真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
戦うにあたって一度、状況を整理する。
| Lv99 | 喰奴 | ラーヴァナ | 耐性:不明 |
現状相対している敵。Lv99の喰奴:ラーヴァナ。ラーヴァナは羅刹の王であり、羅刹とは即ちラクシャーサの事を指す。ラクシャーサと似た性能の……いや、この場合は上位互換と言った方が良いかもしれない。
| 羅刹モード | DDSAT2&オリジナル出典。羅刹である証であり、呪い。 飢えによって攻撃性能が大幅に強化されるが、防御性能が大幅に下がる。 以下の効果を強制的に得る。 ・物理貫通(D2式)を取得し、魔法を一切使えなくなる (物理スキル・アイテムは使用可能) ・物理攻撃時に通常の2倍のダメージを与える。 但し、敵から物理攻撃を受けると通常の2.3倍のダメージを受ける。 ・クリティカル率が大幅に上昇する(+90%)が、敵からの攻撃のクリティカル率も大幅に上昇する(+60%) ・回避率が大きく上昇するが、命中率が大きく下がる。 |
| 羅刹王 | オリジナル効果。数多の羅刹を喰らって、その王を名乗るに相応しい力を手に入れた事の証明。ラーヴァナの■念■合の果て。以下の効果を得る。 ・自身の物理命中に+50%。以下不明 |
現状分かるのはこれと恐らく
| 導師 | 久遠 フェイ | Lv82 | 全てに強く、破魔吸収。技・火炎・氷結・呪殺反射。BS無効*1 |
| 女神 | ラクシュミ | Lv78 | 破魔反射・衝撃無効・バッドステータス無効*2 |
| 邪龍 | セト | Lv79 | 銃・投具・氷結・電撃に強く、破魔・呪殺・精神・神経・魔力無効*3 |
| 邪神 | マダ | Lv77 | 火炎吸収、破魔・呪殺無効。精神・神経・魔力耐性*4 |
以上の通り。勝ち目……は相手の能力・出方次第だが勝つにしろ負けるにしろ色々手も打っておいた。後は僕と仲魔達が何処までやれるかに掛かっている。瞬く間に思考を整えて、相対する獣に意識を向ける。
「自己紹介は必要かな?」
『必要ない。私は貴様を探していた。此処で見つかるとは思わなかったがな。シチュエーションも良い』
「漂流者って事?」
『さてな。ま、質問には3つ答えてやろう。5秒以内に言え、私も時間がない』
ある程度応対はしてくれるようだが、どうも無駄話はしてくれないらしい。稼げて10秒程度だろう。
「じゃあ一つずつ、君は
『さてな』
「君が天魔衆を率いている或いは乗っ取っている?」
『それはYesだ』
「何が目的?」
『目的と言える目的は存在しない。私ははただの喰奴で羅刹だ。何か喰らう事にしか興味がないし、その為に色々やっているというだけだ』
「僕の事を探していると言ったね。その理由は?」
『4つ目だ』
「そっちが3つ答えると言ったんだ。1つ目は答えた内に入らない」
『……いいだろう。ではそれを答える前に此方からも質問だ。貴様、
「何……聖女だって?」
『無自覚、か。いや…?そう言う事か、くくっ……』
「勝手に一人で納得しないでほしいなー」
聖女までは聞き取れた。その前に何か言ったような気がするが、上手く聞き取れない。
『あぁ、すまんな……ただ、あれはどの世界でも似たような事をするなと思っただけだ。それで何故貴様を狙うかだったな、シンプルな理由だ』
ラーヴァナの眼つきが変わり、僕達も思わず身構える。人とも悪魔とも違う、独特の圧力にMAGの奔流。奴の大きな両腕から分かたれるようにして出現した四本の歪な腕。左右含めて6本の腕を自在に振い、それぞれの手の先に備えられた5本の爪が地面や瓦礫に触れる度にそれらは消失するかのように消え去っている。
『
「その世界だとちゃんと両親居たんだ僕。ちょっとだけ嬉しいかも」
『前の貴様とは違い、今の貴様には付加価値が生まれてしまった。故に殺す事は出来ないが』
