少し更新速度落とします。
なぜ人によってはあの高クォリティ、文章量で毎日更新とかできるんだ……
アイのライブは良かった。
語彙力の大幅な低下を感じ取れるくらい良かった。
ライブとか行ったことなかったけどこれはすごいな。
恐ろしいくらいの一体感を感じる。
観客の巻き込み方に壱護社長が「うちのアイはマジモンの嘘つきだぞ」って言ってた頃くらいの魅力を感じる。
比較対象がないからそう感じるだけで実際は原作でもこのレベルだったのかもしれないが。
そもそも技術とかもよくわからんし。
でも、これを見るためだけに生きてるとかいうようなドルオタの気持ちもわかったわ。
あとで、アイのグッズ買って帰ろう。
「ちょっと、いいかな?」
振り向くと金髪サングラスがいた。
あ、壱護社長お疲れ様です。
「はい。あ、どこか移動したほうがいいですか?」
「ん。ああ、そうだな。ついてきてくれ」
この金髪グラサンスーツの人にアイはよくついていったよな。
明らかにやばそう。
ああ、何か起こったら抵抗してやるくらいの気分だったのかも。
個室に入り、座らせられる。
「コーヒーで大丈夫か?」
「はい。大丈夫です」
うーん。見かけに反してまともな大人。
「オレは苺プロの斉藤だ。それで君が、あー」
ああ、そっか。正しいかどうかもわからない素性は口に出せないか。
「あ、はい。星野の友人をやらせてもらっている月野ヒカルといいます。苺プロダクションの斉藤社長ですね」
「お、おお、知ってたのか。アイに聞いたのか? 月野くんは歳は?」
「はい。星野と同じクラスなので12ですね」
「おお、ご両親はずいぶんとしつけに厳しいんだな」
「いえ、そうでもないですよ。割と自由にやらせてくれます。ん、ん、んー、それにしても私が言うのも何なんですけど社長さんも大変ですよね。星野言ったら聞かないでしょう?」
「ああ、わかるか。じゃなくてだな。月野くんには申し訳ないがうちのアイとはもう会わないでほしいと思っている」
ああ、うん。せやね。
「あ、はい。私としても斉藤社長の気持ちはとてもよくわかるのですが、私個人としても困りますし、星野も凄く暴れると思いますよ。そのうえで絶対受け入れないと思うのでその辺はどうか諦めていただければ」
「あー、分かる気はするが、何なんだお前。本当に中一か? いや、クラスメイトっていうなら中一なんだろうが……」
「ああ、はい大人びてるとはよく言われます。いえ、もちろん星野と話すときとかは普通に話してますよ」
完全に大人対応モードで話してるしな。
中学生になったし、このくらいなら誤差の範囲だろう。
大事な話をするわけだし。
「まあ、そうだな。オレもできると思って言ったわけじゃない。これで終われば話が楽だなくらいに思ってただけだ」
「本当に星野がすいません。ご心労はお察ししますがそこも星野の魅力だとは思うので良ければ長い目で見ていただけたら」
「お前はアイの親かなにかか」
マジ顔で突っ込まれた。
「でも、このくらい言っとかないと、これからもずっと苦労されるでしょうし……」
「あぁ、お前さんの目から見てもそう見えるわけな……」
壱護社長は疲れた顔で言葉を吐き出した。
「それで、ですね。私としてもご迷惑をかけるのは本意ではないので、できれば星野や私の方にもどう気を付けたらいいか教えていただけたら。こちらとしても星野には変装するようにとは言っているのですが、やはりプロの方からいろいろ教えてもらった方が正しいかと思いますし」
「いや、お前、本当にただの友達か? 明らかにおかしいだろう」
「はあ、まあ、私と星野はお互いしか友人がいないので幾分ふつうの関係とは違うという自覚はありますが、恋愛感情はありませんよ。星野も同様でしょう」
「お前、それ、絶対後から変わるやつじゃねーか。いや、いい。今わかっただけマシだ。マシだと考えよう」
「変わるかどうかはわかりませんし、そもそも私たちはまだ中学一年生ですのでそこまで心配はしなくても大丈夫ですよ」
アイの爆弾は4年後だしな。
流石にまだ言えないわこんなの。
「ああ、わりぃな。あまりに突っ込みどころが多すぎて抜けてたが、別に普通の口調で良い。つーか、違和感がすげぇんだよお前。オレも砕けた口調だし、お前もそうしろ」
「あーまあそうですね。たぶんこれから長い付き合いになるかと思ってますのでよろしくお願いします」
壱護社長に頭を下げた。
「ああ、んん、どうしようもねぇか……ああ、こっちも頼むわ。お前にはアイのことを聞くこともあるだろ」
「ああ、そうだ。今度時間をあけてもらっていいですか? 今日は時間がないでしょうし、どこかのタイミングで星野のこと話しときたいんですけど」
「ん? いいのか? こっちは助かるが、勝手にそんなことして」
「ええ。星野も斉藤社長になら聞いておいてもらった方が良いと思うでしょう。ただ自分から言いはしないと思うので」
「完全に保護者じゃねーか……」
少し呆れ顔を向けられる。
とはいえ壱護社長にはアイのことは知っておいてもらった方が良い。
「まあ、星野のことは手伝うつもりだったので、このくらい当然ですよ。ああ、携帯持ってるんで良かったら番号交換しときましょう」
「お前その歳で持ってんのか。すげーな」
番号を交換し、次回会うことを決めると帰宅した。
アイの物販には間に合わなかった。
あとでアイに拗ねられた。
壱護社長にも飛び火してないといいのだが。