キミガマリア   作:れいんいる

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読むだけじゃ情熱が消化しきれなかったので書いてみました。


本編
001キミガラスボス


 「星野アイです。よろしくお願いします」

 

 ホシノ……アイ!?

 

 その名を聞いた瞬間、はじかれるように横を向き顔をまじまじと見つめる。

 

 アイじゃん! 多分この顔は星野アイだわ。え、ここ、あれ、そうあれ……推しの子だ、推しの子世界なん!? え、まじ。星野アイと同い年とか、いや特に問題はないのか。

 あ、でもこの世界普通に神様いるし、転生もあるし割と厄ネタでは。

 いや、普通に生きる分には特に関係はないか……。

 

 頭の中で埒があかない思考が全力で空転する。

 生まれて初めてではないかと思うほど頭が回るが全く役に立っている気がしない。

 

 

 そう。原作。原作思い出せるか?

 ……うん、良し大丈夫だ。覚えてる。大体。

 

 今、オレたちが中学一年になったところでアイも12歳のはずだ。

 スカウトはもうされてるのか?

 思い出せ。

 

 

 アイは20歳の誕生日ごろ、ドーム当日死ぬ。

 妊娠20週時点で16歳で生んだ時も16、いや、17になってる可能性もあるのか?

 生きてたらさりなちゃんも16歳だろ。

 で、結成から4年で16歳ってことは12歳でデビュー。

 デビューそのものはまだしてないとして、いや、もうしてるのか。わからん。

 スカウトはもうされてるよな。いや、中学生になってからスカウトされたんだったか?

 え、さりなちゃんが死んだ歳も12だから誕生日が来年の3月だったとしてもこの一年の間に歌と踊り覚えてデビューもしてる?

 え、さりなちゃんライブにも行ってたよな。

 たぶん吾郎先生に会ったのもアイを推し始めてからだろ。

 えー、なにそれ時系列きつすぎない?

 どんなタイムスケジュールだよ。

 曲も一気に数曲出してるって感じなのか?

 ルビーもいくつか振り付け覚えてた感じなわけだったしな。

 

 

 いや違う。考えるべきはそこじゃない。

 スカウトされたかされてないかはわからんが、要するにアイの根本を形作った出来事はすでに起こってるわけだ。

 つまり彼女は壱護社長と話したころの状態ってことか。

 ええ……それもう一番下まで落ちて壊れかけの精神をそのまま自力で再構築したあとってことだろ。

 同じ年代に生まれておいてそこら辺のフォローができないオリ主に何の意味が?

 いや、オレは別に転生しただけでオリ主でも何でもないから助ける義務とかはないわけなんだが。

 

 義務。義務なんてそりゃないけどさ。ひどい境遇の人がいてそれを知ってるのに助けないってそれもう生まれた意味なくない?

 ならせめて、せめてあそこで終わりにするのはアウトだろう。

 星野アイを殺されないようにする。

 その努力ぐらいはするべきだ。

 

 「よし、帰ろう」

 

 

 

 「あ、考え事は終わったの?」

 

 反射的に口をついた言葉は割と失礼なものだった。

 

 「ラスボスかよ」

 

 誰もいなくなった教室で星野アイが目の前にいた。

 

 ど う し て???

 

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