「あー極楽ー」
アイがソファーに座るオレの太ももの上に頭を預け仰向けになって寝転ぶ。リラックスした顔で力を抜いて体重を預けている。
「んー、少しお疲れかな?」
「うんー、まだちょっと体力が戻ってないかなー」
「あまり無理はしないように」
「楽しいから大丈夫だよ」
「オレたちのためにも体調には気をつけてな」
「ふふ。テルくんありがと」
髪を手櫛で梳いたり、頭をなでながら話しているとアイは寝入ってしまった。
んー、かわいいなぁ。
オレもいるんだからあまり無理はしないでもいいんだけど、特殊な仕事だしな。
?
「ルビー?」
ルビーがベビーベッドの向こうからこちらを見ていた。
ルビーはスッと隠れるように顔を伏せてしまったので、アイにはふともものかわりにクッションを挟みこんでソファーから抜け出る。
ベビーベッドに近づき、そのままルビーを持ち上げ抱きかかえる。
「目が覚めちゃったかな?」
抱きかかえてもオレの胸に顔をくっつけることで顔をこちらに向けてくれなかった。
声も押し殺している。
「大丈夫大丈夫」
体を少し揺らしながら、ルビーの背中をなでる。
「ここはルビーのおうちだよ。だから全部大丈夫」
ルビーの小さい体に力が入った。
「んー、今度子守歌も覚えた方が良いのかな。ああ、でもアイの歌の方が良いかも。でもそれだと目が冴えちゃうかな?」
想像して少し笑ってしまう。
「お父さんもまだまだルビーのお父さんとしては新米だから。ルビーもお父さんと一緒にゆっくり進んでいこうね」
「うぅぅ……」
押し殺していたルビーの声がそのまま泣き声に変わってしまった。
あまり人の心とか想像するの得意じゃないんだよな。ルビーが何で泣いているのかあまりよくわからない。
「大丈夫大丈夫」
抱いたまま背中を人差し指で軽くトントンと一定の間隔で触り続ける。
少しの間泣き続けたルビーはそのまま寝入ってしまった。
「ここには辛いことなんてないから大丈夫だよ。ルビー」
ルビーの頬にキスしてそのまま一緒にソファーに座る。
ルビーの泣き声で起きたのであろうアイはそのまま起き上がりこちらに来る。
「ふふ。かわいいね」
「そうだな。正直オレもいい親をやれるかどうか心配だったんだが……」
「んーん。お父さんがお父さんやれないならどこにもお父さんなんていないよ。きっと」
「アイがそういってくれるなら安心だ」
アイが軽くキスしてくる。
「ふふ。楽しいね」
「ああ。楽しいな」
アイは嬉しそうに微笑んだ。
「もう少しこのままでいよっか」
「ああ、アイはアクアをお願い。起きちゃうかもだけど、仲間外れにするより良いだろ」
「ふふ。そうだね」
アイは微笑むとソファーから立ち上がり、ベビーベッドに向かう。
「ん。起きてたのアクア?」
アイがアクアを抱いて連れてきて、オレの隣にぴったりとくっつき座る。
おたがい寄りかかるようにして、4人で少しの間ソファーで一緒に過ごした。
目を覚ますとパパとママは眠っていた。
アクアと目が合い、少しの間見つめあう。
「ねえ、パパ父性やばない?」
「やばい」
「パパってなっちゃった」
「わかる」
「……普通のお父さんってあんななの?」
「どうなんだろう……僕も知らない」
「パパだから私たちのパパになれたのか、パパを狙い撃ちしたママが凄いのか……」
「ルビーもお母さんだけじゃなくお父さんにも甘えたら喜ぶよ」
「そうかな」
「うん。ちょっと気にしてたみたいだし」
「そうかな」