ラーヴァナの顔が喜色に歪む。意外と端正な顔立ちをしているが、三日月状に大きく開けられた口からは刃のような鋭い歯が見え隠れして正直怖い。
『四肢程度は問題あるまい。貴様は私の物だ』
そういえば、数か月前になんやかんやあって手相見て貰った時に女難の相が出てるって言われてたっけ。でもこんな強烈な物が来るならもっと念押ししてほしかった。ほんとね。
「はぁー…しょうがない。どうせ逃げられないし……付き合ってあげる」
『残念だ。四肢以外も喰らう事になるな』
透明化の状態とはいえ、先手はラーヴァナに取られてしまった。戦闘の流れは恐らく奴が得意とする
「行くよ、皆」
ここまでの会話で20秒経過。好都合なのは僕とラクシュミに掛けられたラスタキャンディはギリギリだが維持されている点。この戦いで大事なのは補助の掛け方とその維持であり、勝ち負けは明確にそこで決まる。まずセトが<雄叫び>*5、続いてマダが<タルンダ>を発動させてラクシュミが<ラスタキャンディ>*6、最後に僕が<魔法の輪>*7を発動させる。
<味方陣営>
| フェイ・ラクシュミ | 全能力+2(3ターン継続)。魔法の輪(カジャとは別個の防御強化) |
| セト・マダ | 全能力+1(3ターン継続)。魔法の輪(カジャとは別個の防御強化) |
<敵陣営>
| ラーヴァナ | 物理攻撃-3・魔法攻撃-2 |
可能な限り、全能力強化に攻撃力低下・防御力上昇でバフ・デバフを重ねた。
『手堅い動きが、さて』
| バイオレンス | DDSAT2出典。点滅状態のプレスターンアイコンを2個追加 |
黄金の瞳が光を増し、明確に凶暴性が増して背中にうすら寒い物が奔る。初速から考えるに恐らくは獣の眼光に似たスキル。これで相手は最低3手動け、クリティカルを受ければ4手動く。
『どれだけ耐え切れるかな!』
| 大屠殺 | DDSAT2出典。敵全体に物理属性の大ダメージを与える。 残りHPで威力が変化。命中率が低い。 |
| 大屠殺 | DDSAT2出典。敵全体に物理属性の大ダメージを与える。 残りHPで威力が変化。命中率が低い。 |
| 大屠殺 | DDSAT2出典。敵全体に物理属性の大ダメージを与える。 残りHPで威力が変化。命中率が低い。 |
反射まで貫通する最低2倍最高8倍*9の物理攻撃、それが3発。六本の異形の腕をそれぞれ巨大化させながら乱雑に此方を薙ぎ払おうと仕掛けてきた。
| 観音神符 | 使用:フェイ | 200X出典。アイテムを消費する事で 受ける攻撃のダメージがクリティカルだった場合、 それを通常の成功に変更する |
| 強靭の権化 | 常時:マダ | D2出典。最大HPが20%増加し、自身が受ける攻撃のクリティカル率を50%減少させる。 |
襲い掛かる両腕、それから逃れられずに全員が命中。ラクシュミとセトはクリティカルを貰いつつも万全の補助により何とか耐え切り、僕とマダはクリティカル無効化とクリティカル率減衰の効果によりクリティカルダメージを免れる事が出来た。
『ふんっ!』
立て続けに鞭のようにしなやかに、けれどその威力は保証された巨大な腕部の乱打が打ち付けられようとして
| 龍の反応 | 常時:セト | 真4F出典。命中率・回避率が大幅に上昇する。 |
その動きを見切ったセトが飛び上がり、
『成程。補助があっても三連撃で押し切れると思ったが……その反応力による回避、後は』
| タルンダ | 1R目:マダが使用 | ソルハカ出典。 敵全体の物理攻撃力を下げる。4段階まで重複。 倍率は80%→60%→40%→20%まで変化する。 |
『異様なまでの火力低下。そうか……私が知る物とは大分効力が違うらしい』
僕達に現在掛かっている
『…ッ!』
マダから行動を開始させ、反射まで貫通させる火炎魔法でラーヴァナを焼く。直撃し、弱点を突いたようには見えないが…こちらの想定以上にダメージを喰らっているような様子を見せている
「マダ、耐性」
『何かを貫通した感触はない』
