普通の?人間の幻想生活   作:日本国民

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どうも、今日より小説を連載していきます。よろしくお願いします。

ではどうぞ!


いつもの日常

「う〜ん…ネタがない…」

 

文々。新聞の建物内にある机で悩んでいるのは信濃律。妖怪の山では希少な人間であり、新聞記者だ。

 

「文さん遅いなぁ、まっすぐ帰ってきてって言ったのに…」

 

時計を見ながら律は呟く。その時、机横のドアが開いた。

 

「すみません、遅くなりました!」

 

「文さん遅いよ」

 

「ごめんごめん、途中で面白そうなことをやってたのでつい…」

 

入ってきたのは律と同じ新聞記者の射命丸文。普段は敬語だが、律に対してだけは敬語が抜けることが多い。

 

「それ、ネタになりそう?」

 

「どうでしょう……多分いけるかな?」

 

「やっぱり霊夢さんの武勇伝の方が内容も濃いし…ネタになると思うんだけど…」

 

「それはダメ!裏が取れないから!」

 

内容が濃く、皆が食いつきそうな話題である武勇伝は幻想郷の新聞屋にとっては一番良いネタだ。だが裏が取れないものは記事にしない文の意向で文々。新聞では取り扱わない。

 

「一応霊夢さんのところ行ってくるよ。何かネタになるかもしれないしね」

 

「了解。気をつけて行ってきて」

 

「了解」

 

律は建物の外に出ると近くにあるスノーモービルのようなものに跨がる。そしてエンジンをかけると空を飛んだ。

 

「これがあると楽だなぁ。どんなところでもひとっ飛びで行けるんだから」

 

この空飛ぶ機械……空気式高速飛行車の最高速度は150キロ。これを使うことで律は幻想郷内でもかなり早く移動することができる。

 

「お、見えてきた」

 

あれから30分。律の視界に博麗神社が映った。幻想郷の東の端にあたる。

 

律は神社へ続く階段の手前に機械を止める。

 

------

 

「さて、この階段を上るか……」

 

私は目の前にある数百段ぐらいの階段を上る。文さんや霊夢さんのように飛べれば良かったのだが生憎私は機械で飛んでる。あんな物を神社の境内に置くことなど出来るわけがない。

 

「あれ?霊夢さんいないのかな…」

 

階段を上り切ると人の気配が無かった。誰もいないのだろう。

 

「いつ帰ってくるか分からないしなぁ、お参りして帰ろ」

 

私は正面にある賽銭箱に金を入れると二礼二拍手一礼をしていつもの機械に戻ろうとする。

 

「お、律何してんだ?」

 

「魔理沙。霊夢さんに用があったんだけど、居ないみたいだから帰るところ」

 

上から箒に跨って来たのは魔法使いの霧雨魔理沙。嘘つきで時々家が燃えてるけど優しい性格。よく毒キノコ持ってくるのはちょっとアレだけど…

 

「あー、こういう時は…」

 

そう言うと魔理沙は腹に力を入れて…

 

「おーい!万年金欠貧乏巫女ー!」

 

ガタッ

 

「………」

 

「こうすればあいつも来るだろ。さっきも奥で物音がしたし」

 

私は言葉を失った。奥の方で物音がしたがその音でもかなりキレていることが窺えた。

 

「魔理沙……そんなこと言ったらあの人が本気で殺しにくるよ?」

 

「んぁ?大丈夫大丈夫、あんな脇巫女一瞬でしばくから」

 

魔理沙は笑いながら言ってるがこれはわざとだろうか…?今の言葉は確実に火に油どころかダイナマイトをぶち込んだような感じだが…

 

「魔理沙〜?アンタ死ぬ覚悟はできてるのよね?」

 

うわぁ……想像通り霊夢さんはマジギレ。顔は般若を連想させてるし、手にはお祓い棒と陰陽玉を持ってる。殺す気満々だ。

 

「お、やる気だな霊夢。そんなに怒らなくてもいいだろ?シワが増えるだけだぜ?」

 

「あんたねぇ…」

 

「ちょっ……2人とも?一旦落ち着こう?」

 

あ…これ私眼中にないやつだ……2人とも言うこと聞かないよこれもう…

 

2人は一触即発の状態…こんなになると2人を止めるのは武力以外では難しい。

 

「やるか?弾幕ごっこ」

 

