インフィニット・ストラトス・913 作:草加雅人なら大丈夫〜
これも全て夏休みの宿題って奴の仕業なんだ!
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インフィニット・ストラトス・913
1話 悪夢
それはずっと昔、まだ俺達姉弟が幸せだった頃の夢。
あれは父さんと母さんとセシリア姉さんと俺の四人でスマートブレイン本社で待つ木場さんに会いに行くために鉄道に乗っている時だった。俺と姉さんは父さんや母さんに内緒で列車の中を探検していた。始めて乗る鉄道で俺達2人は興奮していて異常に中々気がつかなかったんだ。
「ねぇ、マサト?」
「なに? セシリア姉さん」
「この列車、とても早い気がしません?」
「そう言えばそうかも……」
「早くお父様とお母様の所へ戻りましょう?」
「うん」
そう言って俺達は食堂車を通り父さんと母さんがいる個室へ向かうはずだったんだ。
「なんだよ……これ……」
食堂車の扉を開けて見えた光景は異常な物だった。辺りは血が飛び散り通路には蜘蛛のような脚を持った血濡れのISが居た。その蜘蛛のような脚は父さんと母さんを貫いていたのだ。
「お父様!? お母様!?」
セシリア姉さんはその光景を見て倒れてしまう。
セシリア姉さんの声に気付き蜘蛛のようなISがこちらを見る。
「なんだテメェら……あぁそうか……こいつらのガキ共か!」
そう言って父さんと母さんを投げ捨て脚をこちらに向ける。
「うわぁ!」
俺はセシリア姉さんを背よって一心不乱に先頭車両を目指し走り出す。蜘蛛のような脚を持ったISはそれを楽しむようにゆっくりと追いかける。だが必死に逃げる中最後に聞いた音は電車が倒れるような大きな音だった。
目を覚ますと辺りは燃えていた。体の痛みに耐えながらセシリア姉さんがいる所へ向かい生きているかを確認する。幸い息をしていたので生きている事が確認出来た。他にも何人もの人が転がっている。だが他人よりも家族を父さんと母さんを、そう思い探し出す。
数分して父さんと母さんを見つけた。
「父さん! 母さん!」
そう言って俺は2人の体を揺する。たけど2人は動く事は無かった。
残るのは真っ赤な手と血の匂いだけだった。
「ん、うぅ」
飛行機の揺れで目を覚ます。今は飛行機の中、IS学園へ向かっている途中。セシリア姉さんは俺を心配そうに見ていた。
「また、あの日の事を思い出したんですのね?」
「う、うん」
そう言って視線を手向ける。あの日のように手は血で真っ赤に染まっているように見える。
「あ……」
セシリア姉さんが俺の手を取り両手で包むように握る。
「大丈夫、大丈夫ですわ。マサトには木場社長も、私も居ますから……」
姉さんの、手の暖かさを感じながら俺はまた眠りに着いた。
IS学園
アラスカ条約に基づいて日本に設置された、IS操縦者育成用の特殊国立高等学校。操縦者に限らず専門のメカニックなど、ISに関連する人材はほぼこの学園で育成される。また、学園の土地はあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されないという国際規約があり、それゆえに他国のISとの比較や新技術の試験にも適している。そのため俺の
俺とセシリア姉さんがいる1年1組は異様な雰囲気に包まれて居た。それもその筈である。教室にはISを使える二人の男が居るからだ。俺はセシリア姉さんの後ろの席で結構後ろの方だがもう一人の男子、織斑一夏君は最前列の席でクラスの女子全員の視線を受けている。
そんな中ドアを開けて一人の女性が教室へと入ってきた。
「初めまして。今日からここの副担任をする山田麻耶です。これからよろしくお願いします」
そう山田先生は言うが他の人達は知ったことかと言わんばかりに織斑君を見ているため反応が無く薄っすらと涙目になっているように見える。
「あ、あはは……で、では、自己紹介していきましょう……」
そう言って自己紹介が始まるのだった。
ISを動かした事によりIS学園へ入学する事になった俺、織斑一夏。俺は女子の視線に耐えながらここ最近の出来事を思い出していた。
IS学園に入学する事が決まって数日後、俺の元に封筒である物が届いた。
ミッションメモリー
どういう物なのかはまったくわからないが一緒に入っていた手紙には肌身離さず持ち歩けと書いてあった。千冬姉にも話さずいる。
「…君……」
ん?
