真・女神転生オタクくんサマナー外伝 -ロストキリギリス- 作:名無しの骸骨
大方の予想通り、泥仕合のような削り合いが長く続いている
僕達が攻撃・回復・補助・防御のサイクルを回し、ラーヴァナは限界を測るように攻撃を繰り返す
程度は違えど消耗するのは同じで、僕達は防御リソースの大半を消費しながらラーヴァナを追い詰めている
上振れの火力で何度も死に掛けたが此処までは繋いだ
『ぐっ、お……っ!』
数え切れない程、魔槍はラーヴァナを貫いてきた
今回もまたそれと同じサイクルを辿りながらも消耗戦の末に、確かに核を突いている
普通なら終わる
既に数十分程度戦っているし、与えてきたダメージはかつてのラーヴァナを十回以上殺すに等しい
| 不屈の闘志*1 | HPが1になった時、一度だけHPが全回復して復活 幾度となく死に掛け、その度に死に損なって生き延びた |
『フ、ははっ……そうだ、終われない!』
「知ってるよ」
魔槍を抜きつつ、ラーヴァナが僕を蹴り飛ばして距離を取った
こうなる事は分かっていた
戦って一度倒したとして奴が
本当はそこまで対策したかったが、手が回らなかった
その対策に掛かりっきりとなって肝心のラーヴァナとの攻防成立を無為とさせれば意味はなく、仕方がないと僕達は受け入れた
だからこの展開は必然。第二ラウンドの幕が上がる
ルーチン、最適解の限界がネックとなっている
此処からまたラーヴァナを殺し切るには火力が足りない
厳密には僕達が耐え切れない。真澄は<不屈の闘志>を切ったし、エリヤは<幸運>を全て発動させた上で、<援護射撃>が残り1回。防御に注意は払っていたものの上振れ超火力に押し切られてしまった
僕の状態のリミットがもう間もなく
この拮抗が終わる時も近い
今までの攻防と比べれば一瞬にも感じられる
迫りくるラーヴァナの攻撃を耐えながら反撃を返す
その中でふと限界が訪れた
身に纏われた鎧、並びに魔槍の急激な消失。デジタライズが解けていく
『サマナー、申し訳ありません。最後までお力になれず』
「良いさ。此処まででも十分過ぎる位だよ」
融合が溶け、僕の鎧となっていたセタンタはCOMPへ送還された
元の
『面倒な
お前達も消耗し尽くした』
「どうかな。実際、“詰み”かかってるのは君の方でしょ
此処まで戦闘が伸びたのは君にとって想定外だった」
時折、異界に響く轟音が響き、上の方から土石流のように何かが迫っている
ラーヴァナが何かした訳でもない
「地上の羅刹が殲滅されつつあるのは分かってる
この音の正体が何であれ、もう先は長くない」
『知っている。だが、私にはどうしようもできないさ』
音が増え、同時に近づく
遺跡の壁に罅が割れ、それらは溢れ出た
| 軍勢 | 羅刹天の群れ | Lv65(-20) |
| 軍勢 | 羅刹天の群れ | Lv65(-20) |
| 軍勢 | 羅刹天の群れ | Lv65(-20) |
| 軍勢 | 羅刹天の群れ | Lv65(-20) |
| 軍勢 | 餓鬼道の群れ | Lv50(-30) |
| 軍勢 | 餓鬼道の群れ | Lv50(-30) |
| 軍勢 | 餓鬼道の群れ | Lv50(-30) |
| 軍勢 | 餓鬼道の群れ | Lv50(-30) |
| 軍勢 | 餓鬼道の群れ | Lv50(-30) |
| 軍勢 | 餓鬼道の群れ | Lv50(-30) |
壁を突き破り洪水のように押し寄せた奴らは敗残兵だ
地上での闘争に負け、諦めながらも生き延びる為に安全地帯を求め、此処にやってきた
士気は崩壊し、手傷も負ってレベルは大きく低下した烏合の衆
『羅刹王が命じる。私に従い、奴らを殺せ。腹が減っただろう?』
狂乱する軍勢をラーヴァナは命令を下して制御する
