも、ろい』
「それ以上は喋らずとも…」
『い、いから聞け、最後の羅刹女よ。己たちは、飢え続けなければ強くもなれない。生きても、いけない』
「……」
『お前の飢えが、なにかまでは己にはわから、ん。だが、己たちは、それと生涯向き合、っていかねばならない』
「それは忠告ですか?」
『好きに、捉えろ。ぼけ、た老人の独り言だ』
目の前のこの女は安定しているようで酷く不安定に見えた。だからこそなのか、らしくもない事を言ってしまった。が、まぁ今際の際位はいいだろう
『せいぜ、い強く、飢え続け、る事だな。その果てに、確かな答えに辿り着け、たのなら、きっと』
言葉がもう出てこない。視界もぼやけて、身体は一寸も動かなくなった。最後に、羅刹女と銃使いの女が歩き去るのが見えた。それを見届けた己は堕ちるような真っ暗な闇に身を任せて、そうして全てから解放された。
・キャラ紹介
<久遠 由奈 Lv88>
過去の来歴とビルドやらが今回明かされた人。
来歴に関しては詳しくは追々。ビルドに関しては剛剣60・マントラ20(技能値)の魔法剣士。魔法剣士扱いでいいのかこれは?。性質上、物理攻撃特化には滅法強いが防御の値を下げてきたり、無視する相手は凡そ天敵。今回もエリヤが居ないと勝てなかったのと万能物理が一つしかなかったので色々対策を模索中。
<久遠 エリヤ Lv62→Lv67>
大体援護の鬼。潰そうとしても回避が高いのと幸運のせいで中々死んでくれない。今回、レベル差もあって活躍もしたのでかなりの経験点を得た。うまい
<羅刹天>
敵を物理でワンパンマン、自分も物理ワンパン(される)マンを地で行く物理特化の化物。羅刹モードはDDSAT2に登場した特殊な状態で羅刹天はそれを恒常的に得た姿となっている。物理特化としてはこれ以上ない程に強いが、弱みも大分あるのでそういう意味合いだとミサイル運用が適切かもしれない
<法華 参郎 Lv85>
剣しかなかった人。剣の才能も速剣しかなく、霊的才能も0だった為に人を止めるしかなかった。反省はしてないが、後悔は結構ある。戦闘スタイルは速剣スキルは物理に関するものだし大体物理スキルでは?という事で速剣スキル縛りにパッシブにラクシャーサのあれこれを詰め込んだ構成。パッシブで物理強化、スキルで回避・反撃・リアクション低下と構成的にはマッチしており互いの弱点を補い合っている。その為に耐性面に隙はないが使用回数スキルに依存してるのと脆い点は解決してない為にピーキーな構成なのは変わらないかもしれない。