「織斑君!」
「は、はい!?」
いきなり名前を呼ばれて驚いた。何なんだ一体……?
「あのね、自己紹介しているんだけど、今、織斑君の番なの。だから前で自己紹介してくれるかな?」
「は、はい」
一夏は何も考えずに前へと出た。そんな彼を見つめる女子一同。そんな中窓を見ている同じ男子を見つける。だが助けを求める事を今の状況が認めなかった。
「あー、えっと、織斑一夏です、……以上です!」
それを聞いた女子一同は某番組のようにずっこけていた。セシリアも例外では無く驚いていた。
そんな中マサトは空を見てこう思っていた。
今日は良い天気だ、と。
そんな事を考えている時だった。
何かをぶん殴るような音とゔぇぇ!という呻き声。
いきなりすごい呻き声が聞こえたためマサトは空を見るのをやめて前を向いた。
そこには頭を抑えている一夏と出席簿を持った黒いスーツを着た女性がいた。
「お前はまともな自己紹介もできないのか?」
「ち、千冬姉!? ウソダドンドコドーン!!!!!!」
すぱぁん!
「誰がダディャーナザァーン!!か、馬鹿者」
そう言って千冬は教卓の隣に立ち、声をあげた。
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが私の仕事だ。私の言うことはよく聞き、よく理解しろ。私の仕事は弱冠十五歳、十六歳までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。安心しろ、できないものにはできるまで指導してやる。いいな?」
そんな彼女のセリフに黄色い歓声が上がる。
「きゃー!!本物の千冬様よ!!」
「ずっとファンでした!」
そんなクラスの女子達をマサトとセシリアは冷たい目で見ていた。
「それにしても織斑、自己紹介はもう少しまともにできなかったのか?」
「いや、ダディャーナザァン、あれは……」
「だから、織斑先生だ」
すぱぁん!
またも頭を叩かれ一夏はフラフラしている。そんな一夏に構わず千冬は次の生徒を呼ぶ。
「ついでだ。オルコット弟、すまないが織斑にまともな自己紹介を見せてやってくれ。頼む」
いきなり呼ばれた事にマサトは動揺しながらも返事をして教卓の横に立つ。
「俺の名前はマサト・オルコット。日系イギリス人。ISを使えたのは何年も前からだったが政府が隠していたのだが織斑君が報道されたためここにいる。姉さん、セシリア・オルコット共々よろしく」
そう言って席に戻るマサト。そんな彼にパチパチと皆が拍手をする。
「そうだな……オルコット姉、自己紹介をしてもらおうか」
「わかりましたわ」
そう答えてセシリアは席を立ち教卓の横にやって来る。
「セシリア・オルコット。先ほど弟が言ったようにマサトの姉ですわ。イギリスの代表候補生を務めさせて頂いております。好きなものは家族、嫌いなものは家族に危害を加える方ですわ。弟共々よろしくお願いいたしますわ」
そう言って優雅にお辞儀をしてから席に戻るセシリア。そんな彼女を見て女子達はキャーキャーと話していた。
セシリア・オルコット
弱冠十五歳にして青い彗星という二つ名を持つ彼女。メディアからも注目されており正式に国家代表にもなるのではないかと言われている。そのためクラスの女子生徒にとっては憧れでもあるのだ。
ソワソワとした空気の中、チャイムにより自己紹介は幕を閉じたのだった。
NEXT 913!
「た、助けてくれ〜」
「うわぁ!」
「貴女、何をしたんですの!」
次回、インフィニット・ストラトス・913
2話 トラブル
次回もよろしくお願いしますm(_ _)m