行き場を無くし癇癪を起こした子供同然だった羅刹達は不気味に動きを止めた
全てが振り向き、僕達を見ている
「放置はできない、か」
地上での羅刹が殲滅されれば、或いはもうある程度殲滅の目途が立ったら地上の誰かしらが地下遺跡に流入する。それがラーヴァナにとって実質的なタイムリミットであり、敗北条件
あれらの手数も火力も今受ければ致命的だ。放置は出来ない
集団の排除とラーヴァナへの攻撃、何処まで手を回すべきか思考する
「真澄」
「合わせられるわ!」
| 雷光爆裂拳*3 | 敵全体に電撃属性の物理攻撃で中ダメージを2〜4回与える |
<ゲイボルグ>はもう使えず、安定した立ち回りは無理だが、
半数の一掃に成功しながら
羅刹達の何体かは残留している。後もう一押しが必要だ
「火力は底上げした。頼むぞ、ハヌマーン!」
「委細承知!」
| 天罰・破壊*8 | 敵全体に万能属性の特大ダメージ(力依存)を与え、高確率で石化させる 自身とは違うスタンス対象に対して威力が上昇 1ターンに1回までしか使用できない |
シヴァの力を纏った制裁の光が有象無象を薙ぎ払う
これで再び盤面はシンプルに、ラーヴァナ単体となった
今まで与えたダメージから逆算してまだ体力は多く残っている
しかし地上の殲滅に片がついているのなら、僕達が焦る必要もない
数十秒、防御に専念していれば援軍が訪れる
既に此方に向かってきている面子が居るのはCOMPで確認済み
彼らを待つのが最も勝算が高い
「……それが道理なんだろうけど」
そんな合理的な考えを振り切り、ラーヴァナに剣を向ける
首無しとなった彼女を見ても、表情は読み取れる筈もない
ただ、きっと彼女もそれを望んでいる。かつて久遠 由奈だった存在ならば
| 英雄の叫び*9 | 使用時、プレスアイコン(行動回数)が4つ増加する 1シナリオ中、1回まで使用可能 |
「これが最後だ。何度もありがとう、そしてごめん
僕に力を、貸してほしい」
正真正銘、今の僕が出せる最大火力
| ロイヤルソード*11 | 敵単体に万能属性の超特大ダメージを与える ニンゲン系モンスターに対してはダメージが大幅に増加する このスキルの威力は力と魔、いずれか一つの能力を参照する |
「はあああああああああああっ!」
剣より迸る真っ白の極光がラーヴァナを両断する
手応えは今までで一番。臓腑を撒き散らし、マグネタイトが多量の噴出している
「仕損じたなぁッ!?」
それでも尚、羅刹王は狂い嗤う
自らの負った傷を無視しながら本能が肉体を突き動かしている
ラーヴァナの鬼気迫る攻撃に
けど今更そんなものを気にも留めないだろう
彼女には未来がない。希望もない。残った物は死しかない
此処での勝敗がどうなろうともう破滅は確定している
後がない故の破滅的な攻勢は
自身の命を燃やし尽くす事で成立した常軌を逸する
煌めく刃に破滅を込めて、僕達の命脈を断ち切ろうとしている
前に出た真澄とエリヤが斬り捨てられた
ハヌマーンは一度耐え、僕を庇って両断される
場外の仲魔も同様に薙ぎ払われ、託され守られた僕だけが食いしばりの果てに生き残った
『馬鹿な奴だ。亀のように防御していれば助かったかもしれない』
「あんな多重行動じゃ、防御も左程意味がないよ
それに僕と君の最後ならこうすべきかなって思ったんだ」
ラーヴァナの目から殺意は消えていた
全てを出し切ったというよりは諦めていた、面倒になったのかもしれない
生き続けた事に対する疲弊や、最期への虚無感
生への白けのようなものがマインドに浮かんでいた
それを余所に、僕もまた攻撃の用意を整える
用意した銃型COMP、GNMPと呼ばれる物をラーヴァナへと向けた
『……ラーマ、か。ソレに込められた悪魔は
なら一撃で死ねそうだな』