「やってやるわよ!誰かさんのせいで超むしゃくしゃしてるところなんでね!」

 

「霊夢さん?あなたの神社半壊しますよ?」

 

私の一言でも止まらない。どれだけムカついてんのマジで……

 

「………」

 

私の頭上では綺麗なエネルギー弾がいくつもいくつも煌めいている。

 

「仕方がない。そこの縁側でゆっくりしよ…」

 

それから数分して2人はボロボロの状態で降りてきた。

 

「アレは反則よ!」

 

「いや、ルールには言われてないから反則じゃないぜ」

 

どうやら魔理沙が勝ったみたい。だけど……なんかまだ争いは続いてるみたい。

 

「はいはい、2人ともそこまで。議論は後からにしてくれない?」

 

「っていうか律いたのね。用って何?」

 

「あ、霊夢さん。一応取材で、何かしらの武勇伝聞きたいなと…」

 

「はぁ、いいけど、信憑性ないわよ?」

 

霊夢さんの言った通り。霊夢さんの武勇伝はかなり濃く、ネタにしやすい。だけど目撃者が少なかったり、平気で嘘をつきそうな黄色の魔法使いだったりで信憑性皆無。残念ながら新聞には載せられない。

 

「それだったら私から「魔理沙のはいらない」

 

魔理沙はしょぼんとしながら無許可で縁側から部屋に上がっていった。

 

お茶を出してもらったところで取材開始。

 

「それで、何か最近妖怪退治とかで、話ありませんかね?」

 

「って言われてもね……最近は依頼があまり入ってこないから…」

 

最近は妖怪による被害とかを聞かないせいで最近は大きいネタが無いので霊夢さんを頼ってみたがあっちも同じらしい。

 

「異変も無いですしね」

 

「……なら魔理沙に聞くのは?」

 

霊夢さんは机で菓子を食べる魔理沙を指差した。

 

「いいネタが得られそうなのは魔理沙なんですけどね、やっぱり文さんが裏の取れないものは記事にしないんで…」

 

「変なところで律儀ね。あの鴉天狗」

 

「あはは……」

 

霊夢さんのところに来てみたがやはりネタは得られないみたい。私が思案していると魔理沙が何かを思いついたかのように話しかけてきた。

 

「そうだ!」

 

「どうしたのよ大声出して」

 

「律、ネタが無いのなら一緒にこーりんのとこに行かないか?」

 

魔理沙が言っているのは香霖堂のこと。霖之助さんが運営してる道具屋だ。外の世界……私が元いた世界のものが多く置いてある。

 

「そうだね。そこなら何かしらのネタがあるかも」

 

「じゃあ霊夢ちょっくら行ってくるわ」

 

「霊夢さんお邪魔しました」

 

私が帰ろうとすると…

 

「次は賽銭の一つでも入れに「あ、賽銭箱に五銭ぐらい入れておきましたので!」それを早く言いなさいよ!」

 

私が賽銭箱に小銭入れたと言った途端に霊夢さんは賽銭箱に走って行った。本当に……巫女がこれでいいのだろうか…

 

私は下の道にある機械を動かすと香霖堂のある魔法の森に向かった。

 

------

 

あれから10分ぐらいして香霖堂に到着した。

 

「停める場所は…そこでいいかな」

 

私は香霖堂へ続く道の途中に機械を停めると香霖堂に入った。

 

「失礼します」

 

「こーりん来たぞー」

 

「魔理沙に律さん。いらっしゃい」

 

相変わらず香霖堂の中はすごい。幻想郷ではまず拝めないであろうものが多く陳列されている。まぁ大半が非売品だけど…

 

「あ、スイッチ」

 

「ん、それのことかい?」

 

「はい、向こうで流行ってるゲーム機ですね」

 

「ふーん、あっちじゃそんな物が流行ってるのか」

 

魔理沙は興味深そうにゲーム機を見ている。

 

「カセットがあれば……そうだ」

 

私は思いつくと目を瞑って向こうでやってたゲームを思い浮かべる。そうすると手元にそのゲームのカセットが生成された。これが私の能力の一つ、『現代の物を生成できる程度の能力』

 

「それがカセットという物か…」

 

「はい、私が現代でよくやってたゲームのカセットです」

 

「ってことはこれができるのか?」

 

「うん、一応ね」

 