「分かった」
火炎は効く。情報はこれだけだが、攻める事は一応できる。問題は打点が足りない事であり、それを覆す手段はあるもののそれは相手の行動次第にやはりなってしまう。受動重視対応、現状で出来るのは防御しながら活路を見つけるしかない。ラクシュミに<メディアラハン>*17を発動させて失ったHPを回復。セトはカバーの為に待機。僕の手番は再びマダに回して*18此方もカバーの為に待機させる。
| バイオレンス | DDSAT2出典。点滅状態のプレスターンアイコンを2個追加 |
| デカジャの石 | 真4出典。敵全体の能力上昇効果を消去する |
| デクンダの石 | 真4出典。味方全体の能力低下効果を消去する |
奴は魔法を扱う事は出来ないが、補助であるデカジャ・デクンダに関して言えばアイテムで解決できる範疇だ。そして、先程の攻撃を抑えられたのは凡そその補助のお陰であり、ここからの攻撃はまず通常の方法では耐え切れない。だからセトとマダをカバーの為に待機させた。
『全体……いや、此方の方が確実だな』
ラーヴァナが二つの手でそれぞれの石を砕いて効力を発揮させながら、獣のように屈んで僕に視線を合わせる。間違いなく此処で殺しに来る。
『Shaaaaaaa!』
| 破邪の光刃 | DDSAT2出典。敵複数体に2~4回の物理特大ダメージを与え、命中毎にランダマイザ(全能力低下)効果を与える。マン■ラで習得 |
破魔とも違う、神々しくも禍々しい光り輝く奴の
空中に残光を刻みながら迫る刃は3つ、それぞれ僕に2回、マダに1回。マダに迫る刃が彼の両腕を切り飛ばして
切り裂かれた身体から流れ出る大量の血に朦朧とする意識、これを妖精の加護を利用したMAGの急活性化と気合で耐え切る*20。クリティカルが発生してしまった、
| 破邪の光刃 | DDSAT2出典。敵複数体に2~4回の物理特大ダメージを与え、命中毎にランダマイザ(全能力低下)効果を与える。マン■ラで習得 |
| 闇のSOUL | 真4出典。HPが0になる時に1度だけHPを1して耐える。MPも上がる |
噴き出す瞬間にアクセサリーの力で首の一皮を切り裂いて終わった。
「最近、高打点が多いからアクセサリー変えておいて正解だった。ケースバイケースだけど」
『ならばもう一撃!』
「
| 友愛の加護 | ソルハカ出典。忠誠度:5の性格:友愛における効果。サマナーのHPが0以下になるダメージを受けるとサマナーを庇って、身代わりとなる |
返す形でもう一刀。そこにラクシュミが割り込んで肉盾となり、上半身が斬り飛ばされる。ラクシュミが妙に恨めしい目で僕を見てたけどよくよく考えたら最近でこれ2回目だ、ごめんね。
「とはいえ、何とか凌ぎ切ったか」
『だが、耐えた所で貴様達に何ができる?』
<味方陣営>
| フェイ | 全能力-3。魔法の輪(カジャとは別個の防御強化) |
| ラクシュミ | DEAD(死亡) |
| セト・マダ | 全能力-1。魔法の輪(カジャとは別個の防御強化) |
<敵陣営>
| ラーヴァナ | 何もなし |
「んーまぁ……そうだね」
状況は絶望的といっていい。僕とセトはやっとの所で意識を保っているし、マダはマシだがそれでも後一撃喰らえば怪しい。あの刃に刻まれていた神の
『大人しくするならば、今からでも降伏には応じるが?』
「いやいや、どうせ捕まったら酷い目にあうのは確定みたいなもんだし、それにさ」
自身の血で真っ赤になったアセイミーナイフを奴に向ける
「もう勝った気でいるんだ?」
『何?』
「まぁさっきまではこっちも君に勝てる気はしなかったんだけど」
『……貴様』
ラーヴァナが何かを感知して離れようとして、その瞬間に戦闘の流れを一時的に
「
| 悪魔召喚 | 200X出典。補助スキル。契約している悪魔を召喚する。本来は命運を支払って発動するスキルであり、その代わりに1戦闘中1回まで使用できる物とする |
「
カカッ!
