キミガマリア   作:れいんいる

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本日2話目


004a眠りにつくまで

 いつもと違いどこかふわふわした気持ちで横になった。

 

 何が嬉しかったのか、何が悲しかったのか自分でもよくわからなくなっている。

 どうも私は嘘で自分を隠してきたわけだけど心の中を知られるのが嫌なわけじゃなかったらしい。

 

 私のことを知ってほしい。それで良いって言ってほしい。

 でもそもそも話もしないでそんなこと人にわかるはずがなかった。

 嘘の笑顔を張り付けてクラスメイトと話をしても相手が見るのは嘘の顔。

 なかったはずのことが起きた。

 月野くん。初めての友達。

 

 最後に泣いたのはいつだっけ。

 多分お母さんが迎えに来ないと理解した時だったかな。

 あー久しぶりに泣いた。

 いや、あれは泣いたんじゃなくて泣かされたっていうべきでしょ。

 ふふふふふふふふふ。

 

 夢で見たって言ってたけど、実際はどうだったんだろう。

 思いつくまま私のことを話してたように感じたけど、何を思い出して話していたのか。

 でも、ふつうなら知らないことを知る方法なんてないんだよね。

 ましてそれが現実のことだと思ってなかったとか。

 月野くんは何を見て私のことを知ったのか。

 

 変な人。

 一緒にいると楽な人。

 ああ、あれはたぶんこっちに負荷がかからないようにしてくれていたんだろう。

 変ではあるけど気遣いはできるんだよね。

 本当ならどう考えても近づいたらいけない言動してるはずなんだけど、あっちもそれが分かってて申し訳なさそうにしてる時があるからあまり気にならないんだよね。

 

 なんだか気が抜けてしまった。

 アイドル、アイドルかぁ。

 なってみようと思ったけど、どうしようかなぁ。

 今考えてもあまり意味がないんだけど。

 明日。明日になれば。

 

 そういえば、私のことは知られてるけど、月野くんのことはあんまり知らないなぁ。

 まだ会ってからそんなに経ってないしなぁ。

 明日それも聞いてみようかなぁ。

 なんでも全部教えてくれるって言ってたんだし、私のことをどうして知ってたかもきちんと教えてもらおう。

 

 あー、アイドルになるかどうかの返事もしなきゃだから。

 まだなるかどうか決めてないから施設の人には言ってないし。

 月野くんと話をしてからかなぁ。

 

 あの人いったい何なんだろう。

 人のこと言えないけど月野くんも結構重いよね。

 別に普通は友達ってもっと軽いものだと思うんだけど。

 割とみんなと仲良さそうに見えるんだけどなぁ。

 ちょっと私と考え方が似てる気がするんだよねぇ。

 

 愛。愛かぁ。

 やっぱりよくわからないなぁ。

 スカウトさんの言ってた通り試してみようかと思ったんだけどなぁ。

 でも、月野くんは別にアイドルにならなくても大丈夫って言ってたし。

 明日、明日……。

 

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