「そう。こうする事に対して承諾も得ている
悪魔としての姿は取れないから、これでってね」
ヤタガラスに伝わる召喚術の一つに悪魔を使い捨てる物が存在する
悪魔の死を対価に通常ではあり得ない大幅な攻撃威力の向上、外法であり異端である
僕の切り札とは即ちラーマだったが、彼は合体には失敗が続いていた
最終的に成功したものの悪魔としては形にならず、デビルソースのような情報体でしか成り立ちはしなかった
そんな彼を対ラーヴァナに有効活用するにはこれ以外にはなく、一度限りという制約で方法は教わった
ラーヴァナを殺すならば良いとラーマから承諾は得たけれど
未来永劫これを使うのは今回だけだろう
「結局さ、君は何がしたかったの」
『生きていれば羅刹でも何れ報われるかもしれないと思っていた
数万年以上、そんなことはなかったし罪業ばかりが蓄積する
あの殺戮の救世主が全てを消していた方がマシだったかもしれないな』
言葉を聞きながら、トリガーに指を掛けた
「どうあれ、僕は先に進まなくちゃならない
いつか君のように絶望して、どん詰まりに嵌るかもしれないけど
というか現実的に考えるとそうなる可能性の方が高いんだろうけど
まだ僕は最後まで歩き切ってないから、行けるところまでは行ってみる」
『変われると思うのか、あの女が。あれは
「僕はあの日、差し伸ばされた手を信じている。それだけだよ
……じゃあね、かつての由奈」
GNMPは起動された
プログラムに従い、ラーマを犠牲を犠牲に生成された輝く矢がラーヴァナの胴体を貫いた
ラーマの象徴、ブラフマーストラ
他の悪魔に向けたならば単なる超火力で終わるであろうソレはラーヴァナに対しては幕引きの一撃へと変換される
羅刹である自らをラーヴァナへと定め、神話へ近づこうと別周回の自分を喰らって融合を重ねた
その結果として至った限りなく本体へと近い、ラーヴァナという存在そのものが牙を剥く
『……なら精々生き足掻くんだな、満たされない苦しみと飢えの中で』
如何に異常な生命力があろうと此処まで生命力を削られれば、神話再現たる結末からは逃れられない
吸い込まれるように到達した鏃が羅刹王を死に至らしめる
もう二度とこの周回でラーヴァナが誕生する事はないだろう
合一が溶け、ラーヴァナは消失
由奈の肉体のみが崩れ落ちようとして僕はそれを受け止める
依然としてやるべき事が残っている
ラーヴァナを倒すというケジメは果たした
だが由奈が戻らなければ、僕も彼女も報われない
場所を移すべきだが猶予がない
彼女の肉体を抱き締め、瞼を閉じる
肉体接触とMAGの繋がりから妖精郷と同じように意識を闇へ投じた
<久遠 フェイ>
省略されてるがかなり長い時間戦っている
その間に地上は大方勝敗が決まったので、ラーヴァナ相手には実質的な粘り勝ち
<ラーヴァナ>
色々踏まえるとオベロンが封印に成功&場所と出現時間が割れた時点で敗北が確定していた人
強いには強いが仮にフェイが居なくとも現地組の袋叩きに合うのは変わらない。其処らへんも相まって一気に虚無感と疲労が溢れて死んでいった。最後に無抵抗になったのはフェイ以外に殺されるのも何か嫌だったから
<ラーマ>
最後の切り札予定だったが、某無貌の影響でヴィシュヌが汚染されてるので
俺の一部貸すからこれを対価にブラフマーストラぶちこんでアイツ殺してくれよな!って感じで契約していた
3ターンの間、味方全体の全能力を上昇させ、<リディア>を付与
<リディア>:行動開始時に自身の最大HPの15%を回復。3行動後、解除
このスキルの補助仕様はメタファーを参照する(独自要素)
カジャの中で倍率が最高クラス
スキルのHPコスト・MPコストが50%減少し、物理攻撃の威力がLv×0.3%上昇する