まぁ本体の充電ができない限りは無理だけど。

 

「あ……忘れるとこだった。霖之助さん、少々お時間をいただいても?」

 

私はスマホとボイスレコーダーを取り出す。取材の準備だ。

 

「ってことは新聞屋の取材だね。何を聞きたい?」

 

「ここに陳列されている物ですね。その紹介を記事にしてみようと」

 

「じゃあ……」

 

霖之助さんは奥の方から物を持ってくる。見た感じは炊飯器みたい。

 

「これは……炊飯器ですか?」

 

「そうそう、米を炊ける道具みたいなんだが…動かなくてね」

 

幻想郷に電気なんてものは無いし動かすのは……いや、エンジン発電機があれば…

 

「霖之助さん、ちょっと窓を開けてもらっても?」

 

「あ、うん。何をするんだい?」

 

「ちょっと待っててください」

 

私は香霖堂の外に出る。いつの間にか魔理沙もついてきた。

 

「何をするんだ?」

 

「ん?さっきの炊飯器を動かすために必要なこと」

 

私はエンジン発電機を生成する。ちなみに私が生成した物はすぐ動くようにしてあるからこれもいける。

 

「こうして……よし、動いた!」

 

「これであれが動くのか?」

 

「うん、あとは炊飯器のコードを繋げて……………終わり」

 

私は炊飯器のコードを外のエンジン発電機に繋げて動かせる状態にした。

 

「霖之助さん、これで動きますよ」

 

「うん、ありがとう。他に聞きたいことはあるかい?」

 

「……ならあれは?」

 

私は周りを見渡し、とあるものに指を指す。

 

「これかい?これは魔法を使えるようにする道具だ」

 

「魔理沙みたいに使えるようになるんですか?」

 

「うん、正確には魔法のような力を出せる道具だけどね」

 

私はその道具をまじまじと見る。見ると色々な機構があり、手につけて使うようなものみたいだ。

 

「実演していただいてもいいですか?」

 

「別に構わないよ」

 

霖之助さんはその道具を手にはめると外に出た。私もその後に外に出る。

 

霖之助さんは道具がはめてある左手を前に出す。するとそこから光線が出され、目の前を火の海にした。

 

「うわ……すごい」

 

私は思わず声が出た。

 

「すごいだろー?私が作ったからな」

 

「え?魔理沙が作ったの?」

 

またもや驚く。確かに魔法のような力を出せる道具なんて、魔法使いと協力しなきゃ作れないか。

 

「ところで写真は撮れたかい?」

 

「あ、はい。バッチリ撮れました」

 

私はカメラの写真を霖之助さんに見せる。

 

「おお、綺麗に撮れてるな!」

 

「カメラの撮り方を猛勉強した甲斐があったよ」

 

私は霖之助さんと魔理沙から魔力生成機構(仮称)についての詳しいことを聞くと最後に一つ物を買って香霖堂を出た。

 

「その道具はなんだ?」

 

「これはね、懐中電灯って物。スイッチを押せば簡単に明るくなるんだよ」

 

「すごいな…私にも欲しいぜ」

 

「魔理沙には魔法があるでしょ」

 

私がそう言うと魔理沙は笑った。魔理沙のように魔法が扱えると色々便利なんだろうな…

 

「じゃあ私はこっちだから。じゃあね」

 

「ん、じゃあな!」

 

------

 

「ただいま」

 

「律さん、おかえりなさい。ネタの方はどうだった?」

 

「ベタ記事ならいける」

 

「トップはダメ?」

 

「流石に無理だね。内容がやっぱ薄い」

 

私たちはネタ切れに頭を抱えた。もうどうすんだよこれ……




ということで終了です。次回から異変解決をしていきます。

キャラ紹介

信濃律(しなの りつ)

性別 女

年齢 16歳

出身 長野県諏訪市

能力 『能力が効かない程度の能力』
   『現代の物を生成できる程度の能力』

諏訪市に住んでいた少女。ある日八雲紫によって突然幻想郷に送られる。その後は鴉天狗の射命丸文と共に新聞屋を営んでいる。頭はかなり良く、諏訪にいた頃は定期テストで1、2位を争うほどだった。髪は水色、髪型はハーフアップ。学生服のようなスーツを着ている。モデル……初音ミク初期案


ではまた次回!
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