| 天使 | ケルプ | Lv76 | 魔法に特に強い。物理無効・銃撃耐性*21 |
『てんしぃ、けるぷぅ!さんじょぉおおおおおおっ!』
1度しか使えない、高速詠唱を応用した神速召喚。それに基づき現れるのは66とナンバーが刻まれた機械仕掛けの高位天使。
「賭けだったけど君が生き残ってくれてよかった。一泡吹かせてやろう、セト」
『イクゼイクゼイクゼー!』
| 外法のいざない | ソルハカ2出典。味方全体の能力上昇効果と能力低下効果を反転させる。本来習得できるレベルより低いレベルでこれを習得している為に戦闘中に2回までしか使用する事は出来ない。 |
セトから発せられた間抜けな叫び。邪龍ある彼から放たれた外法はプラスをマイナスに、マイナスをプラスへと変える外法である。つまり、僕達に降り掛かっていた
| フェイ | 全能力-3→全能力+3。魔法の輪(カジャとは別個の防御強化) |
| セト・マダ | 全能力-1→全能力+1。魔法の輪(カジャとは別個の防御強化) |
| マカカジャ | ソルハカ出典。味方全体の魔法攻撃力を上昇させる。 倍率は150%→250%→350%→450%まで変化する。 |
| フェイ | 全能力+3→魔法威力+4(450%)。全能力+3。魔法の輪(カジャとは別個の防御強化) |
| セト・マダ | 全能力-1→魔法威力+2(250%)。全能力+1。魔法の輪(カジャとは別個の防御強化) |
転じられた祝福をさらに上位の
「マダ!」
『Oooooooo!!!』
射程外へと遠ざかろうとするラーヴァナ、それに追い縋る様に放たれた地を這う爆炎。奴の速度は速く、何より逃げに一切の抵抗が見られない。今の炎だけでは奴の肌を焦がす程度にしかなり得ない。故に
「召喚」
| 精霊召喚 | ペルソナ2罪出典。敵全体に万能の中ダメージと幻影の追加効果を与える。 |
ウィッカの妖精召喚を応用して放たれた精霊召喚。無色で微かな
『その魔法力であっても万能なら「混ざり、爆ぜろ!」……ッ!?』
「サラマンダー!」
| サラマンダー | ペルソナ2出典。合体魔法。火炎系→精霊召喚で発動 敵全体に火炎属性の中ダメージを与え、 そこに精霊召喚術者のLV数値を威力に加算する サラマンダー:65+術者LV(82)=147(特大ダメージ) |
極光と爆炎が混ざり合い、巨大な炎の蜥蜴のような姿が浮かび上がると共にラーヴァナを溢れんばかりの炎が包み込んだ。
『ガァアァッ……!?』
「君のスキルの特性は
| 羅刹王 | オリジナル効果。数多の羅刹を喰らって、 その王を名乗るに相応しい力を手に入れた事の証明。 ラーヴァナの■念■合の果て。以下の効果を得る。 ・自身の物理命中に+50%し、 自身が受ける攻撃のクリティカルの確率を100%減少させる。 ・自身が行う物理攻撃は防御・防御行動を無視する。 ・自身が受ける物理・ガン属性のダメージは5%で受ける。 ・必ず先制が取れ、逃亡も必ず成功する (一部不可。例外あり。透明化状態の時のみ効果を発揮) ・自身が受ける火炎・氷結・電撃・衝撃・地変のダメージは250%で受ける(デメリット) |
「それ、
奴の特性。羅刹の弱点を補うかのような命中大幅上昇に絶対的な被クリティカル耐性。強みをさらに強化した防御無視。例え何かしらの方法で物理攻撃が反射されたとしても5%まで減衰させる耐性外の強固な物理への対策、透明化状態の際の先制・逃亡の優先的権利。だが、それらの強みを取得する為に支払った物が主要な四属性に少しマイナーだが地変属性への脆弱性。とはいえそれだけではあれを致命傷に至らせるのは難しかったが、セトを召喚していた事で奴のデバフを利用する事が出来た。
| マカカジャ+4(450%)×ラーヴァナ:火炎(250%。弱点ではない) | 合計:1125% |
『----!』
あれを受けてまだ耐えていたのか。炎の嵐より抜け出したラーヴァナが大地を蹴りつけながら音を置き去りにして僕の目の前にまで到達する。顔には先程までの余裕は感じられず、冷たい殺意と共に構えられる歪で強大な異形の腕。今度こそ防御の手段はなく、この攻撃を受ければ間違いなく僕は終わる。
| 高速詠唱Ⅲ | 200X出典。補助スキル。 手番中、使用者は追加で1アクション分の魔法攻撃か支援魔法を行う事が出来る。 但し、HPを回復する効果のあるスキルは使用できない。 1シナリオ(一連のダンジョンクリアやボス撃破等を指標にする)に3回まで使用可能。 使用する度にコストとして現在HPの半分を消費する。 このスキルは本来1つの手番に複数回使用できるが、不完全な習得である為にそれは封じられている。 |
だからこそ、僕が行えるのは防御ではなくそれに対する徹底的な迎撃。合わせる様に最後の詠唱を始めて、正真正銘これで僕が使える手札はない。残存したマグネタイトと魔力を湧き上がる炎へと変換して自身の腕へと纏わせてゆく。
『終わりだ!』
「燃え尽きろ!」
炎で黒く染まった異形の腕。炎と血によって真っ赤に染められた僕の腕が交差し
| 諸惑星の加護 | 覚醒篇・ウィッカ出典。 敵単体にダメージを与える。このカルトマジックは 相性無し(万能・100%・相性無視と判断)や 相性:禁(緊縛相性)以外の相性を自由に選択する事が出来る。 威力はウィッカの技能値参照により中~大ダメージ程度(60~)。 本来は覚醒篇内の物しか選択できない筈だが、この世界における属性は拡張されており、術者は既知の属性をこの魔法の相性として選択できる。火炎相性を選択 |
寸での所。物理か魔法か、近接か発射か。それが勝敗を分けて、先んじて放たれた渦巻く炎の砲弾がラーヴァナの腹に突き刺さってその身体を遠くへ吹き飛ばす。
「はぁ……はぁ……!」
流石にもう、立っていられる気力もなく片膝をついてセトとマダを傍に控えさせながら吹き飛ばした方向を見る
「
驚くべき事に奴は……ラーヴァナは死んでいなかった。
| 不屈の闘志 | 真4出典。戦闘中1度だけ、HPが0になる攻撃を受けた時に耐え、HPが全回復する |
『死んださ。これを切らされたのも大分久しい』
「で、どうする?僕達もう何も動けないけど」
『…白々しいな。流石に此処まで接近されれば分かる』
崩壊したスラム街。その中央にて対面するように立つ僕達とラーヴァナ、それを取り囲む様に各々の獲物を構えている
『最初の魔法爆撃により遮蔽物排除……あそこから既にこの結末にする腹積もりだったのだろう?』
「まぁね」
援軍に来たデビルバスターチームから回復や蘇生を貰いつつ、ラーヴァナに言葉を返す。事件における襲撃者を捜索する為に元々同じ依頼を受けていたデビルバスターチーム。その襲撃者である天魔衆及びラーヴァナが此処にいるという事は僕達と同様に他のチームも外れを引いたのと救難信号を受け取っていたという事もあり、全てのチームが救難信号を受け取り集結。一番最初に着いた僕が周囲に明確に場所を知らせるように遮蔽物を一掃し、COMPにて逐一救難信号を連打しながら援軍目当てに耐久する、そういうシナリオだった。ぶっちゃけ事前に火炎耐性が割れた&弱いという事の把握と援軍タイミングとデバフを受けたタイミング等が奇跡的な感じで色々嚙み合った上でカウンターが行えただけで、本来は仲魔に只管カバーさせて耐久させる方針しか取る気はなかった。
『私の負けだな。不屈も切らされたし、法華もやられた。残念だが此処は退散させて貰おう』
「大人しくするなら、今からでも降伏には応じるけど?」
『今の私に深追いする気がない癖にそういう事を言うのは宜しくないな……まぁ安心しろ。お前は何れこの手中に収めてくれる。それまで精々私以外にやられん事だ』
奴は<透明化>を発動させて周囲のデビルバスターが攻撃する物の当たらず、そのまま音も立てないままに退散していった。恐らく羅刹王の能力の一つ*23で逃げ出したのだろう。まぁドロンパとは違う未知の透明化だけでも相応にきついが、まぁ何にせよ
「い、生き残れてよかった」
他のチームからエリヤと由奈も無事で、此方に向かってきているという情報は受け取っている。ラーヴァナを逃がしてしまう事は癪だが、フレスベルグの眼でも早々見切る事が出来ない奴に対して追撃戦をするのはミイラ取りがミイラに成りかねない。奴の持っているレベル・スキル・耐性、戦いながら必要な情報は抜いておいた。依頼主であるヤタガラスにも概ね悪くない報告が出来るだろう。実質的に命の恩人となった他のデビルバスターチームに対しても多少色を付けてくれるように交渉もしなければならない。
「ぁ」
そんなことを考えていると激しい戦闘と数回の食いしばり、MAG欠乏によりついに限界が来てしまったのか身体にもう一切の力が入らなくなった。色々しなければならない事もあるけど事後処理だったりは取り敢えず彼らと由奈達に任せるかと決めて、緩やかに沈みゆく意識に身を任せて僕は目を閉じたのだった。
えー事の顛末。僕は失神した後に病院にて入院というか収監。ざっくり身体中を斬られていたのとあのラーヴァナの特性なのか、回復は出来ても傷自体が中々に治らずに由奈が顔を青くして若干ヒステリックになっていたらしい。それを抑えてくれたエリヤには日々のスイーツ代をもっと渡す事にもなった。そんなこんなで病院に運び込まれてから1日後に起きたら、へぇーミイラ取りにならなくてもミイラになるんだなぁと包帯で身体をグルグルにされていた事に馬鹿みたいな感想を抱きながら大人しく医師の指示には従って1週間程度で無事に退院。休んでいた1週間で熟していくつもりだった依頼や仕事に関しては由奈や依頼を受けていたデビルバスター達が片づけてくれたらしく、素直に助かった。そんな訳で
「暇」
依頼主・他のデビバス・由奈とエリヤにも暫く絶対安静にするように厳命されて、ベッドにゴロゴロ或いは椅子に座りながらルビコンに籠るか、ネットであれこれ調べるか、今後の成長方針を決めるか等していた。独り言に零した程に暇ではなかった。ワーカーホリックになりかけてた節はあったので丁度良かったのかもしれない。3周目を何とかクリアしたので対戦に繰り出したら重ショワーム砲・コーラル特化・ミサイル特化等ででわからせされて、アセン相談にそれっぽい名前のスレを覗いたら結局アセンの話じゃなかったり*24もしていた。
「……これからどうするかな」
本来の構成では僕と由奈、エリヤ、三人が揃えば大抵の悪魔には対応できる、そのつもりではあった。しかしネルガルの時もそうだったが現実はそうもいかない。戦力の分断、多数の挟撃、或いは戦死による人員欠落。PT単位における万全・盤石というのは崩れやすく、よりシンプルであらゆる物に対応ができる程の純粋までの力には敵わない。そして、そういった力を手にするのは凡そラーヴァナのような手段を問わない化物ばかりだ。特に今回はそんな力の権化であるラーヴァナに僕は目を付けられた。透明化が出来るという点で奴は何かしら僕が油断或いは余裕がない時に奇襲を行うというシンプルな方法で難なく僕を狩る事が出来る。ラーヴァナの情報自体はヤタガラスには当然流したし、個別にキョウジさんやアイバさん等の対抗できそうな強者にも流してある。キリギリスにおけるそれらの情報の扱いはヤタガラスと彼らに一任した方がいいだろう。ラーヴァナの透明化対策もまた、知り合いの検証班に協力してもらう予定だ。
後の問題は僕達の強さ。エリヤに関して言えばまだ伸び代があるが、僕と由奈に限って言えばもう易々と強くはなれない。ラーヴァナと相対して
「そういえば、ラーヴァナ……由奈とちょっと、顔似てたかな」
ふと思い至った独り言を零すも、特に気にする事ではないかと思った僕は再び掲示板を開き、強い悪魔とかなんか新たに強い戦い方とか戦法とかないかなーといつも通り、知識の探求と検証に赴くのだった。ちなみにその日は夜更かしし過ぎて由奈に怒られた。悲しい。
自身を<透明状態>にする。
<透明状態>の際は自身のパーティ認識lvを-3(透化※NINE出典と同様の効果)して、
さらに全体攻撃、ランダム攻撃を全て回避する。
<透明状態>であるが故に姿も見えないが、
ラーヴァナに単体攻撃を命中させると<透明状態>は解除される。
また<透明状態>のラーヴァナは一部のスキルの発動が制限される。
今回はちょっと特殊タグの使い方を前回と変えてみました。特別見難いようでなければこのまま行こうと思います(見難かったりしたら感想でおっしゃって頂けると助かります)
・キャラ紹介
<久遠 フェイ lv82→lv80>
今回何とか生き残った人。
逃げれそうなら逃げたかったが、こんな捕食者って面の奴から逃げきれる訳ないのとこいつの情報ないと後々ヤバいと察した為に数ターンの耐久戦に挑んだ。もう戦いたくないと思っているがお前には女難の相がついている。今後も頑張ってほしい
<喰奴ラーヴァナ Lv99>
知恵ある獣。獣というより化物だけど。しかも普通に逃げる。
D2の参考に作った思念融合効果(実質D2特有の星5悪魔のパッシブも参考)により長所を徹底的に伸ばした上に短所を潰した結果、強さと安定性を兼ね備えたはいいものの物理しか使用できないのは変わらずに補助はアイテム頼り。加えて主要な属性にも弱点ではないが弱い為(DDSAT2のラーヴァナの耐性がそんな感じだった。素の耐性はDDSAT1のラーヴァナ参照)に情報が揃った上で状況も良ければ本編同様脆い存在でもある。とはいえそんな事は本人も承知している為に動きはクレバーで暫くは潜伏を続ける予定。総じて知恵ある獣。過去周回のフェイの同位体との関係